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コンテナ運輸

ドキュメント内 中国の海洋政策の日本 (ページ 44-58)

  2004 年、中国経済の継続的発展、対外貿易輸出の急速な拡大及び更なるコンテナ運送 へ移行により、中国コンテナ取扱量は目覚しい伸びを見せた。2004 年、中国港湾におけ るコンテナ取扱量は 6160 万 TEU となり、26.6%拡大した。沿海港湾においては 5662 万 TEU で、27.1%増加した。河川港においては 498 万 TEU で、20.9%増加した。 

  大陸の沿海港湾中、上海港、シンセン港における取扱量は、それぞれ、1455 万 TEU、

1366 万 TEU と際立っており、世界第 3、4 位のコンテナ港の名にふさわしいものであった。

2004 年、中国の上位 10 港湾について、寧波港が天津港を抜き第 4 位に躍進した以外は、

2003 年の順位を保っている。 

  2004 年、中国コンテナ港湾の発展を相互的に見ると、以下の特徴が見られる。 

(1)  コンテナ業務の沿海大規模港湾への集中 

  2004 年、中国大陸港湾コンテナ取扱量上位 10 港湾は全て沿海港湾であり、沿海港湾取 扱量は全体の 91%を占めている。更に、10 大港湾(上海、シンセン、青島、天津、広州、

アモイ、大連、中山、福州)により 9 割以上を取り扱っており、コンテナ運輸船舶の大型 化によるメインコンテナ港湾需要を如実に現した結果となった。しかしながら、現在の主 要港湾の実際の取扱量は設計取扱量を大幅に上回っており、大型コンテナ主要港湾の過負 荷運行を余儀なくされている。長江、珠江の河口航路及び沿海主要港湾の入出航路の推進 は、依然として不足しており、中国対外貿易の増加に適応できていない。   

(2)  港湾コンテナバースの発展状況 

  急速に拡大する対外貿易コンテナ取扱量とコンテナバースの運用効率の大幅な高まりは、

中国内外の投資者の注目するところとなり、コンテナバースは急速な発展段階に入いって いる。 

コンテナ輸送は増大を続け全量で世界一、港湾では上海が世界第3位、シンセンは第4 位である。このようにして、中国におけるコンテナ輸送の特徴はコンテナ業務の沿海大規 模港湾に集中しているが取扱い能力をこえている。主要港湾は設備の増強、大型船のため の航海の深水化をはかっているということである。 

①  上海港 

  2004 年、上海港におけるコンテナ取扱量は 1455 万 TEU で、29%の増加となった。中国 大陸第一位、世界第三位である。2004 年、上海港はコンテナバース建設を促進し、取扱 能力不足の解消を図るとともに、年末には、外高橋第五期紺棚バース主要プロジェクトが 完成し、試験運用に入った。一方では、洋山深水港区第一期プラント建設に全力を挙げて 取り組んできた。運航に関するソフト面での環境整備を推し進め、中国内外の運航関連商 社の上海誘致を行った結果、2004 年末、上海港国際国内コンテナ定期航路数は、毎月 1560 便となった。上海港は更に「長江戦略」を積極的に実施し、投資及び株上場、輸出 管理、協力連係等の各種手段によって、長江沿岸都市におけるコンテナ運輸を発展させ、

これらの都市との相互発展を図ってきた。 

②  シンセン港 

  2004 年、シンセン港における投資は依然として拡大傾向にあり、珠江デルタ貨物供給 源に対する適応力を高め、市場占有率を高めてきた。2004 年シンセン港のコンテナ取扱

量は 1366 万 TEU で、上海に次いで第二位であり、世界では第四位であった。シンセン港 の貨物取扱量の増加は、国際航路公司のシンセンにおける新たな出先機関設置と運送力ア ップにつながり、「馬士基海陸」、「地中海航運」等の船会社等のシンセンにおける年間貨 物請負量は平均で 100 万 TEU を超えた。32 の定期航路公司がシンセンにおいて出先公司 や代理店を設置しており、「馬士基海陸」、「美国総統輪船」等は、華南オペレーションを 中国外からシンセンへと移動させた。2004 年、シンセン港は新たに 25 の国際定期便を新 設し、総計 131 便となった。これと同時に、シンセン港基礎建設も急速に進み、新たに 120 万 TEU のコンテナ取扱能力を保有した。コンテナ置場面積は 47 万平米拡張され、岸 壁クレーン 15 機、両枠型クレーン 45 機が増設された。 

