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独立な多面体のジョイン

ドキュメント内 PL トポロジー PDF(12ポイント版) (ページ 48-52)

A, B Rnが独立であるとは、A∩B =であって、条件

a, a ∈A, b, b ∈B, (ab)˚(ab̸= = a =a, b=b

を満たすことをいうのであった(§1.1)。とくに、A={a}の場合、A, Bが独立であるこ とは、aBが錐であることにほかならない。

以下では、A, B Rn が独立であるときに、強調の意味で、ジョインAB のことを A ⋆ Bと書くことがある。

補題 3.16. σ, τ が単体ρ⊂Rnの面であるとき、σ∩τ =ならば、σ, τ は独立である。

証明. p= dimσ, q= dimτ とするとき、pqである場合に限って示せばよい。さらに これをpに関する帰納法で示す。p=1のときは明らかであるから、p≧0としよう。σ の頂点vを一つ選び、σ = σ/vとすると、στ は錐v(στ)なので、{v}, στ は独立であ る。また、帰納法の仮定より、σ, τ も独立である。よって、補題1.21により、σ = , τ も独立である。

上の補題の逆として、次も成り立つ。

補題 3.17. σ, τ Rnが二つの独立な単体であるとき、σ ⋆ τ は単体であり、その頂点全 体の集合はV(σ ⋆ τ) =V(σ)∪V(τ)で与えられる。

証明. p= dimσ, q = dimτ とする。p+qに関する帰納法によって示そう。p+q =2 のとき、すなわち σ = τ = であるときは明らかである。そこで、p+ q1 する。このとき、σ, τ の少なくとも一方は空でない。たとえば、σ ̸= であるとし、

v σ の頂点の一つとする。σ = σ/v とおく。このとき、σ, τ は独立だから、帰納 法の仮定から、στ = σ ⋆ τ は単体で、V ⋆ τ) = V) V(τ) である。一方、σ は錐 なので、{v}, σ は独立である。また、σ = , τ は仮定により独立である。

よって、補題1.21 により、{v}, στ は独立であるから、σ ⋆ τ v を頂点として単体 σ ⋆ τ を底とする錐である。よって、命題 2.2(2)により、στ = σ ⋆ τ は単体であり、

V(σ ⋆ τ) ={v} ∪V⋆ τ) ={v} ∪V)∪V(τ) =V(σ)∪V(τ)である。

K, L がRn 内の単体複体であるとき、K, L が独立 (independent) であることを、

|K|,|L| ⊂Rn が独立であることとして定義する。

有限単体複体K, Lが独立であるとき、K, Lの単体ジョイン(simplicial join) KLKL={σ ⋆ τ|σ ∈K, τ ∈L}

によって定義する。補題3.17により、これはRn内の単体からなる集合である。さらに、

注意1.20(3) により、任意のσ, σ ∈K, τ, τ ∈L に対して、

(σ ⋆ τ)⋆ τ) = (σ∩σ)∩τ)

である。このことから、KLは有限単体複体となることが分かる。σ∅ =σ, ∅τ = τ であ ることからK, LはそれぞれKLの部分複体となっていることに注意する。

注意 3.18. K, Lに有限性を仮定しない場合、上のようにKLを定義しても一般には局所

有限性の条件が成り立たず、単体複体とならない。

§3.2の最初に見たように、単体複体K の頂点vに対して、スターst(v, K)はリンクの 錐としてst(v, K) =vlk(v, K)と表されるのだった。これを一般化して、次が成り立つ。

命題 3.19. K を単体複体、σ ∈K とするとき、σ,|lk(σ, K)| は独立であって、

st(σ, K) =K(σ) lk(σ, K), |st(σ, K)|=σ ⋆|lk(σ, K)| となる。ここで、K(σ)はσ の面全体のなす単体複体である。

証明. 注意1.20(4)を用いて、σ|lk(σ, K)|の独立性を示そう。各τ lk(σ, K)に対し て、στ はあるK の共通の単体の面であり、σ∩τ =であるから、補題3.16により、

σ, τ は独立である。また、τ1, τ2 lk(σ, K)とすると、補題3.17と補題2.36(1)により、

V((σ ⋆ τ1)(σ ⋆ τ2)) =V(σ ⋆ τ1)∩V(σ ⋆ τ2)

= (V(σ)∪V1))(V(σ)∪V2))

=V(σ)(V(τ1)∩V2))

=V(σ)∪V1∩τ2)

=V(σ ⋆(τ1∩τ2))

である。よって、(σ ⋆ τ1)(σ ⋆ τ2) =σ ⋆1∩τ2)である。以上から、注意1.20(4)によ り、σ, |lk(σ, K)|は独立である。残る二つの式は、定義からすぐに示される。

P, Q Rn を独立なコンパクト多面体とする。このとき、P = |K|, Q =|L|と三角形 分割すると、K, Lは有限単体複体であるから(注意2.34)、KLが定義され、P ⋆ Q=|KL| となるから、ジョインP ⋆ Qは多面体である。

