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2.5.4 有効性の概括評価

2.5.4.2 有効性の評価結果

副次的評価項目

主な副次的評価項目として、空腹時血糖値、食後血糖2時間値、HbA1C値の治療目標(6.5%

未満)達成割合及び食後血清インスリン値 AUC0-3hを設定した。また、その他の評価項目 として、HbA1C値の治療目標(5.8%未満)達成割合を設定した。

2.5.4.2 有効性の評価結果

表2.5.4-2 HbA1C値変化量と群間比較(単剤実薬対照比較試験)

解析対象集団:FAS

HbA1C 値(%)

試験名

(投与期間) 投与群 N 投与開始前 最終評価時

最終評価時に

おける変化量 解析結果 ナテ90mg/回 66 7.19±0.52 6.38±0.51 -0.81±0.39

(-0.90, -0.71) 単剤P3

(16週間)

0.5 mg/回 64 7.32±0.74 6.15±0.63 -1.17±0.62 (-1.32, -1.01)

ナテ90 mg/回群との差(%):

-0.30±0.08(-0.46, -0.15) p<0.001 N(評価被験者数):投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外

ナテ90 mg/回:ナテグリニド90 mg/回、投与開始前と最終評価時:Mean±SD

最終評価時における変化量:Mean±SD(上段)、95%信頼区間(下段)

ナテ90 mg/回群との差:LSMean±SE(95%信頼区間)

解析方法:最終評価時における変化量の群間差を、投与開始前値を共変量とした共分散分析を用いて評価

表2.5.4-3 HbA1C値の治療目標達成割合(単剤実薬対照比較試験)

解析対象集団:FAS

投与群 ナテ90 mg/回 0.5 mg/回

<5.8 9.1%

6/66

29.7%

19/64 HbA1C 値(%)

<6.5 59.1%

39/66

75.0%

48/64

ナテ90 mg/回:ナテグリニド90 mg/回、割合(上段)、該当被験者数/評価被験者数(下段)

(2) 食後血糖推移の改善作用

本剤の食後血糖推移の改善作用は食後血糖値 AUC0-3hを用いて評価した。各投与群の食 後血糖値AUC0-3h変化量とその群間比較を表2.5.4-4に示した。ナテグリニド90 mg/回群と

本剤 0.5 mg/回群で、最終評価時の投与開始前値に対する変化量は、それぞれ−153±81

mg·hr/dL、−132±109 mg·hr/dLと同程度であり、有意な差は認められなかった。なお、食後

血糖2時間値も食後血糖値AUC0-3hの結果と同様、ナテグリニド90 mg/回群と本剤0.5 mg/

回群で変化量は同程度であり、有意な差は認められなかった(表2.7.3.3-12)。

表2.5.4-4 食後血糖値AUC0-3h変化量と群間比較(単剤実薬対照比較試験)

解析対象集団:FAS

食後血糖値AUC0-3h (mg・hr/dL)

試験名

(投与期間) 投与群 N 投与開始前 最終評価時

最終評価時に

おける変化量 解析結果 ナテ90mg/回 61 701±106 548±103 -153±81

(-174, -132) 単剤P3

(16週間)

0.5 mg/回 60 684±116 552±110 -132±109 (-160, -104)

ナテ90 mg/回群との差(mg・hr/dL):

14±15(-17, 45) p=0.363 N(評価被験者数):投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外

ナテ90 mg/回:ナテグリニド90 mg/回、投与開始前と最終評価時:Mean±SD

最終評価時における変化量:Mean±SD(上段)、95%信頼区間(下段)

ナテ90 mg/回群との差:LSMean±SE(95%信頼区間)

解析方法:最終評価時における変化量の群間差を、投与開始前値を共変量とした共分散分析を用いて評価

(3) 空腹時血糖値改善作用

各投与群の空腹時血糖値変化量とその群間比較を表 2.5.4-5 に示した。ナテグリニド 90 mg/回群と本剤 0.5 mg/回群で、最終評価時の投与開始前値に対する変化量は、それぞれ

−18.3±17.8 mg/dL、−26.0±20.9 mg/dLであった。ナテグリニド90 mg/回群と比較して本剤

0.5 mg/回群は空腹時血糖値を有意に低下させた。

表2.5.4-5 空腹時血糖値変化量と群間比較(単剤実薬対照比較試験)

解析対象集団:FAS

空腹時血糖値(mg/dL)

