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漫画の実例データ

ドキュメント内 博士学位論文(東京外国語大学) (ページ 197-200)

第 6 章 個別用法

6.1. データごとの個別用法

6.1.3. 漫画の実例データ

漫画の実例データに基づいてラレル形とラ抜き形それぞれ構文中の位置に関する調

査結果を5.3.1節の表5-4に示している。

本節では、表 5-4 に参照しながら文中用法のうち、名詞後続用法、テ用法、シ用法、

下接形式なし、ノダ用法、ヨ用法、カモシレナイ用法の7つの場合について、形態、意 味、評価的表現との共起関係の有無の諸観点から総合的に検討していく。

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ⅰ)名詞を修飾する場合

ノ以外の名詞類が修飾を受ける場合の総用例のうち、ラレル形は40 でラレル形総用

例数中10.5%である。それに対し、ラ抜き形は16例でラ抜き形総用例数中7.1%である。

ラレル形はラ抜き形より名詞後続用法で多く用いられているということになる。

次にラレル形とラ抜き形の名詞後続用法の用例について、それぞれの形態(肯定か否 定か)、意味(可能か意図成就か)、評価的表現との共起関係の有無、の3つの項目にお ける出現率を表6-27に示す。

6-27 名詞後続用法

ラレル形 評価的表現が後続 ラ抜き形 評価的表現が後続

可能 肯定 18(4.7) 0 (0.0) 10(4.4) 0 (0.0) 否定 21(5.5) 0 (0.0) 6(2.6) 0 (0.0) 意図成就 肯定 1(0.3) 0 (0.0) 0(0.0) 0 (0.0)

表 6-27 に見られるように、ラレル形は可能用法肯定形より可能用法否定形で現れる 用例が多く総用例数中 5.5%である。可能用法否定形に次いで可能用法肯定形が多い。

ラレル形の意図成就用法の用例は1例しか現れなかった。それに対して、ラ抜き形は可 能用法肯定形の用例は10例でラ抜き形総用例数中4.4%であり、可能用法否定形は6例 でラ抜き形総用例数中 2.6%である。ラ抜き形は可能用法否定形より肯定形の出現率が 高い。ただし、ラ抜き形の意図成就用法は1例も現れなかった。ラレル形・ラ抜き形の いずれも評価的表現が後続する例が観察されなかった。具体例として、例(231)~(235) に示す。

(231)「さあ 何するのかな?」「さあ食べられるものなら食べてみろ」「とてもムリ だ!」(こちら136)

(232)「日本の料理か……ソウだな…かつ丼はブタを使うし……寿司……生魚は食べら れない人もいるか……」(MON15)

(233)「メイ様の執事でいられたこの数日は自分でも呆れるほど楽しゅうございまし た」(メイ19)

(234)「スゴイ 近いな 飛行機を腹から見れる機会なんてめったにないよな」(ハ3)

(235)「“農”は先に希望を託すモノだからね 先を見ない…見れない者にとっては意

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味を感じないのかも 未遂者にとっては“今”だけだから」(自殺4)

例(231)~(233)はいずれもラレル形が使用されている用例で、例(234)~(235) はいずれもラ抜き形が使用されている用例である。例(231)は<「食べられる」(可能 用法肯定形)+「もの」(名詞)>という構成になっている。例(232)は<「食べられ ない」(可能用法否定形)+「人」(名詞)>という構成である。例(233)は<「(メイ 様の執事で)いられた」(意図成就用法)+「この数日」(名詞)>という構成になって いる。例(234)は<「見れる」(可能用法肯定形)+「機会」(名詞)>という構成で ある。例(235)は<「見れない」(可能用法否定形)+「者」(名詞)>という構成に なっている。

ⅱ)テ形の場合

テ形が後続する場合の総用例のうち、ラレル形は15例でラレル形総用例数中3.9%で ある。それに対して、ラ抜き形は18例でラ抜き形総用例数中7.9%である。従って、ラ 抜き形はラレル形よりテ形で用いられる割合が高い。また、文中用法の連用用法の中で ラ抜き形のテ形の出現率が最も高い。

次にテ用法のラレル形とラ抜き形の用例について、それぞれの形態(肯定か否定か)、

意味(可能か意図成就か)、評価的表現との共起関係の有無、の 3つの項目における出 現率を表6-28に示す。

6-28 テ用法

ラレル形 評価的表現が後続 ラ抜き形 評価的表現が後続

可能 肯定 1(0.3) 1(0.3) 1(0.4) 0 (0.0) 否定 10(2.6) 1(0.3) 9(4.0) 4(1.8) 意図成就 肯定 4(1.1) 2(0.5) 8(3.5) 8(3.5)

テ用法においては、ラレル形・ラ抜き形のいずれも可能用法否定形で多く用いられる 傾向が見られた。それぞれの比率を比べると、ラレル形は10 例でラレル形総用例数中 2.6%であるのに対し、ラ抜き形は9 例でラ抜き形総用例数中4.0%であり、ラレル形よ りラ抜き形のほうが可能用法否定形で多く用いられている。ラレル形・ラ抜き形のいず れも可能用法否定形に次いでは、意図成就用法が多い。ラ抜き形の意図成就用法の用例 は8 例でラ抜き形総用例数中 3.5%で、ラレル形の意図成就用法の用例は 4例でラレル 形総用例数中 1.1%である。従って、ラレル形よりラ抜き形のほうがテ形で意図成就用 法において多く用いられる傾向がある。ラレル形・ラ抜き形の可能用法肯定形の用例が それぞれ1例のみで少なかった。評価的表現については、名詞後続用法と違って、テ用 法では、可能用法肯定形・否定形、意図成就用法のいずれに評価的表現が後続する例が

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