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では有意な差がなく,第3節で有意な差が見られた

(F(2,23)=12.23,p〈,Ol)。LSD法を用いた多重比較によれば,線

引き群と箇条書き群に有意な平均差はなく,読解図群の平均が線 引き群,箇条書き群の平均より有意に大きかった。次に記述節の

単純主効果を分析した結果,線引き群(F(2,161=9,88,pく.Ol),

箇条書き群(F(2,16)=4,82,p〈,05),読解図群(F(2,14)二 4.65,pく,05)で有意な差が見られた。LSD法を用いた多重比較に

よると,線引き群では,第1節の平均が第2節,第3節より有意 に大きく,第2節の平均が第3節の平均より有意に大きかった

(MSe=2,70,p〈.05)。箇条書き群では,第1節の平均が第2節,第 3節より有意に大きく,第2節と第3節に有意な平均差は見られ なかった(MSe二2,50,pく,05)。読解図群では,第1節と第2節,第

       31

1節と第2節に有意な平均差は見られず,第3節の平均が第2節

の平均より有意に大きかった(MSe二9.79,pく,05)。読解力中位では 記述節の主効果が有意傾向で(F〔2,144)=2.92,p〈.10),群の主効

果および交互作用は有意ではなかった。LSD法を用いた多重比較 によれば,有意差のある対は認められなかった。読解力下位では,

群の主効果,記述節の主効果および交互作用は有意ではなかった。

 以上の結果から,読解力上位の児童において,読解図読みが要 点の広範囲な理解を促進することが示唆された。

(4)他者質問作成得点

 テスト1と同様に,児童が書いた質問を表11のように分類し,

A:1点,B:2点,C:3点,D:4点,E:0点を与えて評

定した。テストA,テストBの各群の平均,標準偏差を表19,

表20に示す。

      表19 他者質問作成得点[テストA]

N図eanSD 線引き群 箇条書き群 読解図群

15

.47

.54

14

.14

.77

13

.77

.58

表20 他者質問作成得点[テストB]

NMeanSD 線引き群 箇条書き群 読解図群

13

.54

.98

14

.07

.94

12

.41

.44

 まず,文章自体の効果について確認するため,読みの形態(群)

×テスト(文章A・文章B)の分散分析を行なった。その結果,

群の主効果,テストの主効果,および交互作用は有意ではなかっ た。この結果から文章自体の効果によって得点平均に差が生じて いないことが確認された。よって,この2群を込みにして分析す ることにした。表21に2種類テストを込みにした平均,標準偏       32

差を示す。

表21 他者質問作成得点[テストA・B込み]

線引き群 箇条書き群 読解図群

読解力NMeanS︐D. L位 中位

9  10

.88 3,50

,77 1,63

下位 2.11

.52

上位 中位

   10

.00 3,50

,83 1,86

下位 2.78

.81

上位 4.50

.80

中位 4.11

.37

下位 2.13

.32

 分散分析の結果,読解力の主効果のみが有意であった(F(2,72)

二5.72,p〈,01)。LSD法による多重比較の結果,(MSe=4.ll,p〈.05)

読解力上位の平均が読解力下位の平均よりも有意に大きく,読解 力中位の平均が読解力下位の平均よりも有意に大きかった。読解 力上位の平均と読解力中位の平均に有意な差はなかった。

 抽象的説明文において,読解図読みが,文章に対する働きかけ を促進することはなかった。

4.読解方略・有効性認知・コスト認知についての質問紙(巻末 資料1一⑧)

(1)読解方略質問項目

 各群の読解中の行動や方略を知ること,また,各群内での上位,

中位,下位者間での違いを知ることを目的として作成した。表 22に質問項目を示す。

         表22 方略質問紙質問項目

①だいじなところはどこかを考えて読んだ。

②自分が今まで知っていることとくらべて読んだ・

③文章の組み立てを考えながら読んだ。

④それぞれの文は,まとめていうとどういうことかを考えた。

⑤大事な文や言葉を覚えようとした。

⑥文のまとまりごとにタイトル(題名)を考えた。

⑦自分のわからないところがどこか,さがそうとした。

⑧難しいところはくり返し読んだ。

各群の各質問項目における読解方略評定得点の平均と標準偏

33

差を表23に示す。

     表23 各質問項目の評定得点(読解方略得点)

