“ “ TSRTSR
特に観光客が増えないという回答も 21. 5%を占めている。その他の意見として、課題及び 提案も挙げられている。
6.2 論点の整理
6.3.1 日本海横断国際フェリーを取り巻く全体の状況
これまでの検討結果に基づき、日本海横断国際フェリー(三角航路)を取り巻く全体の 状況は、次の通りである。
(1)北東アジア(環日本海圏)の発展
東アジアの今後については、著しい経済発展が予想されている。その中核となると予想 されているのは中国であり、「21 世紀は中国の世紀である」と言う表現もされている。北陸 地方にとっても、今後、中国との関わりが深まり、中国との物流が増加すると予想されて いる。北東アジア(環日本海圏)と言う圏域で捉えると、中国東北三省が対象となるが、
北陸地方の貨物も、現状では南中国の貨物が多く、東北三省との貨物は未だ多くない。し かし、今後は東北三省の資源依存型工業の発展、日本企業の進出に伴い、北陸地方との物 流量も増大すると予想されている。同時に、中国の成長の制約要因となるものとして、資 源・環境問題が指摘され、また、現在の東北三省の窓口である大連港の限界も指摘されて おり、新しい窓口の整備の必要性も指摘されている。
中国に次ぐ経済発展が予想されているのが、ロシアである。ロシアとは、L/C 貿易ができ ないと言うような渉外もあるが、石油価格高騰の恩恵もあり、ロシア経済の発展に伴った 富裕層が増加しており、農産物(花・梨・苺など)の輸出も増得ている。現在は、伏木富 山から定期貨客船が就航しているが、新潟港からは中古車輸出のための不定期 RO-RO 船が 就航しているだけであり、国際フェリー航路の就航も期待される。ただし、ロシアの場合 は、賄賂を要求されると言うような悪習も残っていることが問題である。
韓国については、すでに日本との交流が定着しているためか、多く議論はされなかった が、三角航路は韓国にも寄港することとなっているので、韓国との交流の重要性は認識し なければならないであろう。
環日本海圏の中心に位置する北朝鮮については、「北東アジア発展の鍵は北朝鮮がキーワ ードである」という指摘もあり、また、「中国・ロシアが北朝鮮の羅津港に投資を始めてい る」という情報もあり、環日本海圏開発にとって北朝鮮が占める位置は大きいので、今後 も、その動向を注視する必要があろう。
産業類型としては、自動車の「すり合わせ型」と電気製品の「組み合わせ型」があり、
北東アジアにおける国際分業で、どちらの類型の分業が進むか、未分明のところがあるが、
いずれにしても、日中韓 3 国のあいだで国際分業が進むことは疑いなく、その結果として
国際物流が増大すると予想されている。
(2)北陸地方・新潟県の将来
北陸地方の将来については、中国・ロシア・韓国と言った環日本海経済圏の発展に伴い、
北陸地方のポテンシャルが高まっていることが指摘されている。
アジア地域の発展に伴い、北陸地方と環日本海経済圏との経済交流の実現のための提言 として、次の四つが挙げられている。
① 国際物流機能の改善強化の必要性(沖待ちの解消、ハードの整備)
② 多様な輸送経路への対応(鉄道との連携)
③ 企業の立地促進に向けた取り組み
④ 北陸地域の国際物流機能の利用促進
新潟県については、北東アジアの発展をベースに、人・物の交流を新潟県を通じて行う ために、新潟港にフェリー航路を開設しようという動きがある。それに向けて、港湾の整 備を含め、国だけではなくて港湾管理者である県も含めて、その環境整備には積極的に対 応して行きたいと言う提案がなされている。
新潟港については、貨物の集荷エリアとして北陸地方の貨物が基本ではあるが、栃木県・
群馬県・福島県などのエリアからの利便性を考え、貨物を集めて新潟港に持ってくるよう な方式が北陸港湾としての有効性を発揮できるのではないかと言う意見も出されている。
(3)日本海横断国際フェリー(三角航路)の意義
日本海における国際フェリーを成功させるための視点として、次の
3
点が指摘されてい る。① 日本、韓国、ロシアの 3 カ国の港を結ぶ航路であるが、中国、北朝鮮、モンゴルと も道路と鉄道で結ばれる可能性がある。つまり、六つの国々が結ばれる可能性があ る。
② これらの地域は、その国々の発展地域との格差是正を共通の課題としている。
③ フェリーは、人と物の流れを一体化した船舶であり、地域の経済・社会・文化など の交流を深化させることができる。例えば、学生達の修学旅行を通じた教育交流な ど。フェリーを小さい社会として認識する必要がある。
三角航路の目標としては、この航路が開通することによって、それが突破口となり、地 域全体の経済発展、人的・物的交流が促進されるという大局的かつマクロ的な意味が挙げ られている。そして、将来的なイメージとしては、吉林省の琿春市が“北東アジアの香港”
のようになることを期待するという意見も出されている。
(4)需要の動向
貨物需要については、貨物は充分ある。中国の吉林省のドライフルーツ、木材製品が日 本に流れているし、合板はヨーロッパに流れている。このような貨物が日本に流れてくる 可能性はある。吉林省は 2,500 万人の人口が住んでいる。日本海横断国際フェリー航路が できれば、吉林省の人々は、必ず、日本との交流を求めて動くはずであるとされている。
そして、この航路については、貨物の航路であるという認識であり、当面は、中国よりも 対ロシア向けの中古車がベースカーゴになると見られている。また、フェリー航路ができ ることによってベースカーゴの品目の幅も広がり、フェリー航路を切っ掛けに物流の仕組 みまで変わるようになることが期待されている。
旅客需要については、中国・韓国・ロシアからの訪日観光客の増大が期待されている。
2007
年度に日本人と韓国人との渡航者数が逆転し、訪韓日本人よりも訪日韓国人の観光 客が多くなっている。恐らく中国も時間の問題で、中国人のビザの問題が解決すれば、中 国人の観光客が日本に流れてくる。日本と中国と韓国の3カ国を往来している人口は、もう
1,300
万人を超えている。したがって、国際フェリーの役割は大きくなるであろう。また、観光面で考えると、お客さんに乗って頂くために船の品質の改善が必要である。
三角フェリーが就航した場合、船を利用した小学生・中学生・青少年の国際交流事業も 提案されている。
(5) 地域へ与える影響
国際フェリー航路は、国家間を繋ぐ橋の役割を果たし、地域間の経済発展を促すもので ある。韓中航路のうち、東海方面の航路は一航路(束草港〜トロイツァ港)であり、この 航路と新規航路(束草港〜新潟港〜トロイツァ港)を結ぶことにより、日韓両国首都圏の 貨物の誘致、所要時間の短縮、人的・物的交流の活性化による地域経済の発展に寄与する と考えられる。