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モデル作成担当者間での情報共有

5. MBDD に必要な環境と担当者の育成

5.6 ファーマコメトリシャンの今後の課題

5.6.3 モデル作成担当者間での情報共有

モデルを部門間での情報共有のプラットフォームにするうえで,モデル構築やシミュレーショ ンのためのプログラミング技術を一定水準以上に高めておく必要があると考えられる。

OJTや座学での教育の他に,モデル構築やシミュレーションのためのプログラミング技術に関 する知識のシェアに有効と思われる手段の一つとしてペアプログラミングがある。ペアプログラ ミングとは,異なるプログラミング技術を持つ2人が共同で1つのプログラムを作成する方法で ある。2人は時間を決めて(例えば,15分程度)指示する側と手を動かす側を交代し,時に議論 を重ねながらプログラムを構築する。お互いの持つ技術の優れた部分を共通の知識として共有す る上で特に有用な方法である。

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付録 Guidance for Industry “End-of-Phase 2A Meetings”1 日本語訳

注意事項:本翻訳により生じるいかなる損失についても,日本製薬工業協会及び統計・DM部会TF関係者は一切の責任を負い ません。利用にあたっては必ず原文を参照することとし,本翻訳はあくまでも各自の責任でご利用ください。

このガイダンスは,このトピックに関する米国食品医薬品局(FDA)の現段階での見解を示したものである。こ れは特定の個人に対して何らかの権利を与えるものではないし,FDAや他の団体の活動を制限するものでもない。

もし,法律や規則の必要条件を満たす他の方法がある場合,その方法も利用することができる。もし,他の方法 について議論が必要な場合は,このガイダンスの実行責任を持つFDA担当者に連絡をとるか,適当なFDA担当 者を特定することができない場合は,このガイダンスの表紙に記載の番号に電話されたい。

I.

このガイダンスは,治験届(INDs)の依頼者に対し,前期第2相試験後(以降 EOP2A と記載)相談に関する情 報を提供するためのものである。EOP2A相談の目的は,臨床試験シミュレーションと定量的にモデル化された事 前情報(例えば薬物,プラセボ反応,疾患)の臨床試験デザインへの活用,用量-反応関係をより良く推定し,よ り良い用量を設定するための試験デザイン,及びこれらに関連する諸問題に対応するためのガイダンスを必要と する治験依頼者とFDAの相互協力を推進するためのものである。このガイダンスは,治験依頼者との開発早期の 会議を通じて革新的な医薬品の開発を推進し,新薬承認過程の品質を改善するとしたFDAの取り組みの一つであ る。

EOP2A相談は,特定の疾患に対する用量反応関係に関するデータを得るための臨床試験(安全用量の設定,バイ

オマーカー及びPOCのための試験を含む)の終了後に行われる。このガイダンスの目的から,“前期第2相試験 終了”の時期は,第1相試験の完了後で最初の患者を対象とした曝露-反応試験の終了後,あるいは後期第2相試 験(すなわち患者を対象とした用量設定試験),第3相試験(臨床における有効性・安全性検証試験)の開始前と なる。新薬開発における位置づけとして,EOP2A相談では,開発後期の有効性検証試験に使用する用量の評価と 選択のための検討を行う。新しい試験デザインについて可能性があれば,その有用性と実施可能性について EOP2A相談で議論する。

このガイダンスは,特に以下のテーマに注目している:

EOP2A相談の目的

EOP2A相談のための必要事項の検討

EOP2A相談の資料作成に有用な情報

EOP2A相談の準備

この文書では,実際の相談の要請,日程調整,実施,議事録の作成に関する一般的な手続きについては含めない。

1 This guidance has been prepared by the Center for Drug Evaluation and Research (CDER) at the Food and Drug Administration.

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それらのテーマに関する一般の情報は,the guidance for industry on Formal meetings with Sponsors and Applicants for PDUFA Products(公式相談(Formal Meetings)ガイダンス)を参照されたい2

FDAのガイダンス文書(このガイダンスを含む)は,法的な実施責任を定めるものではない。その代わりに,特 別な規制又は法令の条件は規定せず,ガイダンスにはトピックに関する規制当局の現段階での考えを述べている ので,推奨として見られたい。規制当局のガイダンスにおける”should:すべきという単語は,提案あるいは 推奨の意で使われており,必須事項ではない。(訳注:日本語訳ではshould望ましいと訳することにする)

II. 背景

FDAは,新薬の望ましい効果(有効性)と望ましくない効果(毒性)のための用量反応関係及び薬物動態/薬力学

PK/PD)関係(例えば,曝露-反応関係)について,長年に渡り関心がある3。正確な用量反応関係は,望ましい

効果を最大にし,望まない効果を最小にするために,患者がどのように薬物を摂取するかにとって重要な情報と なる。第2相試験と第3相試験のための用量選択は多くの医薬品開発における課題であり,安易な用量の選択が 試験の失敗を招くことも多い。開発早期における用量選択を改善することによって,将来の試験の成功率を上げ ることが期待される。

FDAは,薬物の曝露-反応,プラセボ群における効果,及び病態進行の定量的モデルを用いた臨床試験シミュレー ションが,臨床試験の計画を改善する可能性があることを認識している。FDAは,臨床試験の成功率向上のため,

