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図2
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「手本若くは実物を示してなさしむる方法を稽ふるに当りても 強て幼児の興味に反し、其活動を抑制せらんことに注意するものとす」35>という事項を受 け、子どもにとって扱いやすい教材に変容させた結果であるといえる。また、この「摺み
紙」の連載では、一つの折り方を教授するのではなく、図4に みられるようにギー番は立てれば屏風です。平に置けば本の
よ一です。二番目は机です。三番目は小さな屏風です。四番 賢は座布団です。五番露は紙入れになります」36)というよう に、紙を折る度に様々な形に見立て、段々と複雑な折り方へ
と進み、子どもの興味を持続させることに留意することに配 慮した教具内容を提示している。
以上、①②③項目で抽出した観点から、その当時の手技項目 の特色をみると、ひとつは遊びを核としていることである。幼
図4
稚園入園後、子どもの最初の活動の起点となる子目が、遊びを核とした設定であることは、
幼稚園教育の展開の上で転機をなすものである。即ち東が「幼児保育法」の中で指摘した f始終教師だぞと云ふ様に監督指揮の地位に立って、こうなさい、あSなさいと云って指 図ばかりする様では」3?)ということを起点とする観点である。
この観点は、「子どもに活動をさせるには、どういう風にやるべきかg「子どもの自然に やって居って、十分効果のあることを教育者が大人の心を以て妙に解釈して折角の教育的 価値を没却して仕舞う」39》との問題意識が、編成の上にも反映され、この面面意識が呼称 の上にあらわれるのである。配当表に示された量目名を明治17年忌育子目と比較してみて も、恩物の続目名がそのまま継承されていることの理解ができる。呼称は東の「教育者が 大人の心を以て妙に解釈して人為的にして仕舞って、折角の教育的価値を没却して仕舞iう」
39)アとの顧慮から、子どもに親しみやすい平易な呼称にしたり、かな混じりに修正したり と理解しやすいような配慮をみることができる。また、東の配慮は「教具の変化」にも派 生し質や種類の多様化に東の意図をみることができる。
このような観点から、編成された保育の課程は遊戯性を活動の根底にすえ、自曲活動に よって保育の展開が図られる形式の基点となるものである。東にとって、幼稚園の保育活 動は遊び環境をどのように設定し、その設定された遊び環境に子ども達がどのように関わ れるかを一大関心事として、保育改良の企てがなされたことを理解しなければならない。
(2)手技項冒の配列
喉育要項」に示される「手技」項目の配列は、配当表によって示されている。その教 材配列は、三ノ組(三歳児)、ニノ組(四歳児)、一ノ組(五歳児)によって、次のように
配列されている。
三ノ組 ニノ組 一ノ組
第一期 第二期 第三期 第一期 第二期 第三期 第一期 第二期 第三期 六三
マ木
謔ォ方
?ス》み
同板並べ翼並べ構同
同同箸環並同同点同志織紐おき同義同豆細工粘圭細工 問出血同同同紙きり同同同 同紙同留山同同同同 同同三岡問同同粘土細工 同同声同同紙おり同同同 同同岡同縫取り嗣同紙くみ混同
最初にこの配当表の見方について述べておこう。
配当表のうち、三ノ組、ニノ組、一ノ組とは次の年齢をいう。即ち「一ノ組満五年以 上就学に至るまで。ニノ組 満四年以上五年に至るまで。三ノ組 満三年以上四年に至る まで」である。次にギ第一期、第二期、第三期」とあるのは9学期」のことである。また、
この配当表では各学年及び各学期の教材配当が記されているが、月別、週別配当及び時間 配当についての記述は見当たらない。
まず、この配当表から三歳児から五歳児の恩物配列の意図をみるために、次のような視 点整理を行った。
(1)年令毎、学期によって、配列された撮物子目の特徴について検討を加えること。
(2)年令が進むにつれて配列された恩物子Rの設定根拠をみること。
〈3)〈1)(2)を踏まえて、この配当表が意図するところを明らかにすること。
である。
以上の観点から、①年令別にみる配列子罠の特徴、②恩物子目設定の根拠、に分けてみ ることにしよう。
