V. 製品の生産品目と施設整備計画
5. 施設整備計画(見直し形)のシミュレーション結果
(2)
見直し形のパターン前述のとおり、見直し形としていくつかのパターンを設定して、採算性を評価する ためのシミュレーションを行った。見直し形のパターンは以下の通りである。
① 直材・曲材並列パターン
直材も曲材も含む原木を山土場から直送し、選別機によって振り分けた上で、直材工場で柱や間柱に、曲材工場でラミ ナや間柱に加工するパターン。原木 10 万m3を1シフトで対応するケースを想定。
シフト数 原木取扱量 用地費
(面積ha) 設備費 人員
① 1シフト 10 万m3
(直材 4 万 m3 曲材 6 万 m3)
720 百万円
(6.0ha) 2,256 百万円 34 名
<メリット>
・曲材ラインは直材も挽くことが可能であるため、需要に応じた生産ラインの変更にも対応できる。
・2つのラインのうち片方が故障しても製材を続けることが可能
・シフト数を増やしていくことで、将来の原木供給量の増加にも対応可能
<デメリット>
・初期投資額が他パターンと比べて大きくなる。
選別機 バーカー
直材
曲材
直材ライン
製 材
(ワンウェイ製材機) チッパーキャンター ツインソー製 材
(曲がり製材機) チッパーキャンター カービングソー ギャングリッパー曲材ライン
柱 (KD、仕上げ)
間柱(KD、仕上げ)
ラミナ(KD、ラフ)
間柱 (KD、仕上げ)
製品
グ レー デ ィ ング
加工 仕 上 げ
乾
燥
② 直材・曲材合同パターン
並列パターンを一体型でコンパクトにしたパターン。
直材も曲材も含む原木を山土場から直送。直曲込みで製材を行い、製材の途中において、曲がりの程度で管柱を生産 する直材ラインとラミナを生産する曲材ラインに振り分ける。原木 10 万m3を2シフトで対応するケースを想定。なお、参 考として将来の2シフト稼働を見越した1シフト対応についてもシミュレーションを行った。
シフト数 原木取扱量 用地費
(面積ha) 設備費 人員
②−1 2シフト 10 万m3
(直材4万 m3 曲材6万 m3)
720 百万円
(6.0ha) 1,679 百万円 40 名
②−2 (参考)1シフト 5万m3
(直材2万 m3 曲材3万 m3)
720 百万円
(6.0ha) 1,479 百万円 20 名
<メリット>
・設備のコンパクト化により初期投資の軽減を図ることで、採算性を確保できる可能性が高くなる
<デメリット>
・ワンウエイで直材と曲材を挽くため、作業効率が悪くなる可能性がある
・機械が故障した場合に製材ができなくなる
選別 機 バーカ ー
直材 曲材
製 材
チッパーキャンター ツインバンドソー ギャングリッパー
柱 (KD、仕上げ)
間柱 (KD、仕上げ)
ラミナ(KD、ラフ)
間柱 (KD、仕上げ)
製品
グ レー デ ィ ング
乾
燥
加工
仕 上 げ
(参考) 曲材製材のみのパターン
曲材を主とする原木を山土場から直送し、選別機によって振り分けた上で、曲材のみラミナや間柱に加工するパター ン。原木(曲材)6万m3を1シフトで対応するケースを想定。
*10万m3のうち直材分4万m3は既存の流通で対応するものとする
シフト数 原木取扱量 用地費
(面積ha) 設備費 人員
③ (参考)1シフト 10万m3
(直材−万 m3 曲材 6 万 m3)
432 百万円
(3.6ha) 1,297 百万円 20 名
<メリット>
・曲材ラインは直材も挽くことが可能であるため、需要に応じた生産ラインの変更にも対応できる。
・ラミナ、間柱のみの少品目生産であるため、売り先が読みやすくなる
<デメリット>
・センターの存在感が小さくなる可能性がある
曲材 ラミナ(KD、ラフ)
間柱 (KD、仕上げ)
製品
グ レー デ ィン グ
乾
燥
加工
仕 上 げ
曲材製材工場
製 材 (曲がり製材機)
チッパーキャンター カービングソー ギャングリッパー選別機 バー カ ー
(3)
諸元に基づいた見直し形のシミュレーション結果各パターンにおける年間収支(用地費の返済分を除く)及びその利益率のシミュレ ーション結果を以下に示す。なお、ここでも補助率を 50%(設備費のみが補助対象)
として試算している。
•
直材・曲材合同パターン(2シフト)の利益率が最も高く、次いで直材・曲材並 列パターン(1シフト)が続いており、両者とも事業化の可能性があるパターン であると言える。•
ただし、直材・曲材合同パターンでは、1シフトになるとマイナス 10%近い利益 率になってしまう。•
曲材のみのパターンも、利益率マイナス 3.06%と採算的に苦しい結果となった。図表 VI-13 見直し形のシミュレーション結果概要(補助率50%)
直材・曲材並列 パターン
直材・曲材合同 パターン
曲材のみ パターン
1 シフト 2シフト (参考)1シフト (参考)1シフト
