2.5 臨床に関する概括評価
2.5.4 有効性の概括評価
2.5.4.3 有効性評価の結論
2.5.4.3.1 HBe 抗原陽性患者での有効性のまとめ
(1)
有効性の検証主要評価項目である投与終了後24週時の複合評価の有効率において,PEG48W 併合群で
HLBI
群に対する非劣性が検証されたことから,PEG-IFNα-2a 投与によるB
型慢性肝炎への有 効性が確認された。一方,PEG24W併合群とHLBI
群の複合評価の有効率は同程度であったが,PEG24W
併合群のHLBI
群に対する非劣性は検証されなかった。しかしながら,PEG24W併合群及び
HLBI
群の投与終了後24週時の複合評価の有効率はそれぞれ7.3%及び7.0%であり,投与 期間が同じ場合のPEG-IFNα-2a
とHLBI
は同程度の有効性が期待できる。(2)
投与期間HBe
抗原陽性のB
型慢性肝炎患者において,PEG-IFNα-2aの投与期間は,24週間投与より高 い有効性を示した48週間投与が推奨された。1)
主要評価項目において,HLBI 群に対する非劣性がPEG48W
併合群で検証されたのに対し,PEG24W
併合群では検証されなかった。また,PEG48W 併合群はPEG24W
併合群に対し高い有効率を示した。
2)
各 投 与 群 で の 主 要 評 価 項 目 に お い て ,PEG180/24W
群 よ りPEG180/48W
群 で , 及 びPEG90/24W
群よりPEG90/48W
群で高い有効率を示した。3)
副次的評価項目のPEG24W
併合群とPEG48W
併合群の比較において,複合評価の指標で あるHBe
セロコンバージョン,HBV-DNA 5.0 Logコピー/mL未満及びALT 40 U/L
以下は,投与終了時及び投与終了後24週時いずれの時点においても
PEG48W
併合群がPEG24W
併 合群より高い有効率が得られることが示された。(3)
投与量HBe
抗原陽性のB
型慢性肝炎患者において,PEG-IFNα-2a の投与量は,PEG180/48W 群で19.5%及び PEG90/48W
群で17.1%であり,本剤90μg
と180μg
で有効率は大きく異ならなかっ たことから,通常の投与量として90 μgが適切であると考えられた。ただし,従来型
IFN
製剤の効果が得られにくいとされている35歳以上の被験者において,180 μg
投与群で4例に有効性が認められたのに対し90μg
投与群では認められなかったこと,及び
HBs
セロコンバージョンは180μg
投与群で2例に認められたのに対し90μg
投与群では認 められなかったことから,本剤180 μgの必要性が示された。ペガシス
2.5
臨床に関する概括評価Page 46
(4) PEG-IFNα-2a
の用法・用量投与期間及び投与量の検討結果より,HBe抗原陽性の
B
型慢性肝炎患者におけるPEG-IFNα-2a
の通常の用法・用量として90 μg 48週間投与が推奨された。ただし,本剤180
μg
の必要性も否定できず,年齢,ウイルス量,臨床効果,副作用の程度等 を勘案し180 μgの投与も考慮すべきと考える。また,海外で実施された
HBe
抗原陽性のB
型慢性肝炎患者を対象としたWV19432試験にお
いて,主要評価項目である投与終了後24週時のHBe
セロコンバージョン率は,PEG-IFNα-2a は90μg
より180μg
で,及び24週間投与より48週間投与で高く,また,承認用法・用量である180 μg 48週間投与で最も高い効果が得られることが証明された。国内試験(JV20015試験)で
は,WV19432試験に比しジェノタイプ
C
の被験者が多いこと及び肝硬変患者を含まないこと の2点が異なるが,WV19432試験においてジェノタイプC
のみの集団及び肝硬変患者を除いた 集団でも全例と同様180μg 48週間投与で最も高い効果が得られることが示された。JV20015試
験の薬物動態の結果からPEG-IFNα-2a
の薬物動態に人種の影響はないと考えられ,国内においても
PEG-IFNα-2a
の用法・用量として180μg 48週間投与の必要性が支持されたものと考え
る。
2.5.4.3.2 HBe 抗原陰性患者での有効性のまとめ
(1) PEG180/48W
群及びPEG90/48W
群において,主要評価項目である投与終了後24週時のHBV-DNA 4.3 Log
コピー/mL未満の達成率はそれぞれ37.9%(11/29例)及び37.5%(12/32例)で,投与終了後24週時の
ALT 40 U/L
