時間をパラメータとする軌跡g(t) = (p(t), R(t))∈SE(3)を考える. 回転運動の場合と同 様にスパーシャル速度Vs = [(vs)T (ωs)T]T ∈R6とボディー速度Vb = [(vb)T (ωb)T]T ∈R6 がつぎのように定義できる.
Vs =
vs ωs
=
−RR˙ Tp+ ˙p ( ˙RRT)∨
(B.16)
Vb =
vb ωb
=
RTp˙ (RTR)˙ ∨
(B.17)
ここでVsとVbの物理的解釈を簡単に述べておく. Vbは物理的解釈が直感と非常にあっ ている. つまりωbは前に説明したボデ ィー角速度であり, vbは基準座標系における対象 座標系の原点の速度を対象座標系基準であらわしたものである. しかしVsはずれが生じ る. ωsはスパーシャル角速度であるが,vsは対象座標系の原点の速度を基準座標系であら わしたものp˙とはなっていない. これは対象座標が基準座標に対して回転することで見か け上の並進速度が生じていることを意味している. つまりスパーシャル速度を利用してモ デルを与える場合には特に注意が必要である. なおボディー速度とスパーシャル速度との 関係は
Vs =
R pRˆ
0 R
Vb (B.18)
で与えられることに注意しておく.
またボデ ィー速度Vbを利用してg(t)のダ イナミクスを記述するとつぎのようになる.
˙
p=Rvb (B.19)
R˙ =Rωˆb (B.20)
第 C 章
実験装置概要
本研究で利用した視覚フィード バックシステムの実験装置(図C.1)の概要について述べ ておく.
図 C.1: Experimental Setup
111
112 付 録C 実験装置概要
C.1 装置構成
C.1.1 マニピュレータとパワーアンプ
ロボットマニピュレータとして,平行リンク構造を有する産業用マニピュレータ SC–15 ((株)不二越)を利用する. 使用した産業用マニピュレータは本来6軸であるが,その2軸目 および3軸目のみを駆動させることで本研究で主に対象とする2自由度平面マニピュレー タとみなすことが可能となった.
サーボアンプとは制御装置から出力されるトルク信号に対応してマニピュレータのアク チュエータをド ライブするほか, 起動シーケンスなどを処理する装置である. 産業用マニ ピュレータに付属のAP制御装置((株)不二越)を利用した. このサーボアンプはアクチュ エータダ イナミクスを適切に補償するサーボループが組まれており,それぞれの関節に入 力した指令トルクを直接発生させることが可能となっている.
詳細については文献[51]を参照のこと.
C.1.2 画像処理装置と CCD カメラ
視覚情報を利用してマニピュレータの駆動トルクを直接計算する必要があるため, 高速 に情報を取得できるCCDカメラ CAM120 ((株)応用計測研究所)と高速な画像処理装置
Quick–Mag ((株)応用計測研究所)を利用した. 画像処理装置はカメラからの画像信号の
明度差を利用して対象を追従する. その重心を計算して, 対象の位置として 1/120 秒毎に DIO により出力する.
詳細については文献[55]を参照のこと.
C.1.3 ディジタル制御装置
デ ィジタル制御装置は DSPを利用したシステム DSP–CIT (dSPACE 社) を利用した.
ディジタル制御装置は, 9つのDSP TMS320C40 (TI)と12ビットの分解能を有するD/A コンバータと16ビットデ ィジタルIO, 24ビット インクリメンタルエンコーダ インター フェースボード を有している.
今回は2つのDSPを利用し, 1つは起動シーケンスおよび画像情報とエンコーダ情報取