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仕様決定プロセス

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本節では建築外皮における仕様決定者および仕様決定段階について整理する。

まず仕様決定者および建築外皮仕様に関する図面の作成者について述べる。

建築外皮仕様の代表事項として、材料(ガラスおよびフレーム)、色(ガラスおよびフ レーム)、外皮の形式(全面ガラスもしくは一部にガラスを使用するかなど)、要求性能(日 射熱取得率や遮蔽係数やOTTVなどの性能)の決定者を調査した。また建築外皮に関する 各種図面として、決定した仕様をとりまとめる仕様書、建築外皮の設計図、建築外皮の施 工図の作成者を調査した。

表 4.4-1にて建築外皮仕様決定者を、表4.4-3 にて建築外皮仕様に関する各種図面の

作成者を示す。

決定や作成は行わないが技術提案等の形で携わる場合は破線でステークホルダーを示 すこととする。仕様決定者については十分な結果が得られた日本1社、タイ5社、香港1 社、ベトナム5社、シンガポール4社を、図面作成者については十分な結果が得られた日 本1社、タイ8社、香港1社、ベトナム5社、シンガポール4社を対象とする。

まず表4.4-1より各国の外皮仕様決定者の特徴を分析する。

日本では設計者が外皮仕様を決定しており、ほかのステークホルダーは携わるケース が少ないといえる。製造業者は受注前の段階での設計提案をすることが多く、性能は設計 事務所仕様に従うがその後に修正がある場合はやり取りを行う。

対して、アジア蒸暑地域では設計者に加えて所有者もしくはコンサルタントが決定す ることが分かった。施工者が携わることは稀であるが、施工段階にて再度検討される場合 は施工者も決定に携わるケースも見られた。

タイおよびベトナムは特に所有者が設計者と一緒に決定をするケースが多かった。さ らにベトナムは、設計者やコンサルタントは決定ではなく技術提案を行うことが多く、決 定権が所有者のみであるケースも見られた。

タイにおいては、所有者や設計者がガラス種類・色を、ファサード施工者が厚さ・風圧 などによる構造などを、設計者やコンサルタントが性能を決定することが多い。所有者が 最終決定することが多く、設計者は全事業に関わりマネジメントや候補の提案など、決定 するための提案のみをすることが多い。製造業者は試験結果や値段などを施工者や設計 者に提案することもある。性能については、種類・色を決め、詳細な事項(施工法など)

はコストに合うものを決定する。

ベトナムにおいては、設計者はビジュアルについて、コンサルタントは用法や性能につ いて技術提案を提示し、所有者が最終決定を行う。設計者は環境性能向上のためにオーナ ーに手法(塗料やグリーン建材)を提案し、採用するかどうかは所有者が決定している。

4章 アジア蒸暑地域における建築外皮仕様決定の実態

設計施工プロセスとしては、設計者がプランニングを、コンサルタントが基本設計、施工 者が施工を行う。性能は設計者とガラス会社が計算を行っており、工場からのレポートも 参照しながら作成することが多い。

シンガポールにおいては、設計者およびコンサルタントが携わることが多かった。入札 前に所有者が設計者やコンサルタントなどを選び、設計事務所が行う設計や仕様決定に2

~3 年かかることもある。施工者がガラス選定を行うことはほぼないが VE4-4)(Value Engineering:製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにか ける「コスト」との関係で把握し、 システム化された手順によって「価値」の向上をは かる手法)の提案はある。ここでのVEは、安いほど良いというわけではなく工期の短縮 なども加味される。所有者については決定を行うこともあるが、決定した仕様の承認を行 うのみであるケースが多かった。

香港においては、所有者・設計者およびコンサルタントが携わることが多かった。企画

~基本設計段階で仕様決定、実施設計で決定するのは値段や業者により色味や性能が異 なるため細かい内容を決定することが多い。製造業者は設計提案にも関与するが主に意 匠性について話し合う。性能については、ファサードコンサルタントが規格を決定するこ とが多く、設計者がかかわることもある。コンサルタントは、外国企業や地元企業と国内 外いるが、差はなく英国系企業が多い。特にファサードコンサルタントは、香港の市場に 合わない場合があるので地元の外装コンサルタントが強いこともある。

