第1章 共有フォルダの機能向上のための運用手法の提案
1.3 共有フォルダの機能の向上に向けた運用手法の提案と評価
1.3.4 提案した運用手法の課題
上記の 3 つの運用手法は共有フォルダの機能を低下させる各原因と概ね一対一で対応す る(原因 1 は手法 1 に、原因 2 は手法 1 と 2 に、原因 3 は手法 3 によって解消を目指すこ とができる)。しかし、各原因は相互に関連しているため、3 つの手法も一体的に導入しな ければ大きな改善は期待できない。本章では各手法を実際の共有フォルダに導入し、それ ぞれの手法が持続的に運用可能であることは確認したものの、全ての手法を一体的に導入 することによって共有フォルダの機能がどの程度向上するのか検証は行っておらず、今後 の主な課題である。
また、これらの手法のうち、共有フォルダの俯瞰図については、共有フォルダの全体構 造を把握した上で、その中から利用頻度が低下した半現用のファイルの所在を特定するこ とを可能にしたものであり、個々にファイルを確認しながら把握していた従来の手法と比 較すれば一定の優位性が認められる。一方、これらの半現用ファイルの中には、不要なも のとして廃棄すべきものだけでなく、永久保存のために他の記録媒体に移管すべきもの、
検索の妨げにならない場所に退避すべきものがあり、これらの判断も支援する機能に改善 しなければならない。
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図 1-3-1 新たに電子ファイルを保存する際の 2 つの規則
注)規則①に従い、すぐに不要になることが明らかなファイルを tmp フォルダに、それ以 外のファイル期間別雑件フォルダに保存する。いずれ不要になるファイルは tmp・old 各 フォルダを経た後に廃棄される。また、それ以外のファイルも、利用頻度が低下して半 現用となったものは他のファイルの検索の妨げにならないように過去の期間別雑件フォ ルダ内に格納(退避)される。期間別雑件フォルダの中にあって特に利用頻度が高いフ ァイルのみ、規則②に従って案件別フォルダに移すことができる。この 2 つの規則によ り、最も頻繁に利用するファイルのみが共有フォルダの最上位の階層に抽出され、不要 なファイルや半現用ファイルに妨げられることなく、必要なファイルを容易に特定でき る環境を構築することができる。
図 1-3-2 DOT 言語による記述イメージと Graphviz により出力される関係図
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図 1-3-3 Graphviz を利用して作成した共有フォルダの俯瞰図
注)約 45,000 個のフォルダとファイルの構成を示す。このうち、1 年以内に作成又は利用 されたものは約 4,200 個(全体の 10%、図中に濃く表示)。
図 1-3-4 不要なファイルを除去した後の共有フォルダの俯瞰図
注)共有フォルダの利用者 5 人が、筆者が提供した俯瞰図を用いて不要と判断したファイ ルを除去した後の共有フォルダの構成を示す。フォルダとファイルの総数は約 13,000 個
(約 28%)まで減少した一方、1 年以内に作成又は利用されたものは約 2,100 個となり、
全体に占める比率は約 19%まで上昇した。半現用ファイルが全体に占める比率が低下した ため、現在必要とされているファイルの検索が容易になった。
28 注・参考文献
1)総務省行政管理局「アクションプランを踏まえた電子決裁取組状況について(平成 27 年度)」https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai68/siryou4.pdf(閲覧日:201 9 年 12 月 1 日).
2)期間の幅は年単位又は年度単位が一般的であるが、規則を導入する組織の都合に合わせ て設定して構わない。ファイルを保存する時点で重要度が判断できないものについては、
ひとまず tmp フォルダ内に保存する。tmp フォルダと期間別雑件フォルダ内にファイルを 保存する際の方法については特に定めないが、保存するファイルやフォルダの名称の冒 頭に保存年月日を記載しておくと自然に時系列の順番に並べることができる。
3)「Graphviz - Graph Visualization Software」http://www.graphviz.org(閲覧日:201 9 年 12 月 1 日).
4)国立研究開発法人医療基盤・健康・栄養研究所「独立行政法人国立健康・栄養研究所組 織規程」http://www.nibiohn.go.jp/eiken/assets/images/sosikikitei.pdf(閲覧日:2 019 年 12 月 1 日).
5)国立研究開発法人医療基盤・健康・栄養研究所「独立行政法人国立健康・栄養研究所組 織細則」http://www.nibiohn.go.jp/eiken/assets/images/saisoku20130108.pdf(閲覧 日:2019 年 12 月 1 日).
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