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有限位数の点の性質 86

を満たす。

 次に以下を示す。

命題4.4.5ひ>Oのとき、F(ρレ)U{0}はFの部分群である。

 証明F(〆)∪{0}の任意の2点P,Qに対して、

      P+Q∈F(〆)∪{0}      (4.5)

       _一P∈F(〆)U{0}       (4.6)

 を満たすことを示す。

 まず(4.5)を示す。R=P*Qとおき、P,Q,Rの z平面での 座

標をそれぞれ、 (P)、 (Q)、 (五)とし、z座標をそれぞれz(P)、z(Q)、

z(R)とすると、定理4.3.6の言い換えより、

      ・(P)十・(Q)十ψ)∈ρ3レ児    (4.7)

      ・(P)十・(Q)十・(五)∈ρ3ひR    (4.8)

を満たす。

 ところで、∫( ,z)=Oの表す曲線はイ( ,z)=∫(_ ,_z)より、肌平

面の原点に関して点対称であることを考慮すれば、P*Qと0*(P*Q)

も原点に関して点対称となる。従って、R=P*Qの 座標とz座標の値 はP+Q=0*(P*Q)の座標の値に一1をかけたものであるので、P+Q の 座標とz座標をそれぞれ (P+Q)、z(P+Q)とすると、

        (丑)=一 (P+Q)

       z(五)=一z(P+ρ)

を満たす。この式を式(4,7)と式(4,8)にそれぞれ代入すると、

        ・(P)十π(Q)一工(P+Q)∈ρ3ひR⊂〆R         ・(P)十・(Q)一・(P+Q)∈ρ3ひR

となる。このとき、ord( (P))≧ひ、ord( (Q))≧レ、ord(z(P))≧3μ、

ord(z(Q))≧3ひより、

        (P+Q)∈〆児        ・(P+Q)∈ρ3μR

第4章 有限位数の点の性質 87 を満たす。従って、P+Q∈F(ρ )は示された。

 次に(4.6)を示す。

 ∫( ,z)上の有理点P(z,z)は!( ,μ)上では

1(・;・)1(・,・)同年ヒ[・,・,・1一[1,1,11非嘩化(斗1(・,1)

と表されるが、命題3.4.10より、!( ,ひ)でのP(讐,圭)の逆元は(葦,一士)で ある。この点は∫( ,z)では、

側1(1,一1)同叶一1,ll一ト・,1,一・1非瞥化(一・,一・)1〜

より、Pは一Pと原点に関して点対称である。すなわち、

       (一P)=一 (P)

      z(一P)=一z(P)

を満たす。従って、ord( (P))=ord( (一P))≧μ、ord(z(P))=0rd(z(一P))≧

3レより、一P∈F(〆)も示された。      □  さらに次を示す。

定理4・4・6μ>Oのとき、F(〆)の0でない元は無限位数である。

 証明F(ρ )の0でない元Pが有限位数であると仮定し、その位数をm

とする。

1.mがρを因数にもたないとき、P∈F(〆)かつP≠F(〆十1)となる  ひをとり、P∈プ( ,z)の 座標を (P)とおくと、

       α

    π(P)=_〆(ただし、αとわはρと互いに紫とする)  (4.9)

        6

 とかける。すると、命題4.4.5より、んP(ん∈Z)∈F(ρ )であるの  で、定理4.3,6の言い換えより、

       (mP)= ((m−1)P+P)

      …・((m−1)P)十・(P)(m・φ3ひR)

      ≡ ((m_2)P)十2 (P)(moφ3ひR)

      ≡…≡m・・(P)(m・ψ3レR)

第4章 有限位数の点の性質       88

   となる。このとき、 (㎜P)=0より、

       m・ (P)≡0(mo(王ρ3ひR)

   となることから、式(4.9)より、

       α       m・ (P)=m一〆        わ

   と表せるが、mαがρで割り切れないことより矛盾が生じる。

 2.mがρを因数にもっとき、m=〃とし、P =ηPとおくと、

       0=mP=ρηP=ρp

   より、Pの位数はρとなる。また、PはF(〆)⊂F(ρ)の点より、P    もF(ρ)の点であることを考慮すれば、P ∈F(〆)かっP≠F(〆十ユ)

   となるノが存在し、

         α 、

      (P )=_〆(ただし、α と6 はρと互いに素.とする) (4,10)

         6

   と表される。すると、やはりん P (〃∈Z)∈F(〆)なので、定理    4.3.6g言い換えより、

         (mP)= (ρp

      =π((P−1)P 十P

      ≡ ((ρ一1)P )十 (P )(moψ3/R)

      ≡…≡ρ・・(P )(m・dρ3レ 児)

   となる。このとき、 (mP)= (ρP )=Oであることを考慮すれば、

       ρ・ (P )…0(modρ3レ 児)

   より、ρ・z(P )∈ρ3/Rとなる。ところが、式(4110)より、ρ. (P )∈

  〆十1Rなので、ノ十1<3μ より、z(P )の分子がρで3ひ 回書11り切    れないことに矛盾する。

よってPは無限位数である。

      口  以上より、以下の主定理が示される。

第4章 有限位数の点の性質 89

定理4.4.7∫( ,μ)=μ2_( 3+α 2+6z+c)(α,6,c∈Z)上の有理点 P(z,μ)に対して、P( ,μ)が有限位数ならば、 とひは整数となる。