線引き群 箇条書き群 読解図群

読解力 上位 中位 下位 上位 中位 下位 上位 中位 下位

N 9 10 9 9 10 9 8 9 8

[①1

Mean 3.44 3.10 3.00 3.44 3.10 3.00 3.25 3.22 3.13

S.D、 0.50 0.30 0.47 0.50 0.54 0.00 0.43 0.63 0.60

[②]

Mean 2.33 2.10 2.22 2.00 2.00 2.11 2.37 2.44 2.62

S.D, 0.47 0.54 0.63 0.47 0.63 O.57 0.48 1.07 0.48

[③]

Mean 2.55 2.40 2.44 2.67 2.50 3.00 3.00 2.56 2.88

S,D, 0.50 0.80 0.68 0.47 0.50 0.47 0.00 0.50 0.78

[④]

図ean 2.89 2.50 2.89 3.22 2.40 2.77 3.13 2.78 2.88

S,D. 0.99 O.80 0.57 0.42 O.80 0.63 O.60 0.91 0.78

[⑤]

Mean 3.44 3.10 3.44 2.56 2.80 3.11 3.37 2.44 3.75

S.D, 0.68 0.94 0.68 0.68 0.74 0.57 0.48 0.68 0.43

[⑥]

匿ean 2.56 3.00 3.11 1.89 2.60 2.00 2.75 2.44 3.13

S,D, 1.17 0.77 0.99 O.57 1.01 1.05 0.82 0.96 1.05 1⑦]

Mean 2.56 3.00 2.56 3.00 2.50 2.67 3.00 2.67 3.13

S,D, 0.50 0.63 0.50 0.47 0.80 0.67 0.71 0.82 0.93

[⑧]

Mean 3.56 3.60 3.00 3.22 2.80 2.56 3.25 3.44 3.38

S,D. 0.49 0.49 0.82 0.63 0.75 0.83 0.66 O.83 0.48

 表23を見ると,質問項目1の箇条書き群下位の解答と質問項 目3の読解図群上位の解答が全員一致してしまい(S,D,=0),分 散推定が不可能となった。このため分散分析を使わず,各質問項 目別に「とてもよくあてはまる」(評定4),「まあまあてはまる」

(評定3)を「該当有り」,「あまりあてはまらない」(評定2),

「まったくあてはまらない」(評定1)を「該当無し」としてカ テゴリーにまとめ,各群の読解力別に人数を集計して分析した。

表24〜表31に,質問項目の読解力別該当人数を示す。

34

表24 質問項目別該当人数集計表(項目①)

「だいじなところはどこかを考えて読んだ」

該当有無  上位 ⊥昆 下位 合計

線引き群 9 10 9 28

0 0

0

0

箇条書き群 9 9 9 27

0 1 0 1

読解図群 8 8 7 23

0 1 1 2

 表25 質問項目別該当人数集計表(項目②)

「自分が今まで知っていることとくらべて読んだ」

該当有無 上位 中位 下位 合計

線引き群 笹■1﹄︑ 3 2 3 8

6 8 6 20

箇条書き群 1 2 2 5†一

8 8 7 23†+

読解図群 3 4 5 12*+

5 5 3 13*一

表26 質問項目別該当人数集計表(項目③)

 「文章の組み立てを考えながら読んだ」

該当有無 上位 中位 下位 合計

線引き群 笹■Ib︑ 5 4 5 14†甲

4 6 4 14†+

箇条書き群 笹■﹄﹄︑ 6 5 8 19

3 5 1 9

読解図群 笹﹄b︑ 8 5 5 18

1 4 3 8

   表27 質問項目別該当人数集計表(項目④)

rそれぞれの文は,まとめていうとどういうことかを考えた」

該当有無 上位 中位 下位 合計

線引き群 笹1し︑ 6 5 7 18

3 5 2 10

箇条書き群 笹1﹄b︑ 9 6

8

23

0 4 1 5

読解図群 7 6 5 18

2 3 3 7

35

表28 質問項目別該当人数集計表(項目⑤)

  「大事な文や言葉を覚えようとした」

該当有無 上位 中位 下位 合計

線引き群 笹い︑ 8 8 8 24

1 2 1 4

箇条書き群 笹■Ib︑ 6 6 8 20

3 4 1 8

読解図群 毎1い︑ 8 3†一 8 19

0 6†+ 0 6

 表29 質問項目別該当人数集計表(項目⑥)

