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回15名で 5  日間行う実習を 年に 2 回行っていらっしゃるとのこと。合計

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対話のある博物館づくりを 目指して

学芸員実習も 1  回15名で 5  日間行う実習を 年に 2 回行っていらっしゃるとのこと。合計

で30名の実習をお1人で?

「学校側からの要請でもあり多い時には1度 に30名を受け入れた時もあります。さすがに 多かったのですが試行錯誤して現在の形にな りました。」

「基本的には建築担当と一緒に行いますが、

先ずは館長や私による講義、文書の読み方な どの実習をし、次に建築担当による移築の苦 労話や実測図化を実習します。加えて実際に お客様に接してガイドをしてもらいますが、

トヨタ博物館学芸員

宗 沢 清 美

(歴史学・英米語学)

博物館明治村学芸員

中 野 裕 子

(歴史学)

写真7 運転手がガイドをしながら村内を巡る

写真8 騎馬警官も登場

写真9 乗員の興味や年齢などに応じて楽しくガイドする車掌

写真10 「学習院長官舎」の内部 写真6 ガイドブック、ワークシート、

館内案内など、種々用意されている。

憲皇太后の企画展を開催しているが、高くお さまっていると客層に合わない。親しめたり、

なるほどなどと思うような展示の工夫や資料 の選定が必要。」

公立館が地域に根ざしているように、企業館 は社会全体に貢献する姿勢を見せなければな らない。迎賓対応や企業PRとしての役割が あったり、敷地が大きければ観光的な要素で 見られるのではないか?

「迎賓対応や広報PRももちろん要求されま すし、団体客やイベント目当てに来館される 方々など、客層は本当に様々です。館長を始 め営業部門や館内スタッフなどと連携して対 応していますが要は館を楽しんでいただくこ とが大切だと思ってます。また、名鉄が明治 村を設立した精神を忘れずにいなければなら ないと思ってます。」

なるほど、企業としてはマーケットに合わ せたモノづくり(提供・サービス)が重要であ り、その考え方を博物館にシフトするならば、

客層に合わせた展示や普及をすることでお客 様から求められる館になっていくことなので あろう。

ともすれば学芸員の業務は「博物館」とし て直接的に評価されてしまう。さらに館内で も評価基準や方向性が違うことはある。

「ベクトルが合う合わないってあるけど、

それぞれの方向性があっていいんじゃないか と思いますよ。人にはそれぞれの良さがあり、

良いところ、良い考えを受け入れることが必 要。入館者数や展示内容の質など、内部での 評価、外部からの評価と捉えられ方は様々で すけど、基本はお客様に喜んで頂けることが 大切なのではないか、と行き着きます。ただ、

他館の例ですけど『館のコンセプト』や『創 業者の精神』を忘れることなく館員全てに浸 透されている所を見た時は感銘しました。芯 となる『精神性のベクトル』は合っていない といけないと考えます。」

中野さんのお人柄からか『人』を大切にし ている心遣いが窺えるが、話の随所に飯田館 長のお人柄の良さも口にされた。館長はガイ ドツアー終了時間を見計っては現れて追加の 説明をされたり、学芸員実習や建築、デザイ

ン関係の学生さん達を受け入れる時には「学 問の研究は後進を育てることも大切」との思 いで、熱心に説明されていらっしゃる。その 姿勢から「博物館とは」「学芸員とは」とい う根底の意識を忘れずにいられるとのこと。

中野さんの良き理解者でもあられ、他館への 借用交渉や館内で問題があっても的確なアド バイスによって切り抜けてこられたそうだ

(写真21)。

愛博協について伺う。明治村は愛博協理事館 であり、中野さんは実行委員としても長く関 っておられる。以前の活動を含めて今後期待 することは?

「学芸員が 1  人しかいないので勉強不足の 不安などはありますよ。なので学会や研修会、

勉強会などには積極的に参加したり、人脈を 増やす努力は怠らないようにしています。愛 博協の研修会にもよく参加しました。」

「愛博協は40年間熱い思いを抱いた先輩学 芸員たちが築いてきた会であり、色々教えら れました。その時代時代で人の熱意に温度差 はありますが、小さい力を大きな力にしてい く良い場だと思います。ただ最近の研修会は テーマに少し堅苦しさを感じます。以前参加 したことがある美術部門研修会では専門の異 なる 4 〜 5 名の講師によってバラエティに富 んだ内容でした。皆で食事する機会も多くあ り、気軽に交流できる雰囲気も良かったです。

理論的な研修会は学会や日博協などに譲り、

愛博協は横の繋がりを作ったり、若い学芸員 が気軽に参加できる場として活発になってい くことを願います。」

最後に中野さんはご夫婦揃って学芸員でも あり家庭内での様子も伺った。ご主人は良き お父さんでお嬢様とよく美術館や博物館に行 かれているとのこと。お坊ちゃまも旅行中に イサムノグチの彫刻に出会われ心良く触れる 機会があり興味を持たれたという。

「明治村に? プライベートではもちろん小 さい頃から連れてきていますが、先日、子供 の小学校で校外学習があったけど私達の地域 では『国際理解』がテーマなので明治村では なく、隣のリトルワールドに行ったのよ(笑)。」

「子供を通して教えられることは多く、美

写真11 「京都中井酒造」の内部

写真12 同上。商人層の食事例が展示。

写真14 「歩兵第六聨隊兵舎」の内部

写真15 「シアトル日系福音教会」の内部 写真13 「夏目漱石住宅」。入室すると

『我輩は猫である』の冒頭が音声で流れる。

<インタビューを終えて>

インタビューを終え、当然のことながら

『お客様あっての博物館』であることを強 く感じた。館に訪れるお客様の興味の度合 いは様々だが、資料との掛け橋になるのが 学芸員の役割。一方的にはならずお客様の 目線で捉えていくことが大切であり、その 中で学芸員の持ち味を表現していくことが 大切だと改めて感じた。明治村は経営母体 から独立され、事務側では今後の運営や方 向性などが少なからずも変化していくだろ うとおっしゃっていたが、ご自身が例に出 されたように館全体が『揺るぎない信念を 持つこと』、『後世に繋げていくことが使命 であること』は、どの館にもあてはまるこ となのではないだろうか。

