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品種開発要領第 5 条に定められた方法に従って調査結 果を取りまとめ、 「独立行政法人森林総合研究所林木育種

センター優良品種評価委員会品種開発基準-幹重量(二 酸化炭素吸収・固定能力)の大きい品種-」 (平成 22 年 2 月 8 日制定)第 2 条第 4 項に規定された、単木幹重量 の 5 段階評価値が 4 以上である条件を満たす系統を申請 系統とした。

申請系統は、単木幹重量の 5 段階評価値が 4 以上であ ることとあわせて、次の条件を満たすこととした。

1) 容積密度数が高いこと(5 段階評価値が 4 以上) 。 2) 評価した母集団の単木幹重量との比較の値が 120%

以上であること。

3) さし木発根性が優れていること(5 段階評価値が 4 以上) 。

4) さし木検定林における 20 年次生存率が低くないこ と(5 段階評価値が 3 以上) 。

その結果、東部育種区から 6 品種、西部育種区から 1 品種が選ばれた。

表 6 に、平成 21 年度に開発した幹重量(二酸化炭素吸

収・固定能力)の大きいスギ品種の一覧を示す。

樹高 胸高直径 容積密度数

(m) (cm) (kg/m3) (kg) 評価

ケ青森 3 10.9 15.2 299 32.1 3

ケ南津軽 1 11.0 14.6 295 29.5 2

ケ南津軽 2 12.6 18.0 308 52.2 4

ケ南津軽 3 12.3 17.9 303 49.5 4

ケ南津軽 6 12.2 16.5 286 39.7 3

ケ南津軽 9 11.6 15.5 275 32.4 3

ケ南津軽 10 11.7 15.8 288 35.1 3

ケ西津軽 9 11.8 17.0 246 35.0 3

ケ西津軽 10 10.9 14.7 281 28.0 2

ケ上北 1 11.4 15.2 301 33.3 3

ケ三戸 2 12.2 17.4 304 46.8 4

ケ三戸 6 11.3 14.9 286 30.4 2

ケ三戸 7 13.6 19.8 293 64.6 5

ケ八戸 2 9.7 13.7 304 23.8 2

エ青森 2 11.7 16.6 279 37.8 3

エ青森 3 11.9 16.6 298 41.0 3

エ青森 4 9.6 12.9 322 22.0 2

エ青森 8 11.2 15.1 305 32.9 3

エ蟹田 4 9.4 12.5 315 19.8 2

エ今別 2 9.7 12.9 283 19.6 2

エ今別 3 11.9 16.1 302 39.2 3

エ今別 7 10.8 14.4 315 29.8 2

エ増川 2 10.2 13.4 326 25.4 2

エ増川 3 11.8 15.0 344 38.5 3

エ増川 4 13.1 17.8 329 56.9 5

エ増川 8 11.2 14.2 330 31.6 3

エ増川 10 10.7 15.5 261 28.3 2

エ増川 11 11.0 13.4 338 28.6 2

エ増川 13 12.0 15.9 293 37.5 3

エ中里 1 10.7 14.4 327 31.0 3

エ金木 4 10.0 12.1 339 21.2 2

エ鯵ケ沢 2 11.6 16.8 273 37.5 3

エ鯵ケ沢 7 13.2 18.8 283 54.9 5

エ深浦 5 11.3 14.6 320 32.7 3

エ弘前 2 10.3 15.1 283 28.2 2

エ弘前 4 11.4 16.3 274 34.6 3

エ大鰐 7 11.5 15.1 291 32.2 3

エ碇ケ関 2 12.0 16.6 302 41.9 4

エ碇ケ関 3 13.0 19.6 266 55.1 5

エ碇ケ関 7 10.2 13.8 334 27.6 2

エ黒石 3 9.3 13.1 313 21.3 2

エ黒石 13 10.7 14.3 294 27.5 2

エ脇野沢 5 13.7 19.9 284 63.2 5

エ大間 5 11.1 14.7 292 29.6 2

エ大間 6 12.2 16.4 299 40.7 3

エ大間 7 11.5 15.3 318 36.3 3

エ大畑 2 10.1 14.8 326 30.7 3

エ横浜 2 11.1 15.9 317 37.3 3

エ乙供 2 10.3 14.5 267 24.6 2

エ三本木 1 10.5 14.3 310 28.2 2

エ三本木 7 10.7 13.9 300 26.4 2

ケ岩手 1 12.8 18.2 270 47.8 4

ケ東磐井 1 11.0 14.6 332 33.0 3

ケ東磐井 2 11.8 15.1 324 36.7 3

ケ気仙 5 11.8 16.9 297 41.8 4

ケ気仙 6 9.8 13.0 338 23.8 2

単木幹重量 精英樹名

表4 系統別のBLP値と単木幹重量(東部育種区)

