600
12
900 1200 15 300 Days after hatching
600 900 1200
‑‑G‑ Rsb ‑‑‑i$‑ Rsb X Bsb
‑ ・
BsbFig. 111‑2. Comparison of growth in 1・3・year‑oldred sea bream (Rsb), black sea bream (Bsb) and their hybrids (Rsb X Bsb).
であったO
(5) 外 部 形 態 の 比 較
計測的形質として マダイ クロダイ マクロダイそれぞれの頭長に対する 5形質測定値の比率を比較LTable III‑1に示した。マクロダイに対して,マダ イは眼径比を除く頭高比(p<O.00 1),
q
身長比ω<0.001),上顎長比(p<0.05),眼商幅 比(p<0.001)の4形質に有意差があり,クロダイは眼寓幅比(p<0.05)のみに有意差 がみられた。Table Ill‑l. Comparison of 5 morphological characters between red sea bream (Rsb), black sea bream (Bsb) and their hybrids (Rsb X Bsb)
Character*l Rsb
Headdepth 1.431士0.051*2,a
Snout length 0.412+0.041a Lengthofup戸rjaw 0.360土0.043b
Eye Diameter 0.239+0.025 Subotbital width 0.217土0.026a
*
1 Expressed as the ratio to head length*2 Mean+SD (n=10)
Rsb X Bsb Bsb 1.256+0.044 1.218+0.039 0.349土0.025 0.342土0.032 0.323+0.024 0.329士0.016 0.249+0.023 0.286+0.045 0.236+0.023 0.250+0.022b
a,b Significantly different from the values of hybrids (a, p<O.OOI; b, p<0.05).
Table llI‑2. Comparison of 11 morphological characters between red sea bream (Rsb)ラ
black sea bream (Bsb) and their hybrids (Rsb X Bsb) Character*1 Rsb
Headlength 0.291 +0.010叫
Body depth 0.408+0.016b Depth of caudal peduncle 0.103土O.Ollc
Len斜1of dorsal base 0.542+0.024 Length of anal base 0.193+0.017c Length of pectoral fm 0.105土O.012c Length of longest pectoral ray 0.277+0.021a Len尉1of longest dorsal spine 0.1l4+0.014a Length of pelvic spine 0.122土O.OIQa Length of longest anal spine 0.089+0.068a
Length of intestine 0.940+0.215b
*1 Expressed as the ratio to body length.
*2 Mean+ SD(n= 10).
RsbXBsb Bsb 0.298+0.006 0.294土0.005 0.436+0.017 0.406土0.018b 0.1l4土0.004 0.119+0.005 0.563+0.031 0.571土0.051 0.177+0.011 0.165 +0.006c 0.120+0.011 0.1l2+0.011 0.321土0.017 0.301土0.022c 0.148+0.011 0.132+0.009b 0.151+0.015 0.151 +0.007 0.147+0.018 0.146士0.010
1.194土0.136 1.011 +0.205c
a,b,c Significantly different from the values of hybrids(a, pく0.001;b, p<O.Ol; c, pく0.05).
Table Ill‑3. Comparison of meristic counts between red sea bream (Rsb), black sea bream (Bsb) and th出 hybrids(Rsb X Bsb)
一
Character Rsb
一
Rsb X Bsb BsbDorsal fm rays Spine 12+0.5* 12土0.4 11 +O.4b Softray II +1.0 10+0.3 11 +0.5 Pectoral fm rays 15土1.0 15+0.5 15+0.5 Pelvic 1m rays Spine 1+0.0 1土0.0 1土0.0 Softray 5土0.0 5士0.0 5+0.0 Analfmrays Spine 3+0.3 3士0.0 3土0.0 Soft ray 9土0.5 9土0.5 8土0.5 Caudal fm rays 18+0.6b 17土1.2 17+0.0 Scales above lateralline 8土0.6 8土0.0 7士O.Qa Scales below lateralline 17+0.4b 18+0.8 17土0.9
* Mean+SD (n=lO)
a,b Significantly di宜erentfrom the values ofhybrids(ぇp<O.OI;b, p<0.05)
Fig. ill‑3. Extemal ap戸aranceof 3・year‑old red sea brearn (top, 46.8 cm TL), black sea bream (bottom, 34.2 cm TL) and their
hybrid (middle, 40.0 cm TL).
