• 検索結果がありません。

対数関数

ドキュメント内 2009 IA I 22, 23, 24, 25, 26, a h f(x) x x a h (ページ 58-63)

さて、次にexの逆関数であるlogxについて考えましょう。x= 0は定義域の外なので、x= 1 を中心とした級数を考えることにします。ただし、見た目を簡単にするために x= 0を中心とし た級数で考えたいので、平行移動して log(1 +x)にしておきます。なお、1以外の正実数aを中 心とした場合については、

log(a+x) = log (

1 + x a )

+ loga

とすることにより1を中心とした場合に帰着できるので扱いません。詳しくは考えてみて下さい。

結果は次のようになります。(第5回問題5です。)

log(1 +x)x= 0におけるテイラー級数は、−1< x≤1の範囲ではlog(1 +x)に収束し、

それ以外では収束さえしない。

証明. xの範囲ごとに証明して行きましょう。

1 < x 1 のとき

テイラー級数がもとの関数に収束することを示すには、n次の剰余項が n→ ∞のときに0に収 束することを示せばよいのであって、テイラー級数の形は必要ありません。面倒なので、ここでは いきなり剰余項を扱うことにします。

ラグランジュ表示を使うと1< x <0での収束を示すことができません。(試してみてくださ い。)そこで剰余項の他の表示を使ってみましょう。

積分表示を使う

f(x) = log(1 +x)とすると

f(n+1)(x) = (1)n n!

(1 +x)n+1

なので、log(1 +x)x= 0におけるn次のテイラー近似の剰余項の積分表示は (1)n

x 0

(x−t)n (1 +t)n+1dt となります。

0≤x≤1のとき、0≤t≤xにおいて1 +t≥1 なので、

0 (x−t)n

(1 +t)n+1 (x−t)n となります。よって、

(1)n

x 0

(x−t)n (1 +t)n+1dt

x 0

(x−t)ndt= xn+1 n+ 1 となります。今0≤x≤1 なのですから

nlim→∞

xn+1 n+ 1 = 0

です。これで0≤x≤1ではlog(1 +x)に収束することが示せました。

1< x <0 のときは、x≤t≤0 なるtに対し1 +x≤1 +tが成り立つので、

|x−t|n

(1 +t)n |x|n 1 +x

(1xt 1 +t

)n

となります。今、−1≤ −xt < t <0なのですから、

1xt 1 +t

<1

です。よって、

(1)n

x 0

(x−t)n (1 +t)n+1dt

0 x

|x−t|n (1 +t)n+1dt≤

0 x

|x|n 1 +x

1xt 1 +t

ndt < |x|n 1 +x

|x| 0

1dt

< |x|n 1 +x となります。今1< x <0なので

nlim→∞

|x|n 1 +x = 0

です。これで1< x <0 でもlog(1 +x)に収束することが示せました。 □

コーシー表示を使う

f(x) = log(1 +x)とすると

f(n+1)(x) = (1)n n!

(1 +x)n+1

なので、log(1 +x)x= 0におけるn次のテイラー近似の剰余項のコーシー表示は f(n+1)(θx)

n! (x−θx)nx= (1)n(1−θ)nxn+1

(1 +θx)n (0< θ <1) となります。今1< xで0< θ <1なので、0<1−θ <1 +θxであり、

0< 1−θ 1 +θx <1 となります。しかも|x| ≤1です。よって、

(1)n(1−θ)nxn+1 (1 +θx)n

= (1−θ

1 +θ )n

|x|n+1−−−→n→∞ 0 となります。これで示せました。 □

注意. これが「ラグランジュ表示よりコーシー表示の方が精度のよい場合の例」です。★

log(1 +x) =

x 0

1

1 +tdt を使う

(1 +x)(1−x+x2+· · ·+ (1)n1xn1) = 1 + (1)n1xn ですので、

1

1 +x = 1−x+x2− · · ·+ (1)n1xn1+ (1)n1 xn 1 +x となります。これを1からxまで積分して

log(1 +x) =x−x2 2 +x3

3 − · · ·+ (1)n1xn

n + (1)n

x 0

tn 1 +tdt

が得られます。。この多項式部分が log(1 +x)x= 0を中心としたn次のテイラー近似多項式 と一致しているので、n次の剰余項を

(1)n

x 0

tn 1 +tdt と表示できることがわかりました。

0≤x≤1のとき、

(1)n

x 0

tn 1 +tdt

x 0

tndt= xn+1 1 +x

n→∞

−−−→0 となるので示せました。

1< x <0 のとき、

(1)n

x 0

tn 1 +tdt

=

|x| 0

sn

1−sds≤ 1 1 +x

|x| 0

snds= |x|n+1 (n+ 1)(1 +x)

n→∞

−−−→0 となり、やはり示せました。 □

注意. このやり方から形式的に積分を消し去ったのが第5回の解答プリントに書いた解法です。再掲しますの で、上のと比べてどちらが自然かよく味わってみてください。

解答.