「文のまとまりごとにタイトル(題名)を考えた」

該当有無 上位 中位 下位 合計

線引き群 笹■n︑ 4 7 7 18

5 3 2 10

箇条書き群 笹ノn︑ 1 6 3 10*一 8 4 6 18*+

読解図群 笹■1﹄︑ 4 5 6 15

4 4 2 10

  表30 質問項目別該当人数集計表(項目⑦)

「自分の分からないところがどこか,さがそうとした」

該当有無 上位 中位 下位 合計

線引き群 5 8†+ 5 18

鉦■﹄b︑

4 2†一 4 10

箇条書き 8 5†一 6 19

笹■﹄﹄︑

1 5†+ 3 9

読解図群 笹ノい︑ 6 6 5 17

2 3 3 8

表31 質問項目別該当人数集計表(項目⑧)

  「難しいところはくり返し読んだ」

該当有無 上位 中位 下位 合計

線引き群 笹■1﹄︑ 9 10 8 27

0 0 1 1

箇条書き 8 5 6 19†ロ

笹い︑ 1 5 3 9†+

読解図群 無ノ﹄﹄︑ 7 6 8 21

1 3 0 4

まず,表24(質問項目①だいじなところはどこかを考えて読

36

んだ)について,読みの形態(群)×読解力×項目に該当有・無 の対数一線形モデル分析をおこなった。その結果,有意な差は見

られなかった。

 次に,表25(質問項目②自分が今まで知っていることとくら べて読んだ)について,読みの形態(群)×読解力×項目に該当 有・無の対数一線形モデル分析をおこなった。その結果,!次の 交互作用については,読解図群の該当項目有が有意に多かった。

また,箇条書き群の該当項目有りが有意に少ない傾向であった。

2次の交互作用は有意でなかった。

 次に,表26(質問項目③文章の組み立てを考えながら読んだ)

について読みの形態(群)×読解力×項目に該当有・無の対数一 線形モデル分析をおこなった。その結果,1次の交互作用では線 引き群の該当項目無が有意に多い傾向であった。2次の交互作用 は有意ではなかった。

 次に,表27(質問項目④それぞれの文は,まとめていうとど ういうことかを考えた)について読みの形態(群)×読解力×項 目に該当有・無の対数一線形モデル分析をおこなった。その結果,

有意な差はなかった。

 次に,表28(質問項目⑤大事な文や言葉を覚えようとした)

について読みの形態(群)×読解力×項目に該当有・無の対数一 線形モデル分析をおこなった。その結果,有意な差はなかった。

 次に,表29(質問項目⑥文のまとまりごとにタイトル(題名)

を考えた)について読みの形態(群)×読解力×項目に該当有・

無の対数一線形モデル分析をおこなった。その結果,1次の交互 作用について,箇条書き群の該当項目無が有意に多かった。2次       37

の交互作用は有意ではなかった。

 次に,表30(質問項目⑦自分の分からないところがどこか,

さがそうとした)について読みの形態(群)×読解力×項目に該 当有・無の対数一線形モデル分析をおこなった。その結果2次の 交互作用が有意で,線引き群中位の該当項目有が有意に多い傾向 であり,また箇条書き群中位の該当項目無が有意に少ない傾向で

あった。

 次に,表31(質問項目⑧難しいところはくり返し読んだ)に ついて読みの形態(群)×読解力×項目に該当有・無の対数一線 形モデル分析をおこなった。その結果,1次の交互作用について,

箇条書き群の該当項目無が有意に多い傾向であった。

 以上より,読解図読みによって読解方略に違いが生じたことが 示された。項目②「自分が今まで知っていることとくらべて読ん だ。」の該当人数が有意に多かったことから,読解図読みによっ て既有知識に働きかけながら読むという方略が活性化されたと 考えられる。

(2)有効性認知得点

 質問紙項目⑨,⑪の2項目(⑨「練習した『文章の読み方』を すると,内容がよくわかりましたか。」,⑪「これから教科書やテ ストの文章を読むときは,練習した『文章の読み方』をしようと 思いますか。」)を読みの形態に対する有効性認知項目とし,4件 法で評定させた。得点は,「まったく思わなかった。」に1点,「あ

まり思わなかった。」に2点,「まあまあ思った。」に3点,「とて も思った。」に4点を与え,2項目の評定値を単純加算し,2で 除すことによって算出した。表32に平均と標準偏差を示す。

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