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2.1 実験期間

実験期間は2017年2月のうち10日間,1日あたり2人の参加者,延べ20人の実験を実施 する.実験日は,2/1, 2, 6, 9, 15, 16, 22, 24, 27, 28とする.

2.2 実験参加者

日常的に運転する33~49歳の男性20名(平均43.7歳)を一般募集した.参加者募集に際 し,後述のアイカメラ(EMR)装着のため,裸眼あるいはソフトコンタクトレンズ着用の者を 選定した.また,高速道路の利用頻度が極端に少ない者は参加者から排除した.上記に加え,

睡眠障害や心臓系疾患の既往歴がないものを条件とした.

2 2.3 実験で使用する道路モデル

本実験では,ACC第1実験で使用した全長11.05kmの道路モデル(中央道(拡幅工事前)

上り線,山陽道下り線,高松道上り線の3区間を結合したもの,図2.1参照)のうち,ACC 車両の特性が生じやすいと考えられる上り勾配や下り勾配からのカーブなどを含む3kp~ 10kpの区間をドライビング・シミュレータ(以降,DS)上で再現し,実験を行った.1回の 走行に要する時間はおおよそ4.5分である(2.4節で述べる実験で用いる条件での実測値).

2.1 実験で使用する道路モデル(上:平面線形,下:縦断線形)

2.4 実験条件

先行して実施したACC第1実験では,ACC車両の混在比率が0%と10%のときには交通流 に大きな変化は生じず,50%の時には交通流の乱れが小さくなる現象が認められた.

また,ACC第1実験ではACC車両の挙動として,(1)先行車両が速度を上げても,それに 追随して速度を上げず,事前設定速度を維持して単独走行となる(以降,ACCクルージング 条件),(2)先行車両の速度が設定速度よりも低ければ先行車両に追従する(以降,ACC追従 条件),という2種類の異なる特性が認められた.

加えて,参加者がACC車両を運転している場合と,一般車両(以降,MD車両)を運転し ている場合とでは,運転行動や,運転時に感じる心理的負荷が変わることが想定される.

そこで本実験では,ACC車両の混在比率を0%と50%の2条件,ACC混在比率50%の際に はACCクルージング条件とACC追従条件の2条件,自車両がACC車両とMD車両の2条 件という組合せ,以下に示す計6条件での走行を行う.

1. 混在比率(0%),自車両(ACC車両),M0 2. 混在比率(0%),自車両(MD車両),M0

3. 混在比率(50%),ACCクルージング条件,自車両(ACC車両),M5 4. 混在比率(50%),ACCクルージング条件,自車両(MD車両),M5 5. 混在比率(50%),ACC追従条件,自車両(ACC車両),M5

6. 混在比率(50%),ACC追従条件,自車両(MD車両),M5

0.0 1.0 2.0 3.0

4.0 5.0

6.0 7.0

8.0

9.0 10.0 11.0 R=400

曲線区間

(緩和曲線含む)

曲線区間

(緩和曲線含む)

R=3000 R=1500

曲線区間

(緩和曲線含む)

調整区間1

調整区間2

中央道

山陽道 高松道

0.0

1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0

7.0 8.0

9.0 10.0 11.0 曲線区間

(緩和曲線含む)

勾配 最小 -1.3%

最大 2.5%

平均 1.19%

調整区間1

曲線区間

(緩和曲線含む)

勾配 最小 -0.3%

最大 2.82%

平均 0.85%

勾配 最小 -2.0%

最大 -0.3%

平均 -0.87%

曲線区間

(緩和曲線含む)

調整区間2

中央道

山陽道

高松道 平面線形

縦断線形

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本実験では,ACC第1実験で作成した交通流のうち,M5(ACC混在比率50%)とM0(ACC 混在比率0%)のデータを用いる.実験担当者間の検討の結果,M5の中でACCクルージング 状態が長く続いたID11をベースに,ACC第2実験を組み立てることとした.しかしながら ID11の挙動はカーブ時に路肩にはみ出すなど不安定な車両挙動を示すことが多く,その不安 定な挙動そのものが被験者のストレスになる恐れが指摘された.そのため,ACC第2実験で は,ID11の位置から実験者がID11と同一の条件(設定速度90km/h)で走行し直し,実験用 のデータを作成した(条件3, 4用).また,ACC追従条件として,同様にM5 ,ID11の位置 から実験者が設定速度100km/hで走行し,データを作成した(条件5,6用).加えて,混在比 率0%の条件として,M0-1のID11の位置から実験者がマニュアル走行を行い,データを作成 した(条件1,2用).

