内反型変形性膝関節症患者における下肢長尺 X 線像の立位と臥位の違い
遠位大腿骨骨切り術術後 3 日目から歩行訓練開始した 25 膝の術後 3 日目, 21 日目の CT 評価
●裵 漢成 ( はい ひろなり ) 豊川市民病院整形外科
【はじめに】一般的に遠位大腿骨骨切り術(Distal femoral osteotomy ;以下,DFO)は術後免荷期間が3-4週間程度必 要されることが多く,忌避される理由の一つにもなっている.当院ではdouble level osteotomy(以下;DLO)を含めた DFO術後3日目に撮像したmulti-planar reconstruction CT像(以下,MPR-CT)ならび3D reconstruction CT像(以 下;3DR-CT)で評価を行い,Hinge部骨折等の早期荷重の制限をきたす明らかなトラブルを認めない限り,同日からの 荷重歩行訓練を当院プロトコルに従って開始している.今回,前述の行程で早期荷重リハビリを行った25膝の術後21日 目のMPR-CTと3DR-CTを評価。Hinge骨折等のトラブルが生じていないかを検討をした.
【対象と方法】2016.2月から2018.3月までに当院で行った25膝.内訳はDFO6膝,DLO19膝.年齢は平均58.2歳(22-76 歳),大腿骨切除量は平均5.02mm(3.4—8.0mm),矯正角度は5.43度(3.6-8.2度)だった.全例3日目のCT像で明らか な骨折を生じていないこと確認し,同日から早期荷重リハを開始した.術後21日目に再度MPR-CTと3DR-CT作成し,
術後3日目に認めなかったHinge部骨折が存在するかを検討した.
【結果】術後3日目のCT像と比較して,術後21日目のMPR-CTでは明らかな骨折は指摘し得なかった. 3DR-CTでは DLOの1例で新規骨折を指摘し得た.
【考察】術後3日目にHinge骨折を認めてなくとも,早期荷重訓練開始後に新規骨折を生じることがあり,その評価には MPR-CTよりも3DR-CTでの方が簡便かつ確実にHinge部骨折の有無を判断できる可能性がある.今後症例数を重ね て適切なCT撮像時期,荷重開始時期の検討を重ねていく必要がある.
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大腿骨遠位骨切り術( DFO )の骨癒合開始時期に影響する因子の検討
●小佐野 圭(おさの けい)
1, 仲 村俊介
2, 秋山 武徳
21福岡みらい病院,2秋山クリニック
【目的】変形中心に対する膝周囲骨切り術を行う際、DFOは避けることができない手術となった。しかしDFOの歴史は 浅く、手術手技や固定材料が確立されておらず、また大腿骨は脛骨と比べ力学的に骨癒合に有利な場所ではないため
、骨癒合やその臨床成績に不安が残る。本発表の目的は、DFOの骨癒合開始時期を様々な側面から検討し、骨癒合 に影響する因子を検討することである。
【対象と方法】2014年11月以降、当関連施設にて施行したDFO60例(内側CWDFO30例、外側CWDFO)の骨癒合開 始時期を調査し、年齢・体重・BMI・矯正幅(CW)・矯正角(CA)・術前後アライメントデータ・ヒンジの高さ(HH)・ヒンジ骨 折(HF)有無・プレート設置位置(PP)・スクリュー方向(SD)などの各種パラメータとの関連を調査した。
【結果】DFOの骨癒合開始時期は93.9日(内側CWDFO 86.2日、外側CWDFO 101.6日)であった。年齢・体重・BMI・ CW・CAとの相関はなかった。術前後のアライメントデータとの相関は内側CWDFOはなかったが、外側CWDFOと術 後%MA、HKA、mLDFAとの間に相関があった。骨癒合開始時期は、ヒンジ骨折の有無では有意な相関があり、ヒン ジ骨折有群132日、無群56日であった。HH・PP・SDとの間には相関がなかった。
【考察】本研究からヒンジ骨折を起こせば、骨癒合遅れることがわかった。最近では、少しずつDFOの手術手技も明ら かになり、新しいプレートも開発されるようになったが、今後は、どのようにヒンジ骨折を防ぎ、骨癒合を確実にできるか を検討していきたい。
