診療情報管理
生連 8 病院リハビリ部会の取り組み
伊藤武久(いとう たけひさ)1)・岩田 聡2)・岩附史明3)・大川あゆみ4)・ 近藤俊貴5)・長谷健司6)・舟橋宏樹7)・松田浩之8)
海南病院1)・江南厚生病院2)・豊田厚生病院3)・知多厚生病院4)・ 渥美病院5)・稲沢厚生病院6)・足助病院7)・安城更生病院8) リハビリテーション/リスクマネジメント/多施設
O-191 ハイリスク薬の注意喚起に関する取り組み
瀧川和希(たきかわ かずき)1)・森下槙子1)・森井涼子1)・藤井友和1)・ 辻 博幸1)・杉本明子2)
渥美病院薬剤部1)・同 医療安全管理部2) ハイリスク薬/医療安全
O-192 インシデント・アクシデントレポート「転倒事象」の
分析
福井夏恵(ふくい なつえ)1)・水野伸一2)
JA静岡厚生連静岡厚生病院医療安全室1)・同 外科2) 転倒対策/ヒューマンエラー/医療安全
〈はじめに〉当院の令和元年度の新規導入数は360件であり延べ964 件の患者がかかりつけ医とがん地域連携パスをおこなっている。が ん地域連携パスは,がん種ごとに担当医が決まっており,担当医の 外来が主で運用している。
〈目的〉かかりつけ医への受診状況を把握することで,患者が 5 年 間がん地域連携パスを継続するために必要な要因を明らかにする。
〈方法〉対象:がん地域連携パスを新規導入した患者と平成27年 4 月から継続中の患者の受診状況の調査。①かかりつけ医からFAX されてくる経過報告書を一覧表にまとめる。②経過報告書に記載さ れた内容を把握する。③それを分析する。
〈結果〉調査の結果,延べ964件のうち, 5 年間継続し終了となっ た数24件。死亡,がんの再発や転移,転居,自己中断など中止となっ た件数37件。併せて61件で離脱率は 6 %であり,94%が継続できて いることが分かった。
〈考察〉元々かかりつけ医からの紹介で手術した患者は,継続しや すく,健診でがんが見つかり手術をしたが元々かかりつけ医を持た ない患者は中断しやすい傾向にあることが分かった。元々持病があ り内服治療をしている人とがんに対する治療薬(ホルモン剤や抗が ん剤など)の内服治療をする人は継続しやすく,内服がない人は中 断しやすい傾向にある。
〈はじめに〉当院では,ハイリスク薬を「誤った投与の仕方をした 場合に,患者の健康状態に対し死亡を含めた深刻な影響をもたらし うる薬剤」と定義している。薬剤部では,薬の投与を行なう看護師 に対し,ハイリスク薬に関する注意喚起を行なってきたので,その 取り組みについて報告する。
〈方法〉看護師がハイリスク薬に関わる色々な場面を想定し,注意 喚起の方法を検討した。
〈結果〉採用薬一覧(冊子およびWeb)にハイリスク薬一覧を追 加した。また,処方箋(内服・外用,注射)の薬品名の前に 危】
を表示させ,救急カートおよび注射カート内にも 危】 の表記を した。〈考察〉各部署に配布してある採用薬一覧の冊子にハイリスク薬一 覧を載せることで(電子カルテの端末でも閲覧可),いつでも,ど こでも,だれでもハイリスク薬を確認することが可能となった。ま た,処方箋の薬品名の前に,危】 と表記したことにより,薬を投 与する際の注意喚起として有効であると考えられた。さらに,救急 カートや注射カート内に 危】 と表記したことで,口頭指示など 処方箋が発行されない場合においても注意喚起ができるものと思わ れた。今後,これらの活動が,どの程度看護師に認知されているか について,アンケート調査を行ない,その結果も合わせて報告する 予定である。
〈諸言〉転倒事象の報告に「対策が確実に実施されなかった」と記 載されることが多いことに着目し,対策が実施されなかった原因を 明らかにし,改善することで転倒率低下に繋げる目的で調査した。