次に、P, Q⊂RmおよびP, Q Rn がそれぞれ独立なコンパクト多面体であるとし、

PL写像f: P →P, g: Q→Q が与えられたとする。このとき、fgのジョインと呼 ばれる写像f ⋆ g: P ⋆ Q→P⋆ Q を、f ⋆ g|P =f, f ⋆ g|Q =gおよび

f ⋆ g((1−t)x+ty) = (1−t)f(x) +tg(y) (x ∈P, y∈Q, t∈I) によって定義する。

命題 3.20. P, Q Rm およびP, Q Rn をそれぞれ独立なコンパクト多面体とし、

f:P →P, g:Q →QをPL写像とする。このとき、ジョインf ⋆ g: P ⋆ Q→P⋆ Q はPL写像である。

証明. 定理2.61 により、P = |K|, P = |K|, Q = |L|, Q = |L|と三角形分割して、

f: K K, g: L L がそれぞれ単体写像となるようにできる。いまKL, KLP ⋆ Q, P⋆ Qの三角形分割となるが、このときf ⋆ g: KL→KLが単体写像であるこ とを示せばよい。

主張. 任意のσ ∈K, τ ∈Lに対して、(f ⋆ g)|σ⋆τ はアフィン写像である。

主張の証明. φ: σ ⋆ τ Rn を、v V(σ) のとき φ(v) = f(v), w V(τ) のとき

φ(w) = g(w) という条件によって定まるただ一つのアフィン写像とする。すると、

f =f ⋆ g|σφ|σ はともにアフィン写像でV(σ)上で値が一致するから、φ|σ =fである。

同様に、φ|τ =gである。さらに、φがアフィン写像であることから、x∈σ, y ∈τ, t∈I に対してφ((1−t)x+ty) = (1−t)φ(x)+tφ(y) = (1−t)f(x)+tg(y) =f ⋆g((1−t)x+ty) である。以上から、f ⋆ g =φとなるので、f ⋆ gはアフィン写像である。

任意のσ ∈K, τ ∈Lに対して、f, g が単体写像であることからf(σ) ∈K, g(τ)∈L であり、定義からf ⋆ g(σ ⋆ τ) =f(σ)⋆ g(τ)∈KLである。よって、上の主張と合わせ てf ⋆ g: KL→KL が単体写像であることが示された。

PL写像のジョインについては、関手性idid = id, (f ⋆ g)(f⋆ g) = (f◦f)(g◦g) が成り立つ。したがって、次が得られる。

3.21. 命題3.20のようなP, P, Q, QとPL同相写像 f: P →P, g: Q→Qに対し て、f ⋆ g: P ⋆ Q→P⋆ QはPL同相写像となる。とくに、P ⋆ QのPL同相型はP, Q のPL同相型から決まる。

注意 3.22. 一般に、コンパクト多面体P, Qは共通のEuclid空間に含まれているとも限 らないし、独立であるとも限らない。このようなP, Qに対してP ⋆ Qを構成する方法を 考えよう。

まず、十分大きな次元のEuclid空間内にP, QとそれぞれPL同相なコピーP0, Q0 を 作り、P0, Q0 が独立であるようにできる。実際、P Rm, Q Rnをコンパクト多面体 とするとき、Rm×Rn×R=Rm+n+1の部分集合

P0 =P × {0} × {0}, Q0 ={0} ×Q× {1}

はそれぞれP, QとPL同相な多面体である。さらに、例1.19(2) により、P0, Q0 は独立 であるので、ジョインP0 ⋆ Q0 が得られる。このときP, Qをそれぞれ P0, Q0 と同一視 することで、P0 ⋆ Q0 のことをP ⋆ Qと書くことがある。これを P, Qの外部ジョイン (external join)という。

命題 3.23. Bn, SnをそれぞれPL n球体、PL n球面とするとき、次のPL同相が存在 する。ただし、以下ではp, q≧0とする。

(1) (Bp⋆ Bq,(∂Bp)⋆ Bq∪Bp(∂Bq))= (Bp+q+1, ∂Bp+q+1) (2) (Bp⋆ Sq,(∂Bp)⋆ Sq)= (Bp+q+1, ∂Bp+q+1)

(3) Sp⋆ Sq =Sp+q+1

証明. それぞれ、特別な一つの場合に証明すれば十分である。(1)については、Bp, Bq として独立な単体を取れば、補題3.17 から分かる。(2)については、Rp ×Rq+1 の部分 集合として、Bp = [1,1]p × {0}Sq ={0} ×∂[−1,1]q+1 を考える。[1,1]q+1 が錐 0∂[1,1]q+1 となることを用いると、Bp, Sq Rp×Rq+1 は独立であることがすぐに確 かめられる。さらに、このときジョインBp ⋆ Sq

Bp⋆ Sq ={(x, y)Rp×Rq+1| ∥x∥+∥y∥≦1}

と表すことができる。よって、Bp⋆ Sqは胞体である。よって、定理3.11により、Bp⋆ Sq はPL (p+q+ 1)球体である。これで、(2)のうち「Bp⋆ Sq =Bp+q+1」の部分が確かめ られた。さらに、定理3.11により、さきほどのBp⋆ Sqの境界として得られるPL (p+q) 球面∂(Bp ⋆ Sq)は胞体としてのBp⋆ Sq の境界に等しく、

∂(Bp⋆ Sq) = FrRp×Rq+1(Bp⋆ Sq)

={(x, y)Rp ×Rq+1| ∥x∥+∥y∥= 1}

=∂Bp⋆ Sq

である。これで、(2)の残る部分とともに、(3)も確かめられた。

ドキュメント内 PL トポロジー PDF(12ポイント版) (ページ 48-52)

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