調査 区の南西部、
BO〜
BR49〜52区 に位置す る。検 出面 は 〈8層〉 にあた り、標 高 は西倶1で約lm、 南側 で約 0.9mと なる。溝4に並行 し、調査 区南西 の高 ま り縁辺部 に掘削 されている。切 り合 い関係 か ら溝4に後続 す る。溝 の平面的位置 と形状 は溝4と大過 な く、南東か ら北西方向に延 び、51ラ イ ンの西約
2mで
大 き く屈 曲 して北 東 か ら南西方 向に掘削 され る。幅 は西側 で0.49m、 南側 での残存値0.55mと なる。底面 の標高 は西側 で0.58m、 南 側 で0.46mであ る。検 出面か らの深 さは西側 で0.42m、 南側0.44mである。底面標高の高低差か ら、西か ら南 に流 れていた と推測 される。断面形 はボウル状 を呈す る。埋土 には顕著 な包含物 は認め られない。溝
4の
埋没後 もほぼ同 じ流路 を踏襲 して再掘削 されてお り、 この段 階の基幹的な水路であった可能性がある。遺物 は出土 していない。遺構 の時期 は、検 出面か ら弥生時代後期 に属す ると考 え られる。
溝
6(図
24、 図版1)調査 区の東半部、BL〜BR46・ 47区 に位置す る。〈8層〉上面 で検 出 した。南側 では古墳 時代初頭 に掘削 された 溝 7・
8が
重複 して掘削 されてお り、溝 の上半部が失 われている。検 出面の標高は北側では標高0.82m、 南側 では標高0.75mであ る。
ほぼ南北方 向に掘削 された溝 の平面形態 は、緩やか に湾 曲 しなが ら蛇行 している。長 さは南北約30.7m、 幅 は 北側 で0。45m、 南側 で0.89mであ る。断面形 は逆台形 を呈す るが、北側 の
a断
面 で は急峻 に立 ち上が るの に対 し、南側 の
b断
面 で は立 ち上が りの角度が緩 くな り、溝幅が広が っている。底面の標高は北倶1で 0.69m、 南側 で0.81m であ る。 したが って溝6は
南 か ら北 に向か って流 れていた と考 え られる。 なお、検 出面か らの深 さは北倶1で0.27 m、 南側 で0.08mであ るが、南側 は古墳 時代初頭 の溝 が重複 して掘削 され るため、検 出面か らの深 さは小 さ くな っている。埋土 はa断
面 で4層
、b断
面 で2層に分層 した。 いずれ も砂 質土が主体 をなす。遺物 は弥生時代 中期 の高杯脚部片1点、後期後葉 の甕1点が 出土 した。甕 は溝 の底面 に倒 れ こんだ状態で出土 してい る。遺構 の時期 は、検 出面、 出土遺物か ら判断す ると弥生時代後期後葉の遺構 と判断される。なお、調査 区東半部では、溝6の掘 削以降古墳 時代初頭 まで、 ほぼ同 じ場所 において方向を同 じくした溝 7・
8が
掘削 され てい る。弥生時代後期後葉以降、 この流路が基幹的な水路 として利用 された ものであ り、 この段階か ら古墳時代 初頭 まで引 き継がれ る土地利用 の変化 があった もの と評価 される。 (野崎貴博)b一一 12mb
a断
面1.灰褐 色砂 質土 (黄灰 色 土 プ ロ ック)
2.灰色 砂 質土
3 濃灰 色砂 質土
4.黄灰 色砂 質土
b断
面1 淡黒灰色 粘 質土
2.灰色砂 質土
溝 6・ 出土遺物
形態 。手 法 の特徴 ほか
Ⅷ
=1/4)図24
古墳 時代 の遺構 。遺物
第 4節 古墳時代の遺構・遺物
古墳時代初頭
概要 (図
25・ 26)古
墳時代初頭の遺構 は 〈6層〉で検出した。〈6層〉段階において も弥生時代以来の地形の影 響 は引 き続 き認め られてお り、BNラ
イン以北の調査区北側、BP〜BQラ
イン以南の調査区南側、46〜 47ライ ン間 の調査区東側の地形が高 く、調査区中央部や南束の一部は窪地状の地形 となっている。特 に調査区中央部の窪地 は東西約22m、 南北約6〜 7m、 深 さ約0.2mの 規模 をもつ。〈6層
)で
検出した遺構 には、井戸2基
、土坑1基、溝7条
、土器溜 まり3箇
所があ り、上記のような地形環 境のなかで形成 された遺構 である。 これ らの遺構 のうち、溝 は調査区北半のBMラ
イン以北 。調査区東半の47ラ152 151 150 149 148 14フ 146
ヽ
BL
BO
BP
BCl
│ │ │
0 10m 図
25
古墳 時代 遺構全体 図―‑ 37 ‑―
6=1/25ω
l
図26 古墳時代遺構全景