次に体長に対する11形質測定値 の比率を比較しTable1II‑2に示し た。マクロダイに対して,マダイ は頭長比,背鰭基底長比を除くそ の 他 の 9形 質 に お い て 有 意 差 が あった (p<0.001‑‑‑‑‑0.05)。クロダイは 体 高 比(p<O.Ol),啓 鰭 基 底 長 比(p
<0.05),最長胸鰭条長比ω<0.05),背 鰭線長比(p<O.O1),腸長比(p<0.05)に おいて有意差があり,他の 6形質 には差がなかった。
計数的形質の比較をTable1II‑3に 示した。マクロダイに対してマダ イは尾鰭条数(p<O.O5)と側線下横列 鱗数(p<0.05)のみに有意差があった が他の 8形質には差がなかったo
一 方 , ク ロ ダ イ は背 鰭 線 条 数
( p
<0.05)と側線上横列鱗数(p<0.01)のみ に有意差があったが他の 8形質には差がなかった。
以上の結果から,マクロダイの外部形態,特に計測的形質はクロダイに近 く,マダイとはかなり異なることが確かめられた。
なお鮮化後 3年目のマダイ,クロダイおよびマクロダイの写真145)をFig. III‑3に示した。マクロダイの外観的色調はマダイよりもクロダイに近い中間色
を呈した。
Table ID‑4. Comparison of the resistance to envirolUuent叫 位essbetween red sea bream(Rsb). black sea bream(Bsb) and their hybrids(Rsb X 8sb)
High temperature Low temperature Low specific gravity*1 Low dissolved oxyge日
Prostration Death Prc盟 国tlO日 Death Prostration Death Prostratio日 Death (・c) ("C) (hours) (ロぜIf) Rsb 3l.7土0.3本2.032.9主O.中 5.7土0.41 3.7:1:0.10 l.7土0.3b 2.2士0.10 0.92土0.120 0特 土0.12b Rsb XBsb 33.4土0.2 34.i:t0.2 4.2土0.4 2.1:1:0.5 8.1土3.2 10.4士3.3 0.40:1:0.20 0.24:t0.a
8sb 34.1士Oゆ 35.7:1:0.7b 3.3土0..5c 1.O:t0.7c 65.9主15.白 74.3玄17.10 0.24士0.01 0.23土0.01
*1 Defllled as the time needed to prostration or death after water specific gravity level was reduced to 1
句 Mean土SD(n=5).
o.b.c Significa日tlydifferent from the values of hybrids(a,p<O.
∞
1; b, p<O.OI; c, p<0.05)。( 6) 環 境 ス ト レ ス 耐 性
飼育水の水温上昇と低下 比重低下および溶存酸素低下に対する耐性試験の 結果をTableIII‑4に示した。いずれの試験に対しでも環境ストレスが増大する
と供試魚は異常な行動をとった。その指標として偲蓋運動数,狂奔,横転,死 亡(偲蓋運動の停止)の状態を観察した。表には供試魚5尾が横転および死亡 したときの飼育水の水温,比重および溶存酸素含量の値を示した。すなわち水 温上昇および低下 並びに比重低下に対する耐性はこれらの3者間に有意差が みられ,クロダイ>マクロダイ>マダイの順であった。溶存酸素低下に対する 耐性では,マクロダイの横転および死亡溶存酸素量はいずれもマダイより有意
に低く,クロダイよりもやや高い値を示した。以上の結果から,マクロダイの 環境ストレス耐性はクロダイよりも弱いが マダイに比べて著しく強いことが 分かった。
皿 ‑1 ‑ 2. マダイ Xヘダイ90)
マダイ(♀)Xヘダイ(♂)の属間交雑魚(以後マヘダイと呼ぶ)の特徴を明らか にする目的で,その成長,生残率,外部形態および環境ストレスに対する耐性 などをマダイおよぴヘダイ(ここで、は雌性発生二倍体ヘダイを用いた)と比較
した。
ill‑1‑2‑1. 材 料 お よ び 方 法
