第 皿部で は、 まず第1章 において、生後6ヵ 月時 に見 られた行動特徴が それに続 く生後 1年 目 ・1年 半 目の行動発達 にどのような関連を持つか検討をお こな う。 また、第1部 ・ 第∬部では新生児や乳児の示 す行動特徴が同時期 での養育 者の対児認知 に影響 す ることが 示された。で は、 こうした影響性 はどの程度 の持続性を持 つだろ うか。第 皿部 では、 乳児 期か ら幼児期 に至 るさらに年長 での対児認知 との関連 について検討をお こない、 発達初期
の行動特徴が持 つ対児認知形成へ の予測性 について考察 してい く。
§1・ 研究10行 動初発お よび生後12ヵ 月時 の問題行動 との関連
1.目 的
発 達 初 期 に 見 られ る行 動 特 徴 は子 ど も の そ の 後 の 行 動 発 達 と ど の よ う な 関 連 を 持 つ だ ろ うか。 研 究10で は、 子 ど も の 行 動 発 達 の 指 標 の0つ と して さ ま ざ ま な 行 動 の 初 発 時 期 を 取 りあ げ、 行 動 特 徴 と の 関 連 に つ い て 検 討 す る 。
ま た、 従 来 の子 ど も の気 質 に 関 す る 臨 床 心 理 学 お よ び 医 学 的 研 究 で は 、 問 題 行 動 の 発 生 に発 達 初 期 の 行 動 特 徴 が 関 わ って く る 可 能 性 を 指 摘 して き て い る(Chess,S.,&Thomas,A., 1984な ど)。 そ こ で 、 本 研 究 で も生 後1年 目 の 時 点 で の 問 題 行 動 の有 無 と の 関 連 に つ い て あわ せ て 検 討 す る。
2.方 法
(1)対 象 者
妊 娠 確 認 時 に 川 崎 縦 断 研 究 に 登 録 さ れ た 被 験 者 の う ち 、 生 後6ヵ 月 目 お よ び 生 後12ヵ 月 目 の質 問 紙 調 査 に 応 じ た722名 の 母 親 が 対 象 とな っ た 。 被 験 者 の 属 性 は 、 表3(26ペ ー ジ)の 通 り で あ る。
(2)乳 児 の 行 動 特 徴 の 測 定
生 後6ヵ 月 時 に 日 本 語 版RITE(RevisedInfantTemperamentSuestionnaire)を 郵 送 に よ って 配 布 ・回 収 し た 。 記 入 者 は 母 親 で あ る。 評 定 値 の 因 子 分 析 か ら得 られ た5つ の下 位 尺 度(見 知 らぬ 人 、 場 所 へ の 恐 れ 、 味 覚 的 敏 感 さ、 周 期 の 規 則 性 、 フ ラ ス トレ ー シ ョ ン ・ ト
レラ ンス 、 注 意 の 持 続 性 と 固 執 性)の 得 点 を 乳 児 の 行 動 特 徴 の 指 標 と した 。
(3)行 動 の初 発 時 期
生 後12ヵ 月 時 に 以 下 の よ う な 行 動 の 初 発 時 期 に つ い て 質 問 紙(郵 送 に よ って 配 布 ・回 収 )に よ って 調 査 した:お す わ り ・は い は い ・つ か ま り立 ち ・つ た い 歩 き ・ひ と り歩 き ・模 倣(動 作 ・言 語)・ ハ ン ド リガ ー ド ・有 意 味 語 ・母 親 の 後 追 い ・入 見 知 り
回答 者 は 母 親 で あ り、 教 示 は 以 下 の 通 りで あ る:
『以 下 の よ う な 行 動 が 、 お 子 さ ん に 最 初 に 見 られ た の は お お よ そ い つ 頃 で し た か 。
1.お す わ り()ヶ 月 頃 ・ま だ み られ な い 』
(4)問 題 行 動 の有 無
同 じ く生 後12ヵ 月 時 の 質 問 調 査 で 、 以 下 の よ う な 行 動 が み られ るか ど う か 尋 ね た:偏 食 (好 き嫌 い)・ 指 し ゃ ぶ り ・寝 つ き が 悪 い ・親 の 言 う こ とを き か な い ・友 達 が い な い ・母 親 が い な くな る と泣 き叫 ぶ
回答 者 は母 親 で あ り、 教 示 は 以 下 の 通 り で あ る:
