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環境方針の決定

ドキュメント内 Microsoft Word EMS i47-48.\.....j+.doc (ページ 36-42)

規格には、何をやらなければならないかは示されていますが、どのように実施すれば良い かは自らの組織が決めなければなりません。つまり、規格の要求事項を満たして、どのよう な仕組みを構築するかを、事業者自らが明確にする必要があるということになります。 

そこで「どのようなことを実現させるのか」、また「その実現に対して ISO を取り入れた仕 組み作りをどのような方向性で構成するか」、という大きな指標を決める必要があります。そ れが「環境方針」となります。 

(1)環境方針の考え方

環境方針は、ISO では トップマネジメントによって正式に表明された、環境パフォーマ ンスに関する組織の全体的な意図及び方向付け (JIS Q 14001:2004)と定義されていますの で、トップマネジメント(経営者)が責任をもって設定する必要があります。 

ISO14001 は、環境に対するマネジメントシステムですから、企業としての展望やトップマ ネジメントの経営理念の中で、「環境」に該当するものを考えます。また、トラック運送事業 者の本業である「運送業務」に係わる環境の保全から、「自社の環境方針」を検討します。 

「本業に係わる環境」は「5.初期環境調査」(38 ページ)の結果で明らかになりますの で、「自社の環境方針」は初期環境調査と併行して検討していくこととなります。 

ここで、環境方針に関する規格の要求事項を見てみましょう。

先にも述べましたように、環境方針は「組織の活動、サービスに対して適切であること」、 つまりトラック運送事業に対してふさわしいものであることを規格は要求しています。また、

決めれば終わりではなく b)継続的な改善、汚染の予防に対する約束、c)法律を守ることに対 する約束、f)組織内および関係する組織の人々への周知、g)一般の人々が入手できることも 求められていますので、これらをどのように実施していくかについても取り決めます。 

4.2  環境方針 

トップマネジメントは、組織の環境方針を定め、環境マネジメントシステムの定められた適用 範囲の中で、環境方針が次の事項を満たすことを確実にすること。       

a)  組織の活動、製品及びサービスの、性質、規模及び環境影響に対して適切である。 

b)  継続的改善及び汚染の予防に関するコミットメントを含む。 

c)  組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項 を順守するコミットメントを含む。 

d)  環境目的及び目標の設定及びレビューのための枠組みを与える。 

e)  文書化され、実行され、維持される。 

f)  組織で働く又は組織のために働くすべての人に周知される。 

g)  一般の人々が入手可能である。

( JISQ14001: 2004 )

トラック運送事業としては11の環境対策からなる「環境基本行動計画」が全日本トラッ ク協会より示されています。この「環境基本行動計画」をベースにした「環境方針」を以下 にサンプルとして添付します。 

 

 

【環境方針】

○○運送株式会社(以下当社)はトラック運送の事業を通して、環境負荷の低減が企業活動に おいて重要な責務であると認識し、以下の通り環境方針を定め、積極的に環境の保全に取組みま す。

1.事業活動、および当社の関連する業務、施設におけるすべての環境影響を確実に把握し、

下記事項について重点的に取組みます。

1)車両運行におけるエコドライブ(リデュース:使用量削減)に努め、CO排出量削減 に寄与します。

2)その他の資源、エネルギーのリデュースに努めます。

3)輸送効率向上のため、実車率および積載率の向上に努めます。

4)廃棄物の減量を図るとともに、分別を徹底し、リユース(再使用)・リサイクル(再資 源化)を推進します。

5)有害排気ガスや黒煙の削減に努め、環境汚染の予防に寄与します。

2.環境関連の法規制、地方条例、業界の行動規範及び地域協定など当社が受入れを決めた規制、

基準を順守します。

3.トラック運送事業活動に対する環境目的・目標を設定し、PDCAサイクルを回し、環境マ ネジメントシステムの継続的改善に取組みます。

4.この環境方針を全従業員に教育、周知徹底するとともに、関係会社に対しても環境啓発活動、

指導を実施します。

5.この環境方針は社外に対しても公表し、宣言します。

平成  X年  X月  X日

○○運送株式会社 代表取締役社長

○○    ○○

  さて、前記の環境方針の規格要求事項には、d)に環境目的、目標の設定に関する記述があ ります。次に環境目的、目標の解説をしましょう。 

(2)環境目的、目標の考え方

規格で環境目的は 組織が達成を目指して自ら設定する、環境方針と整合する全般的な環 境の到達点 、環境目標は 環境目的から導かれ、その目的を達成するために目的に合わせて 設定される詳細なパフォーマンス要求事項で、組織又はその一部に適用されるもの と定義 されています。 

つまり、「環境目的」は「環境のために、何をどこまで変えるのかという中長期計画」であ り、「環境目標」は「環境のために何をどう変えるのかという年度計画」ととらえます。 

環境方針は、トップマネジメントの経営理念や企業としての展望や戦略から決定されます から、組織内のそれぞれの部門や階層(全社、部、課などの単位)で、環境方針と矛盾がな い内容の環境目的、目標を定めます。部門や階層の単位は組織の事情(規模や業態など)で 決めて良いことになっています。