〈方法〉当院で2017年度に報告された転倒の内「転倒防止策が確実 に実施されなかった」と記載された報告書を抽出し,その原因を分 析する。
〈結果〉2017年度の転倒事象報告275件の内「転倒防止策が確実に 実施されていなかった」と記載されたものは32件で,転倒事象報告 総数の11%を占めた。実施されなかった転倒防止策は,「離床セン サー(離床マット,離床センサー)の使用」「ナースコールの手元 への設置」「車椅子ブレーキ」「ベッド柵の 4 点使用」「車椅子乗車 時の安全帯の使用」「上肢抑制帯の使用」だった。このうち,離床 センサーのスイッチの入れ忘れが12件で最も多かった。
〈考察〉当院の2017年度の転倒事象の11%が「転倒防止策が確実に 実施されていなかった」ことに起因すると報告されており,その主 な原因はヒューマンエラーだった。ヒューマンエラーの根絶は不可 能だが,それを自覚して低減に努める必要がある。
〈結論〉ヒューマンエラーの防止策を実施することで転倒事象が減 少する可能性が示唆された。
〈はじめに〉A病棟の先行研究後,内服マニュアルと小児内服薬管 理アセスメント表を作成したが,使用後も家族管理下での誤薬が発 生した。継続研究として再分析を行ない,新たな誤薬発生の要因と 今後の課題が明らかになったため報告する。
〈方法〉期間:2018年 4 月〜2019年 3 月。対象:2018年度に報告さ れた誤薬のインシデントレポート13件。
〈方法〉誤 薬 のインシデントレポート13件 をm-SHELLモデルを 分析する。
〈倫理的配慮〉院内医療安全管理委員会の承認を得た。
〈結果〉13件のうち家族管理下の誤薬は12件92.3%で当事者と当事 者以外の関係者による要因が12件該当。詳細は確認不足と付添者の 理解不足 6 件50%,確認不足と付添者の身体的疲労 4 件33.3%,確 認不足と付添者の精神的負担 2 件16.6%だった。
〈考察〉看護師の確認不足と付添者の理解不足が 6 件という結果か ら,現在の内服管理方法は誤薬が発生する。内服管理の統一に向け た内服マニュアルの改訂が必要と考える。身体的疲労 4 件,精神的 負担 2 件という結果は,ストレス反応により意欲や関心,集中力と いった内服管理に繋がる能力が低下し,誤薬に繋がったと考える。
家族の身体面・精神面をアセスメントできるよう,小児内服薬管理 アセスメント表を改訂することが今後の課題である。
O-193 KYTを用いた転倒転落予防に対する看護師の意識調査
奥田 静(おくた しずか)・高岡理紗・松本華子・鈴木里美・山本順子 JAとりで総合医療センター循環器・血液内科病棟
転倒転落予防/KYT/教育指導
O-194 小児科病棟での誤薬防止に向けて─内服マニュアルと
小児内服薬管理アセスメント表を活用後の評価─
平野春菜(ひらの はるな)・中庭つぐみ・若林陽子・洞毛初美・
木村千代JAとりで総合医療センター小児・小児外科病棟
誤薬防止/内服マニュアル/小児内服薬管理アセスメント表
病院運営・管理/施設管理
O-195 放射線災害時における地域消防署との連携強化の取り
組み報告
小田康之(おだ やすし)・寺澤 実 江南厚生病院放射線技術科
放射線管理/放射線災害/地域消防署との連携
O-196 「ナッジ」を活用した省エネ行動促進効果の実証
伊藤健二(いとう けんじ)
海南病院
ナッジ/省エネ/行動誘発
〈はじめに〉患者の高齢化に伴う転倒転落のリスクを考慮し安全対 策を行なっている。しかし,転倒転落が減少せず,適切なアセスメ ント・対策が行なえているか疑問に思い,聞きとり調査とKYTを 通し,現状と課題が見いだせたため報告する。
