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港湾服務

ドキュメント内 中国の海洋政策の日本 (ページ 64-72)

  中国国民経済は高レベル、安定移行というマクロ調整の下、港湾産業は中国内外の旺盛 な需要要求を背景に、港湾生産の継続的、加速度的な発展局面を維持している。 

(1)   港湾貨物取扱量の安定成長 

  2004 年、中国における国レベルの港湾の貨物取扱量は 33.3 億トンに達し、前年より 25.2%増加した。沿海港湾の貨物取扱量は 24.6 億トンで、24.0%増加した。これは国レ ベルの港湾総取扱量の 74.6%を占めている。河川港湾の取扱量は 8.6 億トンで、前年比 28.9%の伸びを見せ、国レベルの港湾の総取扱量の 25.6%を占めた。 

(2)   対外貿易貨物取扱量の急速な増加 

  中国対外貿易の大幅な発展に寄与し、輸出入格差を縮減した。これにより港湾対外貿易 貨物取扱量の双方向への拡大のための有利な条件が提供された。2004 年、国レベル港湾 対外貿易貨物取扱量は 11.32 億トンで、前年比 19.2%の伸びを呈した。このうち沿海港 湾では 10.47 億トン、河川港湾では 0.85 億トンが取り扱われ、それぞれ、19.5%、

15.5%増加した。 

(3)   国際コンテナ取扱量の増加 

  2004 年、中国沿海及び河川コンテナ取扱量は依然として増加傾向を保った。国レベル の港湾における取扱量は 6019 万 TEU、26.7%増加した。内訳は、沿海港湾 5657 万 TEU、

河川港湾 363 万 TEU で、それぞれ、26.7%、23.5%増加した。上海港及びシンセン港の国 際コンテナ取扱量ランクは世界第三位と第四位であった。 

(4)   大口バラ積貨物取扱量の増加 

  2004 年、好調な中国経済を背景に、各種貨物の取扱量は増加傾向となった。大口バラ 積貨物需要は依然として旺盛であり、取扱量の増加も比較的大きい。石炭及び同製品、石 油天然ガス及び同製品、金属鉱石、鉱建材料、鋼鉄は、それぞれ、25.4%、17.7%、

40.8%、24.4%及び 25.3%増加した。 

(5)   一億トン港湾の発展レベル 

  2004 年、中国八大一億トン港湾について言えば、貨物取扱量の大幅増加のみならず、

激烈な市場競争で距離が開き、格付けがなされた。上海は、中国第一の港であり、貨物取 扱量は 3.8 億トンであった。これに次いで、寧波、広州及び天津が2億トンを突破し、平 均で 20%以上の成長を遂げた。第三ランクとして青島、秦皇島、大連、シンセンの四港 があり、貨物取扱量は 1.5 億トン前後で、増加幅は 15%を超えた。このように、一億ト ン港湾は中国発展の骨幹であり、重要な要素となった。 

5-1-2  主要貨物取扱量分析 

  2004 年、中国の国レベルの港湾における貨物取扱量について、ドライカーゴが 87%、

液体貨物が 13%であった。大口バラ積貨物中、石炭及び同製品、石油天然ガス及び同製 品、金属鉱石、鉱建材料、鋼鉄が占める割合が大きく、それぞれ、21.7%、13.6%、

13.0%、10.2%及び 5.1%であった。2003 年と比較すると、石炭及び同製品、石油天然ガ ス及び同製品、金属鉱石、鉱建材料、セメント、木材が占める割合が大きくなっている。

鋼鉄、食料、非金属鉱石、化学肥料及び農薬、塩、石油天然ガス及び同製品やその他の貨 物が占める割合は低下している。 

 

5-1-3  沿海及び河川港湾の発展状況  (1)  沿海港湾 

  2004 年、中国の十大沿海港湾の顔ぶれに変化はないものの、その順序には幾分変動が

見られた。2003 年と比較すると、上海、寧波、広州、天津、青島、シンセン、舟山及び 福州港の順序はそのままであった。秦皇島は、大連と入れ替わり、2003 年の第7位から 6位となった。2004 年、沿海十大港湾における貨物取扱量の累計は 17.5 億トンであり、

