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地球規模課題に対応する 科学技術協力

ドキュメント内 JICA at a Glance (ページ 127-131)

1. 概要

開発途上国のニーズに基づき、共同研究及び能力開発に最適な 日本人研究員をJICAの技術協力専門家(個別案件)の枠組みによ り派遣する。

2. 目的

① 日本の研究機関等の研究者を開発途上国に派遣し、共同研究を 通してキャパシティ・ビルディングの支援

② 日本の研究機関等との交流基盤作り/活性化、研究計画作りの 支援等

3. 実施体制

 日本国内の研究者ネットワークを有する独立行政法人日本学術 振興会(JSPS)と連携し、専門家の人選は文部科学省/JSPSが行う。

4. 対象分野

 科学技術分野全般を対象とし、地球規模課題の解決に向けた取 り組みである限り、特に限定していない。

地球規模課題の解決に繋がる新たな知見の獲得及びその成果の 将来的な社会実装を目指し、国際共同研究を推進することにより、

開発途上国研究機関の人材育成と自立的研究開発能力を向上

地球規模課題に対応する 科学技術協力

 

活動 報告 事業 の目 的と 概況

協力 の形 態

運営

・管 理・ 評価

資料 編

協力の形態

農家への効果的な営農指導や農家組織強化方法の習得を目的とした「住民参加型水管理」コースがJICA東京にて実施され、佐賀県農業協同組合を視察した。(国別研修「イラン住民参加型水 管理」)

● 質の向上をめざして

 JICAの国内事業部と国内機関は、在外事務所、地 域部、課題部※など主に開発途上国で事業を実施して いる部門と密接に連携を取りながら、国内での本邦研 修、市民参加協力事業、留学生事業、大学との連携 事業などの事業を通じて、開発途上国における開発課 題解決への取り組みを支援しています。

 国内での主たる事業のひとつである本邦研修は、開 発途上国から行政官等の参加を得て国内のパートナー の協力を得て実施され、参加各国の開発課題の解決 のために必要な技術や知識を伝えています。

 本邦研修においては、限られた予算の中でより効果 的・効率的に取り組む必要があり、現在さまざまな取 り組みを行っているところです。例えば各研修が参加 国の重点開発課題に沿っているかを確認し、原則とし てこれに沿っている案件のみを実施するという絞り込 みを行っています。また、教育・農業といった課題毎に、

研修として取り上げるべき内容について他の協力形態 の動向も把握しながら検討を行い、最適な研修ライン アップを策定する取り組みも始まっています。

 また、最適な研修ラインアップの策定にあたっては、

各研修が、日本で実施することがふさわしいかとどう かという観点からの検討も必要です。その際には、そ れぞれの日本国内各地域の特性を把握している国内 機関の知見をもとに必要な研修を抽出することも始め ています。

 なお、研修の効果を上げるためには研修参加者が 帰国した後も、参加者とつながりを持つことが重要で す。この点をふまえて、主に研修参加者を対象とした フェイスブックページを立ち上げるなどネットワークの 強化も図っています。

● 研修効果の多面性

 参加国の開発課題解決に貢献することを目標として いる本邦研修ですが、そのほかにも多くの効果がある ことが確認されています。

 例えば、累計29万人を超える本邦研修参加者は日 本滞在中に多くの日本人に出会い、そして日本文化 に親しむことによって日本への理解を深め親近感を抱 いて帰国していきます。また、研修の視察プログラ ムなどを通じて国内各地域の受入先企業が途上国の 情報を入手し、海外展開につながる人脈を形成したり、

質の向上をめざして

本邦研修

研修を実施している大学の学生が研修員との交流を通 して国際感覚を涵養するなど、日本の地域活性化やグ ローバル人材育成に対してもプラスの効果を及ぼして います。

 このように本邦研修の成果には、開発途上国への貢 献だけでなく、知日家・親日家の育成、地域活性化へ の貢献、グローバル人材の育成などの要素もあること も認識しつつ、実施を進めています。

● 世界的にユニークな研修事業

 技術協力の具体的な実施方法は、それぞれの分野 の専門家やボランティア等を開発途上国に派遣して現 地で協力を行う方法と、開発途上国の関係者を日本に 招いて協力を行う方法に大きく分けられます。本邦研 修は、日本国内で技術協力を実施するさまざまな研修 形態の総称です。

 日本国内で実施する研修の意義は、各分野におけ る日本の知識や最先端技術そのものを伝えるというよ りはむしろ、開発途上国の発展に日本の経験を生かす ことにあります。そのためには日本がこれまで蓄積し てきた「知」に対する理解が重要となりますが、これに は組織のノウハウや社会制度の背景・変遷を含めて日 本で直接見聞きし経験することで初めて理解できると いうものが少なくありません。また、日本という異文 化に接し、自国の経験や実情を外国である日本から見 つめ直すことにより、自国の問題を異なる角度から検 討する機会を開発途上国の研修員に提供できることも、