〈研究方法〉調査期間:2019年 6 月 1 日〜 9 月30日。対象:A病棟 看護師20名。方法: 1 .経験年数に応じて無作為に聞き取り調査
(新人, 2 〜 3 年目, 4 〜 9 年目,10年目以上)。 2 .病室の環境 イラストを事例にKYT(A:新人,B: 2 年目,C: 3 年目,D:
4 年目,E: 8 〜 9 年目,F:10年目以上)。
〈結果〉 1 .日常業務で,気を付けている点は,年数での観察項目 数に差異は無かった。観察内容は,経験の浅いスタッフはベッド周 囲の環境,10年目以上では患者の病状や生活背景をアセスメントし た項目だった。 2 .認識する危険要因数は,経験年数を追うごとに 認識する危険要因数も増加傾向だが,リーダーを担い始めるD群 では減少していた。
〈考察〉10年目以上では危険予知に対する意識が高く,年数による 意識・アセスメント能力の差があった。リーダーを担うD群の認 識する危険要因数が少なく,十分な指導が行なえず,転倒転落に繋 がるリスクがあると考えられる。転倒転落防止策には,リーダー育 成を含めた指導・教育が今後の課題である。
〈背景・目的〉当院では平成26年度より放射線災害時の放射線管理 区域内での消火・救助活動が円滑にできるよう,地域消防署との連 携の取り組みを行なっている。平成28年 3 月に消防庁特殊災害室よ り出された「医療機関,研究機関その他の放射性同位元素等取扱施 設等における消防活動上の留意事項に関する検討会報告書」で,事 業者と消防機関の役割分担と連携方法を事前に協議をするように記 載されたことも踏まえ,報告する。
〈方法〉放射線安全委員会担当者と消防署職員との定期的な会議を 行ない,放射線災害時の連携方法について情報共有を図った。その 中で,共通マニュアルの作成,放射線に関する講習会の開催や,施 設への災害時の進入経路,通信方法及び放射線管理区域の確認,
サーベイメータの使用訓練など施設を利用した実地活動の実施を行 なった。〈結果〉地域消防署との間で,放射線検査機器や放射線同位元素の 取り扱い方法など,災害時の放射線施設に特有な防災活動の情報共 有ができ,放射線管理区域内の消火・救助活動方法の共通マニュア ルの作成ができた。それにより消防署側との役割分担を明確化する ことができた。作成した共通マニュアルを基に実際にアイソトープ 室にて火災訓練を行なう事により,マニュアルの有効性の確認およ び,災害時の連携方法の確認も行なうことができた。
〈はじめに〉自発的に省エネ行動を促す手法として注目を集める ナッジの活用による省エネ行動の誘発について検証するため,外来 診察室を対象とした照明および空調の使い方に関する省エネ行動の 誘発試験を実施。
〈方法〉本試験では,行動科学の要素を取り入れた省エネ行動誘発 ツールを活用したものであり,以下のとおり実施した。
・外来診察室(19室)および処置室( 2 室)を対象。
・省エネ行動誘発ツールは, 2 月は対象室すべて未設置とし 3 月に は一部の部屋を除き 6 種類を設置。
・在室および不在における照明のON/OFFは人感センサと照度 計で計測。
・空調運転時間については,ビル統合監視盤D-BIPSのログデータ にて把握。
〈結果〉本研究により,以下の結果を得た。 1 .省エネ行動誘発 ツールを設置する事で多くの部屋で不在時の照明点灯時間は減少し た。 2 .最適な省エネ行動誘発ツールを設置する事で,省エネ行動 誘発と実施率を高める可能性がある事を確認できた。
〈結論〉多額の投資や教育を必要とせず,確実に省エネ効果を得る 事ができる省エネ手法といえる。