1< a≤1では

nlim→∞Rn+1(a) = 0

が成り立つことを示しましょう。平均値の定理を使ってこれを示します。

Rn+1(x)の導関数は

Rn+1(x) = 1

1 +x−1 +x−x2+· · · −(−1)n1xn1

= 1(1 +x)(

1−x+x2− · · ·+ (1)n1xn1)

1 +x = (1)n xn

1 +x です。また、Rn+1(0) = 0です。よって、平均値の定理により

Rn+1(a) =Rn+1(a)−Rn+1(0) =Rn+1(c)a= (−1)n cn 1 +ca

となるc0aの間に存在します。今1< a≤1なのですから1< c <1です。よって、n→ ∞ ときcn0であり、Rn+1(a)0が成り立つことがわかります。これで示せました。★

| x | > 1 のとき

x <−1のときはlog(1 +x)が定義されないので、「log(1 +x)に収束するかどうか」は問題にな りませんが、テイラー級数自体が収束するかどうかは議論できます。それも含めて考えましょう。

一般に、無限級数∑

k=0ak が収束するなら、

nlim→∞|an|= 0 (8)

でなければならないことを思い出しましょう。実際、

Sn=

n k=0

ak, S=

k=0

ak

とするとき、

an=Sn−Sn1 n→∞

−−−→S−S= 0 であり、0に収束する数列は絶対値をとっても0に収束します。

log(1 +x)x= 0におけるテイラー級数は

k=1

(1)k1xk

k =x−x2 2 +x3

3 −x4 4 +x5

5 − · · ·

でした。この級数は |x|>1では条件(8)に反することを示しましょう。|x|>1 を満たすxを一 つ固定します。

nlim→∞

n+ 1 n = 1

ですので、ある自然数N で、N より大きな任意の自然数nに対して n+ 1

n <|x|

となる N が存在します。よってN より大きな任意の自然数nに対して xn+1

n+ 1 =

xxn n

n n+ 1

= xn

n

|x| n n+ 1 >

xn n

n+ 1 n

n n+ 1 =

xn n

となって、N より大きいところではxn

nという数列は単調増加であり、0に収束することはあり 得ません。

これでlog(1 +x)の0 におけるテイラー級数が|x|>1で収束しないことが示せました。

x = 1 のとき

x <−1 のときと同様に、x=1のときはlog(1 +x) = log 0 は存在しないけれどテイラー級 数自体が収束するかどうかは意味を持ちます。それを調べておきましょう。

log(1 +x)の0 におけるテイラー級数 x−x2

2 +x3

3 − · · ·+ (1)n1xn n +· · ·x=1を代入して得られる無限級数

1 +1 2 +1

3 +· · ·+1 n +· · ·

を調和級数といいます。limn→∞1/n= 0なので、|x|>1のときのように級数の発散を示すこと はできません。そこで、他の工夫が必要になります。

積分と比較する

f(x) = 1/xの積分と比較しましょう。

1 n >

n+1 n

1 xdx

です(図8)。 よって、

1 +1 2 +1

3+· · ·+ 1 n >

n+1 1

1

xdx= log(n+ 1)−−−→n→∞ + となって示せました。 □

n n+ 1 x 1

n y= 1

x

図 8: 面積比べ。

発散することがわかっている級数と比較する

積分を微分の逆演算として定義している以上、定積分がグラフの囲む部分の面積になっているこ とを使ってしまったら証明とは言えない、と思う人もいるでしょう。冬学期に積分を面積の一般化 として定義し直すと上の証明はキッチリ正当化されますが、たしかに現時点ではその批判は当たっ ていると思います。そこで、もっと初等的な証明も紹介しましょう。

第2n+ 1項目から第2n+1 項目をすべて1/2n+1 に変えた無限級数を考えます。具体的には、

1 +1 2 +1

3+1 4+1

5 +· · ·+1 8 +1

9+· · ·+ 1 16+ 1

17+· · ·

1 +1 2 +1

4+1 4 +1

8 +· · ·+1 8 + 1

16+· · ·+ 1 16+ 1

32+· · ·

と作り替えます。すると、各項はもとの調和級数の対応する項以下であり、第2n+ 1項目から第 2n+1 項目までの和はすべて1/2です。よって、

1 + 1 2 +1

3 +1 4+1

5 +1 6 +1

7+· · · ≥1 + 1 2 +1

4 +1 4+1

8 +1 8 +1

8+· · ·

= 1 +1 2 +1

2 +1 2+1

2 +1

2· · ·= + となって示せました。 □

ドキュメント内 2009 IA I 22, 23, 24, 25, 26, a h f(x) x x a h (ページ 58-63)

関連したドキュメント