第 6 章 トラスコアパネルの多段階プレス成形法の品質向上
6.2 半球型中間モデルを用いた多段階プレス成形法
多段階プレス成形法でトラスコアパネルを加工するため, 最もよく考えられるのは, 図6.3に示す半球型中間モデルを用いた 2 段階プレス成形法である. 図示のように, 半 球型中間モデルを用いた2段階プレス成形法に3つの成形工程が含まれる.
第1 工程では, 平板素材を下型に置き, 上型を下へ押し付け予備成形の半球型中間モ デルコアが成形される.
第2工程では, 板材を前に1工程分の長さ(隣接コアの間の距離)で移動させて, 第 1工程で成形した半球型中間モデルコアを第2 列の定位下型に入れて, 上型を下へ押し つけて, 弾性バネが付いてある第2列の定位金型が先に閉じられることによって, 板材 を正確な位置にセットさせて, さらに上型を下へ押しつけて, 第2 列の定位金型が弾性 バネの圧縮で下へ移動されると同時に, 第1列の予備成形金型でもう1列の半球型中間
30mm 5mm
Preforming core I.Preforming core
III.Forming core II.Location core
Displacement
Blank
Step1
Step3 Step2
Cross section of formed truss core panel Spring
Male mould
Female mould
9mm
35mm Forming core
Figure 6.3 Progressive multistep press forming with a hemisphere transition
122 モデルが成形される.
第3工程では, 板材を前に1工程分の長さで移動さえて, 第2工程と同様に, 第1工 程で成形した半球型中間モデルコアを第2列の定位下型に入れてから, 上型を下へ押し つけて, 先に第2列の定位金型により板材を正確な位置にセットして, さらに上型を下 へ押しつけることによって, 第1列と第3列の金型でそれぞれ予備成形の半球型中間モ デルと最終的なトラスコアが成形される.
このような3つの成形工程から構成したプレス成形作業を繰り返して行けば, 最終的 にトラスコアパネルが得られる.
ここで, 検討のため, 図6.4に示す解析モデルを使い, 図6.3に示す半球型中間モデル による多段階プレス成形工程を解析する. 解析モデルは, 凸型, 凹型と板材の3つの部 分から構成される. 凸型と凹型を平均辺長1.0 mmの4節点剛体シェル要素と, 板材を平
均辺長1.0mmの4節点シェル要素でモデル化して, 板材の要素数は42000, 節点数は
42411である.
成形板材は板厚1mmのSPCE深絞り用鋼板を用いることを想定して, その材料特性 パラメータと応力-塑性ひずみ曲線を表6.1と図6.5に示す.
Punch Die
Blank (210mm×450mm)
210mm 170mm
Figure 6.4 Hemisphere transition mould for progressive multistep press forming
123
プレス成形過程における荷重経路を図 6.6 示す. 図示により, 予備成形過程の最大圧
力は 30MPa で, 最終成形過程の最大圧力は60MPa であり, プレス成形が終了してから
しばらく圧力を保持することが判る.
セング率 186.5GPa ポアソン比 0.3
降伏応力 235MPa
密度 7.83×103Kg/m3
Table 6.1 Material character parameters
Figure 6.6 Load curves of dies 0
50 100 150 200 250 300
0 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01 0.012
Loading force (KN)
Time(s)
Loading curve of preforming process Loading curve of forming process Figure 6.5 Stress-strain curve
200 250 300 350 400 450 500 550 600
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
True stress(Mpa)
Ture Strain
124
以上の計算条件を使い成形解析を行い得られた結果を図6.7に示し, 同図の(a)〜(d)に それぞれ成形前の平板素材と成形工程 1〜3 の結果であり, 図示の赤色は板厚の薄い部 位を示している. 第1工程の予備成形では, 予備成形の半球型中間モデルコアの板厚減
少率は6.75%で, 第2工程の成形列の板厚減少率は7.66%になる. 半球型中間モデルの
金型はスムーズな形になっているため, プレス成形する時, コアの底面の材料は半球コ アの壁に沿って流れて, 半球の板厚は比較的均一になることが判る.
第3工程の成形列の最大板厚減少率は急に30.0%となり, トラスコア頂部の最大板厚 減少率は最も大きく, き裂が発生する可能性が大きい. ただし, コア頂部以外の部分の
(b) step 1
(c) step 2 (d) step3
(a)plate
Maximum thinning rate 6.75%
Maximum thinning rate 7.66%
Maximum thinning rate 30.0%
Thinning Preforming column
Location column
Forming column
Figure 6.7Maximum thinning rate of the truss core panel produced by the hemisphere dies
125
板厚減少率はほぼ同じ程度の 20%以下になっている. これはトラスコア頂部の形状は 小さく, プレス成形の板厚減少はトラスコア頂部に集中しているためである.
また, 成形したトラスコアパネルの底面におけるコアとコアの間に挟む平坦な部分 はプレス成形されていなく, その板厚は元の平板素材と変わらない部分が存在してお り, すなわち, 半球型中間モデルによる2 段階プレス加工法で成形したトラスコアパネ ルの板厚分布は不均一になっている問題があり, これを改善することによって, き裂が 発生する可能性を低減するための検討を行う必要がある.