イン以東に掘削 されてお り、比較的地形の高い位置に構築が集中する傾向にある。特に東半の南北溝は弥生時代 後期後葉か らの水路の位置をほぼ踏襲 して掘削 されてお り、基幹水路 としての役割を有 していた可能性が考えら れる。 また、調査区北半の溝群は 〈9層〉段階に掘削 された溝群の方向にほぼ合致 している。弥生時代後期の段 階にはいったん断絶 したものの、古墳時代初頭には再び水路 として整備されている。その一方で、弥生時代後期 に調査区南西部で認め られた溝群はこの段階には引 き継がれない。なお、
(6層
〉で検出 した溝群は、東西方向の 溝では西か ら東へ、南北方向の溝では南か ら北へ流れている。調査区中央西半 。南東 。南佃1で検出 した
3箇
所の土器溜 まりは窪地状に落ち込む低位部を中心に形成 されてい た。特 に調査区中央の土器溜 まり1は 大規模なもので、多量の土器が集積 されてお り、土錘や石錘などの漁掛具 や製塩土器 といった海浜部で使用 される道具 も含 まれている。また、一定量の被熱礫が採取されている。2基
の井戸はいずれ も土器溜 まりに近接 した位置につ くられているが、井戸の検出面が土器溜まりの土器群を 包含するものであるため、土器溜まり形成後、一定の堆積が進行する期間を経た後に構築された遺構 と考えられ る。 したがって、両者に直接的な相関関係は求めることはできない。また、本調査区内では当該期の竪穴住居や 掘立柱建物などの居住にかかわる遺構は確認 されてお らず、居住域からは離れた位置に掘削された井戸であると いう立地上の特徴 を有する。なお、2基
の井戸の下位や中位には完形の土器がおさめられた り、炭化物を多 く含 む層がみ られた りしてお り、廃棄時には複数回にわたる祭祀的行為を伴っていたことが想定される。このように本調査区をみると、
2基
の井戸や3箇
所の土器溜 まりを除けば、土坑1基・溝7条
が検出されたの みであ り、これは集落外縁の一般的な土地利用のあ り方を示 しているといえよう。本調査区は当該期の集落が展 開する第1次調査地点か ら南西に約100m、 第7次
調査地点か ら北東に約50m離
れた位置にあたる。そのような中 で、低位部に形成 される大規模な土器溜まりや、祭祀的行為の痕跡をのこす井戸の構築は、居住域以外での多様 な人間活動 を示す もの といえる。一 一 ■ 轟 幾
古墳時代の遺構・遺物
a。
井 戸井戸
1(図
27・ 28、 図版 1)調査区中央、
BN48区
で検出 した。〈6層〉上面で検出してお り、検出面の標高は1.lmで ある。上面の平面形は、隅丸方形 を呈 し、南北1.92m、 東西1.74mの 規模 を有する。底面の形状は方形 を呈する。底面 の規模は南北0.48m、 東西0.42mで ある。二段掘 り状の掘 り形を有 し、断面形は逆凸字形を呈 している。底面の標 高は‑0.61mで、検出面か らの深 さは1.7mで ある。
埋土は22層に分層 しているが、その特徴か ら丼戸廃絶時以降の埋土
(I群 )と
使用段階の堆積土(Ⅱ
群)に
大 別する。I群はさらに6単
位 に細分で きる。I‑1群
(1〜 3層)は
淡灰褐色砂質土を主体 とする。レンズ状 に堆 積 し、黄色ブロックや炭などの包含物 を含む。井戸埋没後の窪みへの流入土 と考えられる。I‑2群 (4〜
10層)は淡黄灰色〜灰色砂質土 を主体 とする一群である。掘 り形肩部にブロック状の土層が形成 された後、中心部を埋 める土層が形成 される。
I‑3群
(11〜14層)は
、淡灰色粘質土を主体 とする土層であ り、これ以下に粘質土が 堆積する点でI‑1・ 2群
とは様相 を大 きく異にする。そのうち11層には炭が多量 に含 まれてお り、この段階で 火 を用いた何 らかの祭祀行為が行われた可能性がある。I‑4群
(14〜16層)は
灰色粘質土を主体 とする層で、1.完
掘状況(南
か ら) 2.土
層 断面(南
か ら)││‐ │‐ 炭 が 特 に多 い土 層
( )土 器 番 号
1 2 3 4.
5 6 7
0 1m 8
ヒ
=====ョ ==========J(S=1/30)淡灰 褐 色砂 質土 淡灰 褐色砂 質土 淡黄褐 色砂 質土 淡黄灰 色土 灰 色砂 質土 (Fe多)
灰 色土 (Fe多)
淡灰 白色 土
9.
(Fe多)lo
11 12 13 14 15
淡黄灰 色砂 質土 (Fe多)
淡 黄灰 色砂 質土 淡灰 色粘 質土 (炭多)
淡灰 色 粘 質土 淡灰 色砂 質土 淡灰 色粘 質土 灰色 粘 質土 (Fe) 灰 色粘 質土
17 黒色 粘 質土
(炭多、焼 土粒 、土器 、繊維 質多、木炭多)
18.淡
灰 色粘 質土19.灰
色粘 質土 (淡灰 色 土 ブ ロ ック多、砂)20 灰 色粘 質土
21 暗灰 色粘 質土 (土器 、植 物 遺体) 22 暗灰 色粘 質土 (砂多、 土器)
淡黄灰 色 土 (Fe多) 16.
図
27
井戸1‑‑ 39 ‑―
│││■
ギ ヽ や
│・1・ 2.遺
物出土状況(南
か ら)O o s ︲
一