「現 在 、 お 子 さ ん に は以 下 の よ うな こ とが あ り ま す か 。 あれ ば そ の番 号 に○ 印 を つ けて 下 さい 。 い くつ で もあ て は ま る も の す べ て に ○ を お つ け下 さ い。 』
3。 結 果
(1)行 動 の初発時期 と行動特徴 との関連
生後12ヵ月 までの各行動 の出現率 と初発平均月齢、 および初発月齢 の レンジを表36に 示 した。初発月齢について因子分析(主 因子解バ リマ ックス回転)を お こな ったところ、
表37の よ うな3因 子構造が見 い出 された。第1因 子 は運動行動の初発時期間 に相互相関
表3G生 後12ヵ 月 ま で の 行 動 初 発 出 現 率 と 平 均 初 発 刀 齢
(N=722)
行 動 出現率
二r」句)1歯 壽(SD> レ ン ジお す わ り
は い は い
つ か ま り立 ち
つ た い 歩 き
一 人 歩 き
模 倣(動 作 ・言 葉)
ハ ン ド リガ ー ド
有 意 味 語
後 追 い(母 親)
人 見 知 り
%駕0000﹂■■■‑ αんαんOり∠O・1009 %鬼ρUρU
り乙4aUOU 完%7‑1
17000り 駕Wん7σつ◇
凸VlQVOO
6.3ヵrl(1.1)
7.7ヵ 月(1.4)
8.5ヵ1'1(1.4>
9.3ヵ ノ…i(1.3)
10.9ヵ ノ」(1.1)
10.Oヵ ∫1(1.5)
6.8ヵ ノ」(3.1)
10.0ヵ 刀(1.4)
9.2ヵ 月(1.8)
6.9ヵ ∫」(2.1)
3〜11ヵ 刀
4〜12ヵ 月
J〜12ヵ 月
一r.
7〜
5〜
2〜
6〜
4‑一 一
3〜
表37行 動 初 発 月 齢 の 因 子 分 析(主 因 子 解 バ リマ ッ ク ス 回 転) (N=721)
第1因 子:運 動 系 の 発 達
因子負荷量
お す わ り
は い は い
つ か ま り立 ち
っ た い 歩 き
一 人 歩 き
39
f7cg
87
yl
54
第2因 子:認 知 系 の 発 達
模 倣(動 作 ・言葉 〉
ハ ン ド リガ ー ド
有 意 味 語
7U
42
51
第3因 子:情 緒 系 の 発 達
後 追 い(母 親)
人 見 知 り
5∠1
58
説明率
59.3%が あ る こ とを 示 して い る こ と か ら、"運 動 系 の 発 達nと 名 付 け た 。 同 様 に 、 第2因 子 は 模 倣 ・有 意 味 語 な ど お も に 認 知 発 達 を 示 す 行 動 か ら・ ま た 第3因 子 は 母 親 へ の 後 追 い と人 見 知 り と い う情 緒 的 発 達 を 示 す 行 動 の 初 発 時 期 か ら構 成 さ れ て お り 、 そ れ ぞ れ"認 知 系 の 発 達"・"情 緒 系 の 発 達nと 命 名 し た 。
さて 、 これ らの3つ の 行 動 発 達 に つ い て 、 初 発 時 期 を 加 算 し た 合 成 得 点 を 算 出 し行 動 発 達 の指 標 と し た 。 こ の 指 標 で は 、 得 点 が 低 い ほ ど初 発 時 期 が 早 い こ とを 示 す 。3つ の 行 動 発 達 指 標 と行 動 特 徴 と の 相 関 を 求 め た と こ ろ 、 表38の よ う な 結 果 と な った 。 運 動 系 の 発 達 と有 意 な相 関 が み られ た の は"注 意 の 持 続 性 と固 執 性 沁(P〈.01)で あ る が 、 相 関 係 数 の 値 はrニー.14と小 さ く、 関 連 は ご く弱 い も の で あ る。 認 知 系 の 発 達 と の 間 に は5つ の 下 位 尺 度 と も相 関 は み られ な か っ た 。 情 緒 系 の 発 達 で は 、"見 知 ら ぬ 人 ・場 所 へ の 恐 れ"と の 間 に 中程 度 の 相 関 が み られ た(r=.38,pく.01)。
(2)生 後12ヵ 月 時 の 問 題 行 動 の 有 無 と行 動 特 徴 と の 関 迎