本邦研修の特長です。

 なかでもさまざまな開発途上国から研修員が参加し て集団型で実施する「課題別研修」では、日本と自国の 視点だけでなく、他の研修員との意見交換から得られ

る別の視点も加わるため、より複眼的な気づきを促し、

参加者にきわめて重要な示唆や発見を与えるものとな ります。

 本邦研修はこうした日本ならではの「知」を用いて、

開発途上国の人材育成や課題解決に向けた取り組み を後押しする技術協力の重要なツールです。

 全国9カ所の国際センターと3カ所の支部を中心に、

毎年約1万人規模の研修員を受け入れています。その 大半は途上国政府の関係者ですが、開発途上国にお けるニーズの多様化や日本の協力内容の広がりなども 反映して、近年、NGO関係者などの参加も増えてき ています。研修の実施にあたっては、国や自治体のほ か、大学、民間企業、公益法人やNGOなどとも連携し、

国内各方面からの協力を得て開発途上国の課題解決 に対応する幅広い分野において研修を実施しています。

 JICAの本邦研修は規模と内容の多様性という点に おいて世界でもきわめてユニークな研修事業であり、

日本の国際協力の大きな特長のひとつとなっています。

※ JICAの組織のうち、経済基盤開発部、人間開発部、地球環境部、農村開発部、産業 開発・公共政策部の計5部の総称。

JICA中部では集積度の高い自動車産業の特色を生かし、ものづくりをテーマにした研修が実施された。(集団研修「日本のものづくりと途上国の製造業の比較分析」)

研修員が帰国後もJICAや研修関係者とネットワークを維持・強化することを目的に、

2013年3月に研修参加者対象のフェイスブックページが開設された。

 

活動 報告 事業 の目 的と 概況

協力 の形 態

運営

・管 理・ 評価

資料 編

協力の形態

開発途上地域の持続的な発展のために

 多くの開発途上地域では、電力・ガス、運輸、上下 水などの経済社会基盤の整備が不十分です。また近 年、貧困問題に加え、HIV/エイズなどの感染症、大 気や水の汚染、気候変動、紛争・テロ、金融危機など の地球的規模の問題が顕在化しています。このような 問題に対処するため、国際社会では「ミレニアム開発 目標(MDGs)」などの共通のゴールを設定し、各国が さまざまな施策を打ち出しています。

 有償資金協力は、開発途上地域に対して緩やかな 条件で比較的大きな開発資金を供与し、その成長・発 展への取り組みを支援するものです。

円借款

● 開発途上国のオーナーシップを重視した支援  開発途上国の経済成長や貧困削減のためには、自 らのオーナーシップ(主体性)が必要不可欠です。 円 借款は、資金の返済を求めることにより、開発途上 国に借入資金の効率的な利用と適切な事業実施を促 し、開発途上国のオーナーシップを後押しします。ま た、円借款は返済を前提とした資金援助であるため、

日本にとっても財政負担が小さく、持続性の高い支援 手段です。

● 円借款の流れ─プロジェクトサイクル─

 円借款は、図のとおり大きく6つのステップを踏ん で実施されます。最終段階である事後評価から得られ

る教訓は、新しいプロジェクトの準備に生かされます。

こうした一連の流れを「プロジェクトサイクル」と呼んで います。

● 円借款の種類 1. プロジェクト型借款

①プロジェクト借款

 道路、発電所、灌漑や上下水道施設の建設など、

あらかじめ特定されたプロジェクトに必要な設備、資 機材、サービスの調達や、土木工事などの実施に必 要な資金を融資するもので、円借款の主要な部分を 占めます。

② エンジニアリング・サービス(Engineering Service: 

E/S)借款

 プロジェクトの実施に必要な調査・設計段階で必要 とされるエンジニアリング・サービス(現場詳細デー タの収集、詳細設計、入札書類作成など)を本体業務 に先行して融資するものです。プロジェクト借款と同 じく、フィージビリティ調査(F/S)などが終了し、事業 全体の必要性・妥当性が確認されていることが前提と なっています。

③開発金融借款

 借入国の政策金融制度の下、開発銀行などの相手 国の金融機関を通じて、中小規模の製造業や農業な どの特定部門の振興や貧困層の生活基盤整備といっ た一定の政策実施のために必要な資金を供与するも のです。最終受益者に資金が渡るまでに2つ以上の金 融機関を経由する手順となるので、ツーステップロー ン(Two Step Loan: TSL)とも呼ばれます。この借款 では、民間の多数の最終受益者に資金を供与できると ともに、金融機関を仲介することによって、その金融 機関の能力強化や金融セクター開発を支援することが できます。

④セクターローン

 複数のサブプロジェクトで構成される特定セクター の開発計画実施のために必要な資機材、役務および コンサルティング・サービスの費用を融資します。対 象セクターの政策、制度改善にもつなげます。

2. ノンプロジェクト型借款

①開発政策借款  プロジェクトサイクル

プロジェクト 準備

1

要請

2

プロジェクトの 実施

5

交換公文と 借款契約

4

検討/審査・

事業事前評価  

3

完成/事後評価・

フォローアップ  

6

─ 緩やかな条件の開発資金を供与し、

開発途上地域のオーナーシップを支援

有償資金協力

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