第 5 章 反転ねじり型折り紙構造の提案とその実用化
5.1 反転ねじり型折紙構造と部分加熱回転加工法
前章の検討結果により, 反転らせん型折紙構造は主に折線と三角形平面から構成さ れ, その衝突エネルギー性能に大きく影響しており, また折線を配置することで, 折 線に沿う方向に曲げ剛性が大きくなり, 逆に折線の垂直方向に沿って曲げ剛性が小さ くなる特性が存在する. 実際に反転らせん型折紙構造を設計する時, 軸方向と斜め方 向または垂直方向に沿って配置した折線により座屈しわの発生を誘導する効果を持た せて, 軸方向に沿って配置した折線により圧潰変形に対する反力を補強する効果を持 たせることによって, 反転らせん型折紙構造の衝突エネルギー吸収量を向上する効果 が確認できる. ただし直な折線と部分的な三角形平面から構成される反転らせん型折 紙構造を精度よく加工することは非常に困難であることが予測できる.
一方, 軸方向に衝突荷重を受ける時, 反転らせん型折紙構造が横へ折れ曲がること はなくアコーディオン状に座屈しわを重ねながら圧潰変形が進行し続けることは理想 的な圧潰変形モードであり, このような座屈しわの発生を誘導するために設けた折線 は直線状に限らず, 多少湾曲にしても同様な座屈しわを誘導する効果が変わらないと 思われる. さらに折紙構造の三角形面要素を直線面から曲線面まで変えて, 圧潰変形 に対する剛性が向上できる可能性も寄与される.
本章では, 従来の反転らせん型折紙構造が軸方向に沿って単純な三角形を繰り返し
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構成される形状特徴に着目して, 軸方向に沿って段に分けて, 一段ずつ順番にねじり変 形させることによって, 図5.1に示すように左図の角筒パイプから右図の反転ねじり型 折紙構造を作成する方法を提案する. 従来のハイドロフォーミング法で成形した反転 らせん型折紙構造と比べて, 反転ねじり型折紙構造の局所的な違いを図5.2 に示すよう になるが, 反転らせん型折紙構造は直辺の三角形面要素から, 反転ねじり型折紙構造は 湾曲辺の三角形面要素に変わっていることが判る. ただし, 新しく提案した反転ねじり 型折紙構造については, 2つほど問題点があり確認する必要がある. 1つは反転ねじり型 折紙構造の加工方法を検討し実用化することで, もう1つは加工された反転ねじり型折 紙構造が十分な衝突エネルギー吸収性能をもつかを検証することである.
Figure 5.1 Reverse torsion origami structure
Figure 5.2 Surface elements for origami structure a
b
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ここでは, 反転ねじり型折紙構造の加工法として, 図 5.3 に示す部分加熱回転加工法 を提案する. まず, 正多角形断面の薄肉角筒素材を用意し, それから, 軸方向に沿って 決められた間隔に置き固定治具で角筒素材を固定して, 片方の固定治具を中心軸のま わる方向へ回転させて, 固定治具と固定治具の間にある角筒素材を塑性変形させるこ とによって, 一段の反転ねじり型折紙構造が成形できる. 更に, 同様な成形法を軸方向 に沿って左右交代しながら捩じり塑性変形を行って行けば, 最終的に図5.3の右側に示 すような反転ねじり型折紙構造が得られる.
Fig. 5.3 Schematic drawing of the three steps in the torsion forming process: (1) fix the first segment and twist the third segment through a certain angle, thus deforming the second segment; (2) move the dies one segment along the axial direction; (3) repeat step (1), twisting in the opposite direction.
ただし, 外側から固定治具を使うだけで角筒素材をしっかり固定することは難しく, 細長い角筒の内部にも固定治具を設置することが必要となる可能性がある. しかし, こ れは極めて困難と思われるため, 本章では, 図 5.3 に示すように, ねじり塑性変形の局 部のみに対して高周波誘導加熱(IH:Induction Heating)することによって, 比較的小さい トルクを用いても角筒パイプ素材の部分ねじり塑性加工が可能と考えられる. さらに 外側からの固定治具のみで六角形断面形状の角筒素材を固定する方法を適用する. た だし, この固定方法を適用する場合, 固定治具と角筒素材の間に生じる相対変位と, 塑 Fixed dies
Torsion dies
Induction heater Torque direction
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性変形部分の角筒パイプ素材に与える加熱温度を検討する必要がある.