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実験結果・考察

ドキュメント内 聴覚の内因性空間的注意に関する研究 (ページ 44-47)

第 2 章 聴覚の内因性空間的注意が競合音存在下での標的音聴取に及ぼす影響 26

2.2 実験 1 :競合音声存在下での音声聴取に聴覚の空間的注意が及ぼす影響 27

2.2.4 実験結果・考察

図 2.6: 確率統制条件での0方向における,試行回数と単語了解度の関係性.縦軸と 横軸はそれぞれ単語了解度と試行数,誤差棒は標準誤差を示す.点線は結果に対する 対数近似によって得られた近似曲線である.

図 2.7: 実験結果.縦軸と横軸はそれぞれ単語了解度と標的音の提示角度を示す.四 角は方向教示条件(Cue),三角は確率統制条件(Probability-control)の結果,誤差 棒は標準誤差を示す.

に近づいていることを示している.以上のことを考慮し,正面から標的音声が提示さ れた320試行の最後の20試行を結果として用いることとした.

実験の結果を図 2.7に示す.縦軸は単語了解度,横軸は標的音声が呈示されたラ ウドスピーカの方向を示している.方向教示条件の結果は,0の単語了解度が他の 方向に比べて最大10%も低く,0から離れるごとに単語了解度が改善していた.一 方で,確率統制条件の結果は,単語了解度が70%程度で安定していた.両条件の結 果を比較すると,±60 において最大10%程度,確率統制条件の結果が教示条件よ りも単語了解度が低いことが見て取れる.この結果について,実験条件(2; 方向教 示/確率統制)と標的音声の呈示方向(5; 0, ±30, ±60)を要因とする2要因分散 分析を行ったところ,実験条件と呈示方向の主効果と交互作用が有意であった(条 件: F1,19 = 4.69, p = .043, η2G = .049; 方向: F4,76 = 6.94, p < .001, η2G = .091;

条件×方向: F4,76 = 2.54, p = .046, η2G = .039).実験条件の単純主効果の検定 を行ったところ,60 と+60 において,条件間に有意な差が認められた(60: F1,19= 3.95, p=.050, η2G =.219; +60: F1,19= 9.08, p=.003, η2G =.503)を用いた.

図 2.8: 2条件の差分の結果(方向教示条件確率統制条件).誤差棒は標準誤差を 示す.

さらに,呈示方向条件の単純主効果の検定を行ったところ,方向教示条件において,

角度条件間に有意な差が認められた.(F4.36 = 8.24, p < .001, η2G = .869).加えて,

呈示方向についてRyan法(p < .05)による多重比較検定を行ったところ,+30と +60の間,60と+30の間,0と+60の間,そして30と+60の間に有意な 差が見られた.

実験の結果,確率統制条件で注意をひきつけた0では,単語了解度が方向教示条 件とほぼ一致した.これは,どちらの条件でも0に対する(方向教示条件ではすべ ての注意角度に対して)注意効果が最大になるように仕向けているためであり,この 結果は,聴取者の注意が仕向けた方向に対して正しく向いていることを示している.

図 2.7の結果には,聴覚の空間的注意効果だけではなく,方向性マスキング解除

(SRM)等の物理的な要因による諸効果が含まれていることが予想される(2.4節参 照).そこで,両条件の差分をとることで(方向教示条件確率統制条件),両条件 に等しく影響を及ぼしている物理的な要因を排除し,純粋な注意効果だけを示した

二条件の差分の結果を図2.8に示す.縦軸は単語了解度の差分の値,横軸は標的音 声が呈示されたラウドスピーカの方向を示している.この結果,正面(0)での値が 最も低く,そこから離れるごとに徐々に値が上昇していることを示している.正面

この点に関しては,全体考察で詳しく考察する

(0)で最も値が低くなるのは,了解度が両条件で一致しているためであり,この値 が一致しているほど,その方向に対する注意効果が高いことを,差分の値が大きくな るほど,その方向に対する注意効果が低いことを意味している.以上の結果は,空間 的な注意を正面(0)に向けた場合,実験1の実験条件下では,正面(0)を中心と した注意の広がり(注意窓)によって,その方向から到来する音を捉えていることを 示唆している.

2.3 実験 2 :競合雑音存在下での標的雑音聴取に聴覚の空

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