試験名

(投与期間) 投与群 N 投与開始前 最終評価時

最終評価時に

おける変化量 解析結果 ナテ90mg/回 66 147.9±20.9 129.6±17.8 -18.3±17.8

(-22.7, -13.9) 単剤P3

(16週間)

0.5 mg/回 64 150.3±23.9 124.2±19.3 -26.0±20 9 (-31.3, -20.8)

ナテ90 mg/回群との差(mg/dL):

-6.5±2.7(-11.8, -1.2) p=0.018 N(評価被験者数):投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外

ナテ90 mg/回:ナテグリニド90 mg/回、投与開始前と最終評価時:Mean±SD

最終評価時における変化量:Mean±SD(上段)、95%信頼区間(下段)

ナテ90 mg/回群との差:LSMean±SE(95%信頼区間)

解析方法:最終評価時における変化量の群間差を、投与開始前値を共変量とした共分散分析を用いて評価

2.5.4.2.1.2 用量反応関係

単剤後期第2相試験では、最終評価時のHbA1C値、食後血糖値AUC0-3hの投与開始前値 に対する変化量の用量反応性を、最大対比法を用いて評価した。投与量及び投与方法は、

プラセボ、本剤0.25 mg/回、0.5 mg/回又は1 mg/回のいずれかを毎食直前(10分以内)に1 日3回経口投与し、投与期間は12週間とした。

HbA1C値、食後血糖値AUC0-3hの推移をそれぞれ表2.5.4-6、表2.5.4-7に示した。FASは 147名であり、内訳はプラセボ群、0.25 mg/回群、0.5 mg/回群、1 mg/回群でそれぞれ36名、

37名、37名、37名であった。投与群[プラセボ群、0.25 mg/回群、0.5 mg/回群、1 mg/回 群]に対して、対比[−3, −1, 1, 3]、[−5, −1, 3, 3]、[−3, 1, 1, 1]はいずれも高度に有意差が 認められ、HbA1C 値、食後血糖値 AUC0-3h 共に最大対比法において選択された対比は

[−3, 1, 1, 1]であった。

HbA1C値変化量は、プラセボ群−0.16±0.38%に対し、0.25 mg/回群、0.5 mg/回群、1 mg/

回群でそれぞれ−1.08±0.63%、−1.34±0.66%、−1.06±0.58%であった。

食後血糖値AUC0-3h変化量は、プラセボ群−19±79 mg·hr/dLに対し、0.25 mg/回群、0.5 mg/

回群、1 mg/回群でそれぞれ−168±110 mg·hr/dL、−180±117 mg·hr/dL、−122±62 mg·hr/dLであ った。

表2.5.4-6 HbA1C値の推移(単剤後期第2相試験)

解析対象集団:FAS

HbA1C 値(%)

試験名

(投与期間) 投与群 N 投与開始前 最終評価時

最終評価時に

おける変化量 解析結果 プラセボ 36 7 26±0.74 7.10±0.92 -0.16±0.38

(-0.28, -0.03) 0.25 mg/回 37 7 33±0.72 6.25±0.79 -1.08±0.63

(-1.29, -0.87) 0.5 mg/回 36 7 38±0.80 6.04±0.63 -1.34±0.66

(-1.57, -1.12) 単剤P2b

(12週間)

1 mg/回 37 7 29±0.66 6.22±0.65 -1.06±0.58 (-1.26, -0.87)

[-3, -1, 1, 3]:p<0.001

[-5, -1, 3, 3]:p<0.001

[-3, 1, 1, 1]:p<0.001 選択された対比:[-3, 1, 1, 1]

N(評価被験者数):投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外

投与開始前と最終評価時:Mean±SD、最終評価時における変化量:Mean±SD(上段)、95%信頼区間(下段)

解析方法:最終評価時の投与開始前からの変化量を最大対比法を用いて評価

表2.5.4-7 食後血糖値AUC0-3hの推移(単剤後期第2相試験)

解析対象集団:FAS

食後血糖値AUC0-3h (mg・hr/dL)

試験名

(投与期間) 投与群 N 投与開始前 最終評価時

最終評価時に

おける変化量 解析結果 プラセボ 35 672±130 653±125 -19±79

(-47, 8) 0.25 mg/回 35 681±128 513±89 -168±110

(-206, -130) 0.5 mg/回 34 717±143 537±117 -180±117

(-221, -140) 単剤P2b

(12週間)

1 mg/回 33 647±87 525±98 -122±62

(-144, -101)