なお,これらのデータでは,追い越し車線に車両がおらず,被験者が追い越しできないこと のストレスを感じることが想定されるため,実験者が追い越し車線を走行するデータを4台分 積み重ねた(条件1,3で実施.いずれもマニュアル走行).条件3~6では,条件3で積み上 げた4台分の追い越し車線走行データを,他の条件4~6用のデータにコピーした.そのため,

条件3,4と条件5,6で異なるのは被験者にとっての先行車両となるID11の挙動のみであり,

他の車両挙動は同一に統制される.条件3~6において,周辺車両の車種・色が同じであると,

被験者が違和感を覚える可能性があるため,条件3~6のID11周辺の車両の車種・色は各々変 更する(車両挙動は同一).同様に,条件1,2においてもID11以外の車両挙動は同一に統制す るとともに,条件において車種・色は変更する.

作成したデータの特徴としては,ACCクルージング条件は,先行車両(ID11)が車両速度 90km/hで走行しているため,走行速度はやや遅いが速度の変動はほとんどない.また9kpか らのカーブ区間にもそのままの速度で進入する特徴がある.一方,ACC追従条件は先行する 車両群の速度変化(註:ID11の先行車両ID10もACC車両)によって,上り勾配では少し減 速し,下り勾配では加速するなど,ある程度勾配に応じて速度変化が生じる(おおよそ65km/h

~100km/hの変動).混在比率0%条件では,すべてマニュアル車両のため,他の条件と比べ て速度変化が大きい傾向がある(64km/h~109km/hの変動).

ここで,ACCクルージング時の車両速度は90km/hと比較的低速なため,被験者によって は希望する走行速度と乖離する状況で追従運転をすることがストレスになる可能性も考えら れる.一方で,ACC車両運転時には,マニュアル運転時と比較して追従走行時の速度許容の 程度に変化が生じる可能性も考えられる.そこで,各被験者に本番走行をしてもらう前に,2 度ほど練習走行時をしてもらい,その際の被験者の運転状況を観察して普段どれくらいの速度 で高速道路を運転するのかヒアリングを行う(希望走行速度).この希望走行速度をACC車両 運転時の車両速度設定にするとともに,のちの解析の際の参考資料とする.

2.5 計測データ

(1)運転行動データ

運転行動データとしては,DS運転中の視線をアイカメラ(ナックイメージテクノロジー社 EMR-9)で計測する.

(2)ヒアリングデータ・質問紙データ

走行直後には,心理尺度を用いて精神的負担を測定するほか,カロリンスカ尺度を用いて眠 気の主観的評価データを取得する.また,走行場面を再現することによる振り返りを行い,走 行中に気になっていた対象やリスク評価,そのときの感情をヒアリングする.走行中のヒアリ

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ング箇所を特定しておくことで,実験上の統制を測る(ヒアリング箇所は4.0, 5.5, 7.5, 9.0kp とする).

2.6 実験の流れ

実験の様子を図2.2に示す.実験参加者の覚醒が低下しやすい実験であるため,図2.3に示 すスケジュールで,1日2人を対象に実験を行った.覚醒状態は体内リズムや空腹度などの要 因で変化することが知られている.そのため,これらの要因の影響を実験データから排除する ためにも,各被験者に午前と午後の走行を行ってもらうことが,研究の条件統制上,重要とな る. DSは1台しかないため,被験者を3走行ごとに入れ替えて実験を実施する計画とした.

以上のデータの条件統制上の理由に加え,人によってはDSの運転中,いわゆるシミュレー タ酔いの症状が出ることも考えられる.さらにDSの運転は暗室環境下においてプロジェクタ 投影された映像を近距離(2m)から見るため,連続して走行を行うと目の疲れなどの症状が 出る恐れがある.これらの症状は連続して走行すると発生しやすいため,3走行終えた後に長 い休憩をはさむことで,被験者の心身の負担の軽減を図った.

