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2. MBDD の理論背景解説

2.6 MBDD 運用手順

2.6.10 感度分析

モデル内に複数の不確定要素あるいは試験デザイン上の選択肢が存在し,要素や選択肢それぞ れに対して数多くのパターンを想定すると,評価しなければならないシナリオの数は膨大な数に なる。限られた時間とリソースで,それらの全てのシナリオについてシミュレーションを実施す ることは不可能であることも多い。このことからシナリオが多数想定される場合には,各不確定 要素及び選択肢につき極端な2,3パターン(下限値,中央値,上限値など)の組み合わせについて

Lower Reference Value (LRV) Target Value (TV)

次相に移行

開発中止 判断保留

PCT20 PCT90

PCT: P(Δ)のパーセント点

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シミュレーションを実施し,要素や選択肢の試験結果への影響力を評価する(2)。これを感度分 析という。

例えば,表 2-2のように「対照薬の効果」と「治験薬の吸収速度」が不確定要素であり,それ ぞれにつき3つのパターン,計9つのシナリオが設定されたとする。

表 2-2 感度分析による不確定要素の評価

新製剤(治験薬)の吸収速度 ←インパクト:小 対照薬の効果 旧製剤x 0.5 旧製剤x 1.0 旧製剤x 1.5

Optimistic(弱い) 0.90 0.89 0.89

Realistic 0.75 0.75 0.74

Pessimistic(強い) 0.31 0.27 0.25

↑ インパクト:大

(数値は当該シナリオにおけるTrial Performance Metrics)

このとき,治験薬の吸収速度による影響は,各シナリオにおける成功確率にほとんど影響して いないため,吸収速度を旧製剤と同じと仮定してしまっても,評価結果にはほとんど影響しない。

表 2-3 感度分析の結果に基づく変更後のシナリオ評価

新製剤(治験薬)の吸収速度 対照薬の効果 旧製剤x 1.0

Optimistic(弱い) 0.89

Realistic 0.75 Pessimistic(強い) 0.27

各不確定要素及び選択肢の数が非常に多い場合には,検討対象以外の要素を全て特定の代表値

(中央値など)に固定して要素を個別に評価するという方法もある。但し,この場合には複数の 因子及び選択肢の特定のパターンの組み合わせにおいてのみ生じうる特異的なシミュレーショ ン結果を把握できなくなる可能性があることに注意する必要である。なお,その評価結果におけ る不確定要素の重要度の序列を明示的に表記する方法としてはトルネードチャートがある(図 2-13)。

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-60 -40 -20 0 20 40 60 80

LDH ALT AST CCR 性別 年齢 体重 BMI 体表面積

Δ試験成功率(%)

図 2-13 トルネードチャートの例

感度分析の結果に基づけば,影響力が充分に小さいと想定された不確定要素又は選択肢を検討 対象から除外するだけでなく,影響力の大きい選択肢について条件を追加設定し,より最適な条 件を探索することも可能である。感度分析の結果から当該要素或いは選択肢を無視して問題ない とする判断の基準を一概に定義することはできないが,不確定要素及び選択肢の影響力の絶対値 や他の不確定要素などの影響力との相対的な差を考慮して決定する(表 2-4)。

表 2-4 感度分析の結果に基づくシナリオの選択と選択肢の拡充

PDモデルの形状 PD モデル

評価項目の

観察期間 Linear Log-linear Emax

評価項目の

観察期間 Linear

2ヶ月 0.65 0.65 0.64 2ヶ月 0.65

4ヶ月 0.79 0.78 0.77 4ヶ月 0.79

8ヶ月 0.85 0.92 0.91 8ヶ月 0.85

(追加)→ 1年 0.92

(追加)→ 2年 0.92

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