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第 1 研究の結果

6 第 1 研究 学校評価への CS 分析の適用可能性の検討

6.3 第 1 研究の結果

6.3.1 学校評価アンケートにおける CS 分析の結果

A 高等学校平成 30(2018)年度学校評価アンケートの CS 分析グラフの試作 を図 6.1 に示す。まだ,用語の定義が定まっていないが,議論のため一般的な用 語の定義による CS 分析グラフを示している。また,データを提供した学校が特 定されないよう配慮した関係で,あえて質問番号のみで表示しているが,()なし の同じ質問番号は教職員・生徒・保護者の三者それぞれで同じ内容を問うてい る質問項目であり,()ありの質問番号は教職員・生徒・保護者で独自の内容を問 うている質問項目である。

同じ質問項目でも,回答者集団が異なると CS 分析グラフ上の象限が異なっ ていることも,同じ象限に入っていることもある。この CS分析グラフの意味す るところを把握するために,後の節で用語の定義やグラフの解釈について検討 した結果を 6.4.1 で示す。

31

図 6.1 学校評価アンケートデータによる CS 分析グラフ。A高等学校 平成30

(2018)年度データを使用した場合。

1

2

3

4 5

6

7 8

10 9 11 12

13

14

15 16

17 18

19

21 20

22

23

24 25

26

2.3 2.5 2.7 2.9 3.1 3.3

0.32 0.42 0.52 0.62 0.72

項目平均値

総合満足度との相関係数

H30 A高校 教職員

1 2

3 4

5 7

8

9 10

11

12

13

15 16

1817 19

20 21

22 23 24

25 (1)

2.4 2.6 2.8 3 3.2

0.52 0.57 0.62 0.67 0.72 0.77

項目平均値

総合満足度との相関係数

H30 A高校 生徒

1 3

4

6 7

8 9

10 11

12

14 15 16 18 17

19

21 20

22 23 24

25 26

(1)

2.6 2.8 3 3.2

0.47 0.52 0.57 0.62 0.67 0.72 0.77

項目平均値

H30 A高校 保護者

32

6.3.2 学校評価アンケートにおける回答重要度と解析重要度

B 高等学校においては,質問紙の全ての項目で,満足度だけでなく重要度も 問う形式でアンケートを取っている。つまり,「回答重要度」も問うている。そ こで,B 高等学校の学校評価アンケートにおいて ,回答者に直接重要度を聞い ていた「回答重要度」と個人総合満足度との相関係数による「解析重要度」の散 布図を作成して比較した。結果は以下の図 6.2と表 6.1に示すとおりである。

図 6.2 各項目の回答重要度と解析重要度の散布図 。B高等学校におけ る教職員,生徒,保護者のデータ。

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

2.9 3 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4

解析重要度(相関係数)

回答重要度

B高等学校 教職員

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

2.9 3 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4

解析重要度(相関係数)

回答重要度

B高等学校 生徒

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

2.9 3 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4

解析重要度(相関係数)

回答重要度

B高等学校 保護者

33

表 6.1 B 高等学校における各項目の回答重要度と 解析重要度(総合満足度との相関係数)

回答 重要 度と 解析 重要 度の 相関 係数は 教職 員で-.277,生徒 で.357,保護 者 で.182 であった。

教職員 回答 重要度

解析

重要度 生徒 回答 重要度

解析

重要度 保護者 回答 重要度

解析 重要度

1 3.656 0.792 1 3.612 0.620 問 1 3.723 0.653 2 3.758 0.520 2 3.529 0.713 問 2 3.681 0.634 3 3.303 0.348 3 3.165 0.457 問 3 3.554 0.440 4 2.968 0.658 4 3.218 0.427 問 4 3.101 0.562 5 3.633 0.536 5 3.299 0.740 問 5 3.467 0.683 6 3.710 0.450 6 3.492 0.647 問 6 3.735 0.616 7 3.688 0.708 7 3.520 0.732 問 7 3.763 0.724 8 3.758 0.414 8 3.539 0.672 問 8 3.759 0.771 9 3.194 0.760 9 3.214 0.566 問 9 3.525 0.691 10 3.613 0.596 10 3.441 0.671 問 10 3.590 0.698 11 3.625 0.782 11 3.432 0.587 問 11 3.455 0.574 12 3.515 0.044 12 3.596 0.472 問 12 3.619 0.622 13 3.355 0.647 13 3.379 0.677 問 13 3.351 0.683 14 3.375 0.783 14 3.604 0.670 問 14 3.504 0.720 15 3.379 0.766 15 3.294 0.697 問 15 3.361 0.692 16 3.719 0.532 16 3.607 0.603 問 16 3.842 0.578 17 3.516 0.475 17 3.365 0.674 問 17 3.540 0.680 18 3.200 0.673 18 3.457 0.581 問 18 3.500 0.517 19 3.667 0.675 19 3.508 0.691 問 19 3.616 0.642 20 3.613 0.413 20 3.508 0.708 問 20 3.614 0.630 21 3.690 0.283 21 3.574 0.701 問 21 3.788 0.670 22 3.645 0.317 22 3.437 0.614 問 22 3.739 0.638 相関係数 -0.277 相関係数 0.357 相関係数 0.182