各 問 題 行 動 に つ い て 「有 り群 」 と 「無 し群 」 の2群 に 分 け 、 生 後6ヵ 月 時 の 行 動 特 徴 の 5つ の下 位 尺 度 得 点 の 平 均 値 に つ い て 比 較 した 。 両 群 の 平 均 値 の 差 のt検 定 を お こ な っ た と ころ 、 表39の よ う な 結 果 と な っ た 。 「偏 食 」 有 り群 で は 無 し群 に 比 較 して 見 知 ら ぬ も の に 対 す る恐 れ が 強 く、 味 覚 的 に 敏 感 で あ る傾 向 が 見 られ て い る。 さ ら に"フ ラ ス トレ ー シ ョ ン ・ トレ ラ ンス"も 低 く、 集 中 力 に も劣 る と い う よ う に 、 行 動 特 徴 を 表 す5尺 度 中4 尺 度 ま で有 意 な 差 が 見 られ た 。 ま た 、 「寝 つ き の 悪 さ 」 と関 連 して い た の は 、 見 知 らぬ も
のへ の恐 れ ・周 期 の 規 則 性 ・フ ラ ス トレ ー シ ョ ン ・ ト レ ラ ン ス の3尺 度 で あ り 、 有 り群 で は よ り恐 れ が 強 く リ ズ ム が 不 規 則 で フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・ トレ ラ ンス が 低 くな って い る。
「親 の い う こ とを 聞 か な い 」 で は、 有 り群 に較 べて 無 し群 の方 が 睡 眠 ・排 泄 な ど の リズ ム が規 則 的 で フ ラ ス トレ ー シ ョ ン ・ ト レ ラ ン ス も高 い 傾 向 が 見 られ る 。 「指 し ゃ ぶ り」 ・ 「 友達 が い な い 」 ・ 「母 親 が い な くな る と泣 き 叫 ぶ 」 の 各 行 動 で は 、 そ れ ぞ れ 無 し群 に 比 較
して 有 り群 の 方 が フ ラ ス ト レー シ ョ ン ・ トレ ラ ンス が 低 い 傾 向 が 示 さ れ て い る。
表38行 動 発 達(行 動 初 発 の 早 さ)と 気 質 的 特 徴 と の 関 連 (N=G11,PearSOIボSCOI'relatiO11)
気質的特徴 運動系の発達 認知系の発達 情緒系の発達
見 知 らぬ 人 ・場 所 へ の 恐 れ
味覚 的 敏 感 さ
周期の規則性
.12
UO
.00
フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・ ト レ ラ ン ス ー.11
注 意 の 持 続 性 と1占】執'1生 一 .1!い ・斗・
U6
U7
U7
Ucg
.OG
.38**
.05
一 .03
.07
Ul
**:Pく .01
表39生 後12ヵ 月 時 に お け る 問 題 行 動 と6ヵ 月 時 のRUQと の 関 連 1.偏 食(好 き 嫌 い 〉
「あ り 」 」 「な し 」
(Nニ96)(N=525)
一刊五1匂(SD) 」1ゑ1勾(SD) し 値
見 知 ら ぬ 人 ・場 所 へ の21・9(7・7) 恐 れ
昧 覚 的 敏 感 さ21.O(7.4)
あ㌻】妻り1(7)月且疑躍†塩三30。6(G.7)
フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・17.{}(4.6) ト レ ラ ン ス 注 意 の 持 続 性 と 固 執 性20.1(6.1)
20.O(7.8)
18.4(6.9)
32.1(6.4)
18.11(.4.9)
21.7(5.7)
2.05*
2.94**
‑1 .87
‑2 .60*躍 ・
‑2 .19k
2.指 し ・や げ糞 り
「あ り 」 」 (N・128)
「な し 」
(N=493)
∫1え∫匂(SD) 」i五」句(SD) し 値
見 知 ち ぬ 人 ・場 所 へ の2(》.6(8.4) 恐 れ
味 覚 的 敏 感 さ20.0(7.8)
11!Jl(7)月 邑lllj化ヒ31.7(6.2)
フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・17.3(4.7) ト レ ラ ン ス 注 意 の 持 続 性 と 固 執 性21.9(5.7)
20.3(7.G)
18.6(6.9)
31.9(G.5)
18。4(4.8)
21.3(5.8)
U.JJ
1.51
‑U .25
‑2 .14
1.02
*:p〈 .05.**:pく.U1
(表39続 き) 3.寝 つ き が 悪 い
「あ り 」 」 (N=G2)
「な し 」 (N・559)
5F∫匂(SD) 5i£」匂(SD) し 値
見 知 ち ぬ 人 ・場 所 へ の22.6(8.0}