①年令別にみる配列子9の特徴
「手技は丸面眼を練習し、工夫想像のカと美的心情とを養ひ、心意発達に資するを以て 要旨とす」とされるように、その冒的を「手、眼の練習」「工夫想像の力、美的心情の養 成」に置き、そのための手段として恩物を使用するとの観点から、幼児の発達段階に応じ た教材配当を示したのが、この配当表である。ここでは三ノ組、ニノ組、一ノ組という順 序に従って、各年令の配当の特徴をみることにする。
(ア)三ノ組の恩物配当について
まず、この配当表をみると、三歳児では、特 に第一期において復活した「六感」に山門して みたい。この「六毬」は、明治14年に廃止され た「五彩球ノ遊ヒ」と内容的にはほぼ同じとい えるが、東が指摘する「恩物はフレーベル氏の 主張せる万物の発達の法則、即具体から抽象に 物質から精神に及ぶといふ其哲学的見解を具体 的に現はして居るので、即最初の六球は宇宙に 象どり積木といふ実体から一箸刺紙といふ様に 体から面線点と順次実体から抽象に及ぶので、
子供が之れを弄ぶ間に自然に万物の法則の大原理を発見する密な具合にして居るのである が三歳から六歳までの子供が果たして其大原理を理解し得るや否やといふのです」 o>とい
うフレーベルの恩物法則の否定から考えられる「六球」の使い方であり、「六球は宇宙に 象どり」という見方ではなく、子どもの楽しみの玩具として、位置付けられたが故の復活 であり、幼稚園教育を受ける出発点として「楽しい」を念頭においた子罠設定であるとい
えよう。
次に、この配当表からy積木戸画き方」「紙た〉・・み」の群に分けて配列されていること 三 ノ 組
第一期 第二期 第三期 六諭
積木 同 同
板ならべ 同
箸環ならべ
貝ならべ 同
画き方 嗣 嗣
紙た》み 同 同
の理解ができる。これは、東が「幼児保育法につきて」で指摘した恩物の発表の形式を踏 まえての配列である。
「積木」群では、積木を基礎として、順次「板ならべ」唄ならべ」階環ならべ」「紐 おき」というように「体」「面∬線」「点」に行き渡る配列になっている。
「画き方」は、明治17年の改編において、罫紙に鉛筆で略形画を画かせることが行われ ていたが、この「保育要項」では画き方」は石板や紙に色鉛筆や絵の具を用いて画かせ るというように変化している。この変化は「画き方」の内容を考える時、極めて重要な点 であり、色鉛筆を採り入れたことで、単色から多色へという教具の変化がf3.色彩は専
ら美的感情を溺養するに適するを以て其配合に就きては特に注意すへきこと。4.色彩は 正しき名称により称えしむへしといへとも、各種の聞色に対しては其実遡上の区別を知ら
しむることに止め、強て厳密なる名称を附せしむるに及はさること。5.色彩を知らしむ るには、なるへく幼児に親近なる諸種の物体と比較せしめて自然に其名称を知得せしむる こと」 〉という三つの留意事項がつけ加えられることとなった。
この色鉛筆の採用は、「美」という方向にも「手技」項鍔の編成の範囲が拡がり、従来 の「美麗」が幾何学的均斉の美しさを意味していたのが、色彩感覚の酒養ということにま で範囲が及んだという点で、恩物だけの手技項目では見られない観点を示したといえる。
また、その留意する内容も、色彩名を厳密の覚えることを第一義とするのではなく、あく までも子どもが自然に無理なく理解できるような方法をとることを列記し、留意点として
いる。
三ノ組の配当表を抽出して、その配列を列挙してみると、教材の配列は「六出」を入園 当初の第一期に設定することによって、能動的に操作して遊ぶことから幼稚園での活動が 始まるとの見解に基づいて、恩物の配列がなされているとの理解ができる。そして、入園 当初の第一期では「六毬」に続いて、「積木」「画き方」「紙たSみ」の3子冒が配当され ている。この申で、「六毬」は第一期だけの認り扱いとなっており、他の3子目は一一ノ組 香三期まで継続されている。次に第二期からは版ならべ3愚ならべ!が加わり、第三 期では「箸環ならべ」が加わって、三ノ組の恩物は計7子際となっている。
(イ)ニノ組の恩物配当について ニ ノ 組
第一期 第二期 第三期
四歳児の配当をみてみよう。四歳児では「六毬」
を除く6子目が三歳児が継続され、第一期で新た