羅嶽鵜、
穐1二あざ納桟
5
図10 習熟訓練における読解図例
50
《結果》
欠席者,解答の不備を除いて,最終的に読解図群25名,統制 群27名であった。
!.真偽判定課題
1文内の情報で解答できる問題3問,段落内の情報で解答できる 問題3問,段落間の情報で解答できる問題3問の計9問を設定し た。1文内の問題に1点,段落内の問題に2点,段落間の問題に
4点を与えて真偽判定得点を合計し,平均と標準偏差を計算した。
表35に示す。
表35 真偽判定課題得点
群 読解図群 統制群
読解時間 短 長 短 長
[プリテスト]
Mean
S.D,
7.64
.11
7.86
.56
5、92 9,07
,03 5,51
[ポストテスト]
Mean
S,D,
11.81
.72
7.14
.48
8.07 12,29
.99 4,96
14 12 10
8 6
+読解時間・短
4 一蕪一読解時間・長
2 0
プリ ポスト プリ ポスト 図11真偽判定問題得点
真偽判定課題得点について,読みの形態(群)×読解時間長・
51
短×テスト時期の分散分析の結果,二次の交互作用が有意であっ
た(F(!,48)=5.41,p〈,05)。そこで,プリテスト・ポストテスト別
に読み方×読解時間の単純交互作用を分析した。水準別誤差項を 用いた検定によれば,プリテストにおいては読み方の主効果,読 解時間の主効果は有意ではなく,交互作用も有意でなかった。こ のことからプリテストにおける読み方の2群は等質であったと
いえる。
一方,ポストテストにおいては,群×読解時間の交互作用が有
意であった(F(1,48)=12,61,pく,01)。水準別誤差項を用いた単純主
効果検定の結果,読解時間短では読解図群の平均が統制群の平均
より有意に大きく(F(1,48)二4.47,p〈,05),読解時間長では統制群
の平均が読解図群の平均よりも有意に大きかった
(F〔1,48)=8,45,pく,01)。また,読解図群では,読解時間短の平均が 読解時間長の平均よりも有意に大きく(F(1,48)=6,68,p〈,05),統
制群では読解時間長の平均が読解時問短の平均よりも有意に大
きかった(F(1,48)=5,66,p〈,05)。
以上の結果から,読解時問が短い群の比較において,読解図の 効果が示唆された。統制群でも得点平均に自然上昇が認められた が,読解図群は統制群の伸びを上回った。しかし,読解時問の長 い群の比較においては,統制群の得点平均に自然上昇が認められ,
対照的に読解図群は得点平均の上昇が認められなかった。通常の 読みでも文章を繰り返し読むことで,文章の表象形成が促進,定 着すると考えられる。また,読解図読みを行なう時問の長さが文 章表象の形成に影響を及ぼすことが示唆された。
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2.理解確信度得点
研究1と同じく,真偽判定問題の解答について,その答えの確 からしさを①とても自信がある,②だいたい自信がある,③あま
り自信がない,④まったく自信がない,の4段階で評定させた。
評定に重み付けをし,①②で正反応に4点,③④で誤反応に2点,
③④で正反応に1点,①②で誤反応に0,5点を与え,理解確信度 得点を算出した。表36に理解確信度得点の各群の平均と標準偏
差を示す。
表36 理解確信度得点
群 読解図群 統制群
読解時間 短 長 短 長
1プリ]
ean
,D.
!2.50
.07
13.00
.05
11.54
.01
15.17
.17
[ポスト]
Mean
S,D,
16.55
.39
13.03
.50
13.50
.17
18.50
.46
20 18 16 14 12 点10 8 6 4 2 0
+読解時間・短 噺読解時間・長
プリ ポスト プリ ポスト 読解図群 統制群
図12確信度得点
表36について,読みの形態×読解時間×テスト時期の分散分 析を行った。その結果,2次の交互作用が有意傾向であった
(F(1,48)=3,84,P〈.10)。
そこで,プリテスト・ポストテスト別に読みの形態(群)×読 53
解時間の単純交互作用分析をした。水準別誤差項を用いた検定に よれば,プリテストにおいては群の主効果,読解時問の主効果お よび交互作用は有意ではなかった。このことから,プリテストに おける2群は等質であったといえる。一方,ポストテストにおい
ては,群×読解時間の交互作用が有意であった
(F(1,48)=7,27,p〈,05)。水準別誤差項を用いた単純主効果検定の
結果,読解時間短では有意な平均差は見られなかったが,読解時
間長では有意な平均差が見られた(F(1,48F7,01,p〈,05〉。
次に群ごとに見てみると,読解図群では読解時間の短・長に有 意な平均差は見られなかったが,統制群では,読解時問長の平均
が読解時間短の平均よりも有意におおきかった
(F(1,48)=5,87,P〈.05)。
以上の結果より,読解図群の習熟訓練は,統制群読解時間長の 自然変動を上回って確信度を高める効果がなかったといえる。
3.要点記述得点
研究1と同じ手続きで得点化し,要点記述得点を算出した。評 定に用いた文章構造図(巻末資料2一②)は,筆者が作成した。
本研究の目的を知らないもう一人の評定者が,文章構造図を見て,
自分と判断の一致しない部分や疑問点を指摘し、その部分につい ては協議して解決した。平均と標準偏差を表37に示す。
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9 8 7 6
5 一上位占
一中位 3 一禽一下位 2
1 0
プリ ポスト プリ ポスト 読解図群 統制群 図14要点記述得点(読解力)