沿海港湾の総取扱量の 71.4%となった。 

①  上海港 

  港湾の発展及び国際航運センター建設を目的に、着実に港湾機構調整を実施してきた。

秩序ある多元化改正を推進し、保税区及び港区の「区港連係」を試行した。海外商務案内 活動を実施し、中国内外の荷主と船舶公司の連携を強め、港湾生産は依然として急速な発 展を遂げている。2004 年、貨物取扱量は 3.79 億トンで、前年より 20.1%増加した。これ により初めてロッテルダム港を抜き、世界第二位の貨物取扱港となった。対外貿易貨物取 扱量は 1.59 億トンで、22.4%増加した。 

②  寧波港 

  港湾物流業の急激な発展に伴い、港湾建設及び整合力が拡大され、寧波−舟山港の一体 化という歴史的な発展のチャンスを利用し、鉄鉱石、原油、石炭等の主要ドライカーゴの 貨物源は力強い状況にある。2004 年、貨物取扱量は 2.26 億トンで、対外貿易貨物取扱量 は 1.02 億点であった。それぞれ、21.8%、24.7%の増加であり、中国港湾貨物取扱量で は第二位となった。 

③  広州港 

  広範な珠江デルタ経済発展という利点を活かし、港湾体制改革を推し進め、港湾の発展 を加速させた。特に海上バースの建設には力を入れ、生産能力は急速に向上し、各指標は 過去最高を記録した。2004 年、貨物取扱量は 2.15 億トン、対外貿易貨物取扱量は 5904 万トンで、それぞれ、25.2%、21.0%増加した。中国第三位の貨物取扱量である。 

④  天津港 

  投資を促進し、基礎施設の建設に力を入れ、港湾全体の配置を調整し、バース機能を改 善し、バース及び航路を整備し、港湾の総合力アップを図ってきた。2004 年、貨物取扱 量は 2.06 億トンであり、対外貿易貨物取扱量は 1.08 億トンで、それぞれ 27.4%、

23.2%増加した。現在、中国第四位の貨物取扱量である。 

⑤  青島港 

  技術革新を提唱し、技術向上及び情報公開を促進し、各港湾関係職員の積極性を引き出 し、トップクラスの荷役効率と発展速度を達成した。4 年連続で年間貨物増加量 2000 万

トンを記録し、鉄鉱石と原油取扱量では沿海港湾第一位となった。2004 年、貨物取扱量 は 1.63 億トン、対外貿易貨物取扱量 1.21 億トンで、それぞれ、15.4%、18.4%増加した。 

⑥  秦皇島港 

  中国最大の石炭輸出港であり、中国国内において北部から南部への石炭輸送の主要基地 でもある。改革を推し進め、機会を捉えて、石炭の水上運輸力を高め、中国エネルギー運 輸に貢献してきた。貨物取扱総量、石炭、雑貨、コンテナ取扱量は、これまでの最高とな った。2004 年、貨物取扱量は 1.50 億トン、前年比 19.7%の増加となった。対外貿易貨物 については 5.0%減少し、5361 万トンであった。 

⑦  大連港 

「東北旧工業基地の振興」及び「大連国際航運センター建設」を目的に、機会を逃すこと なく、港湾建設を促進し、港湾情報化建設の速度を上げ、船舶公司と荷主等の協力関係を 蜜にして、港湾生産力は次第にアップしてきた。2004 年、貨物取扱量は 1.45 億トン、対 外貿易貨物取扱量は 4921 万トンで、それぞれ、15.2%、1.1%増加した。 

⑧  シンセン港 

  珠江デルタ地区の輸出入拡大、加工貿易をメインとする対外方経済の急速な発展、豊富 な貨物源等の有利な条件を十分に活かし、港湾基礎建設及び貨物集散運送システム建設を 加速し、港湾管理は着実に規格化、国際化が為されてきた。2004 年、貨物取扱量は 1.35 億トン、対外貨物取扱量は 8865 万トンで、それぞれ、20.0%、29.8%増加し、大連港に 次いで第八位となった。 

