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(A)第1用法

 第1用法は、次のような問題文となる。

ガソリン1愈で4.5km走る車があります。この車が0.9km走るには、何◎のガソリンが 必要ですか

 この問題を扱う目的は、次の2点である

   ・第1用法の問題で「〜ずつ」などの言葉がなくとも解答できる。

   ・わり算を「小さい数(0.9)÷大きい数(4.5)」と立式することもあることに気づ

    く。

 そして、次の【図36】に表すような数量関係が把握でき、立式に至ることができるかを 確認する。

09 〔】

10

29

Okm O.9km

4.5km 9km

      【図36=第1用法の問題の数量関係図】

(B)第2用法

扱う問題は第1用法と同じである。未知数を距離に変えるだけである。

ガソリン19で4.5km走る車があります。この車は、0.49のガソリンで何km走れます

09

0.4⑰ 19

2◎

Okm

4.5km 9km

       【図37=第2用法の問題の数量関係図】

(C)第3用法

 「1あたり」(この場合は、「1脇たり」)という言葉を使わずに、第3用法の問題をつく るためには、第1用法、第2用法の問題文脈とは、少し変更する必要がある。

車Aは4.5km走りました。これは車Bが走った距離の0.3倍です。車Bは何km走り

ましたか。

この問題を扱う目的は、次の2点である。

 ・ 「1あたり」という言葉がなくても立式できる。

 ・ 第2用法と第3用法の関係(第3用法は第2用法の逆)を割合(倍率)が1より    小さい場合でも、理解できる。

・車Cは4.5km走りました。これは車Dが走った距離の3倍です。車Dは何km走り

 ましたか。

なら、4.5÷3と立式することは易しい。しかし、「0.3倍」から4.5÷0.3と立式することは、

難しい。

 そこで、以下のように、第2用法と第3用法の関連を考えながら、立式に導く方法もあ

る。

A

4.5km

B

り一

【図38:問題文に示された数量関係】

  (式) □×0.3=4.5

 □を求める計算を考えるために

×0.3

4.5

÷0.3

【図39:関係図】

(式) 4.5÷0.3=□

 問題文脈についての改善点の最終的な目的は、教科書に無いようなタイプの問題でも、

児童がそれまでに解いてきた問題をもとにして、解決できるようになることである。特定 の問題文脈だけが得意で、それ以外は苦手といったことがないように、さまざまな例題に とりくませ、問題文を読んで、構造を理解して、立式できるようにしたい。

おわりに

 「小学校算数における小数を含むかけ算・わり算文章題の解決過程に関する研究」とい テーマで研究を行った結果、小数を含むかけ算・わり算文章題の難易度に影響すること、

また児童にとって解決が困難な解決過程が明らかになった。明らかになったのは次の点で

ある。

 児童がつまずいた点は、問題状況を把握する「統合過程」もしくは解決するための演算 を作る「立式」の過程が多い。「立式」までたどり着いて計算間違いをする児童の数は少な

かった。

 問題の難易度に起因する点として数値がある。割合の数値が1以上か1未満で「統合過 程」の正答率に20%近くの差ができる。また問題構造も影響し、かけ算で解決する「第2 用法」よりも、わり算で解決する「第1用法」「第3用法」の正答率が低い。

 問題文脈も時間を扱う「生産問題」が他の2題より正答率が低かったが、教科書には本 研究で扱った以外の問題文も多く扱われているので、この点に関しては今後も研究する必

要があると思われる。

 私はこれまでに現場の経験がなく、漠然と「計算問題より文章題の方が難しい」という ことしかわかっていなかった。しかし、この研究を通して、かけ算・わり算の文章題が児 童にとっていかに難しいものなのか。また、値が整数から小数に変化することで、児童は

どれだけ解決が困難になるのか。そういったことを現場に入る前に知ることができた。こ の経験をここで終わらせるのではなく、自分が現場で指導し、その結果を受け止め、さら

に発展させていきたい。

 最後に本研究を進めるにあたり、親身になって細部にいたるまで親切丁寧なご指導をし てくださいました國岡高宏先生には、心からお礼申し上げます。また、様々な機会を通じ て親切な示唆を与えてくださいました暗谷眞也先生、加藤久恵先生をはじめ数学教室の先 生方に深く感謝いたします。

 さらに、本研究の調査を行う際に快く引き受けて下さった、名古屋市立大磯小学校の川 下孝幸先生はじめ職員の方々、調査に協力してくださいました先生方や児童の皆さんにお

礼申し上げます。

      引用・参考文献

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