術館・博物館でも子供は興味を持つことがあ っても、偶然居合わせた他の来館者から不愉 快なことを受けたりすると拒否反応を起こし てしまう。だから、子供などは特にリラック スして見る環境が大切であり、厳しい監視で はなく優しく見守って、さらには物に触れた りできれば興味を持つと思う。」

「また、昨今バリアフリーなどといいます が、ベビーカーや車椅子の斜路がきつい所や トイレのおむつ替え台などは経験してみて不 便さを感じました。そういう目線で明治村の お客様対応でも生かしていきたいですね。」

(写真22、23)

写真16 「京都七條巡査派出所」。警官に 扮したガイドが村内地理を説明

写真17 展示建物を番地付けし、「丁目」

で位置区分を示している。

写真18 方向案内。建物群に合わせた風 見鶏風装飾にも工夫が見られる。

写真19 「小泉八雲避暑の家」。1階に は「駄菓子屋 八雲」がある。

写真20 「呉服座」。

2004年には芸人による公演が開催。

写真22 車椅子やベビーカー用のスロープ

写真23 同上 写真21 飯田館長による説明案内

こうするのが子どもにとっていいだろう、っ て大人が決めてしまうのはダメ。

流木で虫を作る人の作品を展示する機会が あって、その虫を壁面いっぱいに展示したこ とがありました。これは子ども喜ぶぞって期 待したんだけど、みんなフーン、で終ってし まう。それでどうしたかというと、名付け親 カードっていうのを作って、この中の虫に名 前を付けようってやってみたんです。天井近 くの結構高いのもあったから、僕はいつも竹 竿持って立ってました。名前を付けよう、と いうことになると、自分でどれが気に入った かって探すわけですよ、それで気に入った虫 に対して名前を付ける。ぼくはあれがいい、

って。「何ていう名前?」「へんてこ虫」とか。

その名前と自分の名前を紙に書かせて、虫の 横に貼っておくんです。そうすると子どもは まず自分の気に入ったものを探そうとする、

次にその印象を自分で表現するようになるわ けです。そうしていると、今度は子どもが親 を連れてきて報告するんです。あれ僕が名前 付けたんだよ、って。あの時は一日中竹竿持 って館内まわってました。学芸員が。この経 験は何年か後には子どもの造詣展のヒントに なったから、そういう意味ではとても子ども について勉強になったしいい経験でもあった わけです。

――それではこれまでの仕事での 1 番の苦労 話を教えてください。

最初の展示の時(開館特別企画展「天使と 天女」平成 8  年)。民間会社に企画やマネー ジメントを委託したんだけど、もう謝罪めぐ りだった。民間のプロデューサーに任せて、

民間会社の名前で書類作って資料貸してくれ ってお願いしたから、資料の所蔵者から主催 はどこなんだっていう話になって、そんな書 類で資料を貸せると思うのかってさんざん怒 られました。それでもう全国謝り行脚。今だ におまえの所の最初の展覧会の時は、って怒 られることもあります。その他は特に大きな ミスもないし、まあまあ順調。

――現在の美術博物館に移動してから仕事は みんなに助けられ順調だと語る荒井さん。

今の仕事上の悩みはないですか?

愛知県博物館協会が発足して今年で40年。

今回40年史の作成にあたり、岡崎市でおかざ き世界子ども美術博物館、岡崎市郷土館、岡 崎市美術博物館をめぐり、長年にわたって非 常に幅広い活躍をされている岡崎市美術博物 館の荒井さんにこれまでの活動やこれからの 博物館・美術館のあり方についてお話を伺っ た。

――荒井さんは学芸員として美術から考古、

展示から文化財保護まで、幅広い仕事をこ なしていますが、これまでで特にがんばっ てきたことを教えてください。

まずは子ども美術博物館時代(おかざき世 界子ども美術博物館のこと)。美術なんて何 やっていいか全然わかりませんでした。でも 自分の子どもに何をしてやりたいかを考えれ ば子どもに対する視点は持てるから、展示す る作品と子どもの間にどうやって立とうかを 考えました。それでまず最初にやったのは、

美術館の絵の高さを10cmずつ下げること。

その上で子どもはどういうものに興味を持つ のか、どんな動きをするのか観察しました。

美術史に関しては専門の嘱託の先生がいたか ら、絵の評価や解説はその人に任せて。僕は その人の話をベースに、自分なりにどう作品 を解釈し直すか、子供たちにどんなふうにア ピールするか、ってことを考えるようにした んです。

――美術館の活動で得た子供の興味を引き出 すコツは?

子どもの動きを見ていて、子供って導線な いんだな、というのが分かった。順路に沿っ て見ていくのがいいのか、それとも自分の好 きな作品をまず見つけてもらうのがいいの か、どっちが子どものための美術館として大 事なのか。興味がないのにただ順番に見てい くのでは子どもも面白くない。それでも順番 に見せたいならそれなりの方法があるんじゃ ないかと。それでどうしたかというと、これ はぜひ子どもに見せたい、っていう絵のそば に監視員を置いて、子どもが来たら声をかけ てくれるように頼んでね。それでこの絵どう 思う? っていうふうにアピールしてもらう。

そうやって子供の興味を引き出すのが大切。

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