⑨  舟山港 

  港湾資源を改善し、港湾生産を規範化し、港湾貨物取扱量の伸びは著しい。2004 年、

貨物取扱量は 7359 万トン、対外貨物取扱量は 2379 万トンで、それぞれ、28.7%、24.1%

増加し、増加幅は十大港湾中最高であった。 

⑩  福州港 

  現有港湾資源を整合し、発展需要に従がってバースメカニズムを調整し、貨物輸送販売 能力をアップし、港湾生産力はかなり高まった。2004 年、貨物取扱量は 5939 万トン、対 外貨物取扱量は 1822 万トンで、それぞれ、24.9%、5.5%増加し、貨物取扱量は第十位で あった。 

(2)  河川港湾 

  2004 年、中国河川港湾の貨物取扱量は急激に増加した。馬鞍山港、鎮江港及び杭州港

の貨物取扱量増加幅はいずれも 50%を超えた。南京、蘇州、南通及び湖州港の貨物取扱 量の増加幅も 40%を超えた。2003 年に比較すると、南京、蘇州、南通、杭州、湖州、江 陰、湖港の序列に変化は見られなかったが、鎮江港は第六位から第五位へ、武漢港が第 五位から第六位へ、馬鞍山港が十位の位置に付いた。河川十大港湾の貨物取扱量の累計は 4.9 億トンで、河川港湾総量の 57.7%を占めた。 

5-2-1  2004 年中国港湾管理体制改革の促進と港湾行政管理体系の改善   

  2004 年、かつて、中央直属又は二重の指導を受けていた 38 港湾行政企業は全て解体が 完了し、港湾管理体制は所定の位置に付いた。交通部は現代化を促進するため、各港湾で 行政管理業務を展開した。上海市港湾管理局では「上海港湾規則」を制定した。地方港湾 規則の制定は、港湾行政管理業務の強化につながり、港湾管理体制の整備を促進した。 

  各主要港のそれぞれ独自の事情に応じた、港湾規則を定めることが可能になっているが、

それは各港湾管理者の力を増強するものとなろうし、改革開放は進捗し、経済の自由化は 一層進み、結果として地方分権と国際化(国際標準に適合)に貢献し、中国の先行を占う 試金石でもある。取り分け、上海の動きから目をはなせない。 

5-2-2  上海市港湾管理局が制定した「上海港湾規則」 

  「港湾法」の規定に従がって、港湾行政管理部門は港湾規則を制定し、公布した。上海 市港湾管理局は調査研究を経て、「上海港湾規則」を制定し、2004 年9月公布した。「上 海港湾規則」は8章 42 条から成り、上海港の概況、港湾施設、船舶出入港、港湾業務経 営、港湾服務、港湾安全及び環境保全等の内容を含むものであり、総合的且つ客観的に上 海港の港湾管理、海事管理及び貿易港管理に係る重要事項について規定するものであり、

上海港湾の基本的規範、政策措置、運行に関する規則である。同規則の制定は、港湾及び 関係部門に対する系統、整備、確実な指導性規則であり、港湾の運行効率を向上させ、船 舶調整を迅速にし、運行コストを下げ、情報通信を密にし、港湾管理レベルを向上させる ことに繋がった。同時に、政府部門の卓越した服務意識と全体の管理能力及び総合業施行 率を高める努力を体現化したものであり、上海港湾管理部門の政務公開、情報公開、政策 の透明性確保を推進し、上海国際航運センターの建設を加速するものである。 

5-2-3  港湾市場管理の更なる規範化 

  「中華人民共和国港湾法」(以下略称「港湾法」)は 2004 年1月1日施行されたが、港 湾経営管理が「港湾法」が調整、規範化する主たる内容である。「港湾法」の円滑な実施 を保証するため、交通部は関係機関と協議し、「港湾経営管理規定」(以下略称「規定」)

ドキュメント内 中国の海洋政策の日本 (ページ 64-72)

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