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多目的最適設計問題においての設計方針

第4章 サーフェスモータの最適設計 36

に変化を与えた。

また,本研究で提案するペナルティの付加方法がモータ汎用最適設計システムに影響を及 ぼすのかを検証した。制約を逸脱した形状に一定のペナルティを与える単純な方法をM1, 制約を逸脱した割合により,ペナルティ付加量を変化させる提案する方法をM2として簡 単な比較検証を行った。サーフェスモータの設計箇所は単一目的最適設計問題と同様に図 4.5とし,ペナルティの検証ということから,推力の評価方法は評価点の単純合計とした。

具体的には,サンプル点を500点撒き,その中で制約を逸脱した形状に対してM1,M2の 方法でペナルティを付加し,それぞれ応答曲面を生成した。そしてその応答曲面上におい てAPSOのTmax= 100,Particle数m= 20とし,100回試行した解をシミュレータに戻 して得た評価値の平均値,最良値,最悪値,及び標準偏差を下記の表4.1に示す。またこの 問題は最小化問題となっており数が小さいほど良い解となる。表4.1を見てみると,平均

表4.1: 制約付加方法の検証結果

値,最良値,最悪値全ておいてM1を提案した方法であるM2が上回る結果となり,モー タ汎用最適設計システムではM2のペナルティ付加方法が適していることがわかった。本 研究では,M2の方法を用いるとした。

第4章 サーフェスモータの最適設計 37 減を目的とした2目的設計問題となっている。

4.3.1 設計箇所

多目的最適化問題においては,磁石量により変化を与えられるように,ムーバに変数を 一つ追加し,ステータ形状をx1 ∼x14,ギャップ長をx15,及びムーバ形状をx16 ∼x21。 図4.7に設計変数の箇所を示す。

図4.7: 多目的最適設計におけるサーフェスモータの設計パラメータ

4.3.2 評価方法

推力上昇・磁石量低減の2目的最適設計問題において,推力に関する評価方法を再度検 討する必要がある。推力上昇の単一目的最適設計問題で用いた評価方法は,目標とする推 力特性を設け,その目標特性を目指すように評価を行った。しかしこの方法を推力上昇・

磁石量低減の2目的最適設計問題において,単一目的最適設計問題と同様に用いることは 困難であり,この理由として次のようなことがあげられる。設計者としては,推力が上昇 すると磁石量も増加し,推力が低下すると,磁石量も低減するという関係を得たい。しか

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し最小二乗法を用いて,各点の評価値と目標特性において各点に相当する位置の評価値と の差の2乗和を推力の評価値として用いると,評価値として悪い値が推力特性において低 いとは限らなくなってしまい,トレードオフ関係に矛盾が生じてしまう。

そこで,推力特性を上昇させるという単一目的最適設計問題の際にも意識した,推力特 性において始動位置の推力上昇という点を考慮し,推力の上昇・磁石量の低減を目的とす る2目的設計問題の評価方法において,各点の評価値に重みづけを行いその合計を評価値 として実験を行った。

5 シミュレーション結果

本章では,単一目的最適設計問題,及び多目的最適設計問題における実験条件,

シミュレーション結果を示す。