[-3, -1, 1, 3]:p<0.001

[-5, -1, 3, 3]:p<0.001

[-3, 1, 1, 1]:p<0.001 選択された対比:[-3, 1, 1, 1]

N(評価被験者数):投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみの場合は評価対象から除外

投与開始前と最終評価時:Mean±SD、最終評価時における変化量:Mean±SD(上段)、95%信頼区間(下段)

解析方法:最終評価時の投与開始前からの変化量を最大対比法を用いて評価

2.5.4.2.1.3 長期投与による有効性

単剤療法での長期投与における有効性は単剤長期投与試験にて評価した。投与量及び投 与方法は、本剤0.25~1 mg/回(適宜増減可)を毎食直前(10分以内)に1日3回経口投 与し、投与期間は52週間とした。FASは105名であった。

(1) 血糖パラメータ(HbA1C値、食後血糖値AUC0-3h、空腹時血糖値)改善作用

血糖パラメータ(HbA1C値、食後血糖値AUC0-3h、空腹時血糖値)の推移を表2.5.4-8に、

HbA1C値の治療目標達成割合を表2.5.4-9に示した。

HbA1C値では最終評価時の投与開始前値に対する変化量は−0.84±0.55%であり、投与開始 前に比べ低下した。投与開始8週後、12週後の変化量は−0.87±0.40%、−1.00±0.47%で、そ の後ほぼ一定の値で推移し、投与開始 52 週後では−0.85±0.56%と長期にわたり安定した HbA1C値の推移を維持した。また、HbA1C値変化量は単剤後期第2相試験、単剤実薬対照 比較試験と大きな違いはなかった。最終評価時のHbA1C値の治療目標(6.5%未満)達成割

合は65.7%(69/105名)であり、多くの被験者で治療目標を達成した。更に治療目標(5.8%

未満)達成割合は16.2%(17/105名)であった。

食後血糖値AUC0-3hでは最終評価時の投与開始前値に対する変化量は−113±106 mg·hr/dL であり、投与開始前に比べ低下した。投与開始24週後、52週後の変化量はそれぞれ−150±105 mg·hr/dL、−114±106 mg·hr/dLと同程度であり、長期にわたり安定した食後血糖値AUC0-3h

に対する効果を維持した。

空腹時血糖値では最終評価時の投与開始前値に対する変化量は−23.9±24.8 mg/dLであり、

投与開始前に比べ低下した。投与開始4週後、52週後の変化量はそれぞれ−27.6±18.6 mg/dL、

−23.2±25.4 mg/dLとほぼ同程度であり、長期にわたり安定した空腹時血糖値の推移を維持 した。

表2.5.4-8 主な有効性評価項目の推移(単剤長期投与試験)

解析対象集団:FAS

評価時期 N 測定結果 投与開始前からの変化量(95%信頼区間)

投与開始前 105 7.10±0.59

4週後 104 6.59±0.55 -0.52±0.28(-0.57, -0.47)

8週後 103 6.25±0.53 -0.87±0.40(-0.94, -0.79)

12週後 102 6.12±0.54 -1.00±0.47(-1.09, -0.90)

16週後 101 6.14±0.56 -0.97±0.53(-1.08, -0.87)

24週後 101 6.15±0.54 -0.96±0.56(-1.07, -0.84)

36週後 98 6.18±0.57 -0.94±0.53(-1.05, -0.83)

52週後 96 6.28±0.64 -0.85±0.56(-0.96, -0.74)

HbA1C 値(%)

最終評価時 105 6.27±0.63 -0.84±0.55(-0.94, -0.73) 投与開始前 100 708±121

24週後 99 558±113 -150±105(-171, -129)

52週後 96 597±121 -114±106(-135, -93)

食後血糖値AUC0-3h

(mg・hr/dL)

最終評価時 100 595±120 -113±106(-134, -92) 投与開始前 104 155.8±25.7

4週後 104 128.2±22.3 -27.6±18.6(-31.2, -24.0)

8週後 102 127.6±20.6 -28.0±22.7(-32.4, -23.5)

12週後 102 127.7±21.8 -28.1±23.7(-32.8, -23.4) 16週後 101 128.5±25.5 -27.0±23.3(-31.6, -22.4) 24週後 100 126.0±22.2 -29.2±23.0(-33.7, -24.6)

36週後 98 124.9±22.2 -30.9±21.6(-35.2, -26.6)

52週後 96 133.0±29.0 -23.2±25.4(-28.3, -18.1)

空腹時血糖値

(mg/dL)