(1) 親 魚
マダイ親魚としては人工生産種苗を田辺湾内に設置した本学水産研究所の網 生賛で5年間養成した体重4,060g,尾叉長57.6cmの雌 1尾と,体重4,870g, 尾叉長63.0cmの雄 l尾を用いた。ヘダイ親魚としては同じく人工生産種苗を 4 年間養成した体重1,400g,尾叉長36.5cmの雌 l尾と,体重1,120g,尾叉長 35.0cmの雄1尾を用いた。
(2) 採 卵 お よ び 人 工 受 精
1990年3月17日に,ゴナトロビンをマダイ雌に2,500I.U.,ヘダイ雌には 1,200I.U.をそれぞれ背筋部に注射し,いずれも48時間後に採卵したO マダイ 卵は2つに分けて両魚種雄それぞれの精子を用いて乾導法により人工交配を行 い,マダイ♀×マダイ♂(マダイ)およびマダイ♀×ヘダイ♂(マヘダイと呼 ぶ)の 2ワの組み合わせを作った。一方 ヘダイ♀×ヘダイ♂(ヘダイ)につ
いてはここで用いたヘダイ親魚の♂からは十分な採精ができなかったため,マ ダイの精子を用いて雌性発生二倍体ヘダイを作出し,前二者との比較に供し た。雌性発生二倍体ヘダイの作出は,媒精前に海水で10倍希釈したマダイの精 子を2,000erg/mm2/sec.で紫外線照射して媒精し,受精
4
分後にO o c
の海水で10分間の低温処理を行った。媒精に用いた卵数は,マダイとマヘダイ用は各 109,000粒,雌性発生二倍体ヘダイ用は65,000粒であった。媒精したそれぞ、れ の卵は一時的に30
e
容水槽に移し,沈下した未受精卵および死卵を除去した 後,浮上卵を各々500e
容ポリカーボネイト水槽に収容したO 止水換水,通 気,ナノクロロプシス 40~50 万cells/m e
添加,水温lSoCの条件下で受精卵の管 理を行った。発生卵が8~16 細胞期に入った時点で浮上卵の一部を抽出して万能投影機で発生卵数を計数し受精率を算出した。次に媒精約24時間後の駐体形 成卵を各100粒ずつ無作為に抽出して1.
5 e
容ボールに収容し,正常勝化仔魚の 鮮化率を求めたO(3 ) 仔 稚 魚 の 飼 育
媒精後2日目の各肢体形成卵を別の500
e
容水槽各 l面ずつに移して癖化さ せ,仔魚の飼育を行った。飼育水は鮮化後7日目から20日目までは止水換水式とし,以後徐々に流水式に変えた O 飼育水にはナノクロロプシスを 40~50 万
cells/
m e
の密度になるように解化後20日目まで毎日添加し, 15日目までは軽く 通気した。シオミズツボワムシを解化後3日日から アルテミアノープリウスを癖化後18日目から給与し,市販の配合飼料を20日目から,魚肉ミンチを25 日目から給餌した口
(4) 稚 魚 沖 出 し 後 の 養 成
本実験では鮮化後71日目(全長50mm前後)に稚魚を室内飼育水槽から海面 生蟹へ移すいわゆる沖出しをした。実験場地先海面に垂下した縦・横・深さ各 3mの網生費3面に各稚魚を収容し マダイ用ドライベレットと冷凍マイワシ およびイカナゴのミンチ肉を給餌した。マヘダイとマダイおよび雌性発生二倍 体ヘダイとの成長を比較するため2歳魚までは約 1ヶ月日毎に, 3歳魚からは
2~3 ヶ月日毎に魚体測定(全長,尾叉長および体重; n=20) を行った。
(5) 外 部 形 態
形態的特徴を明らかにするために,マダイ,雌性発生二倍体ヘダイおよびマ ヘダイの各10尾を用いて僻化後270日目および瞬化後947日目に次の各形質を 測定し比較したO 計測的形質としては体長,頭長,頭高,吻長,上顎長,眼 径,眼宵幅,背鰭赫長,腹鰭赫長,磐鰭赫長,最上胸鰭条長,最長胸鰭条長,
背鰭基底長,啓鰭基底長,尾柄高,腸長および体重を測定したO また計数的形 質としては背鰭,胸鰭,腹鰭,智鰭,尾鰭の鰭条数並びに側線上横列鱗数,側 線下横列鱗数を計数したO なお計測 計 数 は 田 ‑1 ‑ 1に示した方法に準じ た。
(6) 環 境 ス ト レ ス 耐 性
水温上昇に対する耐性試験は聯化後288日日に,水温低下に対するそれは解 化後326日目に,それぞれ前記の 3種を各5尾ずつ用いて行った。水温の上昇
は 3~4 時間で限界水温(推定350C) に達するようにボイラ}加温海水を用いて
1時間当たり, 4.5~4.80C の上昇速度とした。水温の低下はユニットクーラー
による冷却海水およびあらかじめ凍らせた海水を貯水槽に投入し, 3 ~4 時間