実験では,まずDSの操作に習熟するための練習走行として,本番で走行するのと同様のコ ースを「DSの操作にある程度習熟した」と被験者が自己申告するまでACC機能なしの状態で 運転してもらった.次に, ACC機能ありの状態で同じコースを走行してもらい,ACC機能へ の習熟を図った.その後,2.4節に示した6条件を1度ずつ,計6走行してもらった.走行す る条件の順序は被験者ごとにランダムに入れ替えた.

図2.2 実験の様子

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図2.3 1日の実験スケジュール

実験工程 所要時

間(分)

通算時

間(分) スタッフA スタッフB スタッフC 時刻 被験者出迎え 5 5出迎え DS準備 EMR準備 9:00開始

事前説明 10 15説明

EMRキャリブレーション

/PM装着 25 40PM装着 EMR装着 EMR装着 9:15開始

練習走行 12 52 DS操作

計測準備 3 55PM準備 DS準備 EMR操作 9:52開始

走行 5 60PM操作 DS操作

覚醒度などヒアリング 3 63 ヒアリング

被験者1 走行振り返りヒアリング 15 78PM準備

計測準備 3 81PM準備 DS準備 EMR操作 10:18開始

走行 5 86PM操作 DS操作

9:15 覚醒度などヒアリング 3 89 ヒアリング

走行振り返りヒアリング 15 104PM準備

11:10 計測準備 3 107PM準備 DS準備 EMR操作 10:44開始

走行 5 112PM操作 DS操作

覚醒度などヒアリング 3 115 ヒアリング

走行振り返りヒアリング 15 130PM準備 11:10終了

被験者入れ替え 10 140 11:10開始

EMRキャリブレーション

/PM装着 25 165PM装着 EMR装着 EMR装着

練習走行 12 177 DS操作

計測準備 3 180PM準備 DS準備 EMR操作 11:45開始

走行 5 185PM操作 DS操作

覚醒度などヒアリング 3 188 ヒアリング

被験者2 走行振り返りヒアリング 15 203PM準備

計測準備 3 206PM準備 DS準備 EMR操作 12:23開始

走行 5 211PM操作 DS操作

11:10 覚醒度などヒアリング 3 214 ヒアリング

走行振り返りヒアリング 15 229PM準備

13:15 計測準備 3 232PM準備 DS準備 EMR操作 12:49開始

走行 5 237PM操作 DS操作

覚醒度などヒアリング 3 240 ヒアリング

走行振り返りヒアリング 15 255PM準備 13:15終了

休憩 60 315

EMRキャリブレーション

/PM装着 25 340PM装着 EMR装着 EMR装着 14:15開始 計測準備 3 343PM準備 DS準備 EMR操作 14:40開始

走行 5 348PM操作 DS操作

覚醒度などヒアリング 3 351 ヒアリング

被験者1 走行振り返りヒアリング 15 366PM準備

計測準備 3 369PM準備 DS準備 EMR操作 15:06開始

走行 5 374PM操作 DS操作

14:15 覚醒度などヒアリング 3 377 ヒアリング

走行振り返りヒアリング 15 392PM準備

15:58 計測準備 3 395PM準備 DS準備 EMR操作 15:32開始

走行 5 400PM操作 DS操作

覚醒度などヒアリング 3 403 ヒアリング

走行振り返りヒアリング 15 418PM準備 15:58終了

被験者入れ替え 10 428 15:58開始

EMRキャリブレーション

/PM装着 25 453PM装着 EMR装着 EMR装着

計測準備 3 456PM準備 DS準備 EMR操作 16:33開始

走行 5 461PM操作 DS操作

覚醒度などヒアリング 3 464 ヒアリング

被験者2 走行振り返りヒアリング 15 479PM準備

計測準備 3 482PM準備 DS準備 EMR操作 16:59開始

走行 5 487PM操作 DS操作

15:58 覚醒度などヒアリング 3 490 ヒアリング

走行振り返りヒアリング 15 505PM準備

17:51 計測準備 3 508PM準備 DS準備 EMR操作 17:25開始

走行 5 513PM操作 DS操作

覚醒度などヒアリング 3 516 ヒアリング

走行振り返りヒアリング 15 531PM準備 17:51終了 6回目試行

1回目試行

2回目試行

3回目試行

1回目試行

2回目試行

3回目試行

4回目試行

5回目試行

6回目試行

4回目試行

5回目試行

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