設定原木量10万m3 直材 4 万 m3 曲材 6 万 m3
10万 m3 直材 4 万 m3 曲材 6 万 m3
5万m3 直材2万 m3 曲材3万 m3
10万m3* 直材−万 m3 曲材 6 万 m3 年間収支 18,771千円 32,117千円 −94,632千円 −30,699千円
利益率 0.94% 1.61% −9.48% −3.06%
*10万m3のうち直材分4万m3は既存の流通で対応するものとする
図表 VI-14 見直し形のシミュレーション結果(年間収支)
図表 VI-15 見直し形のシミュレーション結果(利益率)
-100,000 -80,000 -60,000 -40,000 -20,000 0 20,000 40,000
直曲並列1シフト 直曲合同2シフト 直曲合同1シフト 曲材のみ1シフト 年
間 収 支
︵
千 円
︶
-10%
-8%
-6%
-4%
-2%
0%
2%
4%
直曲並列1シフト 直曲合同2シフト 直曲合同1シフト 曲材のみ1シフト 利
益 率
図表 VI-16 見直し形シミュレーション シート
① 直材・曲材並列のパターン(1シフト)
<資金関連>
単価(円/㎡) 面積(㎡) 金額(千円)
資金需要 用地費 12,000 × 60,000 = 720,000
建物建築費(事務所棟) 151,515 × 264 = 40,000
建物建築費(製材棟) 74,848 × 1,800 = 134,727
建物建築費(加工棟) 74,848 × 1,900 = 142,212
建物建築費(倉庫棟) 74,848 × 3,800 = 284,424
設備費(選別機) 50,000
設備費(皮むき機) 110,000
設備費(製材ライン) 695,000
設備費(乾燥機) 400,000
設備費(木質ボイラー) 120,000
設備費(加工ライン) 260,000
フォークリフト 20,000
資金需要計 2,976,364
資金供給 用地借入金 720,000
施設借入金 1,128,182
施設補助金 1,128,182
資金供給計 2,976,364
<年間収支>
単価 量 金額(千円)
収入 スギ柱(直材) 47,000 × 6,944 = 326,368
スギ間柱(直材・曲材) 44,000 × 15,172 = 667,547
スギラミナ(曲材) 32,000 × 4,808 = 153,861
ヒノキ柱(直材) 75,000 × 2,976 = 223,200
ヒノキ間柱(直材・曲材) 60,000 × 6,502 = 390,125
ヒノキラミナ(曲材) 46,000 × 2,061 = 94,789
スギ・ヒノキ小幅板(直材・曲材) 15,000 × 4,274 = 64,104
チップ 2,200 × 34,358 = 75,588
経常収入計 1,995,583
支出 スギ直材原木購入費 13,000 × 28,000 = 364,000
スギ曲材原木購入費 10,000 × 42,000 = 420,000
ヒノキ直材原木購入費 25,000 × 12,000 = 300,000
ヒノキ曲材原木購入費 15,000 × 18,000 = 270,000
運送費 2,000 × 42,736 = 85,472
製材
動力費等 34,000
施設補修費 4,275
人件費(正社員) 4,300千円 × 14人 = 60,200
乾燥
動力費等 0
施設補修費 2,600
人件費(正社員) 4,300千円 × 6人 = 25,800
人件費(パート) 2,000千円 × 1人 = 2,000
加工
動力費等 20,000
施設補修費 1,400
人件費(正社員) 4,300千円 × 7人 = 30,100
人件費(パート) 2,000千円 × 6人 = 12,000
販売管理費 119,735
減価償却費 97,784
借入金金利 55,445
経常支出計 1,904,812
90,771
用地費の返済分 10年で返済する際に必要な元本 72,000
用地費の返済分を除いた年間収支
18,771用地費の返済分を除いた年間収支利益率
0.94%項目
柱(50m3容量)10基 板(100m3容量)8基
項目
設備費の0.5%
全量木くずを使用
設備費の0.5%
売上の6%
設備費の0.5%
年間収支
耐用年数:建物20年、設備10年 金利3%
※販売管理費は、役員報酬、販売管理にかかる人件費、広告宣伝費等として設定
②−1 直材・曲材合同のパターン(2シフト)
<資金関連>
単価(円/㎡) 面積(㎡) 金額(千円)
資金需要 用地費 12,000 × 60,000 = 720,000
建物建築費(事務所棟) 151,515 × 132 = 20,000
建物建築費(製材棟) 74,848 × 2,000 = 149,697