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7-4
“ 驚くべき ” 二面大腿骨遠位骨切り術( bDFO )のピットホール
●秋山 武徳 ( あきやま たけのり )
1, 仲村 俊介
1, 小佐野 圭
21秋山クリニック,2福岡みらい病院
【目的】大腿骨に変形中心がある症例に対する膝周囲骨切り術を行う際、DFOは避けることができない手術となった。
最近では手術手技や固定材料も進歩し、その中でもbDFOが有効と考えられるようになり、多くの施設で行われている
。本発表の目的は、bDFOの骨癒合開始時期に影響する因子を二面骨切り術の面から検討し、その有効性とピットホ ールを検討することである。
【対象と方法】2014年11月以降、当関連施設にて施行したDFO60例(内側CWDFO30例、外側CWDFO)の骨癒合開 始時期を調査し、フランジの大きさから判断したヒンジ幅(HW)ヒンジ幅率(%HW)、さらにはフランジ骨切り面の離開 幅(FD)との関連を調査した。
【結果】DFOの骨癒合開始時期は93.9日(内側CWDFO 86.2日、外側CWDFO 101.6日)であった。HWは内側 CWDFO 17.7㎜、外側CWDFO 20.4㎜であり、%HWは内側CWDFO 43%、外側CWDFO 51%であり、骨癒合開 始時期のみならずヒンジ骨折の有無との間に相関を認めた。またFDは1.47㎜であり、骨癒合開始時期と強い相関を 認めた。
【考察】二面骨切りは、関節包を温存できることによる関節拘縮の予防に加え、回旋安定性、接触面積増加による骨癒 合促進などのメリットがあると信じてきたが、フランジの作成を一歩間違うと骨癒合に大きな悪影響を与えることになる ことがわかった。bDFOを行う際、フランジの作成に十分注意する必要がある。
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高度内反変形膝に対して行った double level osteotomy 術後の再鏡視に基づく軟骨修復
●中山 寛(なかやま ひろし)、神頭 諒、吉矢 晋一 兵庫医科大学 整形外科
【はじめに】高度内反変形膝に対するdouble level osteotomy (DLO)は生理的膝関節面の再建を目的とする骨切り術 である。しかし、DLOの再鏡視所見の報告は未だない。今回、当科で行ったDLO症例の再鏡視所見を検討した。
【対象】当科で行ったDLOのうち、再鏡視できた36膝を対象とした。平均年齢は62.3歳、平均再鏡視時期は術後16.6ヶ 月であった。再鏡視時の軟骨修復はKoshinoらの分類に準じ、修復が全く見られなかったものをStage A、部分的な修 復が見られたものをStage B、全面的に修復が見られたものをStage Cとした。Stage BとCを軟骨修復ありと定義した。
大腿骨内顆、脛骨内顆、膝蓋骨、大腿骨滑車部を調査した。
【結果】アライメントは術前平均hip-knee-ankle角14.5°内反から術後0.1°外反へと変化した。軟骨修復が見られたのは 大腿骨内顆で94.4%、脛骨内顆で97.2%、膝蓋骨で11.1% (残りの88.9%は術前と変わらず)、大腿骨滑車で91.7%であ った。
【考察】DLOは膝関節面角度と機能軸ともに解剖学的な再建を行うことを目的とする術式であるが、高度内反変形膝で あっても、DLOによる解剖学的膝関節面再建を行えば、良好な軟骨修復が得られた。
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Session 8 (16:20~17:30) 一般演題7 歩行解析 ( 発表5分、討論5分 )
座長:中村 英一(熊本大学)
岡崎 賢(東京女子医科大学)
8-1
内側開大式高位脛骨骨切り術が歩行時のキネマティクス・キネティクスに与える影響
●鈴木 航 ( すずき こう )
1, 前田 龍智
1, 大越 康充
1, 浮城 健吾
2, 櫻井 茂幸
2, 川上 健作
3, 鈴木 昭二
41悠康会
函館整形外科クリニック 整形外科 2悠康会 函館整形外科クリニック リハビリテーション部
3函館工業高等専門学校
