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切削点近傍で検出される AE 信号の検討

ドキュメント内   201807古賀俊彦 博士論文   (8.44MB) (ページ 66-69)

第 3 章 超精密旋削加工における AE 技術を用いた

3.3 実験結果および考察

3.3.4 切削点近傍で検出される AE 信号の検討

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Fig. 3.12 Two-dimensional cutting analysis model.

Table 3.2 Material properties and simulation conditions.

上記の条件により,各切削速度におけるひずみ速度のFEM解析の結果を図3.13に 示す.図3.13より,切削速度が増加することにより,図1.3の(a),(b),(c)の 塑性域において,ひずみ速度が大きくなっていることがわかる.また,ひずみ速度 の分布範囲も広がっている.FEM解析結果からも,金属材料の引張試験と同様にAE 平均値はひずみ速度と関係があることがわかり,切削速度の増加に伴い AE 平均値 も増加したといえる.

つぎに,切削加工プロセスにおいてAE源となる(a),(b),(c)の三つの塑性 域についてそれぞれの領域別に分け,つぎの加工現象の解明より考察する.佐田 13 は,二次元の流れ型切削において,工具付近の断面を顕微鏡観察しており,加工現 象を次のように解明されている.(a)の一次塑性域では,せん断面において被削材 がせん断降伏状態になりせん断応力が働いている.(b)の二次塑性域では,切削工具 のすくい面上において切りくずは,その高い凝着性と高い圧縮応力によって切削

Workpiece

Tool Cutting speed

Feed

Rake angle

Tensile strength, MPa 110

Yield strength, MPa 105

Maximum number of nodes 24000 Maximum element size, mm 0.01 Minimum element size, mm 0.008

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(a) 30 m/min (b) 60 m/min

(c) 120 m/min

Fig. 3.13 Distribution of strain rate.

面全面にわたって工具に凝着し,せん断的に降伏状態になって摩擦が行われて いる.(c)の逃げ面下方塑性域では,加工仕上げ面が逃げ面接触部分に全面にわ たって凝着し,(b)同様に摩擦が行われる.この解明から(a)のせん断領域に おいては,図3.13のFEM解析などの結果より,被削材のせん断破壊によるエネ ルギをAEは検出しており,せん断する速度つまりひずみ速度が速くなるとAE 信号が大きくなることから明らかである.また,ひずみ速度の分布より一次塑性 域も広がりその領域での破壊現象もAE信号として検出していると考えられる.

(b),(c)の塑性域でも図 3.13 より,ひずみ速度の影響がみられる.すくい面,

逃げ面と切りくずの接触により,圧縮を受けてひずみが生じてAE信号が検出さ れたと考えられる.そこで,すくい面と逃げ面の現象を確認するために,切削油 の有無により検出されるAE信号を調べた.本実験装置を使い,切削油を工具刃

0.02 0.06

1.46 1.48 1.50 1.52 Distance, mm

Distance, mm

0 1.44 0.08

0.04

Strain rate, /s

90 000 60 000 30 000

0 120 000

0.02 0.06

1.46 1.48 1.50 1.52 Distance, mm

Distance, mm

0 1.44 0.08

0.04

0.02 0.06

1.46 1.48 1.50 1.52 Distance, mm

Distance, mm

0 1.44 0.08

0.04

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先に一定量滴下したときと,切削油を完全に脱脂したときの AE 信号を比較し た.その結果,AE平均値は,切削油なしの方が約2倍大きくなった.(b),(c)

の領域は,摩擦によるせん断破壊が生じるため切削油により,切りくずの摩擦や 凝着が少なくなりAE平均値に違いがみられたと考えられる.このことより,加 工プロセスによるAE発生源は,(a)の一次塑性域のみでなく(b),(c)の二次 塑性域,逃げ面下方塑性域からも発生しており,切削速度や切削油により変動す ることが確認できた.

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