試験デザインの選択に際して,この技術を最大限活用した検討を推奨している。

A. 開発早期における用量選択戦略

現在,FDAと治験依頼者は,治験届前,第2相試験終了時,申請前またはPre-BLA,及び一般のガイダンス相 談の場で,新薬開発戦略の議論を行っている。これらの相談では,用量の推定や選択に有用なモデリング&シ ミュレーションのためのツールやアプローチに関する詳細な議論はできない。経験的に,治験依頼者と FDA にとって,後期第2相試験と第3相試験を行う前に定量的新薬開発(例えば,疾患モデル,薬物モデル,プラ セボモデル及び症例脱落モデルを用いた臨床試験シミュレーション)の活用を議論することは重要と考えられ る。

EOP2A相談は他の相談と置き換わるものではなく,むしろ新薬開発における次相への移行プロセスの最適化を

めざす FDA との,より高度で建設的な議論の機会を新たに提供するものである。開発早期に議論をすること の目的は,試験用量や臨床試験デザインが本来あるべき姿でない形になってしまい,その結果,過剰な用量を 選択したために安全性上の問題が生じることや,少なすぎる用量のために有効性の評価に問題が生じること,

2 We update guidances periodically. To make sure you have the most recent version of a guidance, check the FDA Drugs guidance page at http://www.fda.gov/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/default.htm.

3 For guidance related to exposure-response trials, see the guidances for industry on Exposure-Response Relationships — Study Design, Data Analysis and Regulatory Applications; Dose-Response Information to Support Drug Registration (International Conference on Harmonisation (ICH) E4); and Providing Clinical Evidence of Effectiveness for Human Drug and Biological Products available on the Internet at

http://www.fda.gov/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/default.htm.

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又は,病態の変化,不適当な患者の選択,プラセボ効果又は脱落を考慮しないために生じる不用意な臨床試験 の失敗を避けることにある。規制当局は治験依頼者に対し,試験デザインと投与レジメン選択について,試験 前に得られているあらゆる情報(臨床試験シミュレーションを構成するデータと解析モデル,疾患の変化の定 量モデル,複数の患者集団の混在モデル,及び用量(血中濃度)-反応モデルなど)を活用し,より高度に意 思決定を行うことを奨励する。

B. EOP2A試験プログラム

2004 年に始まった試験的プログラムのもと,FDA は次相試験デザインのオプションに関するシミュレーショ ンのためにデータをモデル化し,一連の EOP2A 相談を行った。この試験的プログラムの主な目的は,シミュ レーション結果を利用し,次相試験デザインのためのパラメータと投与レジメンの選択肢を得ることであった。

その他の目的としては,有効性と毒性のリスク・ベネフィットバランスとしての用量反応,遺伝子型の影響,

薬物間相互作用及び製剤選択があった。

モデリング&シミュレーションには,先行の臨床試験からの情報(例えば,用量反応,長期の臨床試験でみら れたような病態の変化,時間経過を含むプラセボ群の効果データ及び患者のベースラインデータ)が活用され ている。主な情報源は,文献,所属する組織で過去に実施した試験及び公的に利用可能なデータベースなどで ある。臨床試験シミュレーションは,提案された臨床試験のデザインの適切性を評価し,対照群(例えば,プ ラセボ)に対して治療群が有意に差を検出できる予測確率をもとに代替案を検討するために行われた。この試 験プログラムの疾患領域としては,HIV感染症,前立腺ガン,細菌感染症,発作疾患,疼痛と肥満などが含ま れた。相談後の有用性調査から,治験依頼者がEOP2A相談を有用であると考えていることが示された4

FDAは試験プログラムのために,しばしばモデル解析を行った。しかしながら,将来的には,治験依頼者がこ のようなモデル解析を行い,その結果を会議資料に含めることにより,FDAが次相デザインに関する業務を行 う際に,この情報を参照できるようになることを期待する。加えて,FDAは特定の問題に対処するため,もし くは治験依頼者のモデルを再評価するために,FDA 内でモデル解析を行うかもしれない。FDA のファーマコ メトリシャン,生物統計家と医学専門家の調査官が,通常,これらの相談のためのレビューの大半を受け持つ。

他の部門からのレビュアーは,必要に応じてこれらの相談とその準備に参加し,FDAは治験依頼者に対してよ り有益なコメントを提供する予定である。

III. EOP2A相談

EOP2A相談の全体の目的は,開発初期から(定量的)曝露反応関係の情報を改善するための,試験デザイン,モ

デル化戦略及び臨床試験シミュレーションのシナリオのための選択肢について議論することである。これらの相 談の目標は,新薬の開発効率を改善するために,次相試験の用量を最適化することである。ここで議論される曝 露-反応データは,有効性の指標の評価または副作用の指標の評価にも関係するかもしれない。さらに,相談で は薬物間相互作用,遺伝子または他のバイオマーカーにより定義される特殊集団,及び他のPKまたはPK/PD

4 See Wang, Y., V.A. Bhattaram, P.R. Jadhav, L.J. Lesko, R. Madabushi, J.R. Powell, W. Qiu, H.Sun, D.S. Yim, J.J. Zheng, J.V.S. Gobburu, “Leveraging Prior Quantitative Knowledge to Guide Drug Development Decisions and Regulatory Science Recommendations: Impact of FDA Pharmacometrics During 2004-2006,” Journal of Clinical Pharmacology, 48(2):146-156, 2008.