診療情報管理
介助量軽減を認めた慢性期脳卒中患者の 1 症例 益子架奈恵(ましこ かなえ) 1) ・岡田恒夫 2) ・中安 健 1) ・大金容子 1) ・
茂木孝代1)
土浦協同病院リハビリテーション部1)・同 リハビリテーション科2) ロボットスーツHAL/脳卒中慢性期/ボツリヌス治療
O-111 急性期病院退院後早期に社会参加が再獲得された症例
松川貴哉(まつかわ たかや)・高坂成弘・堀川真理 海南病院
訪問リハビリ/社会参加/介護予防
O-112 COVID-19職員感染後のリハビリテーション室の対応
について
佐藤陽介(さとう ようすけ)・太附広明・野間靖弘・河端将司・
宮田 徹・井關治和 相模原協同病院
COVID-19/リハビリテーション
〈緒言〉農作業事故を減らすために各種安全対策が行なわれている が,医療従事者の視点から受傷状況を考察した報告は少ない。本研 究の目的は,当院における農業機械関連の手外科外傷を調査し,損 傷内容に関して検討することである。
〈方法〉2015年から 4 年間に農業機械による手外科外傷を受傷した 症例のうち,当院にて手術加療を行なった44例(男28人,女16人,
平均年齢53.7歳(20〜78歳))を対象とした。患者背景・受傷状況・
受傷内容に関して調査を行なった。
〈結果〉雇用形態は自営34人,社員 5 人,パートアルバイト 5 人で あり,畑作32人,畜産 8 人,その他 4 人であった。受傷月は10月が 9 人と最も多く,作業内容は収穫作業が22人であった。作業機械は ハーベスターが13人(ジャガイモ 7 人)と圧倒的多数であった。受 傷内容は手指損傷が40人(切断指が19指)で,血行再建や軟部組織 再建術を要した症例は24例であった。
〈考察〉本調査結果より,収穫に関する農業機械外傷に対する対策 の必要性が示唆された。農業は個人経営で行なわれていることが多 く,損傷の実態を把握することが困難とされている。医療従事者の 観点から農業労災手外科外傷を検討することで,事故に対する実感 を伴ったより効果的な啓発活動につながると考える。
〈はじめに〉高齢者の社会参加に対する支援や介入は介護予防の観 点から重要と言われている。今回,急性期病院退院直後より介入し 短期間で社会参加が再獲得された症例を経験したので報告する。
〈症例〉80代男性,腰部脊柱管狭窄症, 2 型糖尿病,病前は屋外歩 行自立。呼吸苦を自覚し,かかりつけ医を経て肝性胸水により入院 となる。妻と 2 人暮らし,定年退職後は老人会の活動に積極的に参 加し 9 年間会長を務められており,特に同会でのカラオケ活動が楽 しみで参加希望が強くあった。そこで 1 か月で屋内の移動自立, 3 か月で屋外への外出とカラオケ活動の参加を目標として介入を行 なった。
〈結果〉 3 か月目に身体的な機能の改善は十分ではなかったが,カ ラオケ活動への参加は実現できた。
〈考察〉退院後の生活不安定期に適切な介入と社会参加を働きかけ る事でご本人の活力と自信になり,閉じこもりや要介護状態悪化を 予防する事ができた。機能改善よりも社会参加を優先させる形と なったが,今回はそれが良い結果に繋がったと考える。
〈結論〉機能改善だけでなく各々の症例で社会との関わりを働きか けていく必要がある事を改めて感じた。
〈緒言〉当院は第 2 種感染症指定医療機関である。2020年 1 月の本
邦初COVID-19感染者以降,多数の感染者を受け入れてきたが,職
員のCOVID-19感染により業務停止を経験した。その際のリハビリ
テーション(以下リハ)室の対応について報告する。
〈経緯〉職員のCOVID-19感染後,保健所指導のもと,濃厚接触者 等のPCR検査陰性が確認されるまでの 4 日間病院は外来診療停止 となった。その間リハ業務も全面的に停止し,予約調整や業務再開 後を見越した感染予防対策を行なった。当時は国内発生早期の段階 で,職員と患者の健康管理や手指衛生,備品消毒等,接触感染対応 等を主に行なっていた。
〈対応と結果〉約160件の外来リハの予約調整を電話で行ない,感 染への不安を抱く患者家族への説明や,退院後早期の整形受診の調 整等を行なった。リハ室のベッド位置や予約時間のゾーニング,飛 沫感染対策に一層の注意を払った。業務再開後は患者の必要性や既 往歴を加味して稼働数を半数ほどに制御し,段階的に70%ほどまで 増加させた。 3 月のリハ室の収益は前年度比63.2%であった。
〈まとめ〉職員のCOVID-19感染により業務停止を経験した。患者 対応や感染予防対策に苦慮したが,感染拡大することなく業務を再 開することができた。
〈はじめに〉当院の脳MRA撮像において,脳動脈瘤塞栓コイルの 磁化率アーチファクトの影響,サイフォン部の描出不良や偽狭窄と なることがある。それらの改善を行なうために,脳MRAシーケン スの見直しを行なった。
〈方法〉アーチファクトの低減を行なうために,各パラメータを変 更し,脳MRAシーケンスを作成した。通常の脳MRA撮像後に アーチファクトや狭窄,描出不良などがあれば新たに作成した脳
MRA(以下精細脳MRAと呼称する)で該当部分の追加撮像を行
なう事とした。