建物建築費(加工棟) 74,848 × 2,000 = 149,697
建物建築費(倉庫棟) 74,848 × 2,800 = 209,576
設備費(選別機) 70,000
設備費(皮むき機) 60,000
設備費(製材ライン) 350,000
設備費(乾燥機) 400,000
設備費(木質ボイラー) 100,000
設備費(加工ライン) 150,000
フォークリフト 20,000
資金需要計 2,398,970
資金供給 用地借入金 720,000
施設借入金 839,485
施設補助金 839,485
資金供給計 2,398,970
<年間収支>
単価 量 金額(千円)
収入 スギ直材柱(50%)売却収入 47,000 × 6,944 = 326,368
スギ直材間柱(40%)売却収入 44,000 × 5,555 = 244,429 ヒノキ直材柱(50%)売却収入 75,000 × 2,976 = 223,200 ヒノキ直材間柱(40%)売却収入 60,000 × 2,381 = 142,848 スギ・ヒノキ直材小幅板(10%)売却収入 15,000 × 1,984 = 29,760 スギ曲材ラミナ(30%)売却収入 32,000 × 4,808 = 153,861 スギ曲材間柱(60%)売却収入 44,000 × 9,616 = 423,118 ヒノキ曲材ラミナ(30%)売却収入 46,000 × 2,061 = 94,789 ヒノキ曲材間柱(60%)売却収入 60,000 × 4,121 = 247,277
スギ・ヒノキ曲材小幅板(10%)売却収入 15,000 × 2,290 = 34,344
チップ売却収入 2,200 × 34,358 = 75,588
経常収入計 1,995,583
支出 スギ直材原木購入費 13,000 × 28,000 = 364,000
ヒノキ直材原木購入費 25,000 × 12,000 = 300,000
スギ曲材原木購入費 10,000 × 42,000 = 420,000
ヒノキ曲材原木購入費 15,000 × 18,000 = 270,000
運送費 2,000 × 42,736 = 85,472
製材
動力費等 40,000
施設補修費 2,400
人件費(正社員) 4,300千円 × 14人 = 60,200
乾燥
動力費等 0
施設補修費 2,500
人件費(正社員) 4,300千円 × 8人 = 34,400
人件費(パート) 2,000千円 × 2人 = 4,000
加工
動力費等 20,000
施設補修費 850
人件費(正社員) 4,300千円 × 8人 = 34,400
人件費(パート) 2,000千円 × 8人 = 16,000
販売管理費 119,735
減価償却費 70,724
借入金金利 46,785
経常支出計 1,891,466
104,117
用地費の返済分 10年で返済する際に必要な元本 72,000
用地費の返済分を除いた年間収支 32,117
用地費の返済分を除いた年間収支利益率 1.61%
項目
柱(50m3容量)10基、板(100m3容量)8基
全量木くずを使用 設備費の0.5%
項目
売上の6%
耐用年数:建物20年、設備10年 設備費の0.5%
設備費の0.5%
金利3%
年間収支
②−2 直材・曲材合同のパターン(1シフト)
<資金関連>
単価(円/㎡) 面積(㎡) 金額(千円)
資金需要 用地費 12,000 × 60,000 = 720,000
建物建築費(事務所棟) 151,515 × 132 = 20,000
建物建築費(製材棟) 74,848 × 2,000 = 149,697
建物建築費(加工棟) 74,848 × 2,000 = 149,697
建物建築費(倉庫棟) 74,848 × 2,800 = 209,576
設備費(選別機) 70,000
設備費(皮むき機) 60,000
設備費(製材ライン) 350,000
設備費(乾燥機) 200,000
設備費(木質ボイラー) 100,000
設備費(加工ライン) 150,000
フォークリフト 20,000
資金需要計 2,198,970
資金供給 用地借入金 720,000
施設借入金 739,485
施設補助金 739,485
資金供給計 2,198,970
<年間収支>
単価 量 金額(千円)
収入 スギ直材柱(50%)売却収入 47,000 × 3,472 = 163,184
スギ直材間柱(40%)売却収入 44,000 × 2,778 = 122,214 ヒノキ直材柱(50%)売却収入 75,000 × 1,488 = 111,600 ヒノキ直材間柱(40%)売却収入 60,000 × 1,190 = 71,424 スギ・ヒノキ直材小幅板(10%)売却収入 15,000 × 992 = 14,880 スギ曲材ラミナ(30%)売却収入 32,000 × 2,404 = 76,931 スギ曲材間柱(60%)売却収入 44,000 × 4,808 = 211,559 ヒノキ曲材ラミナ(30%)売却収入 46,000 × 1,030 = 47,395 ヒノキ曲材間柱(60%)売却収入 60,000 × 2,061 = 123,638
