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2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論

2.5.6.3 申請する効能・効果及び用法・用量

本剤の臨床試験で得られた薬物動態、薬力学、有効性及び安全性の結果から、以下の効 能・効果及び用法・用量で承認申請を行うこととした。

1) 効能・効果

2型糖尿病における食後血糖推移の改善

ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。

(1)食事療法・運動療法のみ

(2)食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用 2) 用法・用量

通常、成人にはレパグリニドとして1回0.25 mgより開始し、1日3回毎食直前に 経口投与する。維持用量は通常1回0.25~0.5 mgで、必要に応じて適宜増減する。

なお、1回量を1 mgまで増量することができる。

2.5.6.3.1 効能・効果の設定根拠

本剤は速効型インスリン分泌促進剤で、in vitro試験で単離ランゲルハンス氏島からイン スリン分泌を促進し、in vivo試験でも血漿インスリン値を増加させ、血糖上昇抑制作用を 示した。また健康成人に食直前(食事開始直前)に単回投与したとき、食後早期のインス リン分泌が認められ、食後血糖の上昇を抑制した。更に2型糖尿病患者を対象としたPK/PD

試験(1 mg/回)でも食後早期のインスリン分泌とそれに伴う食後血糖上昇の抑制が認めら

れ、安全性にも問題はなかった。以上のことから、他の速効型インスリン分泌促進剤と同 様に2型糖尿病患者の食後血糖推移の改善薬として臨床開発を行うこととした。

なお単剤療法のうち単剤後期第 2相試験では、食後血糖値AUC0-3hを主要評価項目とし た。その後独立行政法人医薬品医療機器総合機構との対面助言[平成 (20 )年 月

日実施、# 、資料1.13.2]の結果を踏まえて、食後血糖推移の改善剤として臨床開発す

る場合においても主要評価項目はHbA1C値とするとしたことから、その後の単剤療法(単 剤実薬対照比較試験及び単剤長期投与試験)では HbA1C 値を主要評価項目とした。一方、

α-GI剤併用療法では、HbA1C値及び食後血糖値AUC0-3hの両方を主要評価項目とした。

(1) 食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない2型糖尿病患者

プラセボを対照とした単剤後期第2相試験では、本剤0.25~1 mg/回の用量で1日3回毎 食直前(10分以内)に投与し、HbA1C値及び食後血糖値AUC0-3hの変化量は、それぞれ−1.06

~−1.34%及び−122~−180 mg·hr/dL とプラセボより大きく、有効性が確認された。また実 薬対照比較試験では、HbA1C値の変化量で対照薬のナテグリニドに対する優越性が検証さ れ、食後血糖値 AUC0-3hの変化量は、本剤とナテグリニドで同程度であった。単剤長期投

与試験で0.5 mg/回を維持用量とし、有効性及び安全性を考慮し0.25~1 mg/回の範囲で適

宜増減可として1日3回毎食直前(10分以内)投与し、投与開始前に比べてHbA1C値及び 食後血糖値 AUC0-3hは低下した。発現した有害事象の多くは低血糖関連の有害事象であっ

たが、ほとんどが軽度であり、ブドウ糖や食事の摂取又は無処置で回復し、他者による処 置が必要なものはなかった。その他特に問題となる有害事象は認められなかった。これら のことから、安全性は臨床上特に問題とならないと判断した。

(2) 食事療法・運動療法に加えてα-GI剤を使用しても十分な効果が得られない2型糖尿 病患者

プラセボを対照としたα-GI剤併用後期第2相試験では、本剤0.25~1 mg/回の用量で1 日3回毎食直前(10分以内)に投与し、HbA1C値及び食後血糖値AUC0-3hの変化量は、そ れぞれ−1.00~−1.30%及び−131~−178 mg·hr/dLとプラセボより大きく、有効性が確認され た。またα-GI剤併用長期投与試験で0.5 mg/回を維持用量とし、有効性及び安全性を考慮

し0.25~1 mg/回の範囲で適宜増減可として1日3回毎食直前(10分以内)投与し、投与

開始前に比べてHbA1C値及び食後血糖値AUC0-3hは低下した。発現した有害事象の多くは 低血糖関連の有害事象であったが、すべてが軽度であり、ブドウ糖や食事の摂取又は無処 置で回復し、他者による処置が必要なものはなかった。その他特に問題となる有害事象は 認められなかった。これらのことから、安全性は臨床上特に問題とならないと判断した。

以上のことから、本剤の効能・効果を、食事療法・運動療法のみ、及び食事療法・運動 療法に加えてα-GI剤を使用しても十分な効果が得られない2型糖尿病患者の食後血糖推移 の改善とすることは妥当であると判断した。

2.5.6.3.2 用法の設定根拠

健康成人を対象とした単回投与試験(0.25~2 mg)では、本剤を食直前(食事開始直前)