表4.4-1 建築外皮の仕様決定者

4章 アジア蒸暑地域における建築外皮仕様決定の実態

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従って、大きく日本とアジア蒸暑地域で決定者に違いがあることが分かり、アジア蒸暑地域の 中でも所有者に決定権があるケースと、決定は別のステークホルダーが行うケースに分けられた。

これらを整理すると、各国の一般的な決定者のケースを表4.3-2のように分類することができる。

表4.4-2 各国の一般的な決定者のケース

次に表4.4-3より、各国の各種図面の作成者について特徴を分析する。

仕様書は、すべての国で設計者が作成していることが多かった。シンガポールや香港ではコ ンサルタントが関わるケースも多いため、コンサルタントも仕様書の作成に携わることも多かった。

設計図についても、仕様書と同様に設計者が作成することが多いが、日本では設計の外皮詳 細図面については製造業者が作成するとのことであった。

施工図は、設計者が作成するケースと施工者が作成するケースと2パターンに分けられる。ベ トナムとシンガポールでは、すべての図面に設計者が責任を持つとして、設計者が作成するケ ースが多くみられた。タイおよび香港では、実際に施工を行う施工者が図面も作成するケースが 多かった。

タイにおいては、施工前の図面製作プロセスは1. 施工図 2. 加工図 3. as built drawingの 手順で作成している。シンガポールにおいては、全ての図面や仕様書は所有者による承認や政 府への法律などの確認が必要である。シンガポール国内における法令法律は変わってきている た め 、 そ れ に 合 わ せ て 仕 様 書 も 変 え な け れ ば な ら な い 。 特 に 近 年 で は 、Well Being や

Productivityを考慮するようになった。BCAにのっとってプロジェクトは進められる。

表4.4-3 建築外皮に関する各種図面の作成者

決定者 設計者

設計者

他)所有者 他)コンサルタント 他)所有者 コンサルタント

日本 タイ、ベトナム シンガポール 香港

4章 アジア蒸暑地域における建築外皮仕様決定の実態

以上の各国の特徴より、すべての国で仕様書および設計図については設計者がメインで作 成し、コンサルタントなど他ステークホルダーも携わることがあるといえる。施工図については設 計者が作成するケース(ベトナム、シンガポール;設計者が全図面の責任者とする)と施工者が 作成するケース(タイ、香港)に分けられる。これらを整理すると、各国の一般的な各種図面の作 成者のケースを表4.3.4のように分類することができる。

表4.4-4 各国の一般的な各種図面の作成者のケース

図面 仕様書 設計図 施工図

主な

作成者 設計者 設計者 設計者+

製造業者 未回答 設計者 施工者 未回答

日本、

タイ、

香港、

ベトナム、

シンガポール

香港、

ベトナム、

シンガポール

日本 タイ ベトナム、

シンガポール

タイ、

香港 日本

建築外皮における仕様決定者および仕様決定段階について、日本とアジア蒸暑地域とでは ステークホルダーの関わり方が異なるため、プロジェクトの進め方が異なるのではないかと考えら れる。

次に仕様決定者および建築外皮仕様に関する図面の作成者について述べる。建築外皮仕 様として、決定者と同じく材料、色、外皮の形式、要求性能の決定段階について調査した。また 建築外皮に関する図面も作成者と同じく、仕様書、建築外皮の設計図、建築外皮の施工図の作 成段階を調査した。

表 4.4-5 にて建築外皮仕様決定段階を、表 4.4-6 にて建築外皮仕様に関する各種図面の

作成段階を示す。

仕様決定段階および図面の作成段階についてはピンク:企画段階、水色:基本設計段階、黄 緑:実施設計段階、オレンジ:施工段階で示すこととする。決定や作成は行わないが検討がなさ れる段階がある場合は破線で示すこととする。仕様決定段階および図面作成者については十分 な結果が得られたタイ4社、香港1社、ベトナム5社、シンガポール3社を対象とする。空欄の部 分については未回答であるため、分析対象外とする。

まず表4.4-5より各国の外皮仕様決定段階の特徴を分析する。

タイ、ベトナムでは、基本設計から実施設計間に決定されることが多かった。しかし施工者から、

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