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表4.1 授業実践1における授業の展開

展開 生徒の活動 教師の支援・留意点

導入 ・エネルギー変換の流れを確認する ・エネルギー変換機器によってエネルギ

(10分) ・風カエネルギーから電気エネルギー 一の形態が変化することを確認する

に変換する機器には風車があること

を確認する ・磁界の変化が速いほど大きな電気が発

・電磁誘導の原理に従って発電できるこ 生することを確認する とを確認する

展開1 ・rよく回る風車」をグループごとに設計・ ・「よく回る」ことと発電の原理の関係を確

(20分) 製作する 認する。

O製作条件、方法を確認する ・羽根は,厚さ2mmのスチレンペーパー O翼の数と形状を工夫して設計図を (20×20cm2)1枚から切り出すこと、回

かく 転半径を10cmにすることを設計条件と

Oグループで相談し、それぞれ2っず して提示する

つ風車を製作する ・翼のねじれのつけ方を示す

○製作した風車の性能を実験して確 ・風車がよく回っている状態での電圧と、

かめる LEDの点灯状態、メロディーICの鳴り具

O結果を表にまとめる 合で風車の性能を判定するよう指示す

る。

展開2 ・風力発電演示用模型で、実際の風力 ・模型での実験を基に,生徒実験の結果

(10分) 発電に近い発電の様子を観察する をまとめる

まとめ ・風力発電の特徴やこれからのエネル ・自然エネルギーの特徴を理解した上

(10分) ギー利用について気づいたことや考 で、今後のエネルギー利用について自

えたことを話し合う ら考えられるよう助言する

 4.1.2 授業実践1の結果と考察

授業実践終了後に,開発した教材にはどのような教育的効果があるのかを調べ るため,表4.2に示す内容で自由記述式のアンケートをとった。アンケートの 回収数は139であり,回収率は83.2%であった。アンケートの集計は各①一③ の設問ごとに行い,その方法は,得られた自由記述の中からキーワードを決め,

それに当てはまる記述を全て抽出してカテゴリーごとに分類した。得られた記 述は,まず,『感想』と『実験(設問③は授業)を通じてわかったこと』の2っ の大きなグループに分け,さらに『感想』に該当する記述は『興味・関心に関 わること』,『意欲に関わること』,『製作や実験の難易度に関すること』の3っ のカテゴリーに,また,『実験(授業)を通じてわかったこと』に該当する記述 は『知識・理解に関すること』,『思考・判断に関すること』の2っのカテゴリ

表4.2 授業後アンケートの質問項目

①自分で風車を設計・製作したこと,また,それを使って行った発電実験を通じて,わかったこと,感想を書いてください。

② プロペラ型風車模型の演示実験を通じてわかったこと,感想を書いてください。

③ この授業を通じてエネルギーについて考えたことやわかったこと,また授業の感想を書いてください。

・89・

一に分けた。このとき,複数のカテゴリーにまたがる記述はそれぞれのカテゴ リーにダブルカウントした。各設問の集計結果には,それぞれ分類したカテゴ リーとキーワードの例,また,グループに対する各カテゴリーに含めた記述数 の割合を算出したものを示した。抽出した記述の例は節末の付録4.3に示した。

 はじめに,設問①で,「自分で風車を設計・製作したこと,また,それを使っ て行った発電実験」にっいて尋ねた結果を表4.3に示す。

         表4.3 設問①に対する回答の集計

カテゴリー(記述数) キーワード 記述数の割合

感  想 興味・関心に関すること   (49)

「楽しかった』・

おもしろかった」・

すごい」    等

64.5%

意欲に関すること      (3) r〜したい』・

〜したくない』 等 3.9%

製作や実験の難易度に関すること(24) 「簡単にできた』・

難しかった』  等 31.6%

実験を遵てわかった⁝

知識・理解に関すること    (79)

「〜がわかった』・

具体的に知り得た事柄

       等

79.8%

思考・判断に関すること   (20)

自分の意見・

 知識をふまえた判断

       等

20.2%

       抽出記述のべ総数175・無回答8  『感想』に含まれる記述では『興味・関心に関すること』が半数以上を占め,

記述の具体的例としては,「風車を設計・製作するのはとても楽しかった」,「自 分で作ったやっ(風車)がまわっておもしろかった」,実験の際に発電を確認する メロディーICにっなぎ,「音が鳴ったときはとてもうれしかった」,「小さな手作

りの風車でも発電できることがわかってすごい」などがあった。

 一方で,「製作や実験の難易度に関すること」の中には,「意タトと作るのが難 しかった」,「どんな羽根が良いのか考えるのが大変だった」など設計・製作に 困難を感じたという記述が多く見られた。これらのことから,設計・製作した 羽根を用いて発電実験を行うという活動は,大半の生徒にとっては,楽しみな がら自分なりの工夫を凝らして積極的に取り組める活動であったが,設計・製 作においては難しいと感じた生徒も多かったことがと考えられる.よって,個々 の生徒の能力に応じて教師が支援できるような準備が必要だといえる。準備す べき支援の例としては,設計の段階でなかなかアイデアが浮かばない生徒に対 してヒントとなるように話し合いを支援したり,見本の羽根を用意すること,

また,製作に入る前に設計図を確認して,設計上無理のある場合は助言して設 計変更を促すことなどが考えられる.