恐 れ 味 覚 的 敏 感 さ20・8(7・8)
1吾llり14)月占lllH生29.9(6.3)
フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・1G.7(5.3) ト レ ラ ン ス 注 意 の 持 続 性 と 固 執 性21.4(G.5)
20.1(7.7)
18.6(6.9)
32.U(G.5}
1B.3(4.B)
21.4(5.7)
2.25
2.19
‑2 .39
‑2 .39
‑(x.03
4.親 のiiう こ と を き か な い iあ り 」 」
(N・72)
「な し 」
(N=550)
」Fj匂(SD) 」1乙」匂(SD) t値
見 知 ら ぬ 人 ・場 所 へ の20,7(8.1) 恐 れ
味 覚 的 敏 感 さ18,8(7,の
周 期 の 規 則 性30.O(6.5)
フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・16.5(4.6) ト レ ラ ン ス 注 意 の 持 続 性 と 固 執 性21.4(6.5)
20.3(7.7)
18.9(7,0)
32.1(G.4)
18.4(4.8)
21.4(5.7)
U.X12
‑0 .11
‑2 .37
‑2 .98**
0.02
*:uく.05,**=P〈.41
俵39続 き) 6.友 達 が い な い
「あ り 」 」 (N・43}
「な し 」 (N=573)
51ん」勾(SD) ;i;匂(SD) 1、 値
見 知 ら ぬ 人 ・場 所 へ の21.9(&2) 恐 れ 味 覚 的 敏 感 さ20.J(7.2)
倒 期 の 規 則 性;3U.1(7,4)
フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・15.7(5.G) ト レ ラ ン ス 注 意 の 持 続 性 と 固 執 性22.8(6.1)
2U.2(7.7)
18.7.(7.O)
31.9(6.n)
18.3(4.7)
21.3(5.8)
1.25
1.40
‑1 .54
‑3 .51**
1.52
7.母 親 が い な く な る と 泣 き 叫 ぶ
「あ り 」 」 (N・124)
「な し 」
(N=488)
1'」勾(SD) 平 均(Sの し 値
見 知 ち ぬ 人 ・場 所 へ の21.5(7.8) 恐 れ 味 覚 的 敏 感 さ20.O(7,5)
∫1瓠其ルク)ノ鈷翼リ雪fヒ30.3(6.3)
フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・17.2(46) ト レ ラ ン ス 注 意 の 持 続 性 と 固 執 性22.1(5.7)
20.d(7.7)
18.7(6.9)
3t9(6.5)
18.4(ノt9)
21.2(5.8)
1.74
1.1G
‑0 .94
‑2 .35
1.46
*:p〈,05,**:p<.01
(表39続 き)
8.い た ず ら
「あ り 」 」 (N=171)
「な し 」 (N・441)
」i五」勾(SD) 」1五」勾(SD} し 値
見 知 ら ぬ 人 ・場 所 へ の20.7(7,7) 恐 れ
味 覚 的 敏 感 さ18.9(6。6}
周 期 の 規 則 性31.2(6.2)
フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・17.1(5.1) ト レ ラ ン ス 注 意 の 持 続 性 と 固 執 性21.5(5.6)
20.2(7.8)
18.8(7.2)
32.1て6.6)
18.G(4,7)
21.4(J.9)
d.G1
0.13
‑1 .34
‑3 .49**
0.17
*:P〈.05,**:P<.01
4.考 察
乳 児 期 に お け る行 動 発 達 と行 動 特 徴 と の 関 連 を 検 討 す る た め に 、 行 動 の 初 発 時 期 に つ い て生 後12ヵ 月 時 に 調 査 を お こ な っ た 。 各 行 動 の 初 発 平 均 刀 齢 の 相 関 関 係 を 見 る た め に 因 子 分 析 法 を 用 い て 分 析 した と こ ろ、 運 動 発 達 系 の 行 動 ・認 知 発 達 系 の 行 動 ・情 緒 発 達 系 の 行 動 と い う3因 子 構 造 が 示 さ れ た 。 これ は、 例 え ば 這 行(運 動 発 達 系)開 始 時 期 が 早 い か ら
