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実験概要

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第 5 章 結論

C.1 実験の目的

C.2.1 実験概要

付録 C 机上面照度とモチベーションに着目した 被験者実験の詳細

付録Bで詳細を述べた被験者の内的要因に着目した被験者実験[1][2]では、環境要因 と個人特性については言及していない。オフィスでは、執務者のモチベーションを制 御することは環境を制御することよりもはるかに困難であるため、環境を制御するこ とにより知的生産性を向上させることが望ましい。そのため環境要因が知的生産性に 与える影響を考慮したモデルの構築が必要である。本章では、内的要因のモチベーショ ン、外的要因の照度、個人特性に着目したモデルパラメータを推定するために実施し た被験者実験[3]について述べる。

図 C.1: 実験条件と測定データの関係

C.2.2 実験タスク

本実験で被験者に与えるタスクは以下の条件を満たす必要がある。

1. 情報処理と知識処理の階層に属するタスクであること

2. 時間的制約がない問題から構成されるタスクであること

3. 難易度がほぼ均一な問題を多く作成できること

4. 短い周期でキー操作を行うタスクであること

条件1が必要である理由は3.1.1項で説明したように、オフィスでの占有時間が長く、

かつ知的生産性の定量評価がしやすい情報処理と知識処理の階層に属する作業に注目 しているためである。2は実際のオフィス作業を考えた場合、数分単位の細かい周期で

の時間的制約がなく、ある程度自分の計画に沿って時間を割り振ることができる場合 が多いと考えられるためである。3は作業1問毎の解答時間に着目してモデルパラメー タを推定するため、難易度のばらつきによる解答時間のばらつきが生じないようにす るためである。4は本実験ではデータとして認知タスク実施時のキー操作タイミングを 取得するため、作業中の認知プロセスの推測のために、5〜10秒程度を要する認知タス クよりも、もっと短い周期でキー操作を行う認知タスクが必要なためである。これは例 えば、通常10秒でタスク1問を解答するところを30秒かかった場合に非作業状態がど のように発生したかを判断しにくいからである。上記の条件を満たす作業として、独 自に考えた一位加算タスクと伝票分類タスクを用いた。これらはそれぞれPCとiPad および紙伝票を用いて実施する作業である。

一位加算タスク

一位加算タスクはPC画面上に表示された数列の隣り合う2つの数を足し、その和の 一の位を入力していくタスクである。一問解答を入力する毎に、次の問題に移るため に左手に持ったWiiコントローラのスティックを右にはじく。PC画面上に表示される 数字は基本的にはランダムに表示されるが、連続で2回同じ答えを入力する場合に問 題の難易度が均一にならない問題を防ぐために、連続で2回同じ答えを入力すること はないような問題にする。例えば、3 5 3 のような数列は表示されない。また予備実験 より、0が含まれる加算は、0を含まない加算よりも被験者の計算速度が有意に速くな ることが判明したため、数列からは0を省き、1から9の数字のみを使用した。また、

予備実験より、被験者に単純タスクを与えた場合に眠くなる傾向があったため、被験 者がタスクを行う時に被験者の運動量を増やして眠気を低減するために、Wiiコント ローラのスティックを用いて次の問題に移るようにした。本タスクの具体的な手順を 述べる。被験者はまず実験者からの合図と同時にPCのEnterキーを押し作業を開始す る。画面中央に表示された隣り合う2つの数を足し、和の一の位をテンキーで入力し てからWiiコントローラのスティックを右にはじくと、図C.2に示すように、次の問題 が入力できるようになる。再び次の隣り合う2つの数を足し、答えを入力してスティッ クをはじくと次の問題へ移る。以上の作業を繰り返すタスクである。Wiiコントロー ラのスティックを右にはじくと、表示された数字が左にスライドし、右側に新しい数字 が表示され、次の問題の答えを入力する画面に移る。このタスクでは、被験者が解答 としてテンキーを押したタイミングを記録することで一問あたりの解答時間を記録す る。1回の試行は連続30分間行う。

図 C.2: 一位加算タスクのPC画面イメージ

伝票分類タスク

伝票分類タスクは図C.3に示すような紙伝票を見て、iPad画面上で分類条件にした がって伝票を分類するタスクである。分類の条件は「領収書日付」、「領収書金額」、「相 手先企業」で、各条件について表C.1に示すように各3段階の区分が設定されている。

したがって、伝票は27種類の何れかに分類されることになる。各分類条件の分類の出 現率は等しく3分の1である。なお領収書金額の条件区切りの5,000円と50,000円は 分類する際に、どの条件に当てはまるかを判断しづらいので金額欄に5,000円或いは

50,000円と記載された伝票は省いた。

領収書日付

相手先企業

領収書金額

図 C.3: 伝票分類タスクに用いた伝票

表 C.1: 伝票分類条件

伝票分類条件 分類

領収書日付 上旬 中旬 下旬

領収書金額 5,000 円以下 5,001 円から50,000 円まで 50,001 円以上 相手先企業 百貨店と各種小売店 飲食店と喫茶店 運送業と郵便

示すようなiPadの初期画面の開始ボタンを押すと、分類入力画面が表示される。次に 伝票の束の一番上の伝票を見て、領収書日付の区分、領収書金額の区分、相手先企業 の区分を見分ける。iPad画面上の領収書分類表を見て、伝票がどこに分類されるかを 判断し、該当箇所を押す。押した箇所は押している間だけ青色になり表示された数字 が1増える。誤った箇所を押してしまった場合は、分類入力画面の取り消しボタンを 押すことで、直前の入力を取り消すことができる。分類を入力した後は一番上の紙伝 票をめくり、裏返して用意したボックスに置く。このタスクでは被験者が分類を入力 したタイミングを記録する。1回の試行は連続30分間行う。照明の光がiPadの画面上 から反射することを防止するため、iPad画面上に反射防止フィルタを貼り付けた。

開始

初期画面 分類入力画面

図 C.4: 伝票分類タスクのiPad 画面イメージ

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