 『実験を通じてわかったこと』に含めた『知識・理解に関すること』の記述 には,「風車がどのようなしくみでできているのかが分かった」といった,風力 発電のしくみを理解したと考えられる記述や,「羽根の形や羽根のねじれの角度 によって発電量が違ってくること」,「羽根のねじれの方向が違う(逆になる)と 一極になる(電流の向きが反対になる)」など風車の羽根の形状と発電の関係に っいて知識を得たと考えられるもの,「(羽根の形が)複雑になればなるほどまわ る回数が減る」など実験結果から授業で特に説明していない空気抵抗と発電の 関わりを見いだしたことがうかがえるものがあった。

 また,『思考・判断に関すること』では,「何度も改良してよく回るようにな った」,「ただ単に作るのではなく,どうすれば風が良く当たるかとか計算しな ければならないと思った」など,風車の羽根の製作には試行錯誤や工夫を必要 とすることや,単純そうに見えて実は緻密な計算が必要であることに気づき,

その難しさをあらためて感じたことがうかがえる記述が多かった。これらのこ とから,自分で設計・製作した風車の羽根を用いて発電実験を行うことで,た だ発電ができるかどうかだけを確認することに留まらず,どういったことが作 用して発電量が増えるのかなど,結果に結びっく要因にっいても考えるなど,

より深い学習が図れたことが考えられる。

 次に,設問②で「プロペラ型風車模型の演示実験」にっいて尋ねた結果を表 4.4に示す。

表4.4 設問②に対する回答の集計

カテゴリー(記述数) キーワード 記述数の割合

感  想 興味・関心に関すること   (35)

「楽しかった』・

おもしろかった』・

すごい』    等

97.2%

意欲に関すること      (1) r〜したい』・

〜したくない」  等 2.8%

護を誓て蓉つた一﹄と

知識・理解に関すること   (55)

「〜がわかった』・

具体的に知り得た事柄

       等

73.3%

思考・判断に関すること   (20)

自分の意見・

 知識をふまえた判断

       等

26.7%

抽出記述のべ総数111

・91・

この設問②に寄せられた回答には,設問文にある「プロペラ型風車模型」を設 問①で示した「自分で設計・製作した風車」と混同して回答したことが明らか な記述が30例寄せられた。したがって,ここではこの質問対象を混同したと考 えられる記述を省いて整理した。

 プロペラ型風車模型の演示実験については,生徒は実験の様子を観察するこ とが主な活動であったため,『製作や実験の難易度に関すること』に属する記述 はなく,『感想』に含まれる記述のほとんどが,「ものすごい速さで回ったので 驚いた」,「迫力があった」など『興味・関心に関すること』のカテゴリーに属 するものであった。このことから,生徒は実機に近い形状の演示用教材によっ て風力発電を強く印象づけられたと考えられる。中には,「風力発電は地味なイ メージがあったけど,実際に風車(模型)を見るとすごくカッコ良かった」と風 力発電に対する認識が変わったというものもあった。また,教師による手作り の教材を用いたことが興味・関心を引く要因の一っとなったことを示す,「道具

(風車模型)を自分で作っているのはすごいと思った」といった記述も見られた。

 また,『実験を通じてわかったこと』には,「風力発電のしくみがわかった」

という記述に加えて,「プロペラの重要性」を認識したというものや「回転数が 多くなるにっれて電気が良く流れる」など,プロペラの形状や迎角が回転数に 大きく関わり,その回転数が発電量に直結することが認識できたとする,まさ に風車の原理にっいての『知識・理解に関すること』の記述が目立った。そし て,『思考・判断に関すること』には,「プロペラが回りやすい形ってやっぱり 細くて小さいのかなあと思った」など,自分の製作した風車と模型を比較して 考えたことを示す記述も見られた。

 最後に,設問③で「この授業を通じてエネルギーにっいて考えたことやわか ったこと,また授業の感想」を聞いたところ,表4.5のような結果となった。

 まず『感想』のグループには,「楽しみながら授業に参加できた」,「自分たち で風車をっくることがとても良い経験になった」と授業を肯定的に受け止めて 前向きに学習を進められたことがうかがえる意見や,エネルギーにっいて「興 味が持てた」,「風カエネルギーってすごいなあ」,「普段使っている電気がああ して作られていることに感動した」など『興味・関心に関わること』が十分に 引き出せたと考えられる記述が多く見られた。また,「このことを新聞づくりに 活かしたい」,「またたくさんの実験をしたい」など,次の授業から予定されて