• 検索結果がありません。

実験方法

ドキュメント内   201807古賀俊彦 博士論文   (8.44MB) (ページ 147-151)

第 6 章 マシニングセンタの機上計測システムの

6.3 機上計測システムの評価

6.3.2 実験方法

本機上計測システムの評価では,実際の生産現場の作業と同様に,工具が折 損または摩耗した場合に新しい工具と交換後,工具刃先位置を再計測・補正し加 工することを想定している.工具刃先位置の計測については,Z軸方向の工具長 の補正について検証した.図 6.16は加工面段差および切込み深さに関する実験 概要図を示す.工具は同種類のφ10 mm超硬スクエアエンドミル工具(A),(B)

を用いた.φ0.2 mmは,工具(A),(B),(C)の3本を用いた.工具刃先位置 の補正については, 式(6.3)を用いた.本実験は,工具計測のためアプローチ

速度Fap 1 mm/minとし,補正値は0.78 μmとした.1本目の工具の工具刃先位置

を図6.16(P)で接触検知により計測し,工具と被削材間の相対距離の差を式(6.3)

により補正する.その後,切込みを与えて平面加工する.同様に2,3本目の工 具を用意し計測,補正,切込み,平面加工を行い,平面間の段差を測定すること で機上計測システムの評価を行う.

Fig. 6.16 Outline of experiment on cutting surface level difference and depth of cut.

Workpiece

Contact point for measurement

Depth of cut Cutting surface

level difference Tool (A) Tool (B)

(P)

– 136 –

本システムの評価方法の詳細を以下にまとめる.

(ⅰ)工具(A)を図 6.16(P)で Z軸方向に接触させ,工具が停止した位置を工 具刃先位置として測定する.この測定は 3 回行い,その 3 回の平均値から 工具刃先位置を求める.刃先位置計測のアルゴリズムついては後述する.

(ⅱ)工具刃先位置を式(6.3)に代入することで,本機上計測システムの補正値 を加算され,真の工具刃先位置Zposを求める.

(ⅲ)工具(A)で切込みを与えて,平面加工する.

(ⅳ)工具(B)に交換後,(P)からずらした位置で①と同様に工具刃先位置を測 定する.

(ⅴ)(ⅱ)と同様に工具刃先位置を補正し,切込みを与えて平面加工する.

(ⅵ)図6.16に示す加工面段差および切込み深さを測定する.

(ⅶ)(ⅰ)~(ⅵ)の実験を数回行うことで,機上計測システムの検証を行う.

表6.3は検証条件を示す.被削材は機械構造用炭素鋼鋼材(S50C)を使用し,

寸法は75×35×15 mmとした.被削材は研削加工により,算術平均粗さRa 0.1 μm

以下にした.切削速度は工具メーカのカタログ値を参考にし,φ10 mm は切削

速度80 m/min,φ0.2 mmはマシニングセンタの最高回転速度から12.5 mm/min

にした.工具刃先位置計測のためのZ軸方向のアプローチ速度は1 mm/min,平 面切削時は1,10 mm/minとした.

本機上計測システムは,接触の際に検出されるAE信号にしきい値を用いて背 景ノイズと接触信号を弁別している.しかしながら,この方法でも突発的なノイ ズにより接触信号を誤認する可能性がある.そこで,この問題を解決するため,

および計測の精度を向上させるために,工具刃先位置計測に関して簡単なアル ゴリズムを検討した.刃先位置のアルゴリズムは,システムの評価方法の(ⅰ),

(ⅳ)において,同一工具刃先位置を接触検知により3回計測を行い,3回の値が 設定した標準偏差よりも小さい値であれば,3回の平均値を工具刃先位置として いる.なお,設定値は, 3.3節の垂直・水平アプローチ時の標準偏差σ = 0.1 μm としている.

図 6.17はシステムを評価するためのプログラムのフローチャートを示す.シ ステム評価プログラムでは,マシニングセンタのコモン変数を使用する.コモン 変数とはメインプログラムとマクロプログラムのどちらからも使用できる共通

– 137 –

の変数である.本実験では,コモン変数は#100~#105までの番号を用いた.#100

~#102には3回の計測における工具が停止した際のZ軸の座標値が保存される.

#103は3回の計測値から平均値の計算結果が保存される.#104は#100~#102の 計測結果の標準偏差が目標の標準偏差(#105)以下であることを確認される.標 準偏差が目標値以下であれば計測は終了し,それ以上であれば,#104が#105以 下となるまで繰り返し 3 回の計測を行った.計測終了後,工具刃先位置補正値 に#103 と実験に使用したアプローチ方法,アプローチ速度における補正値を加 算した.

Table 6.3 Verification conditions of on-machine measurement system.

Diameter

Cutting speed V (Spindle speed) Approach speed Fap

Cutting speed F Depth of cut aa

Approach direction AE sensor attachment position Sampling frequency AE amplification factor

Threshold AE high-pass filter

Tool Square end mill, Carbide (TiAlN-based coating)

4 blades 2 blades

φ10 mm φ0.2 mm

Workpiece S50C

(75 mm×35 mm×15 mm) 80 m/min

(2560 min-1)

12.5 m/min (20000 min-1) 1 mm/min

Z - axis direction 1, 10 mm/min

3.9 MHz 60 dB

VL 20 mV, VH 50 mV VL 20 mV, VH 55 mV 100 kHz

Vice Workpiece

10 µm 20 µm

– 138 –

Fig. 6.17 Flowchart of the program for evaluating the system.

Measure tool edge position

Input

#105(Target standard deviation)=0.1

Measurement Input

#100=First time measured value

Calculate measured value average and standard deviation

Input

#103=Measured value average

#104=Standard deviation

#104≦#105 YES NO

Output

Tool length =Measured value average(#103)+ Compensation value

End Measurement

Input

#101=Second time measured value Measurement

Input

#102=Third time measured value

– 139 –

ドキュメント内   201807古賀俊彦 博士論文   (8.44MB) (ページ 147-151)