5.不適合への対応
2.OJT教育(全員)
1.システム運用の開始
6.マネジメントレビュー
3.内部監査員の育成
仕組みづくり 人づくり
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1. システム運用の開始
トップマネジメントは、システム運用開始日を定め、この日より ISO が正式に実施される ということを宣言します。そして、開始日以降は、構築された環境マネジメントシステムを 組織の全員が実施します。
ここで規格要求事項「4.1 一般要求事項」を確認しておきましょう。
第2章で環境マネジメントシステムが確立、文書化(Plan)されました。このあとシステ ムが開始され、つまり実施(Do)、点検・維持(Chcek)、そして継続的に改善(Act)される ことになります。
ISO の導入により、従来業務から変更した活動、もともと従来業務にはなく追加された活 動に注意して、構築した仕組みに従った仕事を行い、必要な記録を作成して下さい。
この運用開始日以降が基本的には審査の対象となりますので、仕組みが正式に実施された 証拠としても、記録を確実に残すことが必要です。
(1)運用を始めるにあたっての確認
ここまで、時間と労力をかけて ISO の仕組みを構築し、人材を育成して正式にシステムを スタートすることになりました。
ここで ISO14001:2004 規格の基本的考え方「継続的改善」について考えてみましょう
継続的改善とは「組織の環境方針と整合して全体的な環境パフォーマンスの改善を達成するた めに環境マネジメントシステムを向上させる繰り返しのプロセス」と定義されています。
次の図のように、PDCA のサイクルでイメージしてみましょう。
4.1 一般要求事項
組織は、この規格の要求事項に従って、環境マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施 し、維持し、継続的に改善し、どのようにしてこれらの要求事項を満たすかを決定すること。
組織は、その環境マネジメントシステムの適用範囲を定め、文書化すること。
( JISQ14001: 2004 )
【環境マネジメントシステムの継続的改善の概念図】
このように、組織で設定した環境方針に見合った全体的な環境パフォーマンスの改善を目 的として、環境マネジメントシステムを向上させる活動を、繰り返し実施していくことが「環 境マネジメントシステムの継続的改善」と考えられます。
規格では、「環境パフォーマンス」を「組織の環境側面についてのその組織のマネジメント の測定可能な結果」と定義しています。結果は測定可能であるという定義が示す通り、漠然 とした希望ではなく、事実に基づく的確な活動が必要となります。
加えて、社会や企業の置かれている状況、法律、判断基準などは変化する可能性がありま す。継続的な改善を進めることにより、組織をとりまく環境に対し、常に適切なマネジメン トシステムであることも大切な要件となります。
P:環境方針/計画
D:実施及び運用 A:改善
C:点検
マネジメントレビュー
実行状況の監視、監査
是正処置、予防処置
計画に基づく実行
環境方針の確立 初期環境調査
方針に基づく目的・目標
2. OJT教育(全員)
正式な運用が開始されたとはいえ、まだ仕組みはできたばかりですし、組織への浸透もこ れからといえます。また、構築段階におけるEMS導入教育では足りなかった指導や実際に 運用が始まらなければ行えない訓練などがありますので、これらを「OJT教育」(On the Job Training:職場内訓練)として実施し、必要とされる知識や技能を実務経験や業務遂行を通 じて習得します。
EMS導入教育と同じですが、環境保全の重要な担い手であるドライバーや作業員は、多 くの業務を管理者の目の届かない外部でこなしていますので、教育は計画的に効率良く進め て下さい。
また、基本的には仕組みや手順は守らなければならないのですが、運用してみないとわか らない手順の不備や問題点もあります。ISO に関する取決めは、作りっぱなしにするのでは なく、この時期にできるだけ問題点を収集して、積極的に改善するように心がけましょう。
3. 内部監査員の育成