これらを確実に設定し、実施計画をもとに実行することは、規格の要求事項になっていま す。

実施できる場合は とことわりはあるものの、通常は定量化した環境目的、目標を定め ることになります。また、a)および b)に、環境目的、目標は、責任と達成のための手段およ び日程を明示した実施計画を作り、実施、維持することが求められています。

環境目的、目標としてトラック運送事業の場合、本業から導き出されるものとして「使用 燃料の削減」や「廃棄物の削減」などが、また、方針から導き出されるものとして「仕事の 効率アップ」や「3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進」などがあります。

4.3.3 目的、目標及び実施計画 

組織は、組織内の関連する部門及び階層で、文書化された環境目的及び目標を設定し、実施し、

維持すること。 

目的及び目標は、実施できる場合には測定可能であること。そして、汚染の予防、適用可能な法 的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項の順守並びに継続的改善に関するコミットメン トを含めて、環境方針に整合していること。 

その目的及び目標を設定しレビューするにあたって、組織は、法的要求事項及び組織が同意する その他の要求事項並びに著しい環境側面を考慮に入れること。また、技術上の選択肢、財務上、運 用上及び事業上の要求事項、並びに利害関係者の見解も配慮すること。 

組織は、その目的及び目標を達成するための実施計画を策定し、実施し、維持すること。実施計 画は次の事項を含むこと。 

a)  組織の関連する部門及び階層における、目的及び目標を達成するための責任の明示  b)  目的及び目標達成のための手段及び日程

( JISQ14001: 2004 )

トラック運送事業の場合の環境目的、目標の例を以下に示します。 

【環境目的、目標の例

◎:責任者  ○:実行者

環境目的

(達成値) 環境目標 今期目標値

総務課長 営業課長 運行課長 整備課長 一般社員

1 エコドライブの実施  走行燃費 10%向上  ◎ ○ 2 省燃費材料(タイヤ、

オイル)の採用 

12 月までに保有車両の

90%採用  ◎

3 デジタルタコグラフ の採用 

年度末までに保有車両

の 20%装着  ◎

4 点検整備の徹底  運行前点検の実施 100%  ◎ ○ 5 運行経路の見直し  定期路線経路 3%短縮  ◎ ○

6 実車率の向上  75%(+5%)  ◎ ○

車両 運行効率の 向上

(単 位燃料あた りの輸送トン・キロを 現 状 よ り 30% 向 上:5 年後)

7 WebKIT への加入  12 月までに  ◎ 廃棄物の減量化 1 3Rの推進 処理委託量 30%削減(昨

年比)  ◎ ○ ○ ○ ○ ○

環境目的、目標を実際に実行していくのは主にドライバーや一般社員の方々になります。

そこで、定められた環境目的、目標をどのように果たしていくかという個人の目標や考え方 が必要となります。ここに「人づくり」としての教育が大きく関与します。

「車両運行効率の向上」を環境目的とした実施計画の例を次ページに示します。

平成XX年度 環境目的・目標実施計画書

部署名 本社営業所

車両の運行効率の向上 (効率の良い走行を実施し、5年後に単位燃料あたりの

車両走行燃費の向上 目標値 前年同月比:5%

3.51 3.33 3.08 3.69 3.50 3.23 月間 年間(累計) 3.61 3.22 3.43

5%以上 10%以上 2.8% -3.3% 11.4%

0〜4.9% 5〜9.9%

× 0%未満 4.9%以下 推進責任者 エコドライブ教育の実施

座学教育:3回実施

実地教育:1回(トラ協主催)

個別指導(異常時) 0 2名 0

省燃費材料の採用(タイヤ、潤滑油) ▼オイル

品目、予算検討 検討▼ 予算申請▼

デジタルタコグラフの採用 運輸部長 検討▼ 予算申請▼

運行前点検教育

運行前点検の実行

点検記録の確認

個別指導(異常時) 2名 2名 1名

運行課長 0 0 1名

運輸部長 トンキロ管理方法検討

運行経路の見直し 帰り荷確保検討 WebKITへの加入検討

4月30日 5月31日 6月30日

5月1日 6月3日 7月2日

社長コメント 燃費未達原因追求のこ

4 5 6

×

環境目的 環境目標

対策項目(具体的実施内容)

今年度実績(km/l)

向上率(%)

今年度月間目標(km/l)

昨年度実績(km/l)

 月

加入(12月)

完了期日(3月末)

完了期日(3月末)

完了期日(3月末)

その都度 その都度(実施率100%)

その都度

進捗度(10月より毎月)

今年度10台 採用月(6月/11月)

実施率100%(毎月)

実施率100%(毎月)

受講者数3名以上

完了期日(5月末)

受講者数50名(90%)以上

(7月末)

具体的実施次項

全社平均走行燃費

受講者数50名(90%)以上

(7月末)

管理値/目標値

達成度

点検整備の徹底

整備課長 運行課長

社長確認 新人ドライバー教育

5カ年計画の検討

整備課長

運行課長

営業課長

管理責任者確認

29名 53%

16名 82%

29名 53%

16

社長

社長 社長

具体的実施事項

1 回(トラック協会主催) 

ドキュメント内 Microsoft Word EMS i47-48.\.....j+.doc (ページ 36-42)

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