とい って 初 語(認 知 発 達 系)が 出 る 時 期 も早 い と は 限 ら な い 、 と い う よ う に 、3つ の 行 動 発 達 系 が 耳 い に 分 化 した も の で あ る こ と を 示 唆 す る 結 果 で あ る 。 こ の3つ の 行 動 発 達 系 の 中 で 、 情 緒 発 達 系 の 行 動 の 初 発 時 期 が 新 奇 な 対 人 場 面 に お け る 行 動 特 徴("見 知 らぬ 人 、 場 所 へ の 恐 れ")と 正 の 相 関 関 係 に あ る こ と が 見 出 さ れ た 。 これ は 、 新 奇 な 対 人 場 面 で の 恐 れ が 強 い 傾 向 を 持 つ 乳 児 ほ ど 人 見 知 り や 母 親 へ の 後 追 い と い っ た 情 緒 発 達 系 の 行 動 の 初 発 時 期 が 早 い こ とを 意 味 す る 。 生 後6ヵ 月 時 に み られ た行 動 特 徴 が そ の後 の 情 緒 的 行 動 の 発 現 時 期 を 予 測 す る 可 能 性 を 示 唆 す る 結 果 で あ る と い え よ う。 ま た 、 運 動 発 達 系 ・認 知 発 達 系 の 発 現 時 期 と行 動 特 徴 が 関 連 を も た な か っ た こ と に 関 して は 、 本 研 究 で 用 い たRITqの 内 容 と な っ て い る情 緒 的 特 性(tt見 知 ら ぬ 人 、 場 所 へ の 恐 れ"・"フ ラ ス ト レー シ ョ ン ・
ト レ ラ ンス 幻)・ 注 意 に 関 す る 特 性(K注 意 の 持 続 性 と固 執 性")・ 感 覚 的 閾 値 に 関 す る 特 性("味 覚 的 敏 感 さ")・ 体 内 リ ズ ム に 関 す る 特 性("周 期 の 規 則 性")と い っ た 行 動 特 性 か ら は
2つ の 系 の 行 動 初 発 時 期 を 予 測 す る こ と は で き な い こ と を 示 唆 す る も の と考 え られ る。
生 後6ヵ 月 時 の 行 動 特 徴 と生 後12ヵ 月 時 に 見 られ た 問 題 行 動 と の 関 連 で は 、 偏 食 や 寝 つ き の 悪 さ な ど の 生 理 的 要 因 も関 与 す る 行 動 に は 、 そ れ ぞ れ 関 係 が 予 想 さ れ るu味 覚 的 敏 感 ボ ・u周 期 の 規 則 性"の 他 に も複 数 の 行 動 特 性 が 関 連 を 持 つ こ と が 示 され た 。 ま た 、 乳 児 の 代 表 的 な 問 題 行 動 の ひ と つ で あ る 指 し ゃ ぶ り に は"フ ラ ス トレ ー シ ョ ン ・ トレ ラ ン ス
"が 関 連 して い た
。 乳 児 の ス ト レス 耐 性 の 低 さ と ス トレス 時 の セ ル フ ・ス ー ジ ン グ(
self‑soothing)行 動 の 一 種 で あ る 指 し ゃぶ り の 習 慣 化 と の 関 係 が うか が わ れ 、 興 味 深 い知 見 で あ る と い え よ う。 親 の 言 う こ と を き か な い 、 友 達 が い な い 、 母 親 が い な くな る と 泣 き 叫 ぶ と い っ た 社 会 性 に 関 す る 問 題 行 動 に は い ず れ も"フ ラス トレ ー シ ョ ン ・ トレ ラ ンス"
の低 さ が 関 連 を 持 って い る 。 ス ト レス 耐 性 が 低 い と対 人 場 面 で も泣 い た り ぐず っ た り と い った ネ ガ テ ィ ブ な 情 緒 表 出 が 比 較 的 頻 繁 に な る こ とが 予 想 さ れ る。 な お 、 「友 達 が い な い
」 に は 、一地 域 的 な 問 題 の た め に 同 年 齢 の 子 ど も(peer)が 近 所 に い な い 、 と い う ケ ー ス も 含 ま れ る と考 え られ る。 従 っ て 、 乳 児 の ス トレ ス耐 性 が 低 い た め にpeerと 一一緒 に 遊 べ な い