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将来展望

ドキュメント内 藤田 政之 助教授 (ページ 107-110)

100 第7章 結論

本研究では,機械システムの制御において注目を浴びている微分幾何的アプローチと非 線形制御理論を組み合わせて, 視覚フィード バック制御問題を解決したことにある. これ により従来の視覚フィード バック制御では扱うことのできなかった厳密な安定性の解析が 行えるようになり, L2ゲインを利用した制御性能解析も可能となった.

またシミュレーションにより制御アルゴ リズムの有効性と問題点を確認した. 公称モデ ルに関しては提案する制御則は, 未知な運動を行う対象に良好な追従特性を示していた. し かし画像処理により生じる時間遅れやカメラパラメータのキャリブレーション誤差の不確 かさに対するロバスト性は不十分であることが確認できた.

7.2. 将来展望 101

7.2.2 モデル化されない動特性に対するロバスト 性

表7.1や 6.7.3 節でのシミュレーション結果からもわかるように,本研究では画像処理な

どの時間遅れなどのモデル化されない動特性に対するロバスト性を考慮していなし,実際 に問題となることが確認された. つまり時間遅れなどの不確かさを与えると応答が振動的 になり, また不安定となる可能性も有している. 視覚フィード バックシステムのモデル化 されない動特性としては,画像処理の際のむだ時間だけでなく, 速度情報( ˙qf)˙ を位置の 差分としてあたえると, 高周波の雑音が存在することなどもあげられる.

このモデル化されない動特性は, 6.7.3節でのシミュレーション結果でもわかるようにL2 ゲイン制御性能の結果とトレード オフの関係となる場合が存在する. よって視覚フィード バックシステムの実用化を考えるためには,モデル化されない動特性に関するロバスト性 の考察を行う必要がある.

7.2.3 位置ベース制御 or 画像ベース制御

視覚フィード バック制御システムの分類としては,固定カメラ構造/アイインハンド 構造 といったカメラの設置法による分類以外に, 本研究では明示しなかったが, 位置ベース制 御/画像ベース制御という分類が可能である. 位置ベース制御は画像情報から3次元位置姿 勢を復元して,その情報をもとに制御アルゴ リズムを構成する. 画像ベース制御とは画像情 報を直接利用して制御アルゴ リズムを構成するものである. つまり状態の空間がSE(3)(位 置ベース)か画像平面上(画像ベース)かの違いがある. 本研究では平面運動では画像ベー ス制御を, 3次元の運動に関しては位置ベース制御をそれぞれ利用した.

よって3次元の運動に関する画像ベースの制御問題が残されている1. しかし画像平面上 を状態空間とすると,その微分方程式は非常に複雑な非線形性を有することは容易に想像 ができる.

12次元運動に関する位置ベース法は, 3次元の相対位置姿勢制御の特殊ケースとしてとらえることが可能

である

A

リアプノフの定理

この付録は非線形システムのリアプノフの安定性に関する定理を紹介する. 安定性の基 本的概念は本論文を理解するためには非常に有益となる. また周辺の定理を利用すること になるのでそれらを含めて簡単に述べておく. 以下の定理や補題は証明は一切記述しない が, 例えば文献[36]などを参照して欲しい.

A.1 安定性に関する定義

つぎの微分方程式を考える.

˙

x=f(x, t) (A.1)

ここでfは非線形なベクトル値関数であり, x Rnは状態とする. その初期状態として x0 =x(0)を定義する.

定義 A.1 ある状態xが式(A.1)の平衡点であるとは, 任意の時刻tにおいてf(x, t) = 0 が成立する場合である.

定義 A.2 ある時刻t0において平衡点x = 0が安定であるとは, 任意のε > 0に対して, t t0を満足するすべての時刻tにおいて, kx(t0)k < δならば kx(t)k < ε を満足する δ(t0, ε)>0が存在する場合をいう.

定義 A.3 ある時刻t0において平衡点x = 0が漸近安定であるとは, 102

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