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白金めっき最適条件の取得

ドキュメント内 博士学位論文 (ページ 84-87)

第 4 章 :オプトジェネティクスへの応用

4.4 白金めっき最適条件の取得

精密な細胞電位取得を目的とし、電極パッド上に白金の電解めっきを行う。約 10

V から 100 V の微小な細胞電位の精密な取得には、電極の抵抗値の軽減が必要で ある。そこで、電極には低効率の小さいAuを用いる。しかし、電極と細胞が密着す る界面においては数MΩの界面抵抗が生じる。抵抗値は表面積に反比例するので、電 極の表面積を増加させることで抵抗値の軽減を行う。白金用電解めっき液には、塩化 白金酸六水和物と酢酸鉛(Ⅱ)三水和物が含まれ、めっき時には塩素が気泡となって 発生する。その際の気泡による影響から成膜される白金の表面の粗さは大きくなり、

その表面積は成膜部面積の1000 倍程度となるので、白金を電極パッド上に電解めっ きすることで、細胞との密着面積を増大させることができる。

電解めっきには、白金用電解液 (E260073-A、平沼産業)を用いる。白金を成膜する 時と、界面抵抗を取得する時の実験系をそれぞれ図4-3と図4-4に示す。まず、電解 めっきの最適化の予備実験を行う。電解めっき時には、電解めっき液を温度23 °Cに して行う。また、電解めっきを行う際には攪拌が必要とされるが、今回の電解めっき の析出量は極めて微小であることと、電解めっきの対象となるチップ上には、あらか じめ微細要素が集積されているので、集積された微細要素への影響を考慮し、攪拌は 行わない。

電極のサイズが微小であることから、めっき用電源装置 (YPP-15031、山本鍍金試 験器)で出力することのできる最小値 0.01 mA にて電解めっきを行った。印加される 電荷量から算出される析出量は、100秒間で約1 mである。しかし、約5分間電圧 を加え続けたところ白金の析出は観察されなかった。これは、電源装置で出力可能な 最大電圧が15 Vであるので、端子間の抵抗値が1500 kΩ以上の場合、出力電流が安 定しないことが原因と考えられる。

電流値を1 mA とし、電解めっきを再度行った。その結果、約10 分後に電極表面

への白金の析出がみられた。白金を析出した電極のマイクロスコープ (VHX-1000、

キーエンス)の写真を図4-5(a)に示す。また、走査型電子顕微鏡 (SEM、JCM5700LV、

日本電子)で観察した電極の画像を図 4-5(b)に示す。白金が全電極にめっきされてい る。また、表面に凹凸構造が作製されているので、電極の表面積が増加し、界面抵抗 値が低下していると考えられる。

白金めっきによる界面抵抗値の低減値を測定する目的で、白金めっきを行ったチッ プと、めっきを行っていないチップの電極を用いた場合の抵抗値を計測した。計測実

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験の様子を図4-6に示す。電極サイズが50 μmと微細であり、白金の膜の強度が小さ いので、電極にプローバ等を利用し計測端子を接触させた場合、電極が損傷する可能 性がある。そこで、飽和状態の塩化カリウム水溶液を介して電極の界面抵抗を計測す る。チップ中心のチャンバ部に、塩化カリウム飽和水溶液を滴下する。電極末端と塩 化カリウム飽和溶液に端子を接触させ、電極の抵抗値を計測する。計測した64 個全 ての電極の抵抗値の平均と標準偏差を表4-1に示す。計測結果から、白金めっきによ り電極の抵抗値が一桁近く軽減されている。しかし、白金の析出量に差があることか ら、抵抗値のばらつきは、めっきをしていない電極においてより小さい値となった。

析出量の違いは電極ごとの抵抗値の差により発生していると考えられる。一般的に神 経細胞の電位取得に利用される電極の抵抗値は、ノイズの低減の必要性から、理想的 には2から3 kWであるので、電極長なども含め、抵抗値を低減する設計と作製方法 が必要と考えられる。

図4-3 白金電解めっきの実験系

図4-4 抵抗値計測の実験系

白金

テスター

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(a)マイクロスコープ画像 (b)SEM画像 図4-5 白金成膜電極の画像

(a)白金めっき基板 (b)めっき前の基板 図4-6 電極抵抗値計測実験の様子

表4-1 電極の平均抵抗値と標準偏差 [単位: kΩ]

平均値 標準偏差 最高値 最低値 通常チップ 1176 48.0 1350 1090 白金めっきチップ 221.5 92.5 460 28

50μm

10μm

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