ISO の仕組みが、成熟して役立つものになるか、形骸化して組織のお荷物になるかを左右 する大きな要因が内部監査及び監査員です。監査員は、環境マネジメントシステムという経 営の仕組みを、トップマネジメントに成り代わって検証し、調べなければなりません。した がって、単純に仕事のあらを探しに行くとか、ミスを詮索しにいくということではなく、経 営的な視点で状況をとらえることができる人材が望まれます。内部監査員の選任や育成もこ れらのことを考慮して進めると良いでしょう。
とはいえ、ISO を始めたばかりの監査では、足りない部分や未熟なところを補修すること に重点を置くことになります。よって、初期の内部監査の場合、監査そのものに教育的な意 味合いを含めて考えても問題ありません。監査員は、自らの監査に対する実践教育の場であ ると同時に、場合によっては、ISO の実施の指導やアドバイスも必要かもしれません。
内部監査員を育成・指導する場合には、規格の以下の部分に注目して下さい。
1)の要求事項のように、監査員は、自社の環境マネジメントシステムが ISO14001 の規格に あっているか、文書化された方針や仕組みに合っているかを監査する必要があります。同時
4.5.5 内部監査(抜粋)
組織は、次の事項を行うために、あらかじめ定められた間隔で環境マネジメントシステムの内部 監査を確実に実施すること。
a) 組織の環境マネジメントシステムについて次の事項を決定する。
1) この規格の要求事項を含めて、組織の環境マネジメントのために計画された取決め事項 に適合しているかどうか。
2) 適切に実施されており、維持されているかどうか。
b) 監査の結果に関する情報を経営層に提供する。
( JISQ14001: 2004 )
いているかも監査しなければなりませんので、全体も見渡すことができるように指導して下 さい。なお、監査については、JIS Q 19011:2003 を指針として活用することができますので、
ISO14001 の規格だけではなく、こちらも参考にして下さい。
(1)外部研修の利用について
ISO を進める上でむずかしいと感じるのは、従来の業務では行っていなかった活動を実施 しなけばならないことです。本業に関わる取決めは、基本的には今までやってきた実務の延 長線上にありますが、支援業務の中にはあまりなじみのない活動が含まれます。その最も代 表的な業務に「内部監査」があります。
よって、組織の内部に経験者がいない場合には、自力で内部監査員を育成する必要があり それなりの労力と時間を費やすと考えて下さい。
効率の良い育成を図る場合は、専門機関の研修を利用します。これら研修や講習は、受講 者の力量により認定書を発行しますので、社内の資格として用いることもできます。
4. 内部監査
内部監査は、環境管理責任者の管理のもとに、以下の規格の要求事項を満たして計画的に 実施します。
最初の内部監査は、運用がある程度進んで記録ができた頃合いに行います。環境上の重要 性を考えながら記録類を調べ、ISO の仕組みを実践することになった従業員やドライバーの 作業状態を観察し、またインタビューをすることにより、決められたことを守って、仕組み がしっかりと運用されているかを監査で確認します。
また、監査の中で問題点が発見されれば、そのプロセスの責任者に監査結果として是正す ることを要求します。この問題点を、要求事項を満たしていないという意味で「不適合」と いいます。
指摘を受けた責任者は、発見された不適合に対して、責任を持って対処しなければなりま せん。なお、この規格に示す「監査プロセスの客観性及び公平性を確保」のため、自分が責 任を持っている仕事については、監査をしないことが望ましいこととなります。
次に、内部監査の流れを簡単に紹介します。
4.5.5 内部監査(続き)
監査プログラムは、当該運用の環境上の重要性及び前回までの監査の結果を考慮に入れて、組織 によって計画され、策定され、実施され、維持されること。
次の事項に対処する監査手順を確立し、実施し、維持すること。
― 監査の計画及び実施、結果の報告、並びにこれに伴う記録の保持に関する責任及び要求事項
― 監査基準、適用範囲、頻度及び方法の決定
監査員の選定及び監査の実施においては、監査プロセスの客観性及び公平性を確保すること。
( JISQ14001:2004)