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6.3.3 学校評価アンケートにおける解析重要度

学校評価アンケートにおける CS 分析において,解析重要度が意味している ものを把握するために,平成 30(2018)年度 A高等学校生徒の学校評価アンケ ートデータの CS 分析グラフのうち,各象限の最も典型的な項目(図6.3 の赤色 のプロット)について横軸に個人総合満足度,縦軸に 4 件法の回答をとった散 布図を作成した(図 6.4)。ここで言う各象限の最も典型的な項目とは,第 1 象 限ではその象限の中でも項目平均値と個人総合満足度と各項目の相関係数がと もに高い項目であり,第 2 象限ではその象限の中でも項目平均値が高く個人総 合満足度と各項目の相関係数が低い項目である。また,第 3 象限では項目平均 値と個人総合満足度と各項目の相関係数がともに低い項目であり,第 4 象限で は項目平均値が低く個人総合満足度と各項目の相関係数が高い項目である。

図 6.3 CS 分析グラフのうち各象限の典型的な項目。グラフのデータは平成30

(2018)年度A高等学校生徒のデータ。図中の赤いプロットが各象限の典型項目のプロ ットである。

1 2

3 4

5 7

8

9 10

11

12

13

15 16

18 17 19

20 21

22 23 24

25

(1)

2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3 3.1 3.2

0.52 0.57 0.62 0.67 0.72 0.77

項目平均値

総合満足度との相関係数

H30 A高校 生徒

35

図 6.4 では,4件法のアンケートであるため,プロットは 4列に並んでいる形 だが,相関係数が比較的高い第1象限と第 4 象限の典型項目は個人総合満足度 が高い人ほど「4 当てはまる」を回答する人が多い傾向にあり,個人総合満足度 が低い人ほど「1 当てはまらない」を回答する人が多い傾向にある。そのため,

散布図が平行四辺形のような形になっている。

一方,相関係数が全体から見れば相対的に低 い第2象限と第3象限の典型項 目は個人総合満足度の高低と回答に第 1,第 4 象限ほどの傾向は見られない。そ のため,散布図が長方形や台形のような形になっている。

図 6.4 各象限の典型項目における個人総合満足度と 4 件法の回答の散布図。グラフの データは平成 30(2018)年度A高等学校生徒のデータ。

0 1 2 3 4 5

0 50 100 150

個人総合満足度

第2象限の典型項目 問11

0 1 2 3 4 5

0 50 100 150

総合満足度(総合得点)

第1象限の典型項目 問13

0 1 2 3 4 5

0 50 100 150

総合満足度(総合得点)

第3象限の典型項目 問21

0 1 2 3 4 5

0 50 100 150

総合満足度(総合得点)

第4象限の典型項目 問20

36

6.3.4 CS 分析グラフの象限比較結果

三者それぞれの各項目が4つの象限のうちどの象限に入ったのかを一覧表の 形で表したものが表 6.2 である。A高等学校の平成 30(2018)年度の教職員・

生徒・保護者それぞれの学校評価アンケートデータを CS 分析グラフにしたも のを図 6.1で示した。このグラフだけでは,どの項目がどの象限に入ったかを一 目で比較することが難しいので ,象限比較のための一覧表を作成した。 実際は 全ての項目を含めてこの一覧表を作成するが,データを提供した学校が特定さ れないよう配慮した関係で,抜粋項目で作成した一覧表を掲載した。

三者で異なる象限に入った項目は「授業」,「部活動」,「生徒会活動」,「学校行 事」,「いじめ対策」,「進路指導」,「教育相談」であった。三者で同じ象限に入っ た項目は「生活指導」,「施設設備」,「避難方法」,「安全教育」であった。

特に,異なる象限に入った項目については三者で意識に相違があると考えら れるので,6.4.2 でこの点について考察を加える。

表 6.2 H30 A 高等学校の CS 分析グラフ象限比較結果(抜粋)

略称 教職員 生徒 保護者 授業 3 4 3 生活指導 2 2 2 部活動 4 2 2 生徒会活動 4 2 2 学校行事 1 3 2 いじめ対策 1 4 3 進路指導 4 1 4 教育相談 1 1 4 環境美化 2 4 4 施設設備 3 3 3 朝学習 4 4 4 避難方法 2 2 2 安全教育 1 1 1

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6.3.5 CS 分析の考え方に対する現場の意見

学校評価アンケートの分析に CS分析の考え方を導入することについて,A高 等学校において紹介した際にアンケートを実施し,従来の学校評価アンケート の分析と本研究で提案する CS 分析の手法について意見をもらった。アンケー トの具体は付録 Aに示す。まず,本研究の紹介を聞く前に,「今までの学校評価 アンケートの分析に満足していますか」という質問項目に回答 してもらった。

結果は,図 6.5 のとおりであり,「普通」との回答が最も多く,「あまり満足して いない」や「満足していない」との回答も若干名存在する。付随した自由記述欄 を見てみると普通と答えた人は「学校評価はこんなものだと思っている。」とい う回答もあった。

図 6.5 従前の学校評価アンケートの分析に ついての現場の意見

次に,学校評価アンケートの分析に CS 分析の考え方を導入することについ ての紹介を聞いた後,「今回提案した『CS 分析の考え方に基づいた学校評価ア ンケートの分析』の仕方について,どのように感じましたか」という質問項目に 回答してもらった。結果は,図 6.6のとおりであり,「参考にならない」,「あま り参考にならない」との回答はなく,若干名「普通」との回答があったが,ほと んどの教員が「まぁまぁ参考になる」,「参考になる」との回答であった。自由記 述欄にも「ぜひ使ってみたい」という意見が複数あった。

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図 6.6 CS 分析の考え方に基づいた学校評

価の分析ついての現場の意見