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株式会社フェリシモの概要

ドキュメント内 ' Vol.31 No.22011 (ページ 88-91)

株式会社フェリシモ(本社・神戸市中央区)

は,カタログ通信販売などダイレクトマーケ ティング事業を営んでいる。1965 年,ハンカ チの頒布会システムによる通信販売を行なう

株 式 会 社 ハ イ セ ン ス が 大 阪 市 に 設 立 さ れ , 1989 年に株式会社フェリシモへ商号変更,阪 神・淡路大震災後の 1995 年 9 月に神戸市に本 社を移転した。2006 年 2 月に東証二部,翌 2007 年 2 月に同一部に上場している。2011 年 2 月期の売上高(連結)は 456 億 9400 万円,

営業利益 8 億 7000 万円,経常利益 9 億 8800 万円である。(図− 2参照)

フェリシモは,経営理念を「しあわせ社会 学の確立と実践」としており,永続的発展的 なしあわせ社会を,顧客,ビジネスパートナ ー,従業員,株主といったステイクホルダー と共に事業活動を通じて創造することを目指 している。代表取締役社長の矢崎和彦氏は,

「事業性」「独創性」「社会性」の三つの輪が 会社には必要で,それらが交わるところを目 指そうというメッセージを社内外に発信し続 けている5)。(図− 3参照)

こうした考え方を持つフェリシモの,他の 多くの通販企業とは異なる特徴として挙げら れるのは,「コレクション事業モデル」と呼

ばれる独特の販売スタイルと,環境問題や社 会貢献活動に対する様ざまな取り組みである。

以下ではまず,コレクション事業モデルにつ いて紹介する。

フェリシモでは,商品カテゴリーや顧客層 の違いに応じた複数のブランドを展開してい る。それぞれのブランドごとに個別のカタロ

■図―― 3

フェリシモが目指す事業

出所 : 同社 HP より引用。

■図―― 2

フェリシモの売上高と利益の推移(単位:百万円)

48,494 50,934 52,949 54,166 54,958 54,277 48,946

45,694

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000

04年  2月期 

05年  2月期 

06年  2月期 

07年  2月期 

08年  2月期 

09年  2月期 

10年  2月期 

11年  2月期 

2,776 2,422

3,401 3,415 3,972

3,556

1,810

1,116 1,246 988

1,792 1,926 2,154

1,927

871 520

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000

04年  2月期 

05年  2月期 

06年  2月期 

07年  2月期 

08年  2月期 

09年  2月期 

10年  2月期 

11年  2月期 

 経常利益   当期純利益 

出所 : 同社 HP に掲載されたデータをもとに筆者作成。

グが出版され,それらは基本的にコンビニや 書店などで数百円の価格で販売されている。

顧客は,それらのカタログを購入するか,同 社 HP を閲覧することによって商品情報を入 手し,購入したいものの注文はパソコン・携 帯電話を用いてのネット経由,電話やファッ クス,もしくはカタログに封入されている申 し込み用紙の郵送によって行なう。

このうちネット経由の受注率は,2010 年 2 月時点で 52.6 %と前年同月比で 4 ポイント 以上増加している。用紙による申し込みなど に比べて,注文書の送料や人件費の削減,企 業と顧客間の情報伝達スピードの強化,入力 ミスの回避など,経費削減と顧客満足度向上 が同時に期待できるため,フェリシモでは将 来的にウェブ・携帯からの受注率 100 %を目 指している6)

衣料品や雑貨を中心とする商品の,およそ 95 %は自社開発商品であり,年間数万点が生 み出されている7)。そして,それらの商品の 多くが「コレクション」と呼ばれるスタイル で顧客に届けられる(図− 4参照)。これは,

各商品がいわばシリーズものとして企画され

るもので,注文した顧客のもとに毎月 1 回,

フェリシモのプランナーが選んだ色・デザイ ンの商品が届けられるという仕組みである。

本稿のはじめに紹介した 500 色の色えんぴつ も,このスタイルで販売された8)

「コレクション」の商品を注文した顧客は,

色・デザインを選ぶことはできない。毎月の 商品が届いてはじめてその中身を知る,とい う楽しみを提供することが意図されているの である。顧客が中止の手続きをするまで,商 品は毎月送られてくる(支払いも毎回行なう)。

もちろん,他の通販と同様に,届いた商品 が気に入らなかった場合は返品できる。ただ し,フェリシモにおける返品率は一般的なカ タログ通販と変わらない程度という9)。この ことは,フェリシモから毎月届けられる商品 が,顧客の期待にかなりの程度,応えること ができているということを意味しているだろ う。言い方を変えれば,そうした期待に応え ることができなければ,事業の成立は難しい 仕組みが「コレクション」だと言える。その 一方で,同一アイテムの生産を一度に発注で き,在庫として持っておかなければいけない 期間も短いことから,効率的な生産や物流管 理が実現できるという側面もある。

こうした「コレクション」の仕組みは,同 社の設立当初の事業であるハンカチの頒布会 から発展したものである。頒布会は,月に 1 度,職域での共同購入イベントとして行なわ れていた。来月はどんな商品が並ぶのだろう,

と期待する顧客に応えられるビジネスが,設 立以来ずっと同社が続けてきたものであると 言える。

2011 年 6 月現在,同社 HP では十数種のブ

■図―― 4

フェリシモの「コレクション」

出所 : 同社 HP より引用。

ランドが紹介されているが,そのうち 13 のブ ランドがこの「コレクション」での販売スタ イルをとっている10)

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