生産システム工学科
4公立はこだて未来大学
システム情報科学部 複雑系知能学科
【目的】 内側型変形性膝関節症や大腿骨内顆骨壊死に対する内側開大式高位脛骨骨切り術(MOWHTO)は、冠状 面下肢アライメントを変化させることで治療効果が期待される。しかし、その生体工学的効果に関する知見は十分では ない。 本研究の目的はMOWHTOが歩行時キネマティクスおよびキネティクスに与える影響を検討する事である。
【方法】 MOWHTO を施行し、術後 1 年以上経過した12 例 12 膝(年齢 59.5±6.3 歳、男性6例、女性6例)を対象 とした。立位下肢全長 正面 X 線写真における術前%MA は 30±8.1%、術後 65.7±7.3%であった。これらの症例 に対しポイントクラスター法に準じた光学式モーションキャプチャ技術と、逆動力学計算により膝関節キネマティクスお よびキネティクスを算出した。また体表マーカの位置情報から股関節と足関節の中心を推定し、これらを結んだ線分を 三次元下肢荷重軸(3D-MA)とし、それが脛骨近位関節面に設定した XY 座標を通過する点(3D-MA 通過点)を算 出し、その軌跡について解析した。術前と術後の解析結果について、統計学的に比較検討した。(T-test、P<0.05)。
【結果】 立脚期における術前 3D-MA 通過点は関節面の内側部で変位していた。外的膝内反モーメント(KAM)の 1st peak 値は平均 2.1±0.5%Nm/WB・Ht、2nd peak 値は平均 2.0±0.7%Nm/WB・Ht であった。 術後 3D-MA 通過点は関節面の外側部を通り、 KAM の 1st peak 値は平均 0.7±0.4%Nm/WB・ Ht、2nd peak 値は平均 0.8±0.6%Nm/WB・Ht と術前較べ有意に低値であった。
【考察】 本研究結果から、MOWHTO 術後に3D-MA 通過点は関節面の外側へ変化し、KAM は減少した。これら の変化は、MOWHTOによる下肢アライメント矯正の効果と考えられた。
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OWHTO 術前後における歩行動作時の関節面傾斜角変化
●五味 徳之(ごみ のりゆき)、近石宣宏、松浦一平、片岡悠介 坂出回生病院 関節外科センター
【はじめに】近年関節面傾斜の観点から大腿側の変形も同時に治療するdouble osteotomyが報告されている。我々は 2017年JOSKASでOWHTO単独の術前後における静止立位時の関節面傾斜を検討したが、今回は実際の歩行動作 における変化を検討したので報告する。【対象】68例68関節(男性21・女性47、平均年齢65.8歳、OA49・ON15・他4、 術前立位FTA180.7→術後168.9、術前JOA59.9→術後93.6)
【方法】OWHTO術前と術後(抜釘時、平均15.2ヵ月)に三次元動作解析装置VICON-MXを用いて歩行解析を行い、
立脚期における大腿・下腿の骨軸傾斜角を計測した。また、立位長下肢X線像から大腿・下腿共に骨軸弯曲角の二等 分線を骨軸と定義して関節面と成す角を求め、先の骨軸傾斜角から関節面傾斜角を算出した(最小と最大値)。
【結果】骨軸の傾斜は大腿側が術前-0.1-1.4とほぼ垂直であり、術後は4.4-6.8と外方に傾斜した。脛骨側は術前 2.4-6.2と外方に傾斜し、術後は-1.9-1.5とほぼ垂直になった。一方、関節面の傾斜は大腿側が術前5.9-7.8と内下方への傾 斜が強く、術後は1.4-3.8と減少した。脛骨側は術前-2.1-1.6とほぼ水平だが、術後は3.8-7.2と内上方に傾斜していた。
【考察】骨軸傾斜で見ると術前の内反要因は脛骨側にあり、術後の外反要因は大腿側にある。関節面傾斜では術前大 腿側の内下方傾斜が強く、脛骨近位を切り上げ矯正するOWHTOにより、術後は大腿側の傾斜が減少したものの脛 骨関節面が内上方に傾斜していた。これは静止立位時の評価とほぼ同等の結果であり、OWHTOの術後歩行時にも 脛骨関節面が内上方に傾斜していることが判明した。今後長期成績を検討する事で、その影響を明らかにする必要が ある。