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文献調査概要

ドキュメント内 目次 (ページ 45-78)

3.2.1 調査方法

本章では建築外皮に関する法律や基準、規格について各機関の Web サイトや各機関が 発行するマニュアルなどを基に調査を行った。

調査対象地域は図3.2-1に示す、日本、アジア蒸暑地域(タイ、香港、ベトナム、シン ガポール)と先進国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、中国)を対象とした。調査 文献については、すべての国において製品規格と環境認証制度を、日本とアジア蒸暑地域 については建築に関する法律と省エネ法について調査した。

図3.2-1 調査対象国<文献調査>

次に本調査における調査対象文献を表3.2-1にて示す。調査対象文献は、アジア蒸暑地 域内において使用されることの多い基準を中心に調査を行った。

日本においては、法律(建築基準法、省エネ法)、規格(JIS)、仕様書(公共建築工事 標準仕様書、JASS14、協会性能)、環境認証制度(CASBEE)を調査した。タイにおいては、

法律(建築規制法)、規格(TIS)、仕様書(Specifications of Energy Efficient Equipments 2006)、環境認証制度(TREES)を調査した。香港においては、法律(建築条例、Codes and design manuals)を調査した。シンガポールにおいては、規格(SS:Singapore Standard)

を調査した。ベトナムにおいては、法律(QCVN)、規格(TCVN)、環境認証制度(LOTUS)

を調査した。アメリカにおいては、規格(ASTM)、環境認証制度(LEED)、イギリスにおい ては、規格(BS)、環境認証制度(BREEAM)、オーストラリアにおいては規格(AS)、中国 においては規格(GB、JGJ)を調査した。

3章 建築外皮に関する法律や基準、規格 表3.2-1 調査対象文献

種類 位置づけ 基準名

JP

法律 必須 建築基準法施行令、建設省告示

仕様書 原則 公共建築工事標準仕様書

仕様書 原則 JASS14

仕様書 任意 協会性能

法律 必須 省エネ法

規格 任意 JIS

環境認証制度 任意 CASBEE

TH

法律 一部必須 建築規制法、建築規制法に基づく省令

仕様書 任意 Specifications of Energy Efficient Equipments 2006

規格 必須、任意 TIS

環境認証制度 任意 TREES

HK

法律 強制 建築条例

法律 不明 Codes and design manuals

環境認証制度 任意 BEAM

VN

法律 必須 QCVN

規格 任意 TCVN

環境認証制度 任意 LOTUS

SG

規格 任意 Singapore Standard

(法律)※3-1 環境認証制度

一部必須 Green Mark

US

規格 任意 ASTM

環境認証制度 任意 LEED

UK

規格 任意 BS

環境認証制度 任意 BREEAM

AU 規格 任意 AS

CN

規格 必須、任意 GB

規格 必須 JGJ

※3-1 GREEN MARK は環境認証制度だが国内にて認証が必須である基準であるため法律的要素を持つ

3章 建築外皮に関する法律や基準、規格

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3.2.2 用語の定義

本章で使用する用語について定義を整理する。

・基準等の種類

用語 定義

強制

↓ 任意

法律 地域で決められたルール

規格 製品の品質や安全性の確保を図るため、形や性能、試験方法 などを定めた取り決め

仕様書 工事などの内容や手順、建築の性能を説明した書面 環境認証制度 環境配慮について、第三者機関が認証等する制度

・基準等の位置づけ

必須: 国内において必ず参照しなければならない基準等である 任意: 国内において任意で参照する基準等である

原則: 基本的に参照しなければならない基準等である

・建設プロセスの流れ

設計段階: 設計図面を作成する段階

仕様決定段階: 仕様の決定が行われる段階。設計段階と同時期であることもある。

製造段階: 建築外皮に使用される製品を製造する段階 施工段階: 建築外皮施工を行う段階

3章 建築外皮に関する法律や基準、規格

3.3 各地域の法律、基準、規格の概要

本節では調査基準について概要を述べる。日本およびアジア蒸暑地域(タイ、香港、ベ トナム、シンガポール)は法律・規格・環境認証制度、先進国(アメリカ、イギリス、オ ーストラリア、中国)は規格・環境認証制度を整理した。日本とタイではさらに仕様書も 調査した。各基準の発行機関の発行するWEBサイト3-1)~3-17)およびマニュアル3-18)~3-29)、 李らによる日中の建築外皮基準に関する研究3-30)を参照して調査を行った。

本調査ではアジア蒸暑地域における建築外皮の設計から施工プロセスの中で参照され ることの多い基準を中心に調査対象文献を選定した。各基準や規格等の概要は表3.2-1に て示す。また基準等の概要について、地域ごとに分けて下記に詳細に述べる。

・日本

建築基準法施行令、建設省告示3-18),3-30)

国土交通省が発行する建築基準法である。遵守することが必須とされている。建設プ ロセスにおいては設計段階から施工段階にかけて参照される法律である。

公共建築工事標準仕様書3-19),3-30)