要点記述得点について,読みの形態(群)×読解力×テスト時 期の分散分析をおこなった。その結果,群×読解力の交互作用が
有意傾向であった(F(1,46)・2,51,p〈,10)。その他の交互作用およ
び時期の主効果は有意でなかった。そこでまず,読解力別に群の 単純主効果を検定した結果,読解力上位で読解図群の平均が統制
群の平均よりも有意に大きかった(F(1,46)ニ8,74,pく,01〉。しかし
読解力中位では,統制群の平均が読解図群の平均より有意に大き
く(F(1,46〉=15,79,p〈,Ol),読解力下位でも統制群の平均が読解図 群の平均よりも有意に大きかった(F(1,46〉ニ9,32,pく,01)。次に,群
ごとに読解力の主効果を検定した結果,読解図群
(F(1,46〉ニ8,00,p〈,O!),統制群(F(1,46)=12,61,p〈。Ol)ともに有意で
あった。LSD法を用いた多重比較によると(MSe=9,43,pく,05),
読解図群で,読解力上位・中位の平均が下位よりも大きく,読解 力上位と中位に有意な平均差は見られなかった。また,統制群で は,読解力中位の平均が読解力上位・下位の平均よりも有意に大 きく,読解力上位と下位に有意な平均差は見られなかった。
以上の結果から,読解力上位の児童に要点理解における読解図 56
勝一欄
義。
,
嶋㌦
読みの効果が認められた。しかし,読解力中位,読解力下位の児 童には,読解図読みが逆に要点理解を阻害している可能性がある
ことが示唆された。
4.他者質問作成得点
研究1と同じ手続きで得点化し質問作成,平均,標準偏差を求 めた。表39に示す。
表39 他者質問作成得点
群 読解図群 統制群
読解時問 短 長 短 長
[プリテストI Mean
S.D,
3.36
.74
3.07
.34
2.69 4.21
.27 2,56
[ポストテスト]
Mean
S,D.
5.82
.32
5.50
.37
3,38 5,35
.64 3,15
点
→一読解時間・短
櫛読解時間・長
プリ ポスト プリ ポスト 読解図群 統制群 図15他者質問作成得点(読解時間)
質問作成得点について読みの形態(群〉×読解時間×テスト時 期の分散分析をおこなった。その結果,群×テスト時期の交互作
用が有意傾向であった(F(1,48)=3,04,P〈,10)。そこでまず,テス
トごとの水準誤差項を用いて群の主効果を検定した。その結果,
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プリテスト・ポストテストともに群間に有意な差は見られなかっ た。次に,群別にテスト時期の主効果を検討した結果,読解図群 の得点平均がプリテストからポストテストにかけて有意に上昇
したことがわかった(F=(1,48)=15,59,p<,01)。これに対して,統
制群ではプリテスト・ポストテストの間に得点平均の有意な差は 見出されなかった。
次に,時問の要因に差が見られなかったので,読解時問長・短 の条件を込みにして読解力の要因を加えた分析をおこなった。各 群の平均点・標準偏差を表40に示す。
表40 質問作成得点
群 読解図群 統制群
読解力 上位 中位 下位 上位 中位 下位
N 10 6 9 9 11 7
[プリ]
Mean 3.60 2.00 3.56 4.00 3.18 3.28
S.D. 2.76 1.91 2.36 2.67 2.76 1.83
[ポスト1
Mean 6.50 4.67 5.22 5.00 4.36 3.71
S,D, 3.38 2.29 2.6! 2.75 2.96 2.05
7 6 5 4点
3 一◆一上位
一概中位 2 一禽一下位 1
0 プリ ポスト プリ ポスト 読解図群 統制群 図16質問作成得点(読解力)
読みの形態(群)×読解力×テスト時期の分散分析の結果,群
×テスト時期の交互作用が有意傾向であった
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ρ
♂ ケ
ψ
購.塩
, 口 一
(F=(1,46)=2,88,pく,10)。そこでまず,テストごとの水準誤差項を
用いて群の主効果を検定した。その結果,プリテスト・ポストテ ストともに群問に有意な差は見られなかった。次に,群別にテス ト時期の主効果を検討した結果,読解図群の得点平均がプリテス トからポストテストにかけて有意に上昇したことがわかった
(F=(1,46)=14,12,p〈,01)。これに対して,統制群ではプリテスト・
ポストテストの間に得点平均の有意な差は見出されなかった。
以上の結果から,読解図群では,習熟訓練によって読解力にか かわらず質問産出・文章情報や要点の統合など文章への働きかけ が促進されたことが示唆された。
5.発展的自己質問作成得点
説明文を読んで文章情報からどれだけ疑問を生成できたか,つ まり自らの既有知識にアクセスし,比較して自分がわからないこ とをどれだけ理解できるのかということの指標として設定した 表41に分類基準を示す。
表41 発展的質問作成評価基準
【検索の難易と知識の増大】
学習者(6年生)が,それぞれの問いに対する答えを得ることから,材料文 の内容についてどれくらい多くの理解を獲得するのか。
①学習の発展に寄与しない検索であり,本文テーマと関連なし。ま たは,文章中に解答あり。(語句の意味を問うものも含む)。
②本文テーとは関係ないが,理解や興味を深めるための予備知識と して調べておく必要あり。
③調べる意義があり,本文テーマ対して知識の付加が期待される。
④本文テーマから発展し,意味ある知識や概念の増加が期待される。
(Scardamalia,M,&Bereiter、1992を参照し,作成)
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