③  青島港 

  青島港の 2004 年におけるコンテナ取扱量は 500 万 TEU の大台を突破し、514 万 TEU と なった。前年比 21%の増加であった。長年、青島港はコンテナ運輸発展のため資金を調 達し、旧バースを改造し、新バースを建設し、コンテナ取扱量を毎年 30%程度増加させ、

大連、広州、天津港を追い抜いてきた。2004 年末、前期港湾第三期プラントの 3 コンテ ナバースが建設され運用を開始した。バースの全長は 1000 メートルで、2005 年の青島港 コンテナ運輸発展にとって力強い存在となった。 

④  寧波港 

  2004 年、寧波港のコンテナ取扱量は、401 万 TEU で、44.5%拡大された。拡大幅は 6 年 連続で中国大陸主要コンテナ港湾中、第一位であり、国内順位も第四位、世界でも第十七 位となった。2004 年、寧波港は国際的に通用する深水主要港湾、コンテナ遠洋メイン港 湾建設に力を注いできた。現在、寧波港の 2838 メートルに及ぶコンテナバースの自然水 深は 13.5〜17 メートルであり、30 機の積降橋を設備しており、世界的に見ても水深のあ る優良なコンテナ港湾の一つである。2004 年末、全世界の 20 位までのコンテナ便公司が 寧波に進出しており、新たに 31 の定期便を開設し、合計 115 のコンテナ便が設置されて いる。国際遠洋コースは 53 に上り、毎月の国際国内便は 430 に及んでいる。 

⑤  天津港 

  近年、コンテナ運輸発展は天津港の主な任務となった。2001 年〜2004 年末の間、天津 港では 60 億元以上を投資し、深水航路及び大型船専用バースの建設を行い、新たに 245 万 TEU のコンテナ取扱能力を身に付け、最新コンテナ船の受入れを可能にしてきた。2004 年末、天津港は世界の 100 余りの国及び地域の 300 以上の港と通商面で関係を持ち、70

以上のコンテナ航路を保持している。2004 年、天津港のコンテナ取扱量は 382 万 TEU で、

26.5%増加し、中国第五位、世界第十八位の位置にある。 

⑥  広州港 

  2004 年、広州港におけるコンテナ取扱量は 330 万 TEU で、19.5%増加した。国内第六 位のコンテナ港となった。長年、国内貿易コンテナ運輸が広州港の主な役割であり、毎年、

平均 30%以上の伸びを見せており、広州港のコンテナ取扱量の 70%を占めた。しかしな がら、2004 年上半期には港湾能力の逼迫した状況を背景に、国内運送力の伸びに陰りが 生じてきており、伸び幅は減少傾向にある。こうした状況に対応するため、広州港はバー スの荷役効率の向上、船舶停泊時間の短縮、船主や荷主との調整の緊密化、新航路導入等 の措置を講じて、国内コンテナ運輸を回復軌道に乗せてきた。現在、広州港が保持してい る国内貿易航路 20 余り、係留船舶公司 20 余りで、中国国内コンテナ取扱量の五分の一を 占めている。2004 年9月、南沙港区第一期プラントが完成し運用を開始した後、僅か3 ヶ月で南沙で取り扱うコンテナは 16.5 万 TEU に達し、フランスの「達飛」、「鉄行渣華」、