スギ・ヒノキ曲材小幅板(10%)売却収入 15,000 × 1,145 = 17,172
チップ売却収入 2,200 × 17,179 = 37,794
経常収入計 997,791
支出 スギ直材原木購入費 13,000 × 14,000 = 182,000
ヒノキ直材原木購入費 25,000 × 6,000 = 150,000
スギ曲材原木購入費 10,000 × 21,000 = 210,000
ヒノキ曲材原木購入費 15,000 × 9,000 = 135,000
運送費 2,000 × 21,368 = 42,736
製材
動力費等 20,000
施設補修費 1,200
人件費(正社員) 4,300千円 × 7人 = 30,100
乾燥
動力費等 0
施設補修費 1,250
人件費(正社員) 4,300千円 × 4人 = 17,200
人件費(パート) 2,000千円 × 1人 = 2,000
加工
動力費等 10,000
施設補修費 425
人件費(正社員) 4,300千円 × 4人 = 17,200
人件費(パート) 2,000千円 × 4人 = 8,000
販売管理費 88,804
減価償却費 60,724
借入金金利 43,785
経常支出計 1,020,424
-22,632
用地費の返済分 10年で返済する際に必要な元本 72,000
用地費の返済分を除いた年間収支 -94,632
用地費の返済分を除いた年間収支利益率 -9.48%
項目
柱(50m3容量)5基、板(100m3容量)4基
全量木くずを使用 設備費の0.5%
項目
2シフトの金額を基準に積算 耐用年数:建物20年、設備10年 設備費の0.5%
設備費の0.5%
金利3%
年間収支
③
(参考)
曲材のみのパターン(1シフト)
<資金関連>
単価(円/㎡) 面積(㎡) 金額(千円)
資金需要 用地費 12,000 × 36,000 = 432,000
建物建築費(事務所棟) 151,515 × 132 = 20,000
建物建築費(製材棟) 74,848 × 900 = 67,364
建物建築費(加工棟) 74,848 × 950 = 71,106
建物建築費(倉庫棟) 74,848 × 2,800 = 209,576
設備費(選別機) 50,000
設備費(皮むき機) 50,000
設備費(製材ライン) 425,000
設備費(乾燥機) 200,000
設備費(木質ボイラー) 60,000
設備費(加工ライン) 130,000
フォークリフト 10,000
資金需要計 1,725,045
資金供給 用地借入金 432,000
施設借入金 646,523
施設補助金 646,523
資金供給計 1,725,045
<年間収支>
単価 量 金額(千円)
収入 スギ曲材ラミナ(30%)売却収入 32,000 × 4,808 = 153,861 スギ曲材間柱(60%)売却収入 44,000 × 9,616 = 423,118 ヒノキ曲材ラミナ(30%)売却収入 46,000 × 2,061 = 94,789 ヒノキ曲材間柱(60%)売却収入 60,000 × 4,121 = 247,277 スギ・ヒノキ小幅板(10%)売却収入 15,000 × 2,290 = 34,344
チップ売却収入 2,200 × 22,262 = 48,977
経常収入計 1,002,367
支出 スギ曲材原木購入費 10,000 × 42,000 = 420,000
ヒノキ曲材原木購入費 15,000 × 18,000 = 270,000
運送費 2,000 × 22,896 = 45,792
製材
動力費等 17,000
施設補修費 2,625
人件費(正社員) 4,300千円 × 7人 = 30,100
乾燥
動力費等 0
施設補修費 1,300
人件費(正社員) 4,300千円 × 4人 = 17,200
人件費(パート) 2,000千円 × 1人 = 2,000
加工
動力費等 10,000
施設補修費 700
人件費(正社員) 4,300千円 × 4人 = 17,200
人件費(パート) 2,000千円 × 4人 = 8,000
販売管理費 60,142
減価償却費 55,451
借入金金利 32,356
経常支出計 989,866
12,501
用地費の返済分 10年で返済する際に必要な元本 43,200
用地費の返済分を除いた年間収支
-30,699用地費の返済分を除いた年間収支利益率
-3.06%全量木くずを使用 設備費の0.5%
板(100m3容量)8基