に投与した。申請用量である0.25~1 mgの用量で、本剤は投与後速やかに吸収され、消失 半減期45.4~66.5分で消失した。インスリン値は投与後30~45分で最高値に達した後速や かに低下し、次の食事前にはほぼ元の値に戻った。2型糖尿病患者を対象としたPK/PD試 験(0.5 mg/回)及びPK/PD試験(1 mg/回)は食直前(10分)に投与した。これら3試験 の薬物動態パラメータを比較したところ、0.5 mg/回及び1 mg/回の薬物動態パラメータは 大きな違いがなく、健康成人と2型糖尿病患者、食事開始直前投与と食事開始10分前投与 で大きな違いはないと考えられた。健康成人を対象とした食事の影響試験において、食後 投与では食直前(食事開始直前)投与と比較してCmaxの低下及びTmaxの延長が認められた。

このときのインスリン値の最高値は、食直前投与が 100.1±42.5 µU/mL で食後投与は

64.0±41.3 µU/mLとなり、食直前投与が食後投与に比べて高かった。また国内2型糖尿病患

者対象の有効性及び安全性を評価した臨床試験では、PK/PD試験(0.5 mg/回)を除くすべ ての試験で1日3回毎食直前(10分以内)に投与し、有効性及び安全性が確認された。

類薬(ナテグリニド、ミチグリニド)の添付文書に、食前の投与タイミングによっては 食事開始前に低血糖を誘発する可能性があることが記載されている。また、本剤の投与後 30~45分後にインスリン値が最高値に到達することから、本剤を食事の30分以上前に服

薬した場合、食事開始前に低血糖を誘発する可能性がないとはいえない。

以上のことから、食後血糖推移の改善剤としての本剤の薬物動態学的特性及びインスリ ン分泌作用に対する食事の影響より、本剤が有効に作用するためには、1日3回の食事摂 取前に投与することが適切であると考えられた。また、本剤の臨床試験における投与時期 及び薬物動態パラメータの比較検討結果から、投与時期は食事開始直前から食事10分前ま での範囲とすることが適切であると考えられ、食前の投与タイミングによっては食事開始 前に低血糖を誘発する可能性があることが考えられた。これらのことから、用法は1日3 回毎食直前に経口投与することが妥当であると判断した。

2.5.6.3.3 用量の設定根拠

健康成人を対象とした単回投与試験(0.25~2 mg)で、0.25~2 mg/回投与の安全性及び 用量に依存した血漿中薬物濃度推移が確認された。このとき、食後早期のインスリン値の 上昇とその後の速やかな減少及び食後血糖推移の改善が認められた。また2型糖尿病患者 を対象としたPK/PD試験(0.5 mg/回)及びPK/PD試験(1 mg/回)と健康成人を対象とし た単回投与試験(0.25~2 mg)の結果より0.5 mg/回及び1 mg/回の薬物動態パラメータは2 型糖尿病患者と健康成人で大きな違いはなかった。

1) 維持用量

国内2型糖尿病患者対象の単剤後期第2相試験及びα-GI剤併用後期第2相試験で、

0.25 mg/回、0.5 mg/回及び1 mg/回の投与により、本剤は投与開始前値からのHbA1C

値を、単剤療法でプラセボ群 0.16±0.38%の低下に対し、それぞれ 1.08±0.63%、 1.34±0.66%及び1.06±0.58%低下させ、α-GI剤併用療法でプラセボ群0.17±0.59%の増 加に対し、それぞれ1.00±0.49%、1.23±0.61%及び1.30±0.69%低下させた。日本糖尿 病学会が推奨している文献1),2)HbA1C値の治療目標の「優又は良」(HbA1C値6.5%未満)

の達成割合は、単剤療法でプラセボ群 22.2%に対し、それぞれ 70.3%、80.6%及び 70.3%であり、α-GI 剤併用療法でプラセボ群 6.3%に対し、それぞれ 68.8%、68.8%

及び75.0%といずれの療法でも、0.25 mg/回の用量から60%を超える多くの被験者で

HbA1C値の治療目標の「優又は良」(HbA1C値 6.5%未満)を達成した。また投与開 始前値からの食後血糖値AUC0-3hを、単剤療法でプラセボ群19±79 mg•hr/dLの低下 に対し、それぞれ168±110 mg•hr/dL、180±117 mg•hr/dL及び122±62 mg•hr/dL低下 させ、α-GI剤併用療法でプラセボ群3±84 mg•hr/dLの低下に対し、それぞれ131±70 mg•hr/dL、168±94 mg•hr/dL及び178±65 mg•hr/dL低下させた。いずれの試験でも、

0.25 mg/回の用量から有効性が確認された。更に単剤実薬対照比較試験では、既存

の速効型インスリン分泌促進剤であるナテグリニドと比較して、本剤0.5 mg/回の用 量でより強い HbA1C 値の改善作用を示した。いずれの長期投与試験でも、0.5 mg/

回を維持用量とし、有効性及び安全性を考慮し0.25~1 mg/回の範囲で適宜増減可と して投与し、長期にわたり良好な血糖コントロールの維持が認められた。

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