ケ上閉伊 1 11.0 15.4 315 34.7 3

ケ上閉伊 3 11.5 15.0 331 36.1 3

ケ上閉伊 5 11.4 15.8 328 39.1 3

ケ上閉伊 6 10.9 15.6 288 31.9 3

ケ上閉伊 7 10.9 14.6 307 30.3 2

ケ上閉伊 12 10.0 14.8 302 28.2 2

エ田山 1 7.9 5.4 357 3.8 1

エ岩手 1 12.5 19.7 268 53.8 5

エ盛岡 5 9.4 13.5 333 24.3 2

エ盛岡 6 9.6 13.6 347 26.4 2

エ盛岡 11 11.1 14.4 285 27.9 2

エ花巻 4 11.2 15.4 287 32.4 3

エ花巻 5 12.4 17.9 297 49.2 4

エ花巻 6 12.9 17.6 290 48.3 4

エ水沢 2 12.5 18.3 315 54.4 5

エ水沢 4 9.7 12.8 306 20.8 2

エ水沢 6 11.6 15.1 299 33.4 3

エ水沢 9 11.1 15.0 310 32.5 3

エ一関 1 11.5 16.1 310 38.8 3

エ一関 2 10.8 13.7 326 28.2 2

エ一関 3 11.8 15.3 297 34.5 3

エ久慈 1 11.9 15.8 323 40.3 3

エ岩泉 1 12.3 16.7 315 45.3 4

エ川井 1 12.4 17.3 316 48.8 4

エ宮古 1 11.7 16.6 298 40.1 3

エ遠野 4 10.8 14.5 287 27.6 2

エ大槌 2 9.5 11.3 316 16.7 1

エ大船渡 2 10.7 15.2 278 29.2 2

エ大船渡 4 11.4 14.2 310 29.9 2

ケ栗原 1 10.7 14.3 290 26.9 2

ケ栗原 5 11.8 16.1 305 39.1 3

ケ玉造 1 12.4 18.7 291 52.8 5

ケ玉造 3 11.5 15.4 300 34.4 3

ケ加美 1 11.5 14.3 326 32.8 3

ケ遠田 2 11.1 14.9 301 31.3 3

ケ宮城 2 11.8 16.6 298 40.5 3

ケ名取 1 10.4 13.6 300 24.5 2

ケ柴田 1 10.8 13.8 314 27.4 2

ケ柴田 2 12.8 17.1 300 46.9 4

ケ柴田 3 11.8 16.8 284 39.4 3

ケ柴田 4 11.0 14.9 318 32.7 3

ケ柴田 5 11.3 16.3 305 38.4 3

ケ白石 1 12.2 17.3 299 45.4 4

ケ白石 2 12.4 17.8 315 51.3 4

エ石巻 1 11.2 16.1 282 34.2 3

エ古川 1 11.8 16.2 328 42.7 4

エ古川 2 11.7 16.1 291 37.2 3

エ古川 4 11.1 15.6 311 35.3 3

エ古川 6 13.1 17.0 315 50.1 4

エ古川 8 11.0 14.5 315 30.7 3

エ中新田 2 13.3 18.1 313 56.3 5

エ仙台 5 14.2 21.4 305 81.3 5

エ白石 3 11.7 16.7 298 40.7 3

エ白石 7 11.1 14.6 315 31.6 3

樹高 胸高直径 容積密度数

(m) (cm) (kg/m3) (kg) 評価

エ大館 1 9.9 15.9 269 26.6 2

エ上小阿仁 2 10.1 16.6 245 26.8 2

エ上小阿仁 4 9.8 15.9 246 23.9 1

エ合川 1 10.9 17.2 251 31.4 3

エ能代 1 10.7 16.8 300 35.1 4

ケ北秋田 1 10.0 15.9 281 27.8 2

ケ雄勝 1 10.9 16.5 308 36.0 4

エ酒田 3 10.1 16.5 259 27.8 2

エ鶴岡 1 10.0 16.2 259 26.7 2

エ山形 3 9.7 16.1 266 26.2 2

ケ東南置賜 3 11.0 17.3 279 35.6 4

エ村松 1 10.5 16.6 282 31.9 3

エ村松 2 11.0 17.2 262 33.1 3

エ長岡 1 10.6 16.6 283 32.5 3

エ六日町 1 10.4 16.8 279 31.7 3

ケ岩船 3 11.4 17.1 291 37.6 4

ケ岩船 5 9.6 15.2 294 26.0 2

ケ東蒲原 2 10.7 17.3 251 31.1 3

ケ東蒲原 5 11.3 17.6 260 35.3 4

ケ東蒲原 6 11.6 17.6 274 38.4 5

ケ刈羽 1 10.0 16.3 306 31.8 3

ケ東頸城 1 10.1 16.2 273 28.3 2

ケ中頸城 2 11.2 17.8 250 34.4 4

ケ中頸城 5 11.0 17.3 251 32.3 3

ケ中頸城 6 12.1 18.5 255 41.0 5

ケ糸魚川市 1 10.0 16.2 271 27.9 2

単木幹重量 精英樹名

表5 系統別のBLP値と単木幹重量(西部育種区)

