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受動性に基づく視覚フィード バック制御則

ドキュメント内 藤田 政之 助教授 (ページ 53-56)

5.3 適応 H ∞ 視覚フィード バック制御則

5.3.1 受動性に基づく視覚フィード バック制御則

マニピュレータの受動性に基づく制御により, 適応H 視覚フィード バック制御則を導 出するために,重要な補題を2つ示す.

5.3. 適応H視覚フィード バック制御則 47

補題 5.1 つぎの微分方程式を考える.

M(q) ˙ξ=−C(q,q)ξ˙ −K1ξ+k2JpT(q)R(q)f+ν f˙=−sλα

zwoRT(q)Jp(q)JpT(q)R(q)f

zwoRT(q)Jp(q)ξ−RT(q) ˙R(q)f (5.9) ここでM(q), C(q,q)˙ はそれぞれ性質2.1, 2.2および 2.4を満足する. K1は正定対称行列, k2α, s, λ, zwoは正のスカラ, RSO(2)の元, Jpは正則行列とし,すべてのqに対して その特異値は有界であると仮定する. またνはシステムψの出力であり,システムψは入 力−ξから出力νにおいて,一階微分可能な正定関数Vψに関して受動性を満足している.

ならば, ξ ∈L2∩Lかつ, f ∈L2∩Lであり, t → ∞のときf 0となる. またνが有 界ならば,ξt→ ∞でゼロへ漸近的に収束する.

証明 : つぎの正定関数を考える.

Wψ =V +Vψ (5.10)

ここでV は,

V = 1

2ξTM(q)ξ+ k2zwo 2sλ kfk2

である. ここでV を式(5.9)の解軌道に沿って時間微分すると,

V˙ =ξT˙+ 1

2ξTM ξ˙ +k2zwo fTf˙

=−ξTK1ξ−k2αfTRTJpJpTRf +ξTν +k2ξTJpTRf −k2fTRTJpξ+ 1

2ξT( ˙M 2C)ξ k2zwo

fTRTRf˙ ここでM˙ 2CとRTR˙ の歪み対称性を利用すると,

V˙ =−ξTK1ξ−k2αfTRTJpJpTRf +ξTν (5.11) となる. またシステムψ−ξ→νにおいて,一階微分可能なVψに関して受動性を満足し ているので,受動性の定義2.2より,

V˙ψ ≤ −ξTν (5.12)

が成立する. 以上よりWψの式(5.9)の解軌道に沿った時間微分は, W˙ψ≤ −ξTK1ξ−k2αfTRTJpJpTRf +ξTν−ξTν

48 第5章 視覚フィード バックシステムの適応H制御

=−ξTK1ξ−k2αfTRTJpJpTRf

= ξT fT

K1 0 0 k2αRTJpJpTR

ξ f

0 (5.13)

となり, 準負定関数となる. ここでWψはその時間微分が正にならないことから非増加 関数であり, Wψ(0)の有界性を仮定すれば Wψ Lとなる. V および Vψは正定関数で あるので, V L, Vψ Lであり, V は[fT ξT]T の二次形式で与えられることから [fT ξT]T L となる. ξの定義とJpの有界性を利用すると, ˙q Lとなる. よって式 (5.9)からf˙∈Lとなる. つまりfは一様連続である. つぎに式(5.13)を0からT まで積 分すると,

−Wψ(0)≤Wψ(T)−Wψ(0) Z T

0

W˙ψdt つまり,

Z T

0 (kξk2+kfk2)dt Wψ(0)

max(σM(K1), k2ασM(Jp)2) <∞ (5.14) となる. このことからξ∈L2, f ∈L2が成立する.

その上ξ∈Lも性質2.1, 2.4とJpおよびψの有界性の仮定から確認することができる.

よってξも一様連続であることが証明された.

最後にL2に属し一様連続な信号はt→ ∞で0へ収束すること[22]で証明は完了する.

(Q.E.D.) 補題 5.2 入力r= [dT bT]T から出力z = [fT ξT]のシステム

M(q) ˙ξ=−C(q,q)ξ˙ −K1ξ+k2JpT(q)R(q)f +d+ν f˙=−sλα

zwoRT(q)Jp(q)JpT(q)R(q)f

zwoRT(q)Jp(q)ξ−RT(q) ˙R(q)f + zwoRTb

(5.15) を考える. ここでM(q),C(q,q)˙ はそれぞれ性質2.1, 2.2および2.4を満足する. K1は正定 対称行列, k2α, s,λ, zwoは正のスカラであり, K1,k2αに関してはつぎの行列

P =

K1 12I− 2γ12I 0

0 k2αJpJpT 12I− k222I

(5.16)

を準正定にするように選ばれている. RSO(2)の元, Jpは正則行列とする. また ψ :

−ξ →νは, 微分可能な正定関数Vψに関して受動性を満足する. 以上の仮定のもとでシス テム(5.15)はγ以下のL2ゲインを有する.

5.3. 適応H視覚フィード バック制御則 49

証明 : 定理4.2の証明から行列Pを正定にするようにゲインが選ばれているならば,ν= 0 の場合に正定関数V = 12sTM s+ k2zwokfk2 の解軌道に沿った時間微分は,

V˙ +1

2kzk2−γ2

2 krk2 0 を満足する. しかしν 6= 0ならば上式は,

V˙ + 1

2kzk2 γ2

2 krk2 ≤ξTν

となることは簡単な計算から明らかである. また−ξ νは正定関数Vψに関して受動性 を満足する仮定から,

V˙ψ ≤ −ξTν が成立する. そこで,

Wψ =V +Vψ としてその解軌道に沿った時間微分を求めると,

W˙ψ +1

2kzk2 γ2

2krk2 ≤ξTν−ξTν = 0 (5.17) であり, この式は供給率 γ22krk2 12kzk2, 蓄積関数Wψとしたときの微分消散不等式であ る. よってシステム(5.15)はγ以下のL2ゲインを有する.

(Q.E.D.) この2つの補題は 2. 4 節で紹介した定理2.1を視覚フィード バックシステムの制御へ拡 張したものである. この2つの補題を利用して以下では適応H視覚フィード バック制御 則の提案と解析を行う.

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