第 5 章 反転ねじり型折り紙構造の提案とその実用化
5.3 成形した反転ねじり型折紙構造の品質検討
5.3.1 板厚分布
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6.83 × 106J である. 回転角度 2.5°の折紙構造は, 5°の折紙構造に近い衝突エネルギ
ー吸収量を持っているが, 図 5.14 に示すように折線から座屈しわの誘導効果がほとん ど表れないので, 折紙構造がさらに細長くなる場合, 圧潰変形は横へ折れ曲がる可能性 があると思われる. 回転角度5°以上の折紙構造は, 折線による反力が低減するため衝突 エネルギー吸収量が低くなっていくことが確認できる.
よって, 折線による座屈しわの誘導効果を確保した上で, なるべく高い反力が維持で きる立場から, 本章の提案する反転ねじり型折紙構造の回転角度を 5°と設定したほう が妥当であると思われる.
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イプ素材を外側へ金型表面に張り付けるように塑性変形させる.
以上の条件の下でそれぞれ成形解析を行い, 得られた成形品の形状と板厚分布を図 5.21 に示す. 同図で, コンター図の赤い部分は板厚が薄いことを示し, 𝑇𝑚𝑎𝑥と𝑇𝑚𝑖𝑛はそ れぞれ最大と最小の板厚を示している. 同図から, 2 つの加工法で得られた成形品形状 はよく似ているが, 同図(a)のハイドロフォーミング法でつくられた反転らせん型折紙 構造では, 張り出し変形モードが存在するため, 軸方向に沿って帯状のように板厚が薄 くなる特徴がある. これに対して, 部分回転加工法では張り出し成形しないため, 得ら れる同図(b)の反転ねじり型折紙構造では比較的に板厚が均一に近い分布になっている
Hexagonal pipe
Tools Heat
Figure 5.17 Finite element model of reversed torque origami structure.
Cylindrical pipe
Dies
Figure 5.18 Finite element model of the reversed spiral origami structure.
Forced displacement (mm)
Time (s)
Forced angle (degrees)
0 1 2 3 4 5 6
0 1 2 3 4 5 6 7
0 0.005 0.01 0.015 0.02
Forced displacement Forced angle
Figure 5.19 Load curve of torsion forming
0 5 10 15 20 25
0 50 100 150 200 250
0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 Liquid pressure
Displacement of die
Time (s)
Liquid pressure (MPa) Displacement of die (mm)
Figure 5.20 Load curve of hydroforming
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ことが容易に分かる. 部分回転加工法で成形した反転ねじり型折紙構造の最小板厚は
0.999mmで, 元の板厚より僅か0.1%減少に対し, ハイドロフォーミング法でつくられた
反転らせん型折紙構造の最小板厚は 0.953mm で, 元の板厚より 4.7%減少となった. よ って, 部分加熱回転加工法のほうがより安定的に成形できることが示されている.
Tmin = 0.953 mm Tmax = 1.051 mm
(a) spiral structure
Tmin = 0.999 mm Tmax = 1.000 mm
(b) torque structure Figure 5.21 Thickness distributions for origami structures
(a) 0.007s A
A
(c) 0.100s P M
M
F
F
(b) 0.009s B
P
Figure 5.22 Forming mechanism of the hydroforming method.
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ここでは, 塑性成形メカニズムの観点から, 本章の提案した部分回転加工法でつくっ た反転ねじり型折紙構造とハイドロフォーミング法でつくった反転らせん型折紙構造 の板厚分布を検討して見る.
部分回転加工法の場合, 角筒パイプ素材の断面形状が正六角形のままで, 図形の中心 を回る方向に少し回転させるだけなので, 図 5.21(b)に示すように成形した反転ねじり 型折紙構造の板厚はほぼ成形前のまま変わっていない結果となっている.
一方, ハイドロフォーミング法の場合は少し複雑であり, 検討のため, ハイドロフォ ーミング成形途中の0.007, 0.009と0.100秒における横断面形状と成形品の2段部分の 板厚分布を図5.22に示す. 同図で, 青色は板厚が厚く, 赤色は板厚が薄くなることを示 している.
図5.22により, ハイドロフォーミング法は3つの成形過程に分けられると考えられる.
まず, 同図(a)に示すように, 成形の初期段階では, 3 つに分けられた金型は外側から中 心軸方向へ変位
で移動し円筒パイプ素材を締め付け, 金型が円筒パイプ素材のA点近 傍を部分的に接触し押し付けることにより, 一部の板厚がやや厚くなる傾向が見える.次に, 同図(b)に示すように, 成形の中間段階では, 金型の角部B点の近傍にある円筒パ イプ素材は, 内部の液圧Pを受けて張り出し変形をすることによって, 角部近傍の板厚 が比較的薄くなる傾向が容易に見える. 最後に, 同図(c)に示すように, 成形の最終段階 では, 円筒パイプ素材が金型表面にしっかり貼り付けられるように円筒パイプ素材に 曲げモメントMと面内張力Fが生じ, それらの作用によって, 角部はやや厚く, その両 側は最も薄くなり, 全体的に軸方向に沿って細長い帯状のような板厚分布になること が理解できる.