で限界水温(推定 70C) に達するように 1時間当たり 20Cの低下速度とした。
実験開始時から15分毎に水温, 30分毎に溶存酸素含量を測定し,供試魚の鯉、
葦運動数を目視で数え,狂奔,横転および偲蓋運動停止(死亡)の状態を観察 した。
海水比重低下耐性試験は鮮化後285日目に各 5尾ずつ使用して行ったO 海水 比重の低下は水道水をチオ硫酸ナトリウムで中和して試験水槽に徐々に注入 し,約3時間後に比重が1.0(赤沼式比重計で測定)となるように 1時間当た り0.008ずつの低下速度とした。
溶存酸素量低下耐性試験は,解化後326日目に同じく各5尾ずつを用いて 行った。試験水槽に流水のまま窒素ガスを通じて溶存酸素量を徐々に低下させ た。
なお,解化後326日目における各供試魚の平均体重はマダイ, 179.2土24.4g; 雌性発生二倍体ヘダイ, 169.5士62.9g;マヘダイ, 198.9 + 57.8gで、あった。
盟‑1‑2‑2. 結 果 お よ び 考 察 (1) 受 精 率 お よ び 解 化 率
受精卵(n=10)の平均卵径はマダイ0.898+0.019mm,雌性発生二倍体ヘダイ 0.946土0.028mmであったO 受精率 (100X正常発生卵数/浮上卵数)はマダ
イ, 74.0% 雌性発生二倍体ヘダイ, 15.0%;マヘダイ, 71.0%でありマヘダ イの受精率はマダイと大差がなかった。しかし雌性発生二倍体ヘダイのそれは 雌性発生のためか最も低かった(p<O.OOl)。鮮化率 (100X正常勝化仔魚数/膝 体形成卵数)はマダイ, 85.7%;雌性発生二倍体ヘダイ, 70.4% .マヘダイ,
71.3%であり,マヘダイのそれは雌性発生二倍体ヘダイとはほとんど差がな
100
80 ヌ
~ 60
~ 』
鳴
ーと 40
ぽ冨
コ
20
o
~ Rsb
一 義 一 Rsb X Sb
‑ ・ ‑
Sbか っ た が マ ダ イ よ り も 低 か っ た (p
<0.05) 0
(2) 仔稚魚の成長および生残率 解化仔魚飼育開始時の尾数はマダ イ, 12,900尾;雌性発生二倍体ヘダ イ, 18,800尾;マヘダイ, 15,100尾で あった。解化後3日目からシオミズツ ボワムシを給与したところいずれもよ く摂餌したO 解 化 後30日目の仔魚 (n=10)の平均全長は,マダイ, 9.65+
1.40mm ,雌性発生二倍体ヘダイ,
o 5 10 15 20 25 30 11. 6士1.47mm,マヘダイ, 10.1 + Days after hatching 0 .7 5 mmとなり,雌性発生二倍体ヘダ Fi2:. llI‑4. Comoarison of survival rate
ロ inred sea bream (Rsb), gynogenetic イが最も大きかった(凶 05)。一方,
diploid silver bream (Sb) and their 30日目までの生残率をFig.III‑4に示し hybrids (Rsb X Sb) た。鮮化後30日日の生残率はマダイ,
28.1 % ;雌性発生二倍体ヘダイ, 3.7% ;マヘダイ, 27.8%であったO 荒川1, 吉田25)はマダイとチダイの交雑で また村田84)らはマダイとクロダイのの交雑 でいずれの交雑種も初期の生残率が極めて低いことから雑種劣性の可能性があ ると報告している。しかし,マヘダイにおいてはその現象はみられなかった。
雌性発生二倍体ヘダイにおいては雌性発生による作出のため生残率が低かった ものと考えられるO しかし,鮮化後71日日から140日目における70日間の生残 率はマダイ(約70%)に比べマヘダイと雌性発生二倍体ヘダイ(いずれも100
%)が著しく高かった(p<0.001)。
(3) 当歳魚の成長
解化後360日日までの平均体重および平均全長(n=100)を比較してFig.III‑5に 示した。鮮化後8ヶ月日における平均体重はマダイ, 135.4土14.7g;雌性発生 二倍体ヘダイ, 91.1士55.7g;マヘタ
γ
,200.5士39.7gとなりマヘダイの成長 が最も良かった(p<O.Ol)。しかし,解化後12ヶ月目におけるマヘダイとマダイ の体重には有意差はみられなかったO なお雌性発生二倍体ヘダイの体重増加は 前二者に比べ緩慢であった。一方 これら三者の平均全長は平均体重とほぼ同じ傾向で推移した。