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本研究における降雨量及び降雨減衰量測定

本研究では、気象庁のAMeDASにより得られる1分間、10分間及び1時間降水量デー タが大きな役割を果すが、これらのデータだけでは十分ではない。以降の章で示す、1分 間、10分間及び1時間降水量データから1分間降雨強度のCDFを高精度に得るための手 法の検討、空間相関特性の検討、及び降雨減衰確率推定法の推定精度評価等に用いるため、

降雨量及び降雨減衰量の実測を東京大手町の周辺で行った。本章では、これら測定の構成、

条件等について示す。

3.1  測定に用いた機材

3.1.1  降雨量測定

2.3 節に示したように、気象庁が降水量測定に用いているのは全て 0.5mm 枡を用いた 転倒枡型雨量計である。これは、分解能が 0.5mm(1 分間降雨強度で 30mm/h)と、分解

能が公称0.0083mm(1分間降雨強度で0.498mm/h)の降雨強度計と比較すると、かなり粗

いが、測定誤差(カウント誤差)が許容できる程度と考えられる点、気象庁が統一的に用 いている点等を考慮し、降雨量測定は、これを主に用いて行うこととした。

また、0.5mm 枡の転倒枡型雨量計の分解能が粗いことを考慮し、降雨強度計も一部で 用いることとした。

3.1.2  降雨減衰量測定

降雨減衰確率推定法の推定精度評価を行うには、さまざまな距離、異なる周波数、異 なる偏波で比較検討を行えることが望ましいと考えられた。このため、22GHz帯と38GHz 帯の無線通信システムを用い、さまざまな距離の伝搬路で、異なる偏波での設定も行い、

測定を行った。

3.2  測定構成

本研究で用いた降雨量測定器並びに降雨減衰量測定用無線送受信機の配置を示したも のが、図3-1である。測定は2002年8月〜翌2003年9月を含む1年間強実施した。

図3-1  降雨量測定器及び降雨減衰量測定用無線送受信機の配置

3.2.1  降雨量測定器の配置

降雨量測定の目的の一つに、降雨減衰確率推定の重要な要素の一つである空間相関特 性の検討がある。このため、短距離から中・長距離までの、さまざまな距離における空間 相関係数を求め解析を行うために、図3-1に示すように、東京大手町の周辺、11地点に気 象庁検定済みの 0.5mm 枡の転倒枡型雨量計を設置し、降雨量測定を行った。また、この うちのB点には降雨強度計も設置した。正しい空間相関を知るためには11の降雨量観測 点の時刻同期が重要であることから、同観測点からのデータを1ヶ所で収集するデータ収 集部に電波時計を接続し、正確な時刻情報に基づき動作させるとともに、毎日1回データ 収集のタイミングで、データ収集部からの制御により、11 の降雨量観測点の時刻をデー タ収集部の時刻に合わせる、という制御を行った。

図3-1に示す同心円は、距離の目安を与えるために、東京大手町の無線リンクが最も集 中する地点aを中心に1、2、3・・・7kmの距離の点を結んだものである。表3-1に、雨量計 設置点の全ての2点の組合せにおける距離を示している。

◎ :降雨量測定器単独設置及び無線送受信機との併設設置位置(A〜K)

● :無線送受信機のみ設置位置(a〜i)

(    及び    終端地点が無線送受信機併設)

:22GHz帯無線リンク

:38GHz帯無線リンク

東京駅

新橋駅

田町駅 四谷駅

新宿駅

水道橋駅

秋葉原駅

渋谷駅

G E

D

H

I

J K

A B C

F b d

c e

f g

h

i

a

表3-1  雨量計設置点間距離(単位:km)

設置点  B C D E F G H I J K A 0.85 1.67 2.00 2.08 2.19 2.32 2.41 3.75 5.66 7.49 B   0.83 2.85 2.60 2.21 1.88 3.14 4.25 6.05 8.02 C     3.66 3.15 2.64 1.62 3.94 4.93 6.63 8.68 D       1.95 3.31 3.86 1.57 3.36 5.34 6.67 E         4.22 2.51 3.38 5.13 7.12 8.59

F       4.08 2.45 2.54 4.02 6.17

G       3.14 6.05 7.90 9.80

H       1.80 3.78 5.25

I       2.00 3.76

J       2.30

3.2. 2  降雨減衰量測定用無線送受信機の配置

降雨減衰量測定は、図 3-1の破線(22GHz帯)及び実線(38GHz 帯)で結んだ位置に 11 対向の無線リンクを設定し、秒単位で受信レベルを測定した。無線リンクの設定条件 を表3-2に示す。得られた秒単位の受信レベルから平常時受信レベル(無線機の送信レベ ル、受信利得等の変動による平常時受信レベルの変動を考慮)との差分として減衰量を求 めた。

表3-2  無線リンク設定条件

区間  周波数帯 周波数[GHz]  偏波  区間距離[km] 

a-K 22.2975 垂直偏波  7.28

a-I 22.2825 垂直偏波  3.49

a-H 22.3 垂直偏波  2.2

a-h 22.2775 水平偏波  1.93

a-g 22.2925 水平偏波  1.32

H-i

22GHz帯

22.89 水平偏波  0.57

a-f 38.1925 垂直偏波  1.09

a-e 38.19 垂直偏波  0.65

a-d 38.185 垂直偏波  0.44

a-c 38.1975 垂直偏波  0.43

a-b

38GHz帯

38.2025 水平偏波  0.4

第4章  気象庁降水量データから 1 分間降雨強度 CDF を精度良く