〈結果〉アーチファクトの影響,描出不良や偽狭窄,また脳動脈瘤 にも精細脳MRAが有効であることが確認できた。しかし,追加で 撮像するかは技師の判断で行なうため,アーチファクトが疑われる 場合でも撮像されていないことがあった。対策として,さらに精細 脳MRAの各パラメータを調整したシーケンスを作成し,撮像オー ダー時に依頼医が通常脳MRAか精細脳MRAのどちらで撮像する かを選択するようにした。
〈結論〉問題となっていたアーチファクトや描出不良などの改善を 行なうことができ,新たな問題点にも対策が行なえた。ただし,分 解能など改善の余地があるため今後も検討していく必要がある。
放射線診断・治療
O-113 当院の前立腺癌に対するIMRTの変遷
高橋健一(たかはし けんいち)・原 美幸・佐藤祐二・田代和広・
鈴木広志・北島 潔 白河厚生総合病院 SpaceOAR/IMRT
O-114 脳MRAシーケンスの改善
坂井大仁(さかい ひろひと)・小西将嗣・高橋健太 知多厚生病院
MRI/脳MRA
O-115 センチネルリンパ 節 シンチグラフィにおけるSPECT
-CT撮影の有用性 牧 美里(まき みさと)・桐村美里 安城更生病院
核医学検査/センチネルリンパ節
救急・災害医療(含む DMAT)
O-116 平成30年西日本豪雨災害によるストーマ造設患者のケ
アに与えた影響の調査
沖田穂志(おきた ほし)1)・小田原めぐみ1)・藤原寿美子1)・田頭貴裕1)・ 高原寛子1)・長岡史恵1)・奥田 浩2)・倉吉 学2)・中原雅浩2)
尾道総合病院看護科1)・同 外科2) 災害/オストメイト
〈はじめに〉2018年に金マーカーの留置による前立腺癌に対する IMRTを開始し,2020年より特定保険医療材料SpaceOARの導入,
さらには中程度寡分割照射も開始した。当院の前立腺癌に対する IMRTの変遷を報告する。
〈方法〉前 立 腺 癌 に 対 するIMRTを 施 行 した 患 者 を 対 象 に,
SpaceOARの有無によるPTVや直腸線量,総MU値及びSegments 数の変化を調べた。次に,中程度寡分割照射の導入が可能か検討し た。
〈結果〉SpaceOAR有りで,直腸の高線量領域を大幅に低減でき,
総MU値及びSegments数も減少した。寡分割照射計画では,直 腸線量は許容を満たし,Segments数は不変で総MU値は増加した。
〈考察〉直腸線量低減や総MU値及びSegments数の減少が図れ た理由として,SpaceOARの留置によりCTVと直腸の近接部がな くなり,計画時の最適化における複雑性が緩和されたためと考え る。PTVマージンの再設定においても直腸の線量制約を満たし,
治療時間の不変が図れたことで寡分割照射の導入が可能となった。
〈結論〉SpaceOARの導入により,直腸線量の大幅な低減が図れ,
PTVマージンの均一化,中程度寡分割照射の導入を実現できた。
〈はじめに〉当院では2019年 8 月末にSPECT-CT装置を導入し,
センチネルリンパ 節 シンチグラフィではプラナー 像 に 加 え,
SPECT-CTによる融合画像を追加した。センチネルリンパ節(以
下SLN)の同定について装置導入前後で比較し,SPECT-CT撮影 の有用性を検討したので報告する。
〈方法〉2018年 4 月 から2020年 3 月 における270症 例 について,
SLNの同定率を算出し比較する。
〈結果〉SLNの同定率は,プラナー像のみでは95%(172/181症 例),プラナー像+SPECT-CT画像では99%(88/89症例)であっ た。後者のうち 6 症例はSPECT-CT画像によりSLNの同定が可 能であった。
〈考察〉プラナー像にSPECT-CT画像を追加するとSLNの同定 率は向上した。SPECT-CT画像により同定できた症例は,RI注射 部位とSLNの位置が重なる症例で,SPECT-CT画像の詳細な断面 像はこれによる重なりが影響しないためと考えられる。また,融合 画像からはSLNの癌からの位置,胸筋との位置関係も得ることが できた。
〈結論〉 センチネルリンパ 節 シンチグラフィにおいて,SPECT-CT画像の追加によりSLNの同定率が向上した。また,融合画像 によりSLNの解剖学的位置を知ることができ,術前情報として有 用である。
〈はじめに〉平成30年西日本豪雨災害では断水,停電,物流停止等 の被害があり,オストメイトのストーマケアに様々な問題が生じ た。災害時のストーマケアの問題点を明確にし,当院のサポート体 制の改善に繋げたい。
〈方法〉当院で人口肛門造設を行ない,被害が大きかった地域に居 住する18名にアンケート調査を行なった。
〈結果〉回収率は50%( 9 名)であった。被害状況は断水が最も多 く 6 名であった。最も困った事は水の確保で,少量の水での装具交 換やビニール袋を用いるなどの便破棄の工夫を行なっていた。災害 時に自治体や医療機関でのサポートを受けた方はおらず,災害を経 験した患者が希望するサポートは相談窓口の開設,装具の提供だっ た。〈考察〉オストメイトは災害時にサポートを希望しているが,災害 拠点病院である当院でのサポート体制が十分でなく,マニュアルの 整備や指導内容の見直しが必要であると考えた。「避難所では装具 交換が困難」という理由で避難しなかった方がおり,避難所を管理 する自治体との情報共有を含めた連携も必要である。