 証明

1.μ=0のとき、系3.4.11より、そのような点は位数2の点である。

 このとき、プ( ,μ)=0にひ=0を代入した

       ∬3+α 2+6 十。=0       (4.11)

 の解が整数であることを示す。 が有理数とし、 =号(mとηは互  いに素)とおく。ここで、式(4,11)に代入して分母を払うと、

         m3+αm2η十わmη2+㎝3=O   となり、

       m3=(一αm2−6mη一㎝2)η   (4.12)

  を得る。式(4.12)からmはηの素因数を因数にもつことが分かる

  が、η≠1ならば、mとηは互いに素であることに矛盾する。従っ

  て、η=1となるので、 は整数となり、題意を満たす。

 2.μ≠Oのとき、対偶で証明する。まず、補題4.2.2より、 ≠oとな   る。 またはμが整数でないとすると、それらのうちで整数でない   ものは分母が1でなく、ある素数を因数にもつ。この素数をρとし、

  ρのオーダーを考える。今、 とμのオーダーのうち、少なくとも    1つはオーダーが負であるが、定理4.2.1より、一方のオーダーが   負であれば、他方のオーダーも負となり、

      ・・伽):・・〜)=2:3

  を満たす。そこで、orψ)≦_2とすると、PはF(ρ)の点となり、

  定理4.4.6より、点P(≠0)は無限位数となり、矛盾が生じる。

       □  また、以下の系も分かる。

系4.4.8∫( ,μ)=μ2一( 3+α 2+う 十。)(α,6,c∈Z)上の格子点でな い有理点P( ,μ)があるとき、んPは全て異なり、∫( ,μ)上に無限個の有 理点が存在する。

第4章 有限位数の点の性質 90 証明んP(ん∈N)は全て異なることを示す。

       んP=ん P(ん>ん とすると、

      (ん一ん )P=0

より、Pは有限位数となる。しかし、定理4.4.7より、格子点でない有理 点Pは無限位数より矛盾する。従って、たPは全て異なる。

 また、んPがすべて異なることから、∫( ,リ)上の有理点は無限個存在

する。

       □

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付録A

 2011年3月をもって兵庫教育大学を退職された渡辺金治先生が、2005 年、三辺の長さが整数の三角形の集まりで、周の長さがどれも等しく、か つ面積も互いに等しいものがどれだけ多く存在するのかという問題を提案 された。渡辺先生の疑問がNage11−Lutzの定理を用いて解決できたので、

ここではそのことを示す。

A.1 周の長さと面積が等しい三角形

 この章では周の長さがどれも等しく、かつ面積も互いに等しいいくつ かの三角形について考察する。例えば、三辺の長さが10,11,17の三角 形Aと三辺の長さが7,!5,16の三角形Bを考えてみる。三角形Aと三角

形Bの周の長さは共に38で、面積は共に12市である。このような周の

長さも面積も互いに等しい三角形を多く見つけることを考えたい。上の 例では2つの三角形について、周、面積が一致していたが、周の長さも 面積も互いに等しい3つの三角形や4つの三角形があるのだろうか。こ のように、周の長さも面積も互いに等しい三角形の組として、どれくら い多くの三角形からなる組が存在するかを考察する。

 まず以下の用語を定義する。

定義A.1.1三辺の長さが整数である三角形を整数三角形ということと

する。

 ここで、次を示す。

定理A.1.2次の1,2,3は同値である。

 1.互いに合同でない整数三角形のうち、周の長さがどれも等しく、か   つ面積も互いに等しいものがη個ある。

付録A

92

 2.正の有理数3つのリストで、積が互いに等しく、かつ和も互いに等    しいものがη個ある。

 3.自然数3つのリストで、積が互いに等しく、かつ和も互いに等しい    ものがη個ある。

 証明2と3が同値であることは、η個のリストにある3η個の有理数全 ての分母の最小公倍数をそれぞれの有理数にかければ、どのリストも自 然数3つとなることから分かる。

 次に、1が成り立つならば、2が成り立つことを示す。

 三角形の三辺の長さをJ,m、ηとすると、三角不等式

 J+m>η m+η>王 η十王>m

(A.1)

を満たす。この自然数1,m、ηに対して、正の有理数α、6,cがあって、

 J=α十6

m=6+C

 η=c+α

(A.2)

を満たすとする。実際、式(A.2)をα、わ、cについて解くと、

       五一m+η        α=

       2        三十m一η        6=

       2        −4+m+η        c=

       2

となり、(A・1)を考慮すれば、α、6,cは正の有理数となる。

 このとき、式(A.2)を用いて三角形の周の長さと面積をα、6,cで表す。

まず、三角形の周の長さは2(α十6+c)となる。また、三角形の面積を3

とすると、ヘロンの公式より、3=(血十b)十(宇)十(C+α)=α十わ十〇とおけば、