4 おわりに

開発した幹重量(二酸化炭素吸収・固定能力)の大き いスギ品種は、供試した母集団の単木幹重量の平均値と 比較して、東部育種区 6 品種では 40%、西部育種区 1 品

種では 20%向上した。さらに、容積密度数の相対評価が 高いことが特徴であり、 かつさし木発根性に優れ 20 年次 生存率が低くないこと等成長性にも短所が少ない。これ らのことから、開発した品種は、東北育種基本区におけ る森林の二酸化炭素吸収源としての機能を向上させるこ とに寄与する品種として期待している。

引用文献

1) 青森営林局:立木材積表,2pp.(1976) 2) 秋田営林局:立木材積表,1pp.(1972)

3) 平岡裕一郎・渡邉敦史・藤澤義武:BLP 法を用いた北 関東育種区における CO2 吸収固定能力の高いスギ品 種の開発,平成 21 年版林木育種センター年報,52-53

(2010)

4) 久保田正裕・山口和穂・栗延晋:関西育種基本区にお ける二酸化炭素吸収・固定能力に優れたスギ品種の開 発-近畿,瀬戸内海育種における選抜過程-,平成 21 年版林木育種センター年報,90-93(2010)

5) 栗延晋:林木育種のための統計解析(11)-BLP 法を 用いた系統評価:単一形質の事例-,林木の育種 230,

64-67(2009)

6) 栗延晋:林木育種のための統計解析(12)-BLP 法を 用いた系統評価:複数形質の事例-,林木の育種 231,

44-47(2009)

7) 田村明:スギ精英樹クローンにおける炭素貯蔵量の遺 伝的改良に関する研究,林木の育種 224,25-28(2007)

(m) (cm) (kg) 評価 (kg/m

3

) 評価 評価 (%) 評価

(東部育種区)

214 エ増川 4 青森県 13.1 17.8 56.9 5 158% 329 4 5 68% 4

401 エ水沢 2 岩手県 12.5 18.3 54.4 5 151% 315 4 5 61% 3

418 エ岩泉 1 岩手県 12.3 16.7 45.3 4 126% 315 4 5 64% 3

419 エ川井 1 岩手県 12.4 17.3 48.8 4 135% 316 4 5 59% 3

466 ケ白石 2 宮城県 12.4 17.8 51.3 4 143% 315 4 5 63% 3

479 エ古川 6 宮城県 13.1 17.0 50.1 4 139% 315 4 5 63% 3

11.4 15.5 36.0 304

(西部育種区)

707 ケ岩船 3 新潟県 11.4 17.1 37.6 4 120% 291 4 4 66% 3

10.6 16.7 31.4 271

a : BLP値

b : 東北育種基本区スギ精英樹特性表(2009年3月)

単木幹重量 評価した

母集団と の比較

容積密度数a さし木

発根性b 20年次生存率b

評価した母集団の平均値

表6 平成21年度に開発した幹重量(二酸化炭素吸収・固定能力)の大きいスギ品種

評価した母集団の平均値

樹高a 胸高直径a 精英樹

コード 精英樹名 選抜地

関西育種基本区における幹重量(二酸化炭素吸収・固定能力)の大きいスギ品種の開発

-四国北部、四国南部、日本海岸西部育種区における選抜経過-

関西育種場 育種課 久保田正裕 山口和穂

1 はじめに

森林の二酸化炭素の吸収・固定能力を向上させ、地球 温暖化防止に貢献するために、二酸化炭素吸収・固定能 力の高い造林木が求められている。林木育種センターの これまでの研究の成果から、成長量が大きく、かつ容積 密度の大きいスギ精英樹クローンは、二酸化炭素の吸 収・固定能力が高いことが明らかとなった

4)

。そこで、

林木育種センター関西育種場では、今期中期計画(平成 18~22 年度)に基づいて、幹重量(二酸化炭素吸収・固 定能力)の大きいスギ精英樹クローンを選抜するため、

育種基本区内の府県、森林管理局と連携して樹高、胸高 直径、容積密度のデータを収集し、解析を進めている。

平成 21 年度は、四国北部、四国南部、日本海岸西部