総括
環境悪化の影響が大きく通期で損失
金融不安の高まりや雇用不安の拡大から株式市場が続落し、
2009年3月には日経平均株価はバブル後最安値を更新しました。
このような事業環境のさらなる悪化の影響を受け、2008年度通 期の業績については、純営業収益は1,995億円、1,411億円の 経常損失、850億円の当期純損失となりました。また2008年度 の年間配当金は、8円(うち中間配当金5円)としました。
純営業収益の内訳
市場環境の悪化がビジネス全般に影響
2008年度の純営業収益は1,995億円、前年度比55.4%減 となりました。このうち受入手数料は2,088億円、同29.1%減と なりました。株式市場の下落や、それに伴う投資家の投資意欲の
減退など事業環境が悪化したことの影響を受け、エクイティ、アセッ ト・マネジメント、インベストメント・バンキングにおいて手数料収入
が減少しました。トレーディング損益は、2008年10月に市場のボ ラティリティが急激に高まった影響を受け、409億円、同60.4%減 となっています。大和証券S M BCプリンシパル・インベストメンツや 大和S M BCキャピタルが保有する営業投資有価証券に係る 営業投資有価証券関連損益については、保有有価証券や投 資先が保有する不動産の評価価格の下落に対する投資損失引 当金を計上したため、794億円の損失となりました。
84
(百万円)
2008年度
2007年度 2008年度
対前年
増減率 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 受入手数料 ¥294,425 ¥208,881 –29.1% ¥61,792 ¥ 54,045 ¥ 49,383 ¥ 43,658 トレーディング損益 103,361 40,921 –60.4% 21,300 10,864 (22,849) 31,606 営業投資有価証券関連損益 19,160 (79,478) – (1,007) (15,206) (37,478) (25,785)
金融収支 18,639 16,629 –10.8% 7,405 4,967 2,751 1,504
その他 11,906 12,590 5.8% 3,535 3,425 2,610 3,019
純営業収益 ¥447,491 ¥199,544 –55.4% ¥93,026 ¥ 58,096 ¥ (5,582) ¥ 54,003
注:各四半期実績については、独立監査人の監査を受けておりません。
純営業収益の内訳
受入手数料の商品・事業別内訳
株価の下落や急激な円高が個人投資家の投資意欲に影響 受入手数料の内訳については、エクイティが564億円、前年 度比33.3%減となりました。
株式市況の低迷が続き、東京証券取引所の一日平均売買代 金が2008年度は2兆303億円と同30.9%減少したことに伴い、
リテール、ホールセールともに株式委託手数料が減少しました。
アセット・マネジメントは970億 円、同28.9%減となりました。
2008年10月以降、世界中の株式マーケットが大幅に下落し、
為替市場の変動性が著しく高まったため、個人の投資意欲が大 きく減退しました。それに伴い株式投資信託の販売額が減少し、
投 資 信 託の募 集・売出し手 数 料が減 少しました 。また、株式 市場の下落や円高の影響を受け、株式投資信託や外貨建債券 へ投資する投資信託を中心に運用資産の時価が下落し、運用 資産残高に応じて得られる収入である信託報酬が減少しました。
企業の資金調達ニーズは継続するも エクイティ・ファイナンスは低調
インベストメント・バンキングは349億円、前年度比26.6%減と なりました。2008年度は、企業の強い資金ニーズにより事業債 などの起債は好調に推移したため、債券等引受け・売出し手数 料は2007年度に引き続き堅調でした。一方、景気の先行き懸念 や市場環境の悪化により、新規公開や株式の公募・売出しなど エクイティ・オファリングは低調でした。年度後半には金融機関に よる資本増強ニーズの拡大に伴い若干の回復が見られたものの、
2008年度の株券等引受け・売出し手数料は、前年度比で減少 となりました。
受入手数料の内訳
(十億円)
56.4
0.9
97.0 19.5
34.9 ■ エクイティ
■ フィックスト・インカム(債券)
■ アセット・マネジメント
■ インベストメント・バンキング
■ その他
株式・債券部門収益
(十億円)
– 40 –20 0 20 40 60 80
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
2005 2006 2007 2008
(年度)
■ 債券部門 ■ 株式部門
注:トレーディング損益+金融収支(管理会計ベース)
■
■
85
(百万円)
2008年度
2007年度 2008年度
対前年
増減率 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 エクイティ ¥ 84,593 ¥ 56,402 –33.3% ¥17,321 ¥13,424 ¥14,508 ¥11,147 フィックスト・インカム(債券) 2,133 991 –53.5% 398 340 148 104 アセット・マネジメント 136,377 97,001 –28.9% 30,956 28,314 19,367 18,361 インベストメント・バンキング 47,551 34,915 –26.6% 7,499 6,456 10,753 10,205
その他 23,771 19,572 –17.7% 5,616 5,508 4,605 3,840
合計 ¥294,425 ¥208,881 –29.1% ¥61,792 ¥54,045 ¥49,383 ¥43,658
注:各四半期実績については、独立監査人の監査を受けておりません。
受入手数料の内訳
コスト構造の状況
(十億円)
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
2007 2008
(年度)
0 20 40 60 80 100
■ 減価償却費 ■ 固定費(減価償却費除く) ■ 変動費
(十億円)
2008年度