国土交通省が発行する建築外皮仕様を記載した文書で、原則として用いられている。

建設プロセスにおいては設計段階(仕様決定段階)にて用いられる仕様書である。

JASS14 3-20),3-30)

日本建築学会が発行する建築物の品質水準の確保、使用材料・構(工)法の標準化に 資する文書で、原則として用いられている。建設プロセスにおいては設計段階から施工 段階にかけて参照される仕様書である。

協会性能3-21),3-30)

一般社団法人 カーテンウォール防火開口部協会が発行する常識的な基準である。任 意で用いられており、建設プロセスでは設計(仕様決定)段階に用いられる仕様書。

省エネ法3-22), 3-23),3-30)

国土交通省が発行する建築物のエネルギー消費性能の向上を図るための法律で、遵 守が必須として用いられている。建設プロセスにおいては設計段階に用いられる。

JIS (Japanese Industrial Standard) 3-1),3-30)

日本産業標準調査会(経済産業省内の機関)が発行する産業製品に関する規格や測定 方法などが定められた日本の国家規格で、任意で用いられている。(一部法律に参照が 求められている内容については必須である。)建設プロセスにおいては設計段階、製造 段階、施工段階と全体にわたって参照される。

CASBEE3-2),3-30)

3章 建築外皮に関する法律や基準、規格

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<アジア蒸暑地域>

・タイ

建築規制法(Building Control Act)、建築規制法に基づく省令3-3),3-4)

The ministry of interior of the Kingdom of Thailandが発行する建設に際して 満たすべき要件および基準等である。一部の内容は必須に用いられる。建設プロセス においては段階に参照される。

Specification of Energy Efficient Equipment 20063-24)

Department of Alternative Energy Development and Efficiencyが発行するで、

任意に用いられる。建設プロセスにおいては設計段階(仕様決定段階)に参照される。

TIS(Thai Industrial Standards)3-5), 3-25)

タイ工業規格局が発行する工業分野における標準化を進めるために制定された国 家規格である。必須の内容と、任意の内容と2種類に分けられている。建設プロセス においては設計段階、製造段階、施工段階と全体にわたって参照される。

TREES 3-26)

TGBI(Thai Green Building Institute)が発行する建築物の環境性能評価システ ムである。任意に用いられる。建設プロセスにおいては設計段階、施工段階に参照さ れる。

・香港

建築条例3-27)

Buildings Departmentが発行する建築の安全、定期検査、修繕について記載され た法律である。建設プロセスにおいては設計段階、施工段階に参照される。

Codes and Design Manuals 3-6)

Buildings Departmentが発行する地域内における規格に相当する基準である。建 設プロセスにおいては設計段階、施工段階に参照される。

BEAM 3-7)

BSL(BEAM Society Limited)が発行する建物の環境性能評価システムである。国 内において任意で用いられる。建設プロセスにおいては設計段階、施工段階に参照さ れる。

・ベトナム QCVN 3-28)

Vietnam Association of Civil Engineering Environmentが発行する安全面や衛 生、環境面で適用が必要と判断した項目について策定される国家規格である。国家規 格と標記されてはいるものの、国内では法律として扱われている。建設プロセスにお いては設計段階、製造段階および一部施工段階にて参照される。

3章 建築外皮に関する法律や基準、規格

TCVN 3-29)

VSQI(Vietnam Standards and Quality Institute)が発行する製品やシステム、

環境、建築物及び建材など多分野の項目を策定した規格で、任意で用いられる。建設 プロセスにおいては設計段階、製造段階、施工段階と全体にわたって参照される。

LOTUS 3-8)

Vietnam Green Building Councilが発行するベトナムの気候に合わせた建物の環 境性能評価システムで、任意に用いられる。建設プロセスでは設計段階、施工段階に 参照される。

・シンガポール

SS(Singapore Standards)3-9)

Enterprise Singaporeが発行する品質保証や製造のガイドラインを示した規格で、

任意に用いられる。建設プロセスでは設計・製造・施工段階と全段階に用いられる。

Green Mark 3-10)

BCA(Building and Construction Authority)が発行する熱帯気候に適合した環境 に配慮されたと国際的に認識される建物システムである。一部は必須で用いられて おり、特に国内でGreen Mark取得は必須とされている。建設プロセスにおいては設 計段階、施工段階に参照される。

<先進国>

・アメリカ ASTM 3-11)

ASTM Internationalが発行する工業材料や試験方法に関する国際規格である。国 内、国外ともに任意で用いられている。建設プロセスにおいては設計段階、製造段階、

施工段階と全体にわたって参照される。アメリカ国内だけでなく広い地域で用いら れることが多い。

LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)3-12)

USGBC (U.S. Green Building Council, Inc.)が発行する建物の環境性能評価シス テムである。国内、国外ともに任意で用いられる。建設プロセスにおいては設計段階、

施工段階に参照される。アメリカ国内だけでなく広い範囲で用いられることが多い。

・イギリス

英国規格(BS)3-13)

英国規格協会(British Standards Institution)が発行する英国国家規格である。

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