台湾の「長栄」等の運航公司は当該港区との業務協定を結んでおり、広州港のコンテナ運 輸は新たな発展段階を迎えている。 

⑦  アモイ港 

  港の発展はアモイ経済建設の中心であり、福建省の海峡西岸経済区建設の重要な要素で ある。アモイは全力で 1000 万 TEU のコンテナ取扱量を保有する国際的な積換港を建設中 である。2004 年、アモイ港のコンテナ取扱量は 287 万 TEU で、3年連続して中国第7位 の位置を保った。コンテナ船の大型化に伴う港湾深水岸壁、深水航路に対する要望に応え るため、アモイ港は様々な措置を講じ、多額の資金を投じて、深水岸壁を建設し、航路の 水深を改善した。2004 年、中海亜洲号、中海欧洲号がアモイ港に来航したが、アモイ港 が大型船舶受入れ能力を向上させた結果である。また、市場育成を促進するため、内陸奥 地を開拓し、港湾コンテナ運輸の発展を促した。アモイ港は積極的に「東出西進」戦略を 実践し、コンテナの海運、鉄道連係運送業務を実施した。 

⑧  大連港 

  2004 年、大連港のコンテナ取扱量は 221 万 TEU で、32.4%増加した。これは中国全体 の平均を6%上回っている。東北部の最重要対外貿易港湾として、大連港のコンテナ産業 の画期的な発展は、内陸部企業とって輸出入の面で有利な条件を提供するものであり、内 陸部経済の発展を促した。そして、多くの海外の大手関係企業及び荷主企業の注目すると

ころとなり、これら企業の大連進出のきっかけを提供した。2004 年末、大連は新たな2 航路を含む 10 のコンテナ定期航路を保持している。定期航路の増加率も比較的大きく、

港湾における貨物調達運送システム建設の歩調も軽快である。 

中国の対外貿易コンテナ運輸市場の特徴 

(1)   中国のコンテナ輸送量の増大が世界のコンテナ輸送の牽引車になっている。 

(2)   そのため輸送費は高騰している。 

3-2-1  中国対外貿易コンテナ運輸市場 

  2004 年、中国対外貿易は急速に増大し、対外貿易コンテナ運輸需要の継続可能な拡大 のため、貨物資源が安定的に保障され、対外貿易コンテナ運輸市場はよりいっそう活気を 帯びてきている。 

  2004 年、国レベルの港湾においては、対外貿易コンテナ取扱量 4968 万 TEU を記録し、

前年比 27%の伸びを見せた。このうち、沿海港湾では 4710 万 TEU を取り扱い、前年より 27%増加している。河川港湾においては 259 万 TEU、前年比 25%の伸びを呈した。 

  中国対外貿易コンテナ運輸市場の発展には以下のような特徴が見られる。 

  (1)  運輸需要の急速な増大と世界コンテナ運輸発展牽引車 

  中国コンテナ運輸需要の急速な増大に伴い、世界の主要な定期航路請負企業は、新たな 中国航路を開設し、中国を新たな寄港先にする等、勢力を傾けている。統計によれば、沿 海8大億トン港湾国際航路重量コンテナ輸出入量の累計は 2500 万 TEU を超えており、前 年同期に比較し 16.3%増加した。中国は世界コンテナ航路運輸市場を押し上げる牽引車 となっている。2004 年、中国大陸コンテナ運送量は世界の四分の一近くを占め、アジア

−ヨーロッパ航路については、中国大陸輸出市場が総額の 48%を占めるまでになってい る。 

  (2)  市場運送価格の再高騰 

  航路指数がほぼ全面的に需要の動向を上回る中、2004 年、中国大陸コンテナ運輸市場 は 2003 年に引き続き活発な状況にあり、運送価格は 2003 年の高値を更に上回っている。

2004 年、上海航運交易所が発表した中国輸出コンテナ運送価格指数はゆっくりと上昇す る傾向を呈し、12 月 31 日、中国輸出コンテナ運送価格総合指数は 1174.23 ポイントとな り、前年より 8.23%上昇した。このうち、東南アジア、オーストラリア・ニュージーラ ンド、ヨーロッパ、地中海の 4 航路運送価格指数は前年より 10%以上も上昇した。 

3-2-2  主要各航路の特徴 

ドキュメント内 中国の海洋政策の日本 (ページ 44-58)

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