以下の達成率はそれぞれ65.5%(19/29例)及び68.8%(22/32例)であり,いずれの投与群においても有効性が示された。なお,主要評価項目の 有効率は投与群間で同程度であった。
(2)
副次的評価項目において,投与終了時及び投与終了後24週時の「HBV-DNA 4.3 Log コピー/mL
未満かつALT 40 U/L
以下」,投与終了時のHBV-DNA 4.3 Log
コピー/mL未満,投与終了時の
ALT 40 U/L
以下の項目はいずれの投与群においても有効性が示された。これらのうち,投与終了時の
HBV-DNA 4.3 Log
コピー/mL 未満の達成率は,PEG180/48W 群で93.1%(
27/29
例 ) 及 びPEG90/48W
群 で78.1%
(25/32
例 ) で あ り ,PEG90/48W
群 よ り もPEG180/48W
群で高い傾向が認められた。その他の指標では,投与群間で同程度の有効率であった。
(3)
投 与 期 間 中 のHBV-DNA
定 量 値 の 推 移 か ら は , 投 与12
週 以 降 でPEG180/48W
群 でPEG90/48W
群よりもHBV-DNA
定量値の大きな低下が確認された。(4)
投与終了後の観察期間にALT
値が一過性に増加した後に,ウイルス量が検出限界以下(2.6Log
コピー/mL)に低下し,その状態が最終観察時まで持続した患者がPEG180/48W
群にお いて2例認められ,PEG180/48W群では認められなかった。(5)
海外のラミブジンを対照としたWV16241試験において,HBV-DNA 4.3 Log コピー/mL
未満 の達成率及びALT
基準値上限以下の達成率にてPEG180/48W
群でラミブジン群より有意に 高い有効率が示され,PEG-IFNα-2a 180 μg 48週間投与の有効性が検証された。ジェノタイプC
のみの集団においても全例と同様PEG180/48W
群でラミブジン群より高い有効率が示さ れた。これらの結果に加え,PEG-IFNα-2aの薬物動態に人種の影響がないと考えられたこと も考慮し,日本人においてもPEG-IFNα-2a 180 μg 48週間投与の有効性を示唆するものと判
断した。(1)~(5)より,主要評価項目における PEG-IFNα-2a 48週間投与で高い有効率が示され,副次
ペガシス
2.5
臨床に関する概括評価Page 47
的評価項目においても
PEG-IFNα-2a
の有効性が示された。HBe 抗原陰性のB
型慢性肝炎患者 を対象とした臨床試験において無治療の患者では,HBV-DNA 陰性化率及びALT
正常化率は0~27%と報告されており21)-23),JV20015試験での有効率から,PEG-IFNα-2a の有効性が示され たものと考えた。また,海外試験(WV19432試験)において,180
μg 48週間投与で最も高い
有効性が得られ,JV20015試験との背景の違いを考慮した層別解析(ジェノタイプC
のみの集 団及び肝硬変を除いた集団)においても180 μg 48週間投与で最も高い有効性が示された。更に,JV20015試験での結果から,PEG-IFNα-2a
の薬物動態に人種の影響がないと考えられた。したがって,海外試験からも,日本人で180 μg 48週間投与で有効性が得られることが示唆された。
投与量については,主要評価項目での有効率は90
μg
と180μg
で同程度であり,通常の投与 量として90μg
が適切であると考えられた。一方,投与終了時のHBV-DNA 4.3 Log
コピー/mL 未満の達成率及び投与中のHBV-DNA
定量値の推移から,180 μgの投与中のウイルス抑制効果 は90μg
のそれよりも高いことが確認された。B 型慢性肝炎の治療においては,HBV-DNA 量 を低値に保つことで,その後の肝硬変への進展を抑制することが報告されている20)。また,投 与終了後の観察期間にウイルス量が検出限界以下に低下し,その状態が最終観察時まで持続した患者が
PEG180/48W
群において認められ,PEG180/48W群では認められなかったことから,180 μg
の必要性が示唆された。以上,HBe 抗原陰性の
B
型慢性肝炎患者に対するPEG-IFNα-2a
の通常の用法・用量として,90 μg 48週間投与が推奨されるが,180 μg
の必要性も否定できず,年齢,ウイルス量,臨床効果,副作用の程度等を勘案し180 μgの投与も考慮すべきと考える。
ペガシス
2.5
臨床に関する概括評価Page 48
ドキュメント内
2.5 臨床に関する概括評価
(ページ 45-48)