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単一目的最適設計問題

5 シミュレーション結果

本章では,単一目的最適設計問題,及び多目的最適設計問題における実験条件,

シミュレーション結果を示す。

第5章 シミュレーション結果 40

値が45[N]程度であることを考慮し,よりモータ汎用最適設計システムの有用性を証明す

るため,吸引力における制約は45[N]として,シミュレーションを行った。

5.1.2 シミュレーション結果

図5.1には熟練者が設計した従来の形状を,図5.2にはモータ汎用最適設計システムによ り設計した形状を示す。熟練者が設計した最適な形状は,図5.1をみると,ステータ形状,

及びムーバ形状において単純な形状となっている。ステータ形状はムーバ形状からより磁 束を集めるために磁石に近い面の面積が多くなっている。モータ汎用最適設計システムに より設計を行った形状は,図5.2より,ステータ・ムーバ共に従来の熟練設計者により求め られた形状とは異なる形状が得られた。ステータ形状においては,従来のように,磁束を より集めるためにムーバに面する面積を多くした形状ではなく,両端が少し下がった形状 になった。また従来形状と比較して,よりムーバがステータ側の磁石と近づくために,ス テータの高さが低くなる結果となった。ムーバ形状においては,熟練者による形状は長方 形となっているのに対して,両端が上がり,かつ中心部分が上がっているという凹凸のある 形状となった。また,熟練者による形状と比較して磁石が少し大きくなった形を得られた。

図5.3に従来形状とモータ汎用最適設計システムを用いて設計した形状の推力特性比較 結果,図5.4に吸引力特性比較結果を示す。

図5.3より,モータ汎用最適設計システムにより設計した形状は,熟練者が設計した形状 の推力特性を始動位置付近において上回る結果を得られたことが確認できる。また,図5.4 より吸引力特性においても制約を考慮したことによりモータ汎用最適設計システムにより 得られた形状は,従来形状と同等まで抑える事ができた。また,推力と吸引力はともに約 2[N]変化しており,絶対値で判断すると変化がないように思われる。しかし,サーフェス モータ吸引力はベアリングを介して推力に影響を及ぼすことから,絶対値でなく変化の割 合が重要となる。そのため,今回の変化量においては推力に及ぼす影響は微量になり考慮 する必要がない。このことから,単一目的最適設計問題において,本研究で提案するモー タ汎用最適設計システムの有用性を確認できたと考えられる。

第5章 シミュレーション結果 41

図5.1: 熟練設計者の試行錯誤により得られた磁極形状

図5.2: 単一目的におけるモータ最適設計システムにより得られた磁極形状

第5章 シミュレーション結果 42

図5.3: 推力特性比較図

図5.4: 吸引力特性比較図

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