2007年度 2008年度
対前年
増減率 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
株式部門 ¥ 35.0 ¥21.0 –40.0% ¥ 4.0 ¥ 2.0 ¥ 10.5 ¥ 4.5
債券部門 78.0 38.5 –50.6% 25.0 13.5 (31.0) 31.0
合計 ¥113.0 ¥59.5 –47.3% ¥29.0 ¥15.5 ¥(20.5) ¥35.5
注:管理会計ベースの株式・債券部門収益については、独立監査人の監査を受けておりません。
株式・債券部門収益(トレーディング損益+金融収支、管理会計ベース)
株式・債券部門収益の状況
デリバティブポジションのヘッジコストが上昇
トレーディング損益とトレーディングに伴う金融収支を合計した 管理会計ベースの株式部門収益においては、株式市場の下落 と、オーダーフロー減 少の影 響を受け、210億 円、前 年 度 比 40.0%減となりました。また、債券部門については、第3四半期
において、為替・金利ボラティリティの急激な上昇に伴い通貨・金 利デリバティブポジションのヘッジコストが上昇したことにより損失を 計上しました。第4四半期にはマーケット環境の正常化に伴い収 益が回復しましたが 、2008年度の債券部門収益は385億円、
同50.6%減となりました。
販売費・一般管理費の状況
不動産関係費や減価償却費は上昇も取引関係費と人件費は減少 販売費・一般管理費は3,432億円、前年度比5.7%減となり ました。本社移転に伴う賃貸料の増加により不動産関係費が437
億円、同12.8%増、また大和証券および大和証券SMBCにお ける過去のIT投資の影響で減価償却費が355億円、同26.9%
増となりました。一方で、大和証券投資信託委託がグループ外 の販社に支払う投資信託の支払信託報酬が運用資産の時価の 下落に伴い減少したことや、大和証券SMBCが三井住友銀行 に支払う証券仲介手数料が減少したことなどにより、取引関係費 が660億円、同22.7%減となりました。また業績連動の賞与が減 少したことにより、人件費が1,416億円、同9.6%減となりました。
86
(百万円)
2008年度
2007年度 2008年度
対前年
増減率 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 経常利益(損失) ¥90,143 ¥(141,150) – ¥8,321 ¥(31,525) ¥(90,022) ¥(27,923) 当期純利益(損失) 46,411 (85,039) – 5,885 (20,522) (53,039) (17,363)
注:各四半期実績については、独立監査人の監査を受けておりません。
経常利益・当期純利益
経常損益と当期純損益 株価下落に伴う評価減を計上
1,411億円の経常損失となりました。株価の下落により投資有価証券の評価損が増加し、850億円の当期純損失となりました。
主要グループ会社の動向
リテー ルの大和証券は厳しい環境ながら黒字を確保
リテール証券業務を営む大和証券の2008年度の業績につい ては、営業収益は1,598億円、前年度比29.3%減、経常利益 は183億円、同74.1%減、当期純利益は98億円、同75.9%減 と、厳しい環境ながら黒字を確保しました。個人の株式売買が減 少するとともに、新規公開や株式公募・売出しなどの引受け案件 が減少したため、エクイティの委託手数料や募集・売出しの取扱 い手数料が大きく減少しました。一方で、個人向けの社債やメガ バンクによる劣後債の発行が増加したことにより、国内債券の募 集額は高水準となりました。また、株式投資信託の販売額や預り 資産が減少したことにより、募集販売手数料や代理事務手数料 も減 少しました。この結 果、受 入 手 数 料は、1,155億 円、同 32.8%減となっています。さらに、外貨建債券の販売が減少した ため、トレーディング損益は384億円、同15.1%減となりました。
一方で、株価の下落を好機と見た新規口座開設の増加に伴 い、「ダイワ・ダイレクト」の口座数が堅調に増加し、2009年3月 末時点で110万口座に達しました。また、為替市場の変動性が 高まったことにより、「ダイワFX(外国為替証拠金取引)」では売 買代金や取引口座が増加し、2009年3月末の取引口座数は 2.8万口座となりました。
ホー ルセー ルの大和証券SMBCはトレーディングと 自己投資部門で損失計上
ホールセール証券業務を営む大和証券S M BCの2008年度 の業績については、海外連結子会社のほか、投資業務を主とし て営む国内連結子会社の大和証券S M BCプリンシパル・インベ ストメンツなどを含めた連結ベースでの営業収益が455億円、前 年度比81.2%減、1,674億円の経常損失、1,449億円の当期 純損失となりました。株価の急落や為替の急激な変動など、金融 市場の混乱によってマーケットのボラティリティが急騰したことの影 響を受け、トレーディング損益は47億円の損失となりました。
また、自己投資部門となる大和証券S M BCプリンシパル・イン ベストメンツにおける損益である営業投資有価証券関連損益に ついては、企業投資における保有有価証券の評価減や、不動 産関連投資や金銭債権投資における担保不動産に対する損失 引当金の計上により、751億円の損失となりました。引当金控除 後の投資残高は、前年度末から約830億円減少し、約3,470億 円となっています。また、大和S M BCキャピタルは、I PO市場の 低迷などにより、58億円の経常損失となりました。
(百万円)
大和証券 大和証券SMBC(連結) 大和証券投資信託委託 2007年度 2008年度 2007年度 2008年度 2007年度 2008年度
営業収益 ¥226,273 ¥159,883 ¥242,269 ¥ 45,514 ¥83,079 ¥68,157
経常利益(損失) 71,026 18,396 1,431 (167,468) 17,494 11,613 当期純利益(損失) 41,009 9,882 (5,836) (144,958) 10,665 6,513 主要グループ会社の業績