最終評価時 104 131.9±28.2 -23.9±24.8(-28.7, -19.1)

N(評価被験者数):投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみ(投与開始以外の評価時期にデータがない)の場合

は評価対象から除外

測定結果、投与開始前からの変化量:Mean±SD

表2.5.4-9 HbA1C値の治療目標達成割合(単剤長期投与試験)

解析対象集団:FAS

治療目標 達成割合

<5.8 16.2%

17/105 HbA1C

(%)

<6.5 65.7%

69/105 割合(上段)、該当被験者数/評価被験者数(下段)

(2) インスリン分泌作用

インスリン分泌作用は食後血清インスリン値 AUC0-3h を用いて評価し、その推移を表 2.5.4-10に示した。

食後血清インスリン値AUC0-3hの最終評価時の投与開始前値に対する変化量は24.9±36.7

µU·hr/mLであり投与開始前に比べ増加した。投与開始24週後、52週後の変化量はそれぞ れ30.7±37.8 µU·hr/mL、25.2±37.3 µU·hr/mLと同程度であり、長期にわたりインスリン分泌 作用が減弱することなく維持した。

表2.5.4-10 食後血清インスリン値AUC0-3hの推移(単剤長期投与試験)

解析対象集団:FAS 評価時期 N

食後血清インスリン値AUC0-3h

(μU・hr/mL)

食後血清インスリン値AUC0-3h 変化量

(μU・hr/mL)

投与開始前 95 62.5±34.4

24週後 90 93.3±60.7 30.7±37.8(22.8, 38.6)

52週後 87 89.5±57.0 25.2±37.3(17.3, 33.2)

最終評価時 90 88.4±56.5 24.9±36.7(17.3, 32.6)

N(評価被験者数):投与開始前値がない場合及び投与開始前値のみ(投与開始以外の評価時期にデータがない)の場合

は評価対象から除外

食後血清インスリン値AUC0-3h :Mean±SD、食後血清インスリン値AUC0-3h 変化量:Mean±SD(95%信頼区間)

(3) 1 mg/回増量時の有効性

本剤の1 mg/回増量時の有効性をより明確にするために、長期投与試験において0.5 mg/

回から 1 mg/回への増量効果を検討した。単剤長期投与試験では治験実施計画書に規定し

た増量基準(直近の連続した 2 回の来院時の HbA1C 値がいずれも 6.5%以上又は直近の HbA1C値が5.8%以上であり、第24週来院時の食事負荷試験の食後血糖1時間値、2時間値、

3時間値のいずれかが200 mg/dL以上)を満たし、12週間以上1 mg/回で維持された被験者 37名を解析対象とした。

解析対象 37 名での増量 0 週時及び最終評価時の HbA1C 値はそれぞれ 6.60±0.56%、 6.67±0.65%、その変化量は0.06±0.40%であり、増量0週時の値を維持した(表2.7.3.4-5)。 被験者背景による部分集団解析では、BMI 25 kg/m2 以上の被験者の HbA1C値変化量は 0.26±0.35%、25 kg/m2未満では−0.07±0.38%であり、HbA1C値変化量に差が認められたが、

その他の項目では大きな違いは認められなかった(表2.7.3.4-6)。増量0週時の血糖パラメ ータによる部分集団解析では、HbA1C値変化量に特に大きな違いは認められなかった(表 2.7.3.4-7)。

解析対象37名では1 mg/回への増量により増量0週時のHbA1C値を維持するに留まった

が、増量前後のHbA1C値のクロス集計表からHbA1C値が増量0週時よりも更に低下した被 験者が認められた(表2.7.3.4-8)。そこで、本剤の1 mg/回への増量効果をより詳細に検討 するため、糖尿病治療ガイド文献2)で推奨されているHbA1C値を指標とした治療目標を考慮 し、増量0週時のHbA1C値が6.5%以上の被験者と6.5%未満の被験者でそれぞれHbA1C値 変化量を検討した。その結果、増量0週時のHbA1C値が6.5%以上であった被験者20名の うち、7名(35.0%)が増量0週時よりHbA1C値が低下した(表2.7.3.4-9)。これら7名の 被験者のHbA1C値変化量は−0.2~−0.9%であった(表2.7.3.4-10)。

以上の結果から、増量0週時のHbA1C値が6.5%以上の被験者の一部では1 mg/回への増 量により更なるHbA1C値の低下が認められた。

1 mg/回への増量効果が認